東急モールズデベロップメント運営する東急南町田駅前のアウトレットモール「グランベリーモール」(東京都町田市)が2017年2月12日に閉館し、16年の歴史に幕を下ろした。

賑わう最終日のグランベリーモール。
「暫定利用」として開業した駅直結アウトレットモール
東急田園都市線南町田駅は1976年10月に開業。周辺の住宅団地の開発に合わせたものであったが、商業施設としては長らく「東急ストア」など小規模のものしか立地しておらず、あくまでベッドタウンとしての役割しか持っていなかった。
しかし1990年代に入ると、1993年に駅北口にアメリカの街並みを再現したアミューズメント施設「キャノンボールシティ」が、1998年には南口にニトリが開業するなど、集客施設の開発が進んだ。
そうしたなか、「開発が進むまでの10年間程度の暫定利用」として、2000年4月にグランベリーモールが開業する。
南町田駅に直結し、約87,000㎡の広大な敷地のなかに複数の建物が建つ造りで、売場面積はA館フレッシュベリーマーケット(東急ストアなど)が3,869㎡、B館ホームライフガーデン(モンベル、GAPなど)が4,176㎡、C館ホームライフガーデン(コムサなど)が8,639㎡、D館アウトレットが2,822㎡、E館アウトレットが2,822㎡、F館アウトレットが2,858㎡。このほかに、映画館が入居するオアシススクエアなどがある。
アウトレットモールにはラグジュアリーブランド「COACH」やセレクトショップ「BEAMS」、「URBAN RESEARCH」、靴専門店「ABC-MART」、丸井のアウトレット業態などが出店。そのほか、アウトドア用品専門店「mont-bell」やインテリア雑貨「Francfranc」の大型店舗、食品スーパー「東急ストア」、カジュアル衣料品店「GAP」、書店「リブロ」なども出店していた。
また、グランベリーモールの開業が呼び水となり、2001年には外資系スーパー「カルフール」(現・ケーズデンキ)が進出したほか、大手不動産ディベロッパーによる分譲マンション建設も進められ、南町田駅周辺は急速な発展を遂げた。
米国登山用品大手R.E.I(レクリエーショナル・イクイップメント)も出店していたグランベリーモール(現在はモンベル)
当初は10年間程度の暫定利用として開設されたグランベリーモールであったが、2006年には三井不動産や三菱地所グループなど競合他社による首都圏近郊への相次ぐアウトレットモール開業に対抗するかたちでシネマコンプレックス「109シネマズ」などが入居する新館「オアシススクエア」を増設するなどし、客層を拡大していった。
「暫定利用」開始から16年、再開発で閉館へ
グランベリーモールは渋谷から東急田園都市線で約30分という立地を活かし、都内有数のアウトレットモールとして休日には混雑を見せるようになった。一方で、普段から近隣住民がペットを連れて散歩する姿も見られるなど地域に根付いた施設にもなっていた。
しかし、「暫定利用」として開業した建物は老朽化が進んでいたこともあり、2016年に東急電鉄と町田市が共同で立ち上げた駅周辺大規模再開発プロジェクト「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」の一環として、再開発の対象となることが決まった。

閉店を記念してペットボトルのキャップで作られたアート作品。
賑わう営業最終日、入場制限も
営業最終日となった2月12日は、南町田駅からは長蛇の列ができ、閉館を惜しみイベント会場で記念撮影する客などで溢れかえった。
開業以来営業を続けていた「アウトバックステーキハウス」の日本1号店や、最大50%OFFを打ち出した「COACH」では入場制限も行われた。

アウトバックステーキハウス。
閉館45分前となる午後5時15分からは、閉館記念セレモニーとして「イルミネーション消灯式」が開催され、積水ハウスのCMソングで知られる「アルケミスト」によるライブ、即興のコーナー、町田市立鶴間小学校生徒との合唱が披露された。
アルケミストはtvkテレビ神奈川の人気長寿番組「あっぱれKANAGAWA大行進!」のレギュラーを務め、グランベリーモールのイベントにも約14年間出演し続けるなど、当モールにゆかりのあるアーティストとして知られている。アルケミストは閉館するグランベリーモールを意識した替え歌を作り、消灯式参加者誰もが一体になるような世界観づくりを目指した。
この閉店記念ライブはインターネット上で同時生中継され、岐阜県からも「即興コーナー」に参加するファンがいるほどの注目ぶりであった。

