セブンアイの鈴木敏文CEO、突然の辞任-社長交代の内紛で

セブンアンドアイホールディングス」の鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)が退任することが分かった。
今後、セブンアンドアイホールディングスの全ての役職から退任する。
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イトーヨーカドー1号店の千住店。4月10日に閉店予定。

人事問題で紛糾、米投資ファンド「物言う株主」の反対で

セブンアンドアイホールディングスでは、鈴木会長の主導のもと、4月7日の取締役会でセブンイレブンジャパンの井坂社長(COO)を退任させ、古屋副社長を昇格させる人事案を提案。しかし、社外取締役を中心にこの人事案に反対する意見が出て、否決されたという。
この人事案をめぐっては、セブンアンドアイホールディングスの大株主である米投資ファンドの「サードポイント」が、鈴木氏の影響力を残す人事案だとして反対、井坂氏もCOOに留まりたい意向を示していた。
(追記:創業家の伊藤雅俊氏も鈴木氏の人事案に反対したという)
「サードポイント」を率いるダニエル・ローブ氏は物言う株主として知られ、セブンアイの百貨店全てを売却し、スーパー事業も大幅に縮小もしくは全てを売却させることを主張しているともされている。
この主張を受け、セブンアイは、17年2月までに傘下のそごう柏店、西武百貨店旭川店と、イトーヨーカ堂20店舗を閉鎖させることを発表している。
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閉店する柏そごう。

後継者問題での実質的な引責辞任

鈴木会長は83歳と高齢であることから、退任時期や後継者問題が注目されてきたが、今回の人事において混乱を招いたことに対する責任を取る形での、実質的な引責辞任という形となった。
セブンアンドアイホールディングスでは近日中に臨時取締役会を開いて再び人事案について話し合うとみられており、後継者問題は今後も尾を引きそうだ。

日本型コンビニの基礎を固め、7iを世界的企業にした鈴木氏

鈴木敏文氏は1932年生まれ、83歳。長野県出身。
東京出版販売(トーハン)を経てイトーヨーカ堂に入社。
1973年の米大手コンビニエンスストア「セブンイレブン」の日本進出を主導、アイワイグループ(現セブンアンドアイホールディングス)を日本一の流通企業に育てると共に、経営状態が芳しくなかったセブンイレブンの米法人を買収して黒字転換させるなど、日本を代表する実力派カリスマ経営者として知られている。

外部リンク:セブン&アイホールディングス
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