カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

阪急百貨店、台湾から2016年3月に撤退-統一グループとの契約満了で

台湾・台北市に店舗を構える百貨店「統一阪急百貨」は、2016年3月2日に阪急百貨店との提携契約満了を迎えることに伴い、提携契約の更新を行わず、店名を「統一時代百貨」に変更することを発表した。
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統一阪急百貨台北店(公式サイトより引用)。

日系百貨店としては後発だった阪急、9年で撤退

統一阪急百貨は、阪急百貨店と台湾の食品製造・流通・物流大手「統一企業」との提携により、阪急百貨店のフランチャイズ店舗として設立。台湾の日系百貨店としては最後発だった。
キャッチフレーズは「美人は made in Hankyu」で、2007年に高雄店が、2010年に台北店が開店。しかし、高雄店は2013年に隣接するショッピングセンター「統一夢時代」の一部となり、百貨店業態を廃止。現在は台北店のみで営業していた。
台北店には「ユニクロ」、「サマンサタバサ」、「LIZ LISA doll 」、「OLIVE des OLIVE」など、日本の人気店も数多く出店している。
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店舗のファザードも阪急百貨店と共通(公式サイトより引用)。

高雄の阪神百貨店は営業を継続

「阪急百貨店」としては台湾から撤退するものの、阪急阪神百貨店では高雄市において漢來グループとの提携による「漢神百貨(HANSHIN)」を2店舗展開しており、こちらは営業を継続する(漢神百貨店はこの他に中国・西安市にも出店)。

漢神百貨。

外部リンク:漢神百貨

「すき家」百貨店初出店-スズラン高崎店、2月24日開店

大手牛丼チェーンの「すき家」が百貨店に初出店する。
すき家を展開するゼンショーは、2月24日に群馬県高崎市の「スズラン百貨店高崎店」に「すき家 スズラン百貨店高崎店」を出店することを発表した。
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スズラン百貨店高崎店。

大手チェーン店の百貨店初出店、牛丼でも

「すき家」はゼンショーが展開する牛丼チェーン店で、出店するのは「スズラン百貨店高崎店」の地階。
スズラン百貨店は以前より専門店の導入が盛んであり、高崎店でも別館に「シューラルー」「キャンドゥ」などを導入している。

「すき家 スズラン百貨店高崎店」完成予想図。
(すき家ウェブサイトより引用)

「百貨店仕様」で和牛弁当の販売も

「すき家 スズラン百貨店高崎店」は、お弁当の販売が中心で、群馬県産黒毛和牛を使った「和牛弁当(1,080円)」を導入するなど、独自の価格設定・メニュー構成となる予定。

百貨店仕様の「金色」ロゴも導入。

弁当の販売が主ではあるが、イートインコーナーも設置される。
また、一般の牛丼も通常店舗より高質の肉を使用するため、他店舗より20円ほど高い価格となる。
営業時間はスズラン百貨店と同様の10:00~19:00。
2月24日・25日には、開店記念として対象の弁当の購入者先着100名に「すき家」の金のロゴ入り湯のみがプレゼントされる。
新業態の実績によっては他の百貨店への出店も予想され、今後が注目される。

外部リンク:1,080円の「和牛弁当」を新発売 「すき家 スズラン百貨店高崎店」2/24(水)オープン
外部リンク:スズラン百貨店高崎店

紀伊國屋書店そごう川口店、2016年3月16日開店-丸善跡

紀伊國屋書店はJR川口駅前の百貨店「そごう川口店」(埼玉県川口市)に、3月16日に「紀伊國屋書店そごう川口店」を出店させることを発表した。
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そごう川口店。

丸善書店の後継、丸善の倍以上の規模に

そごう川口店9階は「憩いのある街」として、丸善書店、催事場などが入居。しかし、丸善は2016年1月31日を以て閉店していた。
紀伊國屋書店の出店規模は約230坪(約760㎡)と、丸善(約300㎡)の2倍以上となる。
関連記事:丸善、そごう川口店から撤退-後継店舗は未定

隣接するそごう催事場を活かしたイベントも

「紀伊國屋書店そごう川口店」の店舗コンセプトは「居心地良く、本が選べる空間の演出」。
川口店は紀伊國屋書店としては小規模なものとなるものの、そごうの催事場が隣接しているため、連携したイベントも実施。 開店記念として、そごう9階催事場で「弱虫ペダル原画展」を開催する。
原画展の会期は3月16日(水)から3月21日(月・祝)までで、入場券は限定特典付きで2種類、各1000円となる予定。