東急モールズデベロップメント社員一同による挨拶。
閉館10分前には東急モールズデベロップメント安田龍司事業部長による買物客や従業員、店舗スタッフへのお礼、ねぎらいの言葉が語られ、「(再開発の完了後に)ワクワク、ドキドキする施設をご覧いただけるように、精一杯努力することを約束する」という言葉で締めくくられた。
閉館6分30秒前(消灯1分30秒前)には、安田龍司事業部長と小学校生徒2名による消灯準備が行われ、消灯10秒前に急ぎ足でのカウントダウンが実施され、イルミネーションが消灯された。
その後、東急モールズデベロップメント社員が「お兄ちゃん、お姉ちゃんになった3年後のみなさん、忘れずにまた来てくださいね」「3年後また皆様とここでこうしてお目にかかれることを楽しみにしております」と語りかけ、グランベリーモールは16年の歴史に幕を下ろした。

セレモニーでは南町田駅から長蛇の列が生じた。
東急ストア、郵便局など仮移転-再開業は2019年度末か
グランベリーモールの閉鎖後、跡地は約3年間をかけ「生活遊園地~くらしの『楽しい』があふれるエンターテイメントパーク~」をテーマとした全面再開発がおこなわれる。
東急グループでは、南町田を「第二の二子玉川」と位置付けているといい、新施設の誕生が期待される。
なお、グランベリーモール閉鎖後も、食品スーパー「東急ストア」は2月28日まで現店舗での暫定縮小営業を行い、3月10日以降は駅西側に近隣住民向け仮設店舗を開設する。
郵便局やATM、南町田駅前連絡所(リエゾン)も近隣への一時移転が予定されている。
今後の南町田再開発に関する記事はこちら
外部リンク:グランベリーモール 公式サイト
外部リンク:南町田拠点創出まちづくりプロジェクト|町田市・東急電鉄
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記事関連記事:町田モディ、4月29日全館改装ー目玉は「ロフト」
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京阪、大津線4駅の駅名を2018年3月に改称-浜大津など、大津市の街づくり計画で
京阪電車(京阪電気鉄道、大阪市中央区)は、大津市の街づくり計画に沿うかたちで、2018年に大津線(京津線、石山坂本線)4駅の駅名を改称する。

改称される予定の浜大津駅。
京阪4駅、大津市の街づくり計画に沿った改称
今回、駅名を変更するのは大津線(京津線、石山坂本線)にある「浜大津」、「別所」、「皇子山」、「坂本」の4駅。それぞれの新駅名と改称理由は以下の通り。
- 浜大津:びわ湖大津観光の玄関口であることから「びわ湖浜大津」
- 別所:大津市役所に隣接していることから「大津市役所前」
- 皇子山:JR湖西線「大津京」との連絡駅であることから「京阪大津京」
- 坂本:比叡山観光の拠点であることから「坂本比叡山口」

4駅の位置図。京阪ニュースリリースより。

新しい駅名票イメージ。京阪ニュースリリースより。
4駅はいずれも大津市内に位置しており、今回の改称は、大津市が2017年度から策定を進めている「大津市第2期観光交流基本計画」の中心的な考え方である「オンリーワンのびわ湖を活用した地域の活性化」に賛同したものだという。
新駅名の使用は2018年3月からになる。
追記∶車両カラーを京阪本線と統一することも発表された。2017年から順次変更される。
追記:改称日は3月17日となった。
外部リンク:大津線4駅の駅名を変更します。(京阪電車)
外部リンク:大津市第2期観光交流基本計画策定について(大津市)
関連記事:JR北海道、3路線を廃止する方針-日高本線、夕張線に続き
関連記事:ビエラ大津、2016年10月1日開業-JR大津駅ビル全面改装
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ニトリ渋谷公園通り店、2017年6月30日開店-丸井・シダックス跡に「都心初」単独旗艦店
家具販売大手のニトリ(札幌市北区)が、渋谷区神南に旗艦店となる「ニトリ渋谷店」(仮称)を出店する。
※開店日と店名が確定したため、タイトルを変更しました(詳細後述)
都心に積極出店続けるニトリ、丸井・シダックス跡に旗艦店
ニトリが出店するのは、渋谷区神南のファイヤー通り沿いにあるカラオケ店「シダックスビレッジクラブ」の跡。
建物は地下1階、地上9階建てで、商業ビル時代の売場面積は5,980㎡。現在建物はシダックスが所有しており、この建物と隣接して「シダックスカルチャービレッジ」がある。

