カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

JR尾道駅、建て替えへ-築125年の木造駅舎

JR西日本は、JR尾道駅の駅舎を建替えることを発表した。
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JR尾道駅。

築125年の木造駅舎、見納めに

尾道駅は1891年に開業。現在の駅舎は1891年に建築された駅舎を1927年・1952年に改修したもので、築125年が経過している。
駅舎はその後も何度か増改築を実施しており、竣工当時とは形が大きく変わっている。1999年には大規模な駅前再開発が行われ、駅前まで伸びたペデストリアンデッキによって尾道港ポートターミナル、テアトロシェルネ(イベントホール)、百貨店の尾道福屋、ベルポールなどとも結ばれるようになった。
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テアトロシェルネ(左)、尾道福屋(右)。

今回の建て替えによって、永年に亘って市民、観光客に親しまれてきた大型の木造駅舎は見納めとなる。

新駅舎、2階に展望デッキと宿泊施設-2018年完成へ

新駅舎は鉄骨2階建てで、現在の尾道駅舎の「瓦屋根」や「深い軒」のデザインは踏襲する。
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新駅舎の外観デザイン(JR西日本ニュースリリースより)。

1階には土産品店などの店舗が入居し、改札前のコンコースには太陽光を取り入れる吹き抜けが設けられる。
2階には瀬戸内海を臨む展望デッキを設置。観光客やサイクリストをターゲットとした宿泊施設を入居させるという。
なお、現時点の完成予想図を見る限りでは、駅舎前まで伸びているペデストリアンデッキは新駅舎には接続しないと見られる。
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コンコースの完成イメージ(JR西日本ニュースリリースより)。

新たな駅舎は、2018年夏の完成を目指して工事が進められる。総工費は約17億円。
今回の建て替えに際し、JR西日本は、1891年に建設された初代尾道駅舎の「おもむき」や「まちの風情」を取り入れながら「尾道のまち」とともに成長していける新しい駅を目指していくとしている。

追記:現駅舎の最終営業日は2017年5月14日となる。

マルキョウ、リテールパートナーズ(丸久・マルミヤストア)と2016年中に経営統合へ

九州大手の地場スーパー「マルキョウ」(福岡県大野城市)は、2016年10月を目途に「丸久」(山口県防府市)、「マルミヤストア」(大分県佐伯市)を傘下に持つ共同持株会社「リテールパートナーズ」と経営統合することを発表した。
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マルキョウ雑餉隈本店(福岡市博多区)。

九州大手のスーパー、かつては安売りで知られていた

マルキョウは1964年に福岡市雑餉隈(ざっしょのくま)で創業。現在は福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県に88店舗を展開している(山口県は撤退済み)。福岡証券取引所に上場しており、近年の年商は800億円前後で推移。多くの店舗は食品スーパーだが、一部店舗では衣料品も取扱っている。
マルキョウは元々、福岡都市圏のスーパーにおける「プライスリーダー」であり、かつてはディスカウントスーパー的な存在として広く知られていた。また、1996年には佐賀県大手のスーパー「日祐」を合併するなど、経営規模を拡大していた。
しかし、近年は多くの店舗でスーパーセンターやディスカウントドラッグストアとの競合が激しくなり、特徴が見いだせずに売上も減少傾向にあった。
2013年には西鉄ストアとの提携を発表し、西鉄ストアの親会社である大手私鉄「西日本鉄道」がマルキョウの発行株式の10%を保有している。
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小規模な総合スーパーも経営(朝倉市、杷木店)。

近年は、2014年に長年親しまれた福岡市中心部の「柳橋店」(柳橋連合市場内)を閉鎖するなど店舗整理を進めるとともに、2016年4月には新たに”こだわりの生鮮品”を中心とした「まろやかブランド」を導入するなどといった経営努力も行っていた。

リテールパートナーズ、年商2,300億円規模に

リテールパートナーズ(当初は「西日本リテールパートナーズ」)は、2015年7月に「丸久」(山口県防府市)、「マルミヤストア」(大分県佐伯市)が経営統合して生まれた共同持株会社。
傘下の丸久は2014年に「中央フード」(山口県岩国市)を、マルミヤストアは2016年に「オーケー新鮮市場」(大分市)を傘下に収めるなど、両社はM&Aを積極的に行っている。
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リテールパートナーズの店舗(マルミヤストア、JR別府駅1階)。

