JR留萌本線の留萌駅(留萌市)-増毛駅(増毛町)間が、12月4日の運行を以て廃線となる。
留萌本線(キハ54)。
支援策で自治体が廃止に同意
地元紙・北海道新聞によると、増毛町長がJR側の支援策の上積みを受けて4月8日の町議会で「12月4日の運行を以て廃線とする」ことに同意したと発表。留萌市側もこれに同意する見込みであり、これにより廃止が確定的となった。
増毛駅舎。
珍駅名で有名、過疎化に加えて平行するバス路線に敗北
増毛-留萌間は1921年11月の開通。「増毛」は珍駅名として非常に有名であった一方で、同区間では並行して沿岸バスが路線バスを運行。
通勤・通学・通院などは、きめ細やかな輸送体制を採っている沿岸バスのほうが利用が多かった。
車内広告も”増毛駅”を意識して出稿されたものか?
また、近年はJR線が雪崩などにより長期運休することも多く、新たな雪崩対策を行うためには多額の費用がかかるため、早期の廃線を決めたという。
2016年3月改正時点で、同区間の運行本数は6往復。それに対し、沿岸バスの運行本数は22往復となっており、バス路線は高校や病院まで乗り入れている。
日本海に面する豪雪地帯。
JRが沿岸バスの運行支援も
JR北海道は廃止に伴い、「並行して走るバス路線の増発経費(10年間で5000万円)」、「廃線後の増毛駅周辺の再整備費用(1億3000万円)」、「増毛駅周辺鉄道用地8,000㎡の無償譲渡」、「鉄道定期利用者に対するバス定期との差額補償(通勤定期:1年間、通学定期:在学中)」を打ち出している。
増毛駅は増毛町に譲渡されるため、記念施設化、公園化されることが予想される。
減便・廃駅つづくJR北海道
近年、JR北海道では毎年約300~400億円前後の赤字を出しており、北海道新幹線の新函館北斗開業に伴う3月25日のダイヤ改正においても合理化のために普通列車79本を減便、8駅を廃止したほか、無人駅も大幅に増やしている。
特に根室本線の釧路-根室間(花咲線)は約4割減便となったほか、札沼線浦臼-新十津川を走る列車は1往復のみとなった。
また、車両の更新も大幅に遅らせており、過疎化が進む道内では、今後も減便や、路線の廃止が進む可能性も大きい。
1970年代に製造されたキハ40が快速運用に就く。
経費削減のため、電化区間での運用も多い。
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外部リンク:JR北海道
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