外部リンク:紀伊國屋書店そごう川口店を2016年3月16日新規開店
関連記事:丸善、そごう川口店から撤退-後継店舗は未定

鞆の浦、広島県が埋め立て免許取り下げへ-架橋中止に

広島県は、福山市の景勝地「鞆の浦」の埋め立て免許を取り下げる方針を固めた。
2月15日に広島高裁(広島市)で行われた鞆の浦の埋め立て架橋工事をめぐる控訴審の進行協議において、被告側の広島県は免許交付申請を取り下げる意向を示し、原告側の埋め立て反対派も訴えを取り下げることで合意した。
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鞆の浦の風景。
この写真の湾内を埋め立て、架橋する計画だった。

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埋め立て・架橋による道路拡幅計画図。
(広島県の計画を基にGoogleマップを用いて作成)

数多くの作品の舞台となった景勝地-観光客で渋滞も

「鞆の浦」は広島県福山市鞆の景勝地。
古代より「潮待ちの港」として知られ、瀬戸内海を行き交う商船や朝鮮通信使一行などの寄港地となっていた。
また、その景観の優美さから、万葉集の時代より様々な作品で取り上げられており、近年も「崖の上のポニョ」、「ウルヴァリン: SAMURAI」、「蒼穹のファフナー」など、数多くの有名作の舞台となったことで知られている。
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福禅寺対潮楼から見た弁天島。

現在も常夜燈(江戸時代の灯台)や船宿が残り、江戸期の港町の面影を色濃く残す街並みが続く一方、中心部の道路は非常に狭隘で、幹線道路の県道であっても車両の離合(すれ違い)が困難であった。
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鞆の浦の中心部を走る県道。非常に狭い。

埋め立て架橋計画から30年以上、議論に終止符

このような鞆の浦の交通事情の改善と防災のため、広島県は1983年より沿岸部を埋め立てて架橋し、それにより県道を拡幅する計画を進めてきた。
しかし、埋め立て架橋計画は鞆の浦の景観を大きく変えるものであり、2005年にはイコモス(国際記念物遺跡会議)は「景観を破壊する恐れがある」として計画の中止を勧告。
更に、2007年に反対住民が埋め立て中止を求めて広島県を提訴、2009年10月には、広島地裁が住民勝訴の判決を言い渡した。
これを受けて、広島県知事も架橋計画を中止、県道バイパスを建設する際には道路をトンネル化する方針を表明していた。

根本的な問題は解決されぬまま

架橋の中止により、鞆の浦の景観は維持されることになった一方で、鞆の浦では特に映画「崖の上のポニョ」公開後は観光客が増加し、観光シーズンには慢性的な渋滞が発生している。
先述の通り、架橋に変わってトンネルによりバイパスを建設する計画もあるが、開通までは数十年の期間を要することが予想される上に、交通事情に詳しくない観光客は鞆の浦の狭い路地まで車で乗り入れることが多いであろう。
福山駅から鞆の浦まではかつて鞆鉄道があり、現在も同社のバスが日中1時間に3本前後運行されているために交通の便が悪いとは言えないが、バス車内には観光客の姿はそれほど多くない。P1030076s
JR福山駅前に並ぶ鞆鉄道バス(奥は中国バス)。

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狭い街路を走る鞆鉄道バス(写真:しののめちゃん)。

また、鞆の浦では2月に唯一のスーパーマーケット「セルコ鞆店」が閉店。高齢化が進んでいる鞆の浦の住民にとって、公共交通の維持は喫緊の課題となっている。
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唯一のスーパーも閉店してしまった(写真:しののめちゃん)。

鞆の浦では、地元NPO法人が空き家バンクを創設、空き家再活用の努力を行っているが、既に空き家となっている旧家も目立つようになってきている。埋め立ては中止された一方で、今後「誰も住まない港町」となってしまえば、鞆の浦の景観が守られるはずはない。
環境維持や緊急時の交通確保のためにも、また公共交通維持のためにも、パークアンドライドの実施や観光客の自家用車乗入規制を行うなど、将来に亘って住民が住みやすい街づくりをしていくための更なる努力が必要になろう。
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トランジットモール化された金沢市の商店街。
自家用車の乗り入れ規制を行っている。
(撮影:金沢まちゲーション

