岡山駅前の商店街が、計画中である路面電車のJR岡山駅乗り入れをやめるよう、岡山市に要望したことが分かった。
岡山駅前電停。
「便利になる」ことになぜ反対?
岡山市の路面電車はJR岡山駅から約180m先の桃太郎大通り上にある岡山駅前電停を起点にしており、乗り換えが不便であった。そこで、岡山市と、路面電車を運行する岡山電気軌道は、線路を延伸してJR岡山駅の駅前広場に乗り入れる計画を行っている。
この計画に対して、駅前電停前の岡山駅前商店街は、駅前広場で直接電車に乗れるようになると商店街への動線が失われ、商店街の客足が減少するとして反対を表明した。
岡山駅前商店街。
他の商店街は延伸を歓迎
路面電車と駅の接続案については、当初は高架案、地下化案などもあったが、 現在は平面延伸乗り入れか、歩道橋での接続の2案に絞られている。
一方で、平面延伸の場合、岡山駅前交差点において渋滞の発生が予想されることや、南方面(イオンモール・イトーヨーカドー方面)への延伸が難しくなるなどといった問題点も指摘されていた。
岡山市中心部の他商店街は、概ね延伸に賛成の姿勢を示している。
岡電のJR岡山駅乗り入れイメージ(岡山市ウェブサイトより引用)
私鉄の延伸によるJR駅乗り入れは、豊橋市、高岡市、富山市、広島市、高知市(いずれも路面電車)などで実現しているが、このような商店街への動線が失われるとの理由での延伸反対運動は、過去には1998年の北九州モノレールのJR小倉駅乗り入れ、2016年に予定されている福井鉄道のJR福井駅乗り入れなどでも行われた。
上記の2例では、いずれも延伸が実現している。
外部リンク:路面電車岡山駅前広場乗り入れ検討(岡山市)
外部リンク:岡山電気軌道