マルキョウは「丸久」、「マルミヤストア」などと同様に、法人格はそのままにリテールパートナーズの傘下となり、今後も「マルキョウ」の屋号のまま営業するとみられる。
今回の買収に伴い、リテールパートナーズ傘下のスーパーマーケットは、九州7県と山口・島根・広島の10県に約260店舗、年商は約2,300億円規模(連結)となる見込みで、リテールパートナーズは全国有数の地方スーパーマーケットグループを形成することになる。

外部リンク:株式会社リテールパートナーズと株式会社マルキョウの株式交換による経営統合に向けた基本合意書締結に関するお知らせ(マルキョウ)
外部リンク:リテールパートナーズ
外部リンク:丸久
外部リンク:マルミヤストア
外部リンク:新鮮市場
関連記事:オーケー新鮮市場、マルミヤストアが買収-事実上の救済合併

イトーヨーカドー岡山店、2017年2月28日閉店

JR岡山駅近くのショッピングセンター「イトーヨーカドー岡山店」(岡山市北区)が、2017年2月に閉店する。
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イトーヨーカドー岡山店。

岡山駅そばのヨーカドー、近隣にイオン出店で苦戦

イトーヨーカドー岡山店はJR岡山駅から徒歩10分ほどの場所にある複合商業施設「ジョイフルタウン岡山」の核店舗。
ジョイフルタウン岡山(JT岡山)はJT岡山工場跡地に建設された複合商業施設で、1998年11月に開店。専門店を合わせた売場面積は19,162㎡。別館のアネックス棟には中国四国地方で最大規模の大型複合ゲームセンター「SEGA・岡山ジョイポリス」が核として入居している。

ジョイフルタウン岡山は、2014年11月に開業した中国地方で最大のショッピングセンター「イオンモール岡山」(売場面積92,000㎡)と僅か300mほどしか離れておらず、ヨーカドーよりも岡山駅に近いうえに駅と地下街で直結しているイオンモールの開業後は苦戦を強いられていたという。
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イオンモール岡山の前。この道を直進すると数分でヨーカドーに着く。

倉敷店は天満屋に譲渡-岡山と福山はどうなる?

イトーヨーカドーは中国四国地方に3店舗(岡山・倉敷・福山。これ以西は未出店)しか出店しておらず、2013年に西日本での経営基盤強化を目的に中国地方各地で百貨店、ショッピングセンターなどを展開する「天満屋グループ」と業務資本提携を行っていた。
一方で、イトーヨーカドーはスーパー事業の不振から2017年までに約40店舗を閉店させることを発表しており、2016年8月に「アリオ倉敷」の核店舗であるイトーヨーカドー倉敷店(倉敷市)を閉店し天満屋に経営譲渡することを発表しているほか(アリオ専門店街は営業を継続、詳細は関連記事に)、ヨーカドーのなかで最も西にある店舗・イトーヨーカドー福山店(福山市)が入居する商業施設「ポートプラザ日化」は、1999年の開店時より天満屋グループの店舗と「2核1モール」を形成しているため、今後の状況が注視される。
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8月に閉店するイトーヨーカドー倉敷店。

建物は天満屋のライバル・両備グループ運営、後継店は?

イトーヨーカドー岡山店も天満屋グループに譲渡されることが確定的かと言えば、そうではない。
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奥に見えるのは岡山市役所、右側はジョイフルタウン岡山。

イトーヨーカドー岡山店が入居するジョイフルタウン岡山は、2016年3月に「両備グループ」が三井系の不動産ファンドから信託受益権を86億8500万円で取得したばかりで、現在の管理・運営は両備グループが行っている。
両備グループ(両備HD)と言えば岡山県内での鉄道・バスの運行を経営の中核としているほか、和歌山電鐡や中国バスの運営でも知られるように「企業再生」の分野でも有名である。
一方で、同グループは流通業も行っており、スーパーマーケット「両備プラッツ」(両備ストア)展開のほか、2010年からは岡山高島屋の経営にも参画している(なお、岡山高島屋は同社の経営参画後に黒字化したという)。
「両備プラッツ」と「岡山高島屋」の両店舗は、ともに天満屋グループの大きなライバルであることは言うまでもない。
天満屋ハピータウンが出店するのか、両備プラッツが核となるのか、もしくはイオンとの競合を避けて全く違った業態となるのか…岡山市中心部の大型店だけに、後継店舗の選定に注目が集まっている。

追記:閉店日は2017年2月28日に決定した。

外部リンク:イトーヨーカドー岡山店
関連記事:イトーヨーカドーアリオ倉敷店、8月閉店へ-跡地に天満屋ストア 
関連記事:ドレミの街(旧ダイエー岡山店)、9月30日閉店-2017年度の再生目指す 

渋谷マルイで「ご注文はOIOIですか??」開催-サブカル系コンテンツに注力する丸井

渋谷マルイ」(旧・マルイシティ渋谷)8階で、人気アニメ「ご注文はうさぎですか??」とのコラボレーションイベント「ご注文はOIOIですか??」が7月9日から7月27日まで開催されている。
(追記:会期延長されることになった。詳しくは本文最後の「追記」に)
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入口で魔法少女チノに魔法にかけられる。

世界観を再現、等身大フィギュアに心ぴょんぴょん??