旧・シダックスビレッジクラブ。
右側はシダックスカルチャービレッジ。(GoogleMapより)
「シダックスビレッジクラブ」のビルは1991年3月にファッションビル・百貨店を運営する丸井(中野区)が「マルイ・イン・ザ・ルーム渋谷」として建設したビルで、元々はインテリア店だった。インザルームは「マルイワン渋谷」に業態転換したのち、2004年1月に閉店。その後、同年にシダックスが建物を購入、カラオケ店とシダックス本社、イベントホールなどが入居する建物「シダックスビレッジクラブ」となり、シダックス旗艦店の1つとして親しまれてきた。
さらに2013年4月には、隣接する東京電力の企業資料館「渋谷電力館」を「シダックスカルチャービレッジ」としてオープンさせたが(建物内に変電所があるため建物は東電が継続して所有)、一方のシダックスビレッジクラブはシダックスの全国的な店舗網縮小により、2016年8月に閉店していた。
営業当時のシダックス。2館体制のころ。
ニトリの正式な開店日などは発表されていないが、店舗前に掲出された建築計画によると、工事期間は2017年5月31日までとなっており、2017年6月ごろに開業するものと思われる。

建物に掲げられた工事計画。
東京都心への出店続けるニトリ、自社競合も?
ニトリが東京都心に単独店舗として出店するのは初の事例であり(これまで最も都心に近い単独店は中目黒であった)、渋谷への旗艦店出店は悲願であると考えられる。
その一方で、渋谷区には既にニトリが髙島屋タイムズスクエア、東急百貨店東横店、笹塚駅前に出店しており、オーバーストアにならないかという懸念も大きい。また、駅から徒歩10分ほどで大型駐車場も設置されておらず、大型家具を扱う店としては少し心もとないという印象も受ける。
ニトリにとって初の都心単独店舗だけに、その経営手腕が試されることになるであろう。
追記:「ニトリ渋谷公園通り店」6月30日開店に
店舗名は「ニトリ渋谷公園通り店」となった。
6月30日に開店する。
ニトリ渋谷公園通り店
住所:東京都渋谷区神南1丁目12−13
営業時間:10時~20時
外部リンク:ニトリ
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ドン・キホーテ「58分以内」配達サービス、2月22日開始-まずは旧ダイシンで
ディスカウントストア「ドン・キホーテ」(目黒区)は、注文から58分以内に配達を行う有料サービス「マジカ・プレミアム・ナウ」(majica Premium Now)を2月22日より大田区で開始する。
750円で58分以内に配達-まずは大田区大森から
マジカ・プレミアム・ナウの「58分以内配達サービス」を使う条件は、商品を税抜2000円以上購入し、配達先が店舗から約3キロ以内の指定地域へ配達する場合。配達料は税込750円となる。
また、税抜2000円以上購入の場合、店舗から約5キロ以内・2時間毎配達(指定した2時間内での配達)であれば、配達料は無料となる。
注文はスマートフォンの「マジカアプリ」を用い、専用サイトからおこなう。
まずは2月22日よりMEGAドン・キホーテ大森山王店(旧・ダイシン百貨店)で取り扱いを開始し、順次他店に広げていく予定だという。

