山形屋、2024年8月に持株会社化-山形屋HDを中核にグループ再編、百貨店1県1社体制で経営再建本格化

鹿児島県鹿児島市の地場老舗百貨店グループ「山形屋」(ヤマカタヤ)が、事業再生ADR手続による私的整理の一環として、2024年8月1日に持株会社化した。

経営再建進めていた南九州の老舗百貨店グループ

山形屋は1751年に現在の鹿児島県鹿児島市で呉服店として創業。1917年6月に法人化した。
山形屋本店は1954年7月にはバスセンターを開設、1998年には設立80周年記念事業として1号館(本館)外壁をルネッサンス様式に復元、2009年5月の鹿児島三越閉店後は県内唯一の百貨店グループとなるなど、天文館のシンボル的役割を果たしている。

山形屋(鹿児島市)。

一方、同社は大型商業施設進出による競争激化や店舗老朽化にともなう設備投資(耐震工事・フロアリモデル)に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が重なるなど経営状態が悪化。2023年12月28日に鹿児島銀行(メインバンク)を始めとする取引金融機関各社との調整のもと、事業再生ADR手続による私的整理を開始していた。

グループ24社を統廃合、百貨店は1県1社体制に

山形屋の持株会社化は、2024年5月28日開催の債権者会議により、全ての取引金融機関から「事業再生計画案」の同意を得たことで正式決定。同年6月24日に「山形屋ホールディングス」を新規設立し、同年8月1日を目処にグループ24社を15社に統廃合する準備を進めていた。

宮崎山形屋は県内系列百貨店や食堂事業を吸収合併した。

新体制移行にあわせて、山形屋が鹿児島県内の系列百貨店「川内山形屋」「国分山形屋」や系列不動産会社「金生産業」「山形屋パーキング」などを吸収合併、宮崎山形屋が宮崎県内の系列百貨店「日南山形屋」や関連会社「宮崎山形屋食堂」を吸収合併、山形屋商事が地場商品企画開発会社「山形屋産業開発」を吸収合併するなど、グループ企業の集約が実現した。

日南山形屋は新体制移行で宮崎山形屋の支店扱いとなる。

山形屋各店ではリニューアルに向けた動きも

山形屋グループ各社(百貨店5店舗・山形屋ストア)は持株会社化後も従来通りのかたちで営業を継続、商品券(全国百貨店共通商品券・友の会券など)も引続き利用可能、従業員の雇用も原則維持となる。
一方、2024年9月をもってグループの文具雑貨店「What(ホワット)」が閉店の意向を示しており、経営再建に向けた取組みはまだまだ続きそうだ。

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