「ご注文はうさぎですか?」は、Koiによる4コマ漫画作品。
喫茶店を舞台に、ほのぼのとした日常が繰り広げられるストーリーで心がぴょんぴょんする人が続出している。渋谷マルイでのごちうさイベントの開催は、2015年の「マルイシティ渋谷」(現・渋谷モディ)に次いで2回目。
「ご注文はOIOIですか??」のイベント期間中は、1階ショーウィンドウの全面にごちうさパネルが設置され、営業時間外にもアニメの映像が流れ続けるなど、渋谷の歩行者から注目を浴びることとなった(色んな意味で)。
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1階ショーウインドウにはチマメ隊が舞い踊りこころぴょんぴょんティッピーホワイトでいっぱいになった(頭が悪そうなキャプションで申し訳ない)。

「魔法少女チノ」復活ですか??

8階イベントスペースには、2015年のエイプリルフール企画で話題となった「魔法少女チノ」の等身大フィギュアが来場者をお出迎え。キャラクターが描かれた巨大ボードも設置される。
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シャロちゃんが一番かわいい(個人的見解)。

某カレーよりも美味しそうなスイーツの販売も??

ラビットハウスの店内をイメージした物販コーナーでは、各地のごちうさイベントでも登場した等身大パネルやカウンターパネルを設置。
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パネルを抱きしめることもできるが公衆からイタい視線を浴びることになる。

渋谷マルイならではの企画として、忠犬ハチ公像やSHIBUYA109(なぜか丸井ではない!)など「渋谷」のシンボルをモチーフにした「ご当地ティッピーTシャツSHIBUYA」、「ガチャ缶バッジ」、「クリアポスター」と言ったOIOI展ならではの商品のほか、コミケ、まんがタイムきらら!フェスタなど過去のイベントで販売された商品も個数限定で販売している。
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ラビットハウス。カウンターに座れないのでじらされる。
二次元は結局二次元のまま、神様は残酷である。

また、エポスカードの会員で税込3,000円以上の購入者を対象に、限定カラーの「ご当地ティッピーTシャツ」やOIOI特別仕様の「キャラクタースタンディパネル」などといったオリジナルグッズが当たる抽選会も実施される。
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前回のOIOIイベントとは異なりティッピーはモフれない。
ここでもじらされるのじゃ。

ごちそうはうさぎですよ??

さらに、1階のキャラクタークレープ専門店「神南キッチン」では、「キャラクレ!meets ご注文はうさぎですか?」と題して、ごちうさの世界観をイメージした特製クレープやドリンクを期間限定販売(7月15日~7月18日まで)。
原宿マリオンクレープがプロデュースした本格スイーツに、ノベルティが特典として付いてくる。某比叡カレーとは違う”本格派”の味わいが楽しめそうだ。mofumofu
食べるのに勇気がいりそうな出来栄えのティッピー。

丸井、競争激化のなかアニメコラボで顧客層拡大

消費者の嗜好の変化もあり、アパレルの売上が下降傾向にあるなか、都市型ファッションビルと駅ビル、郊外型モールの競争も激化している。そこで、近年丸井グループではサブカル系コンテンツを1つの「集客の要」としており、「エポスカード」の新規会員獲得の柱としている。
2015年に改装を行なった「渋谷マルイ」(旧・マルイジャム渋谷)では、7階にワンピースのキャラクターショップ「麦わらストア渋谷新本店」と、攻殻機動隊、サイコパス、ハイキュー、黒子のバスケ、ジョーカーゲームなどで知られるProduction I.Gの直営店「I.Gストア」を導入。
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渋谷マルイ。


I.Gストアが出店。

また、渋谷マルイ8階のイベントスペースを「シブマル8」と名付け、今回の「ごちうさ展」のような期間限定店舗の設置を行っており、2015年に開催された「ラブライブ!」のとコラボレーションイベントは入場制限が行われるほどの人気を博し、「アニメに強いマルイ」の知名度向上にも大きく貢献した。
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去年の「丸井×ラブライブ!」は大人気になって「アニメに強い丸井」を印象づけることにもなったんよ。スピリチュアルやね!
(画像はラブライブ!公式より)