MEGAドン・キホーテ大森山王店。
旧・ダイシン百貨店跡になる。
こうした高速配達サービスは東京都心などにおいて同業他社でも開始されているが、ドン・キホーテは全国に店舗網を持っているため、同業他社を大きく引き離す規模へと成長する可能性もある。
また、ドン・キホーテは自社で配達網を構築すると見られていることから、言ってみれば伝統的な「そばの出前」や「ピザの宅配」のようなサービスにも近く、そこがライバルであるアマゾンジャパンなどとの大きな違いとなる。
外部リンク(プレスリリース):ドン・キホーテグループプレミアムサービス第2弾 2017 年2月22 日(水)「majica Premium Now」開始!~店舗を拠点とする“最短58 分以内”の配達サービススタート!~
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イトーヨーカドー広畑店、3月26日閉店-姫路南部を代表する大型ショッピングセンター
姫路市広畑区の山陽電車夢前川駅のそばにある大型ショッピングセンター「イトーヨーカドー広畑店」が3月26日に閉店する。

イトーヨーカドー広畑店。
ニトリ、ムサシとともに一大商業地を形成していた
イトーヨーカドー広畑店は2000年3月開業。地上2階建、売場面積は20,554㎡。新日本製鐵用地(労働会館の跡地など)への出店だった。建物部分はイトーヨーカ堂が所有している。
館内には専門店として「ABCマート」、「マックハウス」、「クラフトパーク」、「キャンドゥ」、「宮脇書店」など約25店舗が入居しているほか、隣接地に「ニトリ」(売場面積9,776㎡、2004年11月開店、アカチャンホンポも同居)、「ホームセンタームサシ」(売場面積25,375㎡、2004年10月開店)が出店しており、総売場面積5万㎡を超える一大商業集積地となっている。また、新日鐵住金グループの総合病院「製鉄記念広畑病院」とも隣接している。
閉店セールは2月8日から-後継テナントは未定
イトーヨーカドー広畑店では、2月8日から閉店セールが実施されている。
後継テナントなどに関しては、2月時点で発表されていない。
イトーヨーカドーの建物は築年数17年とまだ新しいために新規テナントを誘致する可能性が高いと考えられる。
一方で、姫路市にはイオングループの源流の1つとなった「フタギ」の本社があった縁もあり、ヨーカドーの近隣にも複数のイオン系ショッピングセンターが立地する。イトーヨーカドーも売場面積が2万㎡と非常に広いうえに自社所有物件であることから、建物が他社に売却される可能性もあろう。
外部リンク:イトーヨーカドー広畑店
関連記事:サンモール高砂、再生に向けて売却へ
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JR筑豊本線、若松-直方間を3月から「スマートサポートステーション」に-遠隔サポートで無人化
JR九州は2017年3月4日のダイヤ改正に合わせて、JR筑豊本線(若松駅-折尾駅間の愛称は「若松線」、折尾駅-桂川駅間の愛称は「福北ゆたか線」)の若松駅から直方駅の間にある11駅(若松駅含む、折尾駅は除く)を無人化し、最新の遠隔サポートシステムを導入した「Smart Support Station」(スマートサポートステーション)に転換する。

筑豊本線・直方車両センター。
中間(なかま)駅から「遠隔操作」で利用客に対応
今回のダイヤ改正により無人化されるのは、若松駅と若松駅から直方駅の間にある12駅のうち折尾駅を除く11駅。
このうち、若松駅、中間(なかま)駅は一部時間帯で駅員を配置する(後述)。
「スマートサポートステーション」導入駅(JR九州プレスリリースより)。
対象となる11駅では、全駅に遠隔サポートシステム「スマートサポートステーション」を導入する。
筑豊本線のスマートサポートステーションは、中間(なかま)駅に設けられたサポートセンターから遠隔操作により、切符の精算やICカードチャージといった業務に対応するとともに、駅構内にはインターホンや複数台のカメラを設置するもの。
スマートサポートステーションは、2014年3月から香椎線で運用が開始された香椎線につづいて2路線目の導入となる。
JR直方駅。
若松駅・中間駅では完全無人化回避-DENCHAも増備
若松駅-直方駅間のうち、サポートセンターの本部機能が設置される中間(なかま)駅と、起点駅であり無人化反対運動が行われていた若松駅では、通勤・通学時間帯(6時30分~8時30分)に駅係員を配置して定期券販売など従来通りのサービスを行う。
このため、若松駅と中間(なかま)駅の「完全無人化」は見送られた形となった。

筑豊本線の起点となる若松駅。
また、若松線では新型車両の819系蓄電池車「DENCHA」を増備し、全車両をDENCHAに統一し、一部電車を直方駅まで直通化するほか、若松駅舎を改装することで、サービスの向上を図る。

