京都府京都市の四条通にある京都地場百貨店「藤井大丸(フジイダイマル)」が2026年5月6日をもって閉店する。
江戸時代末期に創業した藤井大丸
藤井大丸は1870年に現在の滋賀県大津市で呉服行商として創業、1891年1月に現在の京都府京都市に常設店舗「藤井大丸呉服店」を開業、1912年にレンガ造地上3階建の“本店”を現在地に開業し、1935年4月に百貨店業態となった。その後、1969年までに段階的な増築工事を実施、地上8階地下2階建で店舗面積15,237㎡という現在の建物となった。

藤井大丸は1969年の増築工事完了で現在の建物となった。
90年代にファッション館に転身、業界初の取組みも
藤井大丸は近隣に同業百貨店「高島屋京都店」「大丸京都店」が立ち並ぶ四条通において、1972年にハンバーガーショップ「マクドナルド」関西1号店を導入するなど、若年層を意識したトレンド重視の館づくりを早期より打ち出していた。
一方、1990年9月のJR京都伊勢丹進出正式決定を皮切りに既存同業が相次ぎ増床リニューアルを実施、平成不況や阪神淡路大震災もあり業績改善が喫緊の課題となった。
同社は競合対策として1994年9月より段階的な全館リニューアルを開始し、1996年9月に百貨店業界初となる有力セレクトショップブランドを相次ぎ導入、2000年5月には従来のデパ地下フロアを明治屋産業系高級食品スーパー「代官山タベルト」に転換するなど従来型百貨店からの脱却に向けた取組みを推進。北海道札幌市の旧丸井今井系百貨店「丸ヨ池内(IKEUCHI)」同様に高感度ファッションに強みをもつ百貨店として業界内で知名度を全国区に高めた。

明治屋産業の高級食品スーパー「タベルト」。
1号店は福岡県太宰府市のニコニコドー、旗艦店は代官山だった。
1969年の増築工事から半世紀超える現店舗、建替全面刷新
藤井大丸は2025年11月現時点においても「SHIPS」「UNITED ARROWS」「URBAN RESEARCH DOORS」「ADAM ET ROPE’」「B shop」「COMME des GARÇONS」「gelato pique」「MAISON KITSUNÉ」「Mila Owen」「SNIDEL」「UNITED TOKYO」といった有力ファッションブランドに加え、明治屋産業系高級食品スーパー「タベルト」やスポーツブランド「adidas」「DESCENTE」「snowpeak」「THE NORTH FACE」、インテリア雑貨店「Francfranc」、ハンドメイドフレッシュネスカフェ「HARBS」を導入するなど、地元京都屈指のファッション館として、トレンドに敏感な若年層や訪日外国人観光客によるインバウンド需要の取込みに成功している。
一方、現店舗開業から半世紀超が経過するなど、近隣同業と比較しても老朽化が著しく、2026年5月6日をもって本館を一時閉店することとなった。