水戸では「ガルパン展」開催中-アニメコラボ、丸井各店でも

丸井では、渋谷マルイの以外のグループ店舗においても、「新宿マルイアネックス」では文教堂書店系列のアニメショップ「アニメガ」、アニメイト運営のカフェ「アニメイトカフェショップ」を導入したほか、2015年に開業した「渋谷モディ」の「HMV&BOOKS TOKYO」でも漫画・アイドル系のイベントを頻繁に開催するなど、従来型の「ファッションビル」から脱するかたちでの顧客層の拡大に努めている。
このようなコラボは地方店舗にも波及しており、「水戸マルイ」では7月24日まで「ガールズ&パンツァー」とのコラボイベントを開催中だ。立川に通い詰めたガルパンおじさんはこちらへパンツァーフォーすることもオススメしたい。
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「ガルパン展」は水戸マルイ殿で7月24日まで開催されるのであります(画像は水戸マルイ公式より引用)

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水戸マルイ㌠。水戸駅前に立地する。

ごあんないはこちらですよ??

ご注文はOIOIですか??」は7月9日から7月27日まで、渋谷マルイ8階で開催。イベント最終日は18時閉場。
会期中には特別イベントの開催も予定されている。
熱狂的なごちうさ民はもちろん、普段着はし○むらで十分と言い張る田舎の巫女さんやいつもラフォーレ原宿地階か新宿マルイアネックス7階で服を買ってそうな熊本出身の厨二病偶像もこのキャンペーンを機に渋谷に足を運んでみるといいかもしれない。
なお、東京MXテレビでは、7月10日(日)午前10時(なんとニチアサ!)からごちうさ・アニメ本編の再放送も開始している。

【以下、追記】ごちうさ展、大人気で会期延長に

一部では、スクランブル交差点で心ぴょんぴょん待ちしながらほっぴんジャンプするバリスタが続出すると言われるほどの壮絶なもふもふを巻き起こしていた渋谷マルイの「ご注文はOIOIですか??」展だが、大好評につき8月14日まで会期が延長されることになった。
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リニューアルが行われたごちうさ展。

丸井館内各所で”ごちうさコラボ商品”を追加

会場内ではほぼ毎週、展示のリニューアルや売り切れている館内限定商品の追加販売も随時行われているほか、館内の飲食店を中心とした一部テナントでは新たにごちうさコラボ商品の販売が開始されている。
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会場限定商品の追加入荷も随時行われる。売切でもあきらめるな!

大天使・桐間紗路さん生誕祭も開催

7月15日には誕生日を迎えた大天使こと桐間紗路さんの生誕イベントも開催され、会場はお祝いムード一色となった。
会期中の8月8日にはマヤの誕生日も控えており、まだ特別イベントの実施予定は発表されていないものの、全世界のマヤのお兄さんお姉さんたちはときめきポポロンしながら渋谷に向かう予定を立てておくのが賢明であろう。
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シャロちゃんが一番可愛い(2度目)。

(C)ご注文は製作委員会ですか??
(C)プロジェクトラブライブ!
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GIRLS und PANZER projekt
 

外部リンク:『ご注文はOIOIですか??in渋谷』  イベント開催決定!!|渋谷マルイ
外部リンク:【ガールズ&パンツァー】期間限定ショップOPEN!|丸井水戸店

ハワイ白木屋デパート「Shirokiya Japan Village Walk」、2016年6月25日開業

ハワイ・オアフ島の複合商業施設「アラモアナ・センター」の日系百貨店「白木屋」が移転・全面リニューアルし、「Shirokiya Japan Village Walk」(白木屋・ジャパンヴィレッジウォーク)として6月25日に開業した。
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 Shirokiya Japan Village Walk(From official facebook)

創業354年の老舗百貨店

「白木屋」は1662年に江戸・日本橋で創業した呉服店を起源とする老舗百貨店。
戦前は「三井越後屋」、「大丸」と並ぶ日本三大呉服系百貨店として知られており、東京、大阪など大都市圏を中心に多数の店舗を構えていたほか、西武百貨店の創業にも携わっていた。1932年に起きた白木屋火災は国内初の高層大型ビル火災としても有名。
しかし、戦後になると店舗の大部分が進駐軍に接収されたこともあり、次第に経営が悪化。横井英樹氏らによる会社乗っ取り工作ののち1956年に東急グループの傘下となり、1958年には白木屋を存続会社として東横百貨店を吸収合併、社名を「東急百貨店」に改めた。
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戦前の白木屋日本橋本店(日本橋に掲示されていた看板より)。

