鹿児島県鹿児島市の地場老舗百貨店グループ「山形屋」(ヤマカタヤ)が、経営再建の一環として進めていた「事業再生ADR手続による私的整理」が2024年5月28日に成立した。
鹿児島天文館のシンボル的役割担う老舗百貨店
山形屋は1751年に現在の鹿児島県鹿児島市で呉服店として創業。1917年6月に法人化した。
山形屋本店は1954年7月にはバスセンターを開設、1998年には設立80周年記念事業として1号館(本館)外壁をルネッサンス様式に復元するなど、鹿児島を代表する百貨店として、天文館のシンボル的役割を果たしている。
山形屋(鹿児島市)。
鹿銀主導で事業再生計画策定進めていた
山形屋は2009年5月の鹿児島三越閉店により、県内唯一の百貨店となったが、大型商業施設進出による競争激化や店舗老朽化にともなう設備投資(耐震工事・フロアリモデル)に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が重なるなど経営状態が悪化していた。
国分山形屋は2006年に新装開業、専門店導入も積極的だ。
そのため、山形屋は2023年12月28日に事業再生ADR手続による私的整理を開始したことを2024年5月10日に発表。鹿児島銀行(メインバンク)を始めとする取引金融機関各社との調整のもと、法的整理(民事再生・会社更生)に依らない、同店顧客や取引先に影響を及ぼさないかたちでの事業再生計画案の策定に取組んでいた。
宮崎山形屋は2006年以降、新館や立体駐車場を相次ぎ開業した。
山形屋をめぐっては、事業再生ADR手続きの発表以来、同社グループを応援する投稿が県内外から多数みられるなど反響が大きく、自治体からも同社支援に向けた動きがみられていた。
事業再生計画成立、経営効率化で立て直しめざす
山形屋は2024年5月28日開催の債権者会議により、全ての取引金融機関から同意を得たことで、事業再生計画案が成立することとなった。
これにより、グループ各社(百貨店5店舗・山形屋ストア)は従来通り営業を継続、商品券(全国百貨店共通商品券・友の会券など)も引続き利用可能、従業員の雇用も維持となる。
川内山形屋は2018年に耐震工事を完了し全面改装していた。
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