SHIPS藤井大丸WOMEN’S。
2030年に新店舗、周辺エリアを活用した街づくりも
藤井大丸は2026年5月の現店舗閉店と2030年の新店舗開業にあわせ「京都の皆様と京都を訪れる国内外の皆様が共に過ごせる価値ある四条界隈エリアとなるよう“周辺エリアを活用した街づくり”」を進める方針を示している。現店舗閉店発表時点において、新店舗の概要や同社による地域活性化に向けた取組みの詳細は明らかになっていないが、有力ファッションブランド各社との結び付きを活かした街づくりの展開に期待したい。
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ウジエスーパー広瀬橋店、2025年11月28日開店-仙台市地下鉄長町一丁目駅前「フレッシュフードモリヤ長町店」跡に
宮城県仙台市太白区の仙台市地下鉄南北線長町一丁目駅至近距離にあったクスリのアオキHD系食品スーパー「フレッシュフードモリヤ長町店」跡に、宮城地場大手系食品スーパー「ウジエスーパー広瀬橋店」が2025年11月28日に開店した。
クスリのアオキになれなかったモリヤ
フレッシュフードモリヤ長町店は2006年10月に開店。店舗面積は495㎡。
モリヤ長町店は同社が宮城県内の複合施設低層階や下駄履きマンションに積極展開していた都市型食品スーパー型店舗であったが、2010年7月にモリヤが民事再生法適用を申請したため、2011年7月に伏見屋HD系新設子会社である仙台物産運営となった。
その後、2015年4月に伏見屋HD系地域子会社再編にともないサンマリ運営に移行したが、2024年12月にクスリのアオキHDが伏見屋系4社と事業譲渡契約を締結したため、2025年2月24日をもってモリヤとしての営業に幕をおろすこととなった。
旧モリヤ店舗は事業譲渡契約当初、クスリのアオキHD系業態「クスリのアオキ」「スーパーのアオキ」への転換や伏見屋系屋号での暫定営業再開に向けた具体的な動きがみられたが、多くの店舗が結果的に出店凍結に陥っており、県内各地で買物難民が生じる結果となった。
ウジエスーパー、手薄な仙台市内の駅前立地に新店舗
ウジエスーパーは1947年12月に宮城県登米郡迫町佐沼(現登米市)で創業、1982年3月に現法人を設立した。同社は1997年度より仙台市での店舗展開を開始、2025年2月期には売上高407億円を記録するなど地場大手としての地位を築いている。
同社は2019年6月の「ウジエスーパー吉岡店」(宮城県黒川郡大和町)以来長らく新店開店を行っていなかったが、2025年5月に久保田HD系複合商業施設「オルフィーカ美田園」の核として約6年ぶりの新店「ウジエスーパー美田園店」を開店したばかりであった。
ウジエスーパー広瀬橋店は同社が従来手薄だった仙台市内の駅前立地という都市型食品スーパー型店舗であり、仙台市街地多店舗化の足がかりとなりえそうだ。なお、同店では開店当日28日から30日まで「ウジエオリジナル保冷バッグ」(各日先着300名)配布や生鮮惣菜の割引セールといった特別企画を実施する。

ウジエスーパー広瀬橋店(同社公式より)。
ウジエスーパー広瀬橋店
住所:宮城県仙台市太白区長町1-7-38
営業時間:午前10時~午後10時
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キャトル宮古、2025年11月より解体-旧玉木屋・サンホーユー・ニチイ・サティ跡、宮古市が取得で
岩手県宮古市の宮古駅前にあり2021年12月に閉店したショッピングセンター「キャトル宮古」の解体が、宮古市の手により2025年11月に開始される。

キャトル宮古。
コロナクラスターで破産、41年の歴史に幕下ろしていた
キャトル宮古は1980年に大手スーパー「ニチイ」(のちマイカル)と地場企業の提携により「宮古ファミリーデパート玉木屋」として開店。店舗面積は5,999㎡。ニチイ系のまま「サンホーユー宮古店」「ニチイ宮古店」「宮古サティ」などの屋号を経て、マイカルの経営破綻により2002年に閉店した。
その後、2003年12月に地元資本により「キャトル宮古」として営業を再開。核店舗は近隣から移転したスーパー「宮ビル」で、「ハニーズ」「サーティーワンアイスクリーム」など多くのテナントが出店していた。
しかし、2021年8月にテナントの健康器具販売店で新型コロナウイルスのクラスター感染が発生。同テナントで17人以上が感染したため全館一時営業を休止し、その後も客足が遠のいていたとみられ、同年9月に「宮ビル」が倒産。