その後、1967年に白木屋日本橋本店が東急百貨店日本橋店に店名を変更して以降、日本国内から「白木屋」の屋号を持つ百貨店は消滅していた。
なお、白木屋日本橋本店は江戸時代から同じ場所で営業している数少ない百貨店でもあった(都内では日本橋三越本店、上野松坂屋がそれにあたる)。
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現在、白木屋本店跡地はコレド日本橋に。

ハワイ唯一の日系百貨店、日本文化の拠点として支持集める

ハワイ白木屋(Shirokiya Incorporated)は1959年に設立。大手百貨店としては「ニューヨーク髙島屋」(1958年)に続く海外進出であった。
白木屋は最盛期にはハワイに4店舗を営業していたが、親会社であった東急百貨店の方針により東急グループから離脱(この頃に旧白木屋本店である日本橋東急も閉店)。2001年からは現地従業員が中心となって設立した「シロキヤ・ホールディング・LLC」が現地法人を買収し、経営権を継承している。
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白木屋CI。コンセプトは呉服店時代から引き継がれている。
(公式サイトより)

白木屋アラモアナ店は1959年10月29日に開店。
アラモアナ・センター最古の核テナント」として57年間営業している。開業以来、日本ブランドの「家電製品」「玩具」や、流行音楽(J-POP)、映像などをラインナップしていたことから、「日本文化の発信拠点・ショールーム」として、根強い支持を集めていた。
近年は、デパ地下を意識した「白木屋のれん街」(屋台街)を開設し、創業89年の名店「とんかつ銀座・梅林」、伊勢丹などに出店している寿司専門店「天領庵」、北海道の人気ベーカリー「ブルクベーカリー」などを導入。フードコートや”1ドルから飲めるビアガーデン”を設置して以降、現地住民や観光客に評判のスポットになっていたが、アラモアナ・センターの全面改装に伴い、3月31日付で旧店舗を閉鎖。一時休業していた。

新店舗は「食」特化、ハワイ初の人気飲食店が多数

白木屋アラモアナ店は、今回の移転リニューアルにより店舗名を「Shirokiya Japan Village Walk」に改称。改装に伴う移転費用は約3,500万ドル。
新店舗のコンセプトは「Shirokiya Guardian Spirits Sanctuary」で、日本の門前町をイメージした館内となり、縁日のような「料理演出」と「おもてなしの心」が体感出来ることをウリにしている。
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 Shirokiya Japan Village Walk Flyer(From official facebook)

屋台村」「絶品プラザ」と名付けられた飲食街では、原宿・竹下通りに本店を構える「原宿・マリオンクレープ」や、吉本興業のお笑い芸人・たむらけんじが手掛ける炭火焼肉の弁当専門店「焼肉弁当 たむら」、大阪・北新地のステーキ専門店「鉄板ステーキパイナップル」、広島の人気ラーメン店「我馬」が手掛ける博多うどん専門店「うろん釜”だし」がハワイ初進出、「Honolulu Burger Co.」など地元の人気店も新規出店。
旧店舗時代から営業していた福岡・久留米発祥のラーメン店「満州屋が一番」の高品質業態「満一 威風堂々」、日本人シェフが手掛ける日本的なケーキ店「クルクル」も再出店する。
また、ビールが低価格で楽しめる「Beer Station」は館内5ヶ所に拡大。ワイン、日本酒、焼酎も1ドルから楽しめる。

「日本文化のテーマパーク」として、様々なイベントを開催

また、仏陀や十二支があしらわれたShirokiya Guardian Spirits Sanctuaryでは、「おみくじ」も体験可能。日本の職人や技術者が作り上げた伝統工芸品も展示、販売する。
また、毎週金曜日・土曜日の午後5時からステージにて「パウ ハナ・エンターテインメント」と呼ばれるイベントを開催。日本語ラジオ局・KZOOのスタジオ「Shirokiya KZOO Radio Station(1210KHz)」も施設内に併設される。

改装で「ブックオフ」など一部テナントは店外に移転

なお、今回の改装に伴いShirokiya内に出店していた北海道の人気ベーカリー「ブルグベーカリー」はアラモアナ・センターの専門店街に移転、ブックオフはアラモアナ・センター近隣の「ドン・キホーテ カヘカ店(旧・ダイエー)」に移転している。