819系蓄電池車「DENCHA」。
路線維持の1手段「スマート無人駅」、今後も拡大か
JR九州は2016年10月にJRグループ4社目となる東証一部上場を果たしたことで、赤字である鉄道事業の経営改善に向け、駅業務の効率化や収益構造の最大化などといった努力がより一層求められることになった。
今後も、閑散線区の鉄道路線・運行本数の維持を図る1つの手段として、運行効率化を図るために若松線や香椎線をモデルとした「スマートサポートステーション」を導入するケースが増えていきそうだ。
このほか、JR九州では3月4日から特急「にちりん」(大分駅-宮崎空港駅など)、「ひゅうが」(延岡駅-宮崎空港駅など)の一部列車をワンマン運転化することなどを発表している。
特急にちりん。
外部リンク:筑豊本線の一部が「Smart Support Station」に変わります
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ジュンク堂書店大分店、ベスト電器大分ビルに2017年4月移転-コメダ珈琲店との複合店舗に
イオン・大分フォーラスの建て替えに伴い、2月26日に閉店することになっていた「淳久堂書店大分店」(ジュンク堂書店大分店)が、セントポルタ中央町商店街の旧「ベスト電器大分店」跡に移転することになった。

ジュンク堂書店大分店が出店する大分フォーラス。
新生「ジュンク堂大分店」、コメダ珈琲店との複合店舗に
ジュンク堂書店大分店は1995年1月にジュンク堂書店の九州1号店として開店。大分フォーラスの7階~8階にあり、22年に亘って「大分県最大の書店」として親しまれてきたが、大分フォーラスの建替え(建替え後は「大分オーパ」)に伴い、一時閉店することが決まっていた。現店舗の売場面積は約2,300㎡。

ジュンク堂書店大分店の店内。
なお、同店はしばしば「大分市の大型書店のさきがけ」と言われることがあるが、1983年から1988年までは三省堂書店が晃星堂との合弁でサンバード長崎屋大分店の地階全体(現在は「地下ゲー」ことタイトーステーション大分のフロア)に出店していたことがある。
ジュンク堂書店が移転することになったのは2016年9月まで「ベスト電器大分店」が出店していたべスト電器大分ビルで、建物はベスト電器が所有している。ベスト電器は1982年7月から2016年9月までこの自社ビルに出店してきたが、2016年10月28日に大分駅に隣接して開業したショッピングセンター「アクロスプラザ大分駅南」2階に移転。その後、ビルは閉鎖されていた。

ベスト電器の移転先となったアクロスプラザ大分駅南。
ジュンク堂書店はベスト電器大分ビルの1階~5階に出店。2017年4月に開店する予定。また、ジュンク堂書店の1階には「コメダ珈琲店」が2017年7月に出店する。コメダ珈琲店は大分県4店目で、大分市中心部には初出店となる。2017年2月現在、各社のプレスリリースは出ていないものの(追記:2月17日にジュンク堂書店からの移転発表がなされた。詳しくは後述)、すでに複数の求人サイトにおいて告知がなされている。(※求人終了後にリンク切れとなる)
出店するベスト電器大分ビルの売場面積は1,119㎡。地元紙・大分合同新聞によると、新しいジュンク堂書店大分店の売場面積は約1,600㎡、コメダ珈琲店は220㎡となる予定で、現在のジュンク堂書店大分店よりも小さい規模になるという。ジュンク堂書店が「大分オーパ」の完成後にオーパに再移転するかどうかは、現時点では発表されていない。

旧・ベスト電器大分店。
セントポルタ中央町商店街に立地。この場所のアーケードは開閉式。
大分駅前では、2014年以降大分駅ビル(JRおおいたシティ)に「紀伊國屋書店」が、トキハ本店に「リブロ」が新規出店(リブロは厳密には移転再出店)、さらにアニメイトが移転増床しており、その影響で明屋書店が撤退したばかり。今回のフォーラス建替えによりジュンク堂書店も存続が危ぶまれていた。それだけに、長年親しまれた書店の再出店を歓迎する声は大きいであろう。
大分フォーラスの建替えについての記事はこちら。
追記:ジュンク堂書店移転に関する公式発表はこちら(2017/2/17)
開業日は4月28日となる。
ジュンク堂書店大分店(新店)
コメダ珈琲店大分中央店
住所:大分市中央町2-3-4
営業時間:10:00~20:00