キャトル宮古の食品売場「宮ビル」。
それと前後して100円ショップ「ラ・エン」、レストラン「フードオアシス満彩」など複数の店舗が閉店し、2021年12月10日に休業(事実上の閉館)。その後、破産を申請していた。
宮古市が取得・解体、駅前再整備へ
キャトル宮古は閉館後に宮古市が土地と建物を取得。建物は耐震性にも問題があるといい、閉店から約4年を経て2025年11月より解体が開始される。
解体は約1年間の予定。キャトル跡地の具体的な活用方法は未定であるものの、宮古市はキャトル周辺の土地も取得。山形市の事例などを参考にしてワークショップを開催、活用策について「市民の意見も伺いながら検討をすすめる」としており、近い将来に駅前を再整備する考えだ。
(撮影:アイビスさん)
ジョイント久留米中央店、2025年11月30日閉店-西鉄久留米駅前広又通り「坂本産業サカモトリビング」跡地の食品スーパー、不採算事業整理の一環で
福岡県久留米市の西鉄天神大牟田線西鉄久留米駅近くにある九州地場大手精肉「小林食品」系食品スーパー「ジョイント久留米中央店」が2025年11月30日をもって閉店する。
久留米を足がかりに食品スーパー展開図った小林食品
小林食品は1974年10月に創業。同社は創業以来長らく食肉加工販売を主力事業としていたが、1990年代後半の地場大手ディスカウント「オサダグループ(ハイパーセンター/ニュートン)」精肉テナント出店を皮切りに業容を拡大、福岡県久留米市に直営食品スーパー「ジョイント久留米店」「ジョイント津福店(現ドラッグストアモリ津福店)」を開店するなど、最盛期には福岡県内に10店舗ほどを展開した。
一方、2010年代以降の店舗数は一貫して減少傾向にあり、2025年5月に鹿児島地場大手精肉「カミチクグループ」傘下となり、一層の不採算事業整理を進めていた。
地場建材メーカー社有地に開店した「ジョイント」
ジョイント久留米中央店は2004年に開店。建物は平屋建で店舗面積は1,000㎡未満。
ジョイント久留米中央店は福岡県久留米市に本社を置く建材設備メーカー「坂本産業」グループ事務所と同社家具インテリア雑貨店「サカモトリビング久留米」跡地に新築したもので、店舗正面及び屋上部は2025年11月現在も坂本産業系駐車場「広又パークサカモト」となっている。専門店としては開店以来長らく、地場老舗製パン「久留米キムラヤ(木村屋系サンルイ運営)」を導入していたが、2017年1月31日のキムラヤ廃業にともない同店内のインストアベーカリー「キムラヤジョイント中央店」も閉店していた。

ジョイント久留米中央店の青果フロア。
西鉄久留米駅周辺での競争激化も閉店の一因か
ジョイント久留米中央店は、運営母体が得意とする生鮮食品(精肉)と上質商品の取扱いに強みがあったが、2021年11月にフラッグクルメの旧岩田屋新館1階跡に「フードウェイ西鉄久留米駅前店」が開店、2024年3月にはレイリア久留米の西鉄ストアが「レガネット久留米タミー店」に業態転換するなど、強みとする領域で競争激化が進んでいた。同店の閉店は2025年5月の親会社変更に加え、駅周辺での競争激化も閉店の背景とみられる。