外部リンク:アラモアナセンター ハワイ最大のショッピングセンター
外部リンク:Shirokiya Japan Village Walk

ドレミの街(旧ダイエー岡山店)、9月30日閉店-2017年度の再生目指す

JR岡山駅前の大型ショッピングセンター「ドレミの街」(岡山駅前第一ビル、旧ダイエー岡山店)が2016年9月30日を以て閉店する。
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ドレミの街(旧ダイエー岡山店)。

旧ダイエー、再生から10年で一旦幕

「ドレミの街」が入居する岡山駅前第一ビルは、「ダイエーショッパーズ岡山店」を核店舗、専門店街を「ドレミの街」として1978年11月に開店。
ダイエーの経営再建に伴い2005年に一旦閉店し、2006年3月に全館が「ドレミの街」となり営業を再開していた。
建物は地上7階、地下2階、売場面積は18,157㎡。
現在、土地・建物の大部分を地場企業「成通」(ハリウッドパチンコ)が所有しており、核店舗の天満屋ストア(2,245㎡)のほか、本の森セルバ、ハニーズ、ミカヅキモモコ、ダイソー、医療モールなど約40店舗が出店している。

耐震補強・改装して再生、2017年に営業再開目指す

ドレミの街は築40年弱が経過して老朽化しており、今回の閉館は建物の全館耐震補強・リニューアルに伴うものだという。
土地・建物の大部分を所有する成通(ハリウッドパチンコ)では、1年半ほどかけて全館の耐震補強と全面リニューアルを行い、2017年ごろに新たな商業ビルとして営業を再開させたい考え。
一方で、現時点では具体的な再生計画は未定だという。
成通(ハリウッドパチンコ)では、これまでにもJR岡山駅前に立地している「岡山会館ビル」を買収、「ビックカメラ岡山駅前店」を誘致して再生させた経験がある。
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成通(ハリウッドパチンコ)が再生した岡山会館ビル。

なお、地元紙の山陽新聞によれば、ドレミの街の地権者床・区分所有床に入居する「ミスタードーナツ」など1階の一部店舗は、9月以降も当面のあいだ営業を継続する方針だという。

外部リンク:ドレミの街
関連記事:イトーヨーカドーアリオ倉敷店、8月閉店へ
関連記事:岡電のJR駅乗り入れ、駅前商店街が反対表明

銀座ライオン跡に「銀座プレイス」、9月24日開業-8月3日プレオープン

銀座4丁目交差点に新たなシンボルが生まれる。
2016年9月24日の開業を目指して建設中の複合商業施設「銀座プレイス」が、6月15日に竣工を迎えた。
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銀座プレイス。

銀座の新たなシンボルに

「銀座プレイス」はサッポロビール子会社の「サッポロ不動産開発」と呉服店「つゞれ屋」が「銀座ライオンビル」跡地に建設中の複合商業ビル。
キャッチフレーズは「明日の銀座を創るランドマーク」で、建物は地上12階、地下2階建て、延床面積約7,400㎡、高さ56メートル。
三越や和光がある銀座四丁目交差点に立地し、その外観は建築家ユニット・クライン・ダイサム・アーキテクツによる「透かし彫り」をモチーフとした個性的なものとなっている。
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銀座四丁目交差点に立地する。

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エントランス。6月15日には竣工式典が挙行された。

「銀座ライオン」も復活-館内の詳細

11階7階地下1階地下2階は飲食店街。
11階には神戸牛を使った鉄板焼きレストラン「神戸プレジール銀座」が、7階にはパリのフランス料理店総料理長が監修するフランス料理店「Thierry Marx/GRAND BISTRO MARX」が、地下1階と地下2階には、1911年に開業し永年親しまれているビアホール「サッポロ銀座ライオン」が出店する。地下1階は喫茶、ランチ営業も行う。
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銀座ライオン店内(公式サイトより)。

10階は貴金属店「SGC」。貴金属の買い取りも行う。

6階5階4階には「ソニーストア銀座」が出店。
この店舗は、銀座ソニービルの建て替えに伴う出店であり、将来的には現在の店舗がある数寄屋橋に再移転するものと考えられる。
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ソニーストア店内(公式サイトより)。

3階は、イベントスペース「銀座プレイス」。
サッポロ不動産が管理を行い、銀座を象徴するような様々なイベントが開催される予定だという。
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イベントスペースの様子(公式サイトより)。

1階2階はショップゾーン。
以前よりこの地にあった「日産ショールーム」、「つゞれ屋呉服店」が装いを新たに出店するほか、飲食店なども入居する。

地階は8月3日より営業

銀座プレイスのグランドオープンは9月24日の予定。
なお、ビアレストラン「銀座ライオン」は8月3日より営業を開始する予定となっている。銀座の新スポットを一足早く味わいたい人は、足を運んでみてはどうだろうか。