「イオンモール徳島」着工-2017年春開業目指す

イオングループは、2月14日に徳島市南末広町の沖洲川北岸に建設する大型ショッピングセンター「イオンモール徳島」の起工式を行った。

イオンモール徳島(イオンモールウェブサイトより引用)。

「ジャスコリバーシティ徳島」閉店から7年、ようやく再出店

「イオンモール徳島」の建設地には、1981年から2009年までジャスコ徳島店を核としたショッピングセンター「リバーシティ徳島」が立地していた。
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出店予定地図。
(Googleマップを基に作成)

2004年にジャスコ鳴門店(現:キョーエイ鳴門駅前店)が閉店してからは徳島県内唯一のジャスコとなっていたが、全館で約9,600㎡という比較的狭い売場面積と店舗の老朽化により閉店。
その後、店舗跡地にイオングループが再出店するという話がありながら、7年間に亘って更地となっていた。

シネコン併設、徳島市最大規模のショッピングセンターに

「イオンモール徳島」の計画延床面積は約76,800㎡(駐車場含む:116,600㎡)、総賃貸面積(≒売場面積+バックヤード)は約50,000㎡。
徳島県最大の商業施設「ゆめタウン徳島」(藍住町、延床面積約125,000 m²)とほぼ同規模で、徳島市で最大の商業施設「そごう徳島店・アミコ専門店街」を抜き、市内最大となる。
先述の通り、現在徳島県には総合スーパー「イオン」は出店しておらず、また「イオンモール」としても徳島県初出店となる。
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ゆめタウン徳島(藍住町)。

開発コンセプトは「“ココロおどるベイフロント”~新たな街の創出徳島の文化・流行の発信拠点~」。
店舗は川沿いという立地を生かした造りになる予定で、館内には8スクリーンを備えるシネマコンプレックスも出店。建物は隣接する「スエヒロボウル」とも空中連絡通路で結ばれる。シネマコンプレックスの出店は徳島市初。徳島らしく、LEDを用いたライトアップを行う。
また、徳島市大和町の旧徳島東工業高校跡地も、イオングループが徳島県と徳島市から借り上げ、駐車場として利用する方針。
イオンモール徳島は2017年春の開業を目指している。

外部リンク: 「(仮称)イオンモール徳島」の開発計画について

イオン姶良店、2016年2月14日閉店-旧サティ、イオンタウンに3月移転

鹿児島県姶良市のショッピングセンター「イオン姶良ショッピングセンター」(旧・姶良サティ)が、イオンタウンへの店舗移転のため2016年2月14日に閉店する。
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イオン姶良ショッピングセンター。

旧・姶良サティ、28年の歴史に幕

イオン姶良ショッピングセンターは、1988年11月に加治木町のスーパー「ヱビスヤ」と「ニチイ」(後のマイカル)が共同開発したショッピングセンター「サンシティリブレ」(sun city libre)を前身とする。
3階建で、売場面積は約16,000㎡。同地方では数少ない郊外型ショッピングセンターであり、大いに賑わったという。
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旧・姶良サティ。

1994年には支店として「国分隼人サティ」(現:イオン国分隼人店、霧島市)を出店し、その後、サンシティリブレも「姶良サティ」に改名。
2000年のマイカルグループの経営破綻とイオングループ入りを経て、2011年に「イオン姶良ショッピングセンター」に改名していた。
(ヱビスヤ加治木本店は現在も営業中)

「イオンタウン姶良」の核として移転-3月10日に1期開業

今回の閉店は、イオンの店舗移転に伴うもの。
 隣接地では「イオンタウン姶良」の建設が進んでおり、イオンタウンのうち半分は3月10日に開業予定。イオン姶良店はイオンタウンの核店舗として出店する。なお、この土地は元々「ラララグループ」(寿屋、熊本市)が出店表明していた土地だった。
現在のイオン姶良店は解体され、跡地にもイオンタウン姶良の建物が増築される予定。
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イオンタウン姶良(イオンタウンウェブサイトより)。

「イオンタウン姶良」は、全面開業時には現イオン姶良店の約3倍の売場面積45,000㎡となり、鹿児島県内でも有数の規模のショッピングセンターとなる。1期開業部分の112のテナントのうち「バーガーキング」など27店舗が鹿児島県初出店となる予定。
イオンタウン姶良は2017年春ごろの全面開業を目指しており、全面開業時には4Dシアターを備えたシネマコンプレックスも併設される。