ジョイント久留米中央店。
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静岡パルコ、2027年1月31日閉店-田丸屋ビル「旧西武百貨店静岡店」から半世紀超の歴史に幕、賃貸借契約期間満了にあわせて
静岡県静岡市葵区紺屋町のJフロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店)系都市型商業施設「静岡パルコ(静岡PARCO)」が2027年1月をもって閉店する。
西武の静岡旗艦店、2007年春からパルコに
静岡パルコの前身となる西武セゾングループ系百貨店「西武百貨店静岡店(静岡西武)」は1970年6月に開店。本館建物「田丸屋ビル(届出上店舗面積22,036㎡)」は静岡名物わさび漬け製造業者が所有するもので、西武時代の営業フロアは地上8階~地下1階で売場面積は18,885㎡。
西武百貨店静岡店は西武セゾングループの静岡県内における旗艦店として、1980年3月に静岡店別館を開業するなど段階的に営業規模を拡大、1992年2月期(最盛期)には売上高302億円を記録した。
その後も1998年7月には別館に系列生活提案型専門店「無印良品静岡西武」を導入、同年9月までに取扱品目を食品/婦人服/婦人服飾雑貨に特化する投資額34億規模の全館リニューアルを実施したが、2005年2月期には売上高116億円に減少するなど業績が低迷、同年12月20日の取締役会で2006年3月31日付での閉店が決定した。
西武百貨店静岡店閉店発表以来、中心市街地空洞化や跡地活用を危惧する声が聞かれたが、創業以来長らく資本業務提携関係にあったファッションビル運営会社「パルコ」(当時は森トラスト/クレディセゾン系)が閉店直前に後継店を2007年春を目処に開店する方針を発表。旧西武セゾングループ系百貨店から同社系ファッションビルに事実上業態転換というかたちで早期の営業再開が実現することとなった。
近年は競争激化、大型専門店導入するも業績低迷
静岡パルコは2007年3月に開店。営業フロアは地上8階~地下1階で届出上の店舗面積は31,000㎡。
静岡パルコは開店当初、西武百貨店子会社(当時)の大型生活雑貨店「静岡パルコロフト」をはじめ、静岡県内初のブランドを含む151店舗を導入。地階にはデパ地下の後継となる食物販フロア「DELI CHIKA(デリチカ)」、3階には婦人服/服飾雑貨フロア「美ゅーてぃ小町」を展開するなど、前身百貨店時代の強みを活かしつつトレンドに敏感な若年層の新規獲得を実現した。

静岡パルコ。
静岡パルコは2010年度に売上高(テナント取扱高)約109億9300万円を記録するなど、静岡を代表するファッションビルとして確固たる地位を築いたが、2011年10月に新静岡セノバが開業するなど地域内競争が激化。同館は対策として大創産業系100円ショップ「ダイソー」やニトリ系インテリア雑貨店「デコホーム」、登山アウトドア用品店「好日山荘」、アニメショップ「アニメイト」ペットショップ「ワンラブ」といった大型専門店を導入することで都市型商業施設として生き残りを図ったが、2024年度の売上高(テナント取扱高)は81億9300万円と低迷傾向にあった。

ガンプラエキスポin静岡。
建物賃貸借契約満了にあわせ閉店
静岡パルコの閉店は、2025年11月28日のパルコ親会社「Jフロントリテイリング」取締役会で正式決定したもの。同社は「今後の商業環境の変化を中長期視点にて慎重に検討した結果、建物賃貸借契約の満了時期を踏まえ、2027年1月末をもって営業を終了することを決定」したとしており、西武百貨店静岡店時代から半世紀超の歴史に幕をおろすこととなった。
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ヨークベニマル岩沼店、2025年11月28日開店-ブルームワールド岩沼の核担う総合スーパー、約1年半ぶり建替復活
宮城県岩沼市の国道4号線岩沼バイパス沿いにある複合商業施設「ブルームワールド岩沼」にセブン&アイHD/ヨークHD系大型総合スーパー「ヨークベニマル岩沼店」が2025年11月28日午前9時に開店した。
岩沼市最大、店舗面積「1.5万㎡」誇るオープンモール
ブルームワールド岩沼は、1994年2月に岩沼市最大の商業施設として開業。建替前店舗面積は16.266㎡で地元不動産会社であるユー企画が所有する。
ブルームワールド岩沼の核店舗「ヨークベニマル岩沼店」(建替前店舗面積6,010㎡)は開店以来、衣食住をフルラインで揃える大型総合スーパーとして営業を続けていたが、2024年5月に「店舗の老朽化」「お客様にご満足いただける品揃えができない状況」を理由に挙げ、同年6月をもって「立地はそのままで新しく建て直す」方針を発表し一時閉店していた。
ヨークベニマル、建替後も総合スーパーに
ヨークベニマル岩沼店新店舗の建物は鉄骨造平屋建で売場面積は2,986㎡。同店開店により同社店舗は249店舗体制となる。
建替前と同じく総合スーパー業態の店舗として、青果では岩沼市近郊の地元野菜、鮮魚では宮城県内水揚げ品、精肉では黒毛和牛「仙台BEEF」や地元で親しまれているという豚内臓肉、惣菜では店内炊飯・自社工場製弁当や洋風惣菜を展開。
衣料に関してもファッションコスメ「twinkle palette」やカジュアルソックス&ルームウェア「kawa-rela」、キッズブランド「F.O.KIDS」を新設することで「子育て世代からシニア層まで、幅広い年代に対応した日常着や服飾雑貨、寝装関連商品をトータルでご提案」するとしている。