外部リンク:銀座プレイス
関連記事:「GINZA SONY PARK PROJECT展」開催-ソニービル
関連記事:銀座ソニービル、17年3月閉館-22年の建替え目指す
関連記事:東急プラザ銀座、3月31日グランドオープン

イオンモール富谷、7月15日リニューアルオープン

宮城県富谷町のショッピングセンター「イオンモール富谷」が大規模リニューアルし、7月15日にグランドオープンを迎えた。
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家族連れに照準、フードコートや直営店を中心にリニューアル

「イオンモール富谷」(旧・イオン富谷ショッピングセンター)は2003年3月にオープン。売場面積は約27,000㎡。
今回のリニューアルは「〜ここが私と家族のお気に入り〜」をコンセプトに、フードコートと直営店舗を中心に改装が行われた。

1階のフードコートは、店舗数が6店舗から10店舗に増加。座席数も180席増席され、合計約530席に拡張された。
新規出店店舗のうち、クレープ専門店の「ディッパーダン」はダイエー系の飲食テナントで、宮城では4店舗目の出店。その他にも、ラーメンの幸楽苑や長崎ちゃんぽんのリンガーハット、ごまそばと丼の高田屋が新規出店となった。
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モーリーファンタジーに導入される「ライトスライダー」(公式サイトより)

また、イオン直営エリアでは、仙台市のベッドタウンとして近年子育て世代の増えている富谷町のニーズを意識したリニューアルが行われた。
1階に入居するイオン系のアミューズメント施設「モーリーファンタジー」の改装もその1つで、今回新たに光る立体遊具「ライトスライダー」が導入されている。

市制控えた富谷町、コストコ、ヤマダやドンキなど出店ラッシュ

2016年4月のコストコ県内初出店が記憶に新しい富谷町だが、2016年10月に控えた市制移行を見据え、町内では順調に商業施設の整備が進んでいる。
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イオンモールからもほど近い富ケ丘地区には、2015年12月に「MEGA ドン・キホーテ仙台富谷店」がオープンしたばかり。
さらに、仙台市境付近の上桜木地区では、町内初となる家電量販店「ヤマダ電機テックランド仙台富谷店」が2016年7月22日にオープンする予定となっている。

2010年国勢調査では人口増加率東北1位となった富谷町。
新たな商業施設の整備はこれからも進むことが予想され、2016年10月の市制移行に向け「富谷フィーバー」の勢いは留まることを知らない。

関連記事:コストコ富谷店、4月29日開店
外部リンク:「イオンモール富谷」 7月15日(金) 8:00 リニューアルオープン

リバーウォーク北九州、大規模改装7月14日完了-目玉は飲食店街と都市型スーパー

北九州市小倉北区の複合商業施設「リバーウォーク北九州」が大規模リニューアルし、7月1日から7月14日にかけてグランドオープンする。
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リバーウォーク北九州。

北九州を代表する大型複合商業施設

「リバーウォーク北九州」は2003年に百貨店「小倉玉屋」と「ダイエー小倉店」の跡地を再開発して誕生した複合商業施設。キャナルシティ博多を手掛けた地場大手ディベロッパー「福岡地所」が運営・開発を手掛けており、設計は、2015年に亡くなったアメリカの有名建築家・ジョン=ジャーディー氏。館内では多くの大型イベントが開催され、その個性的な建築は隣接する小倉城とともに小倉の象徴的存在となっている。
専門店街「デコシティ」には、大型インテリア専門店「SAKODA」、シネマコンプレックス「T・ジョイ リバーウォーク北九州」などが出店。「北九州芸術劇場」、「ゼンリン地図の資料館」と言った文化施設や、朝日新聞西部本社、NHK北九州放送局も入居している。

4年ぶりの「食品フロア」復活

ダイエー跡を再開発して誕生したという経緯から、リバーウォーク地下1階はダイエーグループが保有しており、開業以来ダイエーグループの運営する食品フロア「フードパオ」として食品スーパー「ダイエー・グルメシティ」 、「デリパティオ」、「小倉五つ星ラーメン街」などが営業していた。
しかし、ダイエーの経営再建の一環として2012年6月末で「フードパオ」の全館を一旦閉鎖。大型インテリア専門店「SAKODA ホームファニシングス」が出店していた。
SAKODAでも一部の輸入食品を取扱っているものの、小倉駅の周辺の食品スーパーは百貨店コレット地階の「もとまちユニオン」(とみやま)、旦過市場の「丸和」しかなく、利便性が大きく低下していた。
また、フードパオのフードコートの代替としては4階にフードコート「タベリバガーデン」が整備されたが、当初30店舗以上あった飲食テナントは次々に撤退し、15店舗ほどに半減していた。

