JR北海道が、新たに赤字3路線の廃止協議に入ることを決めたことが分かった。
廃止方針区間の主力車両であるキハ40形。
廃止方針の路線、いずれも輸送密度200人以下
今回、沿線自治体などとの廃止協議に入る方針が発表されたのは、札沼線(学園都市線)の北海道医療大学-新十津川間、根室本線の富良野-新得間、留萌本線の深川-留萌間。
3区間はいずれも1日の輸送密度が200人/kmを下回り、大きな赤字を出していたほか、根室本線の同区間に関しては、2016年夏の台風被害により一部が不通となっている。
また、留萌本線ではほぼ平行するかたちで深川留萌自動車道の建設が進んでいる。
10路線についても地元の支援求めるー道内路線の大部分
さらに、JR北海道では1日の輸送密度が2000人/kmを下回る宗谷本線の北部(稚内-名寄)、根室本線の末端部(花咲線)、釧網本線など10路線についても「単独では存続することが困難」として、地元自治体などに対して費用負担を求めていきたいとしている。
今後廃止される可能性の高い3路線、今後廃止協議に入る3路線、単独では存続が困難とされる10路線を合わせると、JR北海道の全路線の半分以上にも達する。
規模縮小続くJR北海道、公共交通維持には公的支援必須に
JR北海道では、これ以外にも1994年5月に上砂川支線を、1995年9月に深名線を、2014年5月に江差線を廃止(一部は並行在来線として2016年3月に廃止)。急速な合理化を推し進めているものの、近年も毎年約300~400億円前後の赤字を出しており、北海道新幹線の新函館北斗開業に伴う2016年3月25日のダイヤ改正においても、合理化のために普通列車79本を減便、8駅を廃止、無人駅も大幅に増やしていた。
2016年12月に廃止される留萌本線末端部(増毛駅)。
今後、JR北海道は2016年12月に留萌本線のうち増毛-留萌間を廃止することを決めている。
また、石勝線夕張支線は地元自治体(夕張市)が廃止を容認する動きを見せているほか、日高本線のうち鵡川-様似間も地元自治体との廃止協議中であるという報道がなされている。
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