ヨークベニマル岩沼店。
ベニマル新装開店にあわせて「ダイソー」「ツルハ」も
ブルームワールド岩沼敷地内ではヨークベニマル新店舗開店にあわせ、従来の大型家具インテリア雑貨店「ニトリ」やアイリスオーヤマ系ホームセンター「ダイシン」に加え、大創産業系100円ショップ「ダイソー」とイオン系ドラッグストア「ツルハドラッグ」が開店する。
ヨークベニマル岩沼店
住所:宮城県岩沼市藤浪二丁目4番10号
営業時間:午前9時30分~午後9時30分
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ジョイント太宰府店、2025年11月30日閉店-西鉄五条駅周辺で相次ぐ大型スーパー撤退、スーパー大栄から21年の歴史に幕
福岡県太宰府市の西鉄太宰府線五条駅近くにある九州地場大手精肉「小林食品」系食品スーパー「ジョイント太宰府店」が2025年11月30日をもって閉店する。
不採算事業整理進めていた地場精肉大手
小林食品は1974年10月に創業。同社は創業以来長らく食肉加工販売を主力事業としていたが、1990年代後半の地場大手ディスカウント「オサダグループ(ハイパーセンター/ニュートン)」精肉テナント出店を皮切りに業容を拡大、直営食品スーパー「ジョイント」を立ち上げ最盛期には福岡県内に10店舗ほどを展開した。
ジョイントは小林食品の祖業である精肉部門や上質商品/輸入食品の取扱いに強みがあったもの、2018年3月に大野城店(トライアルQuick1号店/GO大野城店経て現在は空き店舗)を閉店、2020年8月に志免店(現Seria志免田富店)を閉店、2023年6月に志免日枝店(現トライアルGO志免南里店)を閉店するなど直近10年間の店舗数は減少傾向にあった。その後、2025年5月に鹿児島地場大手精肉「カミチクグループ」傘下となり、一層の不採算事業整理を進めていた。
スーパー大栄、ダイソー時代から21年の歴史に幕
ジョイント太宰府店の建物は関門地場大手食品スーパー「スーパー大栄五条店」として1994年7月に開店。建物は平屋建で店舗面積は499㎡。
スーパー大栄五条店は、福岡都市圏の同社店舗空白地解消を目的とした筑紫地区初の店舗であったが、翌年1995年以降総合スーパー「D&D」主体の店舗展開に移行する方針を打ち出したこともあり、狭小店である同店は2002年をもって閉店した。その後、大創産業系100円ショップ「ダイソー太宰府五条店」(店舗面積約859㎡)が同年中に開店。スーパー大栄同様、開店当初は太宰府市内初かつ筑紫地区最大級の店舗面積を誇る店舗であったが、2007年に地域旗艦店となる福岡水城店(大創産業九州営業所併設)を開店したこともあり2008年に現在のジョイント太宰府店となった。

ジョイント太宰府店。
西鉄五条駅前、大型スーパーはレガネット1店舗のみに
西鉄五条駅前は1980年の大型総合スーパー「ジャスコ太宰府店」「寿屋太宰府店」開店を機に太宰府市有数の商業集積地として発展したもの、1990年代初頭からニコニコドー旗艦店「太宰府ビッグウェイシティモール」をはじめとするロードサイド型店舗が市内西部に相次ぎ進出したこともあり、1995年7月にジャスコが撤退。2002年1月には寿屋が小売業廃業にともない閉店するなど地盤沈下が進んでいた。