外部リンク:イオン姶良店
外部リンク:イオンタウン姶良(未開設)

トライアル出雲店、2月14日閉店-デパートパラオ閉館

出雲市中心部のショッピングセンター「デパートパラオ」の核店舗「メガセンタートライアル出雲店」が2月14日で閉店、同日を以てデパートパラオ全館が閉館する。
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トライアル出雲店・デパートパラオ。
(トライアル公式ウェブサイトより・加工)

出雲市初のショッピングセンター、36年の歴史に幕

デパートパラオは出雲市初のショッピングセンターとして1980年に開店。売場面積は約14,000㎡。
出雲市役所から徒歩1分という中心市街地への出店で、核店舗の「ニチイ」(のちのマイカルサティ)と「パラオ専門店街」により構成されていた。
その後、サティは2002年に閉店、2002年から2009年まではジャスコが、2009年からはディスカウントストアのトライアルが核店舗となっている。
しかし、2012年3月にパラオ専門店街を運営する「協同組合出雲ショッピングセンター」が破産し、専門店街が閉館。それ以降は建物の半分が閉鎖され、トライアル部分のみの営業となっていた。
専門店街の閉鎖後は店舗のメンテナンスもあまり行われず、著しく老朽化が進行していた。

トライアルは白枝町に移転-今秋ごろ開業

トライアルは出雲店を出雲市白枝町に新築移転させることを発表している。
移転先は現在地から約2km西側の国道9号線沿い。
売場面積は約4,800㎡で、今秋ごろの開店を予定している。
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トライアル移転先。
(Googleマップを用いて作成)

デパートパラオの活用策は未定

一方で、デパートパラオ跡の活用策はまだ発表されていない。
出雲市役所のそばという好立地で、地権者にはイオングループも含まれているものの、建物の規模が大きく、改築や解体には多額の費用がかかると考えられるため、当面はそのまま放置される可能性が高い。

外部リンク:メガセンタートライアル出雲店

アピタ守谷店、2016年2月14日閉店

茨城県守谷市の大型ショッピングセンター「ユニー・アピタ守谷店」が2016年2月14日に閉店する。
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アピタ守谷店。

守谷初の大型ショッピングセンターだった

アピタ守谷店は1987年4月に「ユニー守谷店」として開業、売場面積は約14,000㎡。
住宅都市整備公団(現:UR)が北相馬郡守谷町の満州引揚者開拓地周辺に開発していた「常総ニュータウン守谷(現・常総ニュータウン北守谷)」の完成に伴い、住都公団系列企業によって誘致された店舗だった。
開業当時は常総ニュータウン北守谷の街びらきから5年しか経っておらず、守谷町で初のショッピングセンター、そして、北守谷では唯一のスーパーマーケットとして大いに賑わったという。
しかし、守谷市内(2002年市制)では開発の進行と共に「アクロスモール守谷」(2006年開店)や「イオンタウン守谷」(2007年開店)などが開業し、競争が激化。
アピタ守谷店は店舗近郊からの集客は多くあったと思われるものの、売上自体は半減しており、店舗の老朽化に加えて親会社であるユニーグループの経営悪化に伴い閉店することになった。
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店内では閉店セールが実施されている。

建物はURグループ所有-新店舗に期待

アピタ守谷店跡の活用方法はまだ発表されていない。
北守谷地区唯一の大型ショッピングセンターであり、建物はUR系列の不動産ディベロッパー「新都市ライフ」(新宿区)が所有しているため、新たなテナントの入居や、建替えて新たな商業施設となることが予想される。

なお、ユニーは昨年12月に水害を受けたアピタ石下店を閉店しており、茨城県内のユニーの店舗はアピタ佐原東店(ショッピングセンターパルナ)のみとなる。

追記:跡地には「カスミ」「ミスターマックス」が出店する方針を固めた。

外部リンク:アピタ守谷店
関連記事:アピタ石下店が閉店-常総水害で損壊

クリスピークリームドーナツの閉店続く-福岡に続き京都、広島からも全面撤退

店舗数国内2位のドーナツチェーン店「クリスピークリームドーナツ」の閉店が止まらない。
 2016年1月に全店撤退した福岡市、岡山市に続いて、2月21日をもって広島県から、2月28日をもって京都府からも全面撤退することが分かった。
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福岡市からは1月末に全店撤退。
写真は閉店前の福岡天神地下街店。