九州初、北九州初のカフェや食品スーパーなど7店舗出店

今回の改装の目玉は1階に新設された「マルシェゾーン」で、リバーウォーク1階のうち約1,200㎡を全面リニューアル。
飲食店街も新設され、九州初、北九州初となるカフェや、都市型食品スーパーが入居し、7月1日から7月14日にかけてオープンする運びとなった。

1階「マルシェゾーン」(福岡地所公式より)。

「マルシェゾーン」には、ハワイ・アラモアナセンターに本店を構えるアサイーボウル専門店「BLUE HAWAII LIFESTYLE(ブルーハワイライフスタイル)が九州初出店(国内2号店)。
西鉄ストアの手掛ける都市型食品スーパー「レガネットキュート」、広島の老舗お茶屋が手掛けるカフェ「田頭茶舗」、「やおや植木商店」の3店舗が北九州市内に初出店する。
また、「阪急ベーカリー&カフェ」、「スターバックス リザーブストア」が北九州初の業態として開店。門司区のフルーツパーラー「Fruit Factory Mooon」も小倉北区2号店を出店する。

レガネットキュート リバーウォーク店(西鉄ストア公式より)。

スーパーの「西鉄ストア」は都市型・高級業態に

都市型食品スーパー「西鉄ストア・レガネットキュート リバーウォーク店」は、7月1日に開店。
高品質食品スーパー「成城石井」「明治屋」の自社開発商品(PB)や、美容・健康に効果がある「スーパーフード」を導入。北九州市の地産地消ブランド「北九いいと」や、西南女学院大学と共同開発した弁当・惣菜を販売するなど、都会派の高品質ブランドと地元ならではの逸品を取り揃える独自性あるスーパーとして開店。イートインコーナーも設置する。

成城石井のPB商品を展開するスーパーは市内2社目。

オープンニングセールを開催

レガネットのオープン当日となった7月1日には、北陽・虻川美穂子氏のトークイベントが開催された。
また、リバーウォーク北九州全館で利用可能な300円クーポンが貰えるスタンプラリーやサマーバーゲン、クリアランスセールも実施する。

外部リンク:リバーウォーク北九州

マルヨシセンター高級業態「グランデリーズ」1号店、2016年7月12日開店-ローソン経営にも参入

四国の中堅スーパー「マルヨシセンター」(高松市)は、2016年7月12日に新業態「グランデリーズ」の1号店を高松市に開店させた。
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グランデリーズ1号店となった太田店。

マルヨシセンター、高級スーパーに参入-安売競争激化で

「グランデリーズ」はマルヨシセンターの新業態で、1号店の「グランデリーズ太田店」は1997年に開業した「マルヨシセンター太田店」を改装したもの。
平屋、売場面積は1,819㎡。
「グランデリーズ」は、従来の庶民的なイメージの「マルヨシセンター」とは一線を画した、「健康とおいしさ」をキャッチフレーズにした店舗。
「伊予の元気豚」や「阿波の元気鶏」など、四国産のこだわりの食材を取り揃えるほか、健康に配慮した食品のコーナー、100円から気軽に買えるベーカリー、イートインコーナーなども新たに設置する。CIや店内ソングも、従来のマルヨシセンターとは異なったものを用いている。
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「グランデリーズ」のシンボルマーク。

開業初日となった12日は朝から多くの買い物客が詰めかけ、店頭では開店記念品のキャンディーが配布された。
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開店記念品のグラデリキャンディー。

競争激化で業態転換、今後も進むか

マルヨシセンターでは、近年「ディスカウントドラッグコスモス」や「ドラッグストアモリ」、「ザグザグ」などのドラッグストアと競合関係に当たる店舗が増えており、グランデリーズへの転換には、安売り競争とは一線を画す「こだわりの・ちょっといい食品」を販売する新業態で巻き返しを図りたい考えがあると思われる。
マルヨシセンターでは老朽化した店舗の改装も進めており、太田店の成否によっては、今後も既存店のグランデリーズ業態への転換が進むことも予想される。
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店内のようす(マルヨシセンター公式ツイッターより)。

マルヨシセンター、コンビニにも参入-ローソンとFC契約

このほか、マルヨシセンターでは新たにローソンとのフランチャイズ契約を結び、7月6日にマルヨシセンターが運営するローソンの1号店を観音寺市内に出店させるなど、経営改革を推し進めている。

外部リンク:グランデリーズ