太宰府市いきいき情報センター(旧ジャスコ太宰府店)。
太宰府市は1998年7月にジャスコ跡を取得及び改修したうえで新たな複合商業施設「太宰府市いきいき情報センター」を開業。いきいき情報センターの商業核として三井松島産業系総合スーパー「パインバリュー太宰府店(後のマミーズ太宰府店)」を導入するなど商業集積の再生を試みた。しかし、2018年11月にはマミーズが大黒天物産傘下の新会社に運営移行したこともあり同月末をもって同施設1階の商業フロアが完全閉店、2021年度から約2年間にわたり地元農協「JA筑紫/筑紫農業協同組合」が賃貸借契約を結び仮店舗として暫定活用したもの、2025年11月現在は再び未活用状態にある。
最盛期には五条駅周辺には大型スーパー3店舗が営業していたが、2025年12月以降は寿屋跡の電鉄系総合スーパー「西鉄ストアレガネット太宰府」1店舗のみとなる。

西鉄ストアレガネット太宰府。
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べっぷ駅市場、2025年10月より1期リニューアル開業ー半世紀の歴史ある高架下商店街、今後は別府駅側に増床延伸も
大分県別府市のJR別府駅高架下にある商店街「べっぷ駅市場」が、2025年10月より建て替えにより順次リニューアルオープンしている。
約半世紀の歴史ある昔ながらの高架下商店街
「べっぷ駅市場」は1967年の国鉄別府駅高架化に合わせて「南高架商店街」として1期開業。1970年までに全街区が完成した。
1988年には「べっぷ駅市場」と改名されたが、21世紀になるまで昭和のままの高架下商店街として営業を続けていた。

建て替え前の「べっぷ駅市場」。
しかし、隣接する2012年のダイエ―別府店閉店と2013年のマルミヤストア別府駅店出店に合わせて駐車場が増設されたことに伴い別府駅と分断。回遊性が下がったうえにコロナ禍を経て空き店舗が増加していた。
そのため、JR九州ビルマネジメントが「べっぷの顔に出会える生活商店街」をコンセプトとして、オフィスや住宅などのリノベーションを得意とする東京の設計事務所「ブルースタジオ」と協力してリニューアル計画を進めていた。
高架下のべっぷ駅市場、全面建て替えすすむ
「べっぷ駅市場」のうち、2025年10月にリニューアルしたのは別府駅寄りにある「駅市場第一通り」と呼ばれた街区、距離にして約80メートルほど。

「べっぷ駅市場(本通り)」駅側入口。
駅側の入口にはネオンサインを模した赤い看板が登場。市場内は内外装とも新築されたものの、かつてと同じ「商店街らしい(駅ビル風ではない)狭い街路の両端に店舗が並ぶ形態」となっている。

建て替えされたべっぷ駅市場の館内。
11月時点でこの駅市場の高架下部分には期間限定店舗を含めて11店が出店。そのうち「野田商店」「丸栄鮮魚店」「松田生花店」「安部かき店」「高橋商店」「味一匠」「くらうん薬局」の7店はリニューアル前からある店舗。(このほか以前からある「ヒラオペット」が2期開業時に再入居予定)
また、「ぶたまんの幸崎」など新規出店した店についてもいずれも大分県内を拠点とする店舗ばかりとなっている。
このほか、イートインやトイレも全面刷新。期間限定店舗が出店するシェアキッチンやイベントスペースなども設けられ、営業時間も延長された。(営業時間は店舗による)
建て替え中の街区は2026年夏ごろに全面完成する予定となっている。
「駅市場新通り」として駅側に延伸へ
今回の「べっぷ駅市場」の建て替えに合わせて、かつてダイエー別府店の売場だった平面駐車場側まで駅市場を増床・延伸。
べっぷ駅市場を「べっぷ駅市場・本通り」、そして増築された部分を「べっぷ駅市場・新通り」称して、新たな店舗を誘致する。
新通りには1期開業時は新規出店したカフェ「10COFFEE BREWERS」など一部のみが営業しており、またキッチンカーなどが出店するスペースも設けられている。キッチンカースペースには、建て替え前に出店していた「オニパン」がほぼ毎日出店する。