2016年2月中の閉店を予定しているのは以下の3店舗。
京都・四条烏丸店(2010年10月1日開店)
広島・アルパーク店(2014年4月25日開店)
広島・ゆめタウン廿日市店(2015年6月11日開店)

米大手ドーナツチェーン、順調に店舗数を伸ばしてきたが…

クリスピークリームはアメリカで1937年に創業したドーナツチェーンで、日本では2006年12月に国内1号店となる「新宿サザンテラス店」を出店。
主力商品である「オリジナル・グレーズド」の無料配布サービスや、平日でも1時間を超える行列が発生したことで注目を集め、既存のドーナツ専門店の2倍ほどの価格ながら、順調に顧客の支持を獲得していた。

クリスピークリームと同時期に参入した高価格ドーナツ店「ドーナッツプラント」、「サザンメイドドーナツ」が運営会社の経営悪化により店舗数を大幅に減らした一方、ロッテが親会社の「クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン」は順調に店舗網を拡大していた。

相次ぐ全面撤退-岡山市、福岡市に次いで京都、広島でも

順調に見えたクリスピークリームの店舗網拡大だったが、2016年に入ると一転、1月に岡山市(1店舗)、福岡市(3店舗)から全面撤退。2月には広島県(2店舗)、京都府(1店舗)からの全面撤退を予定するなど、従来の拡大路線から大きく方向転換することとなった。
広島・ゆめタウン廿日市店は僅か8ヶ月間の営業となり、国内の常設店舗としては最短での営業終了となる見込み。
2016年2月末時点でのクリスピークリームの店舗は15都府県56店舗となる予定。
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広島県からは進出2年弱での撤退となった(アルパーク)。

催事販売は好調

店舗網の縮小が続くなか、クリスピークリームは埼玉県北部や新潟県、鳥取県など、未出店地域の百貨店などでの催事販売を実施している。
既に出店済の地域ではブームの沈静化による客離れが見られるが、スターバックスコーヒーの鳥取県初進出時には、開店前日から行列が発生したように、未出店地域には更なる市場拡大の余力があろう。
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未出店の新潟県では2月7日まで伊勢丹で催事出店した。

かつて米国でも大規模撤退-販売手法の転換で活路見出す

実は、日本と同様に、クリスピークリームが創業した米国でも大規模な店舗閉鎖が行われた過去がある。
米国クリスピークリームは、大手スーパーのウォルマートと業務提携を締結するなど、株式上場を期に急速な多店舗化を目指したが、2000年代には経営悪化により店舗の半数以上(約240店)を閉鎖した。
現在、欧米のクリスピークリームでは無店舗販売によるコスト削減を進めており、公共交通機関(駅など)やスーパーマーケット内でのワゴン販売が主流となっている。

米国などでは経営方針を転換、スーパー内での販売も実施。

日本でも、コンビニ大手各社が店頭でのドーナツ販売を始めるなど、従来型のドーナツ専門店とは異なる販売手法が取られるようになっている。
今後はクリスピークリームも、単独店舗に縛られない新たな販売形態を目指す可能性がある。

その後の撤退店舗(追記)

2016年3月撤退
・新静岡セノバ
・神田小川町
・ららぽーと磐田
・ディラ阿佐ヶ谷
・アミュプラザ小倉
・玉川髙島屋
・アトレ大森
・アトレ亀戸
2016年6月撤退
・みなとみらい
2016年7月撤退
・アリオ倉敷

外部リンク:クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン
関連記事:クリスピークリームドーナツ、福岡市から全店撤退

ダイエー「旗艦店級」28店舗、2016年3月1日からイオンに転換

ダイエー(神戸市)が運営する総合スーパーのうち、大型店28店舗が3月1日よりイオンに経営譲渡され、イオンのショッピングセンターに転換する。
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ダイエーきっての旗艦店の1つ、東戸塚店が出店するオーロラシティ。
7&i傘下の西武百貨店とイオンが同居することになる(横浜市)。