べっぷ駅市場・新通り。
今後「べっぷ駅市場・新通り」は、駅ビル駐車場の1階を利用(店舗化)するなどして別府駅前のバス乗り場付近まで延伸。回遊性の向上をめざす。
2026年夏の全面完成を目標に工事が進められている。

べっぷ駅市場・1期開業時の街区図。
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南銀座 池田、2025年11月30日閉店-鶴岡銀座と歩んだ呉服系デパート、173年の歴史に幕
山形県鶴岡市本町の南銀座通り商店街にある衣料品デパート「南銀座 池田」が2025年11月30日に閉店する。
鶴岡中心部の繁栄と共に歩んだ呉服系ミニデパート
南銀座 池田は1852年に創業。当初は古着や反物を扱い、その後池田呉服店に名称を改めた。
1970年には2階建ての店舗を新築、1976年に現在の3階建ての売場になりデパート化したとみられる。(日本百貨店協会には非加盟)
南銀座 池田が高層化したころ南銀座通りは買い物客の増加などもあり交通量が大きく増え、それに伴い一方通行となった。

南銀座 池田。
館内では婦人服を中心に紳士服、呉服、アクセサリー、寝具、家具、贈答品、結納品などを販売。デパート友の会制度や自社工場を導入、さらに館内には飲食店街が出店するなど、食品を扱わないながらミニデパート風の店舗となった。
2025年現在の売場は1階から3階までで、店舗面積は3,748㎡。館内にはテナントとして「お食事処 蝶や」「和雑貨 和楽」「ベリーダンススクール」などが入居している。
高齢化も影響-173年の歴史に幕
南銀座 池田の閉店は店頭やチラシで告知されたもの。
また、複数の地元メディアによると閉店は着物需要の低下や地域の高齢化も大きいという。
南銀座通りでは通行量が減少したことに伴い、2022年に一方通行が解除されている。

鶴岡市南銀座通り商店街。
南銀座 池田では2025年8月末に友の会を解散。閉店する11月末まで閉店セールを行う(当初計画より延長)としている。
鶴岡市の山王通り~銀座界隈は江戸時代からの中心商業地であり、現在も荘内銀行本店や鶴岡市文化会館があるなど市内経済・文化の中心であったころの面影はあるものの「南銀座 池田」の閉店により大型店は消滅する。
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西友浜北店、2026年1月31日閉店-サンストリート浜北の核店舗、トライアル系のスーパーが出店へ
静岡店浜松市浜名区(旧浜北市)の国道152号線沿いにあるトライアルHD系の総合スーパー「西友浜北店」が、2026年1月31日に閉店する。
サンストリート浜北の西友閉店-バローも閉店したばかり
西友浜北店は、双日グループのショッピングセンター「サンストリート浜北」の核店舗として2007年7月に開店。
西友の店舗面積は14,661㎡(バロー含む)で、当時西友の親会社であったウォルマート式のスーパーセンターであった。

西友浜北店。(サンストリート浜北の公式サイトより)
なお、サンストリート浜北は2017年4月にリニューアル。西友も改装するとともに準核店舗として「ホームセンターバロー浜松浜北店」が出店したが、同店は2025年11月に閉店していた。
改築してトライアル系の店舗が出店へ
西友浜北店は、閉店後に西友の親会社であるトライアルHDが改装をおこない、2026年春にトライアルグループの店舗が出店するとしている。
そのため、バローとなっていた部分も含めて、西友と同様に24時間営業のスーパーマーケットとして復活することになるものと思われる。
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