旗艦店からイオンに経営譲渡-既に改装も開始

イオンでは、ダイエーの子会社化に伴い2018年までにダイエー・グルメシティ全店舗をイオン化することを発表しており、それに先駆けて、2015年9月に北海道、中部(山梨県除く)、九州の全店舗をイオングループに経営譲渡。現在、ダイエーは仙台店を除くと首都圏と近畿地方のみで営業を行っている。
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旧ダイエー麻生店(札幌市)。
2015年9月にイオン札幌麻生店に転換した。

3月1日を以てイオンに経営譲渡されるのは以下の28店舗。

2016年3月1日にイオンに経営譲渡されるダイエー一覧
  • ダイエー仙台店(宮城県仙台市)
  • ダイエー所沢店(埼玉県所沢市)
  • ダイエー南越谷店(埼玉県越谷市)
  • ダイエー東鷲宮店(埼玉県久喜市)
  • ダイエー北本店(埼玉県北本市)
  • ダイエー南行徳店(千葉県市川市)
  • ダイエー新浦安店(千葉県浦安市)
  • ダイエー長浦店(千葉県袖ケ浦市)
  • ダイエー千葉長沼店(千葉県千葉市)
  • ダイエー赤羽北本通り店(東京都北区)
  • ダイエー練馬店(東京都練馬区)
  • ダイエー伊勢原店(神奈川県伊勢原市)
  • ダイエー戸塚店(神奈川県横浜市)
  • ダイエー金沢八景店(神奈川県横浜市)
  • ダイエー東戸塚店(神奈川県横浜市)
  • ダイエー横須賀店(神奈川県横須賀市)
  • ダイエー大月店(山梨県大月市)
  • ダイエー京橋店(大阪府大阪市)
  • ダイエー長吉店(大阪府大阪市)
  • ダイエー金剛店(大阪府大阪狭山市)
  • ダイエー古川橋駅前店(大阪府門真市)
  • ダイエー吹田店(大阪府吹田市)
  • ダイエー西宮店(兵庫県西宮市)
  • ダイエー甲子園店(兵庫県西宮市)
  • ダイエー藤原台店(兵庫県神戸市)
  • ダイエー三田店(兵庫県三田市)
  • ダイエー竜野店(兵庫県たつの市)
  • ダイエー富雄店(奈良県奈良市)

今回、イオンに経営譲渡されるのは主に旗艦店級の大型店で、改装によって今後も高い収益が見込めると思われる28店舗。
これらの店舗は、2016年3月よりイオンのショッピングセンターとして新たなスタートを切ることになる。上記の全店舗が1日朝よりイオンとしての営業を開始する訳ではなく、店舗改装工事のために休業期間を設ける店舗もある模様。
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塗り替え中の広告塔屋。ダイエー京橋店(大阪市)。

 このうち、所沢店(所沢市)、京橋店(大阪市)、甲子園店(西宮市)などでは既にイオン転換のための準備工事が開始されているほか、テナントの入れ替えに伴う退店が実施されている店舗が多くある。
イオンに転換する店舗では、2月で「一の市」、「なかなかデー」、「木曜の市」などのセールも終了するが、ダイエーのポイントカード「ハートポイントカード」については、イオン転換後も当面使用可能となる。
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テナントの入替えも行われている。ダイエー富雄店(奈良市)。

なお、昨年イオンが「ダイエー」の店舗のまま大規模改装を行なったダイエー赤羽店(東京都北区)、ダイエーいちかわコルトンプラザ(市川市)、ダイエー神戸三宮店(神戸市、事実上のダイエー本店)は、今回のイオン転換店には含まれていない。
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イオンが改装を行なったばかりの3店舗は転換しない。
ダイエー赤羽店(東京都北区)。

ダイエー碑文谷店は5月ごろに閉店、大規模改築へ

一方で、ダイエーきっての集客を誇り、当初は他の大型店と同時に3月よりイオンに転換すると発表されていた「ダイエー碑文谷店」(目黒区)は3月のイオン転換を中止、5月ごろに閉店し、その後、イオンが建物の大規模な改築を行い、イオングループの新たなショッピングセンターとして生まれ変わる予定となっている。
詳しくは:ダイエー碑文谷店、2016年5月ごろ閉店へ
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5月ごろ閉店、イオンが改築する予定の碑文谷店(東京都目黒区)。 

新しい記事はこちら:ダイエー、3月30日までに110店舗の「イオン化」完了 
外部リンク:ダイエー