外部リンク:ジュンク堂書店大分店
関連記事:大分フォーラス、2017年2月閉店-建替えで全面リニューアル「大分オーパ」に
関連記事:アクロスプラザ大分駅南、2016年10月28日開店-大分駅隣接のショッピングセンター
関連記事:大分駅前にベスト電器出店-アクロスプラザ大分駅南の核店舗
ニトリ狛江ショッピングセンター、2017年2月16日開業-積極出店すすめるニトリ、池袋東武にも3月出店
狛江市の小田急線喜多見駅近くに、家具大手の「ニトリ」と家電大手の「ヤマダ電機」のコラボ店舗となる「ニトリ狛江ショッピングセンター」が2017年2月16日にグランドオープンする。
ニトリ狛江ショッピングセンター。
ニトリとヤマダのコラボ店舗、飲食店も出店
ニトリ狛江ショッピングセンターは喜多見駅近くの世田谷通り沿いに立地する「カゴメ物流多摩川配送センター」跡地に出店。建物は地上3階建てで、店舗面積は7,934㎡。
1階「ヤマダ電機テックランド狛江店」と2階「ニトリ狛江世田谷通り店」を核に、「とんかつ和幸」、「ふうふや」(京うどん・和食)、「星乃珈琲店」といった飲食店が入居する。
2月9日にヤマダ電機が先行オープンし、2月16日にグランドオープンを迎える。
ニトリ、ピエリ守山・名鉄本店にも-池袋東武には3月出店
ニトリは2016年に新宿高島屋タイムズスクエア、東急百貨店東横店(いずれも渋谷区)、港南台高島屋(横浜市南区)など、百貨店に立て続けに出店したことで話題を集めたほか、自社開発のショッピングセンターとして「ニトリモール枚方」(大阪府枚方市)、「ニトリ梅島ショッピングセンター」(足立区)も出店させており、積極展開を続けている。
2016年12月に出店したニトリ梅島ショッピングセンター。
ニトリは2017年に入っても、1月13日に「名鉄百貨店本店」(名古屋市中村区)、2月10日に滋賀県のショッピングセンター「ピエリ守山」(守山市)内に新規出店するなど、その勢いは留まることを知らない。
さらに、ニトリは3月15日には「東武百貨店池袋本店」(豊島区)への出店を予定している。ニトリが出店するのは6階で、売場面積は約3,700㎡となる。

ニトリが出店する東武百貨店池袋本店。
ニトリ狛江ショッピングセンター・出店テナント一覧
1階
- ヤマダ電機テックランド狛江店(家電)
- 星乃珈琲店(カフェ)
- ふうふや(京うどん・和食)
- とんかつ和幸(とんかつ)
2階
- ニトリ狛江世田谷通り店(家具・インテリア)
ニトリ狛江ショッピングセンター
住所:東京都狛江市岩戸南2丁目4番3号
営業時間:10時〜21時(一部テナントは営業時間異なる)
ニュースリリース:「ニトリ狛江ショッピングセンター」オープンのお知らせ(ニトリ公式サイト)
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西武百貨店旭川店跡、B館にホテル誘致へ-A館は解体すすむ
2016年9月30日に閉店した旭川駅前の「西武百貨店旭川店B館」の土地・建物を、前田住設(旭川市)が取得し、ホテルの誘致を軸とした再生を図ることとなった。

西武百貨店旭川店。手前がB館。
旭川西武B館、ホテルに-道北唯一の百貨店だった
西武百貨店旭川店は1975年8月に開店。
A館(地下1階、地上8階)とB館(地下1階、地上10階)の2館体制で、売場面積は24,177㎡。
開業当初はB館のみで、西友の運営だった。1979年には隣接してams(旭川緑屋ショッピングセンター)が開業。のちに旭川西武のA館となった。また支店として西武旭川空港ショップも運営していた。
同店は旭川市唯一の百貨店であり、2009年の丸井今井旭川店閉店以降は道北唯一の本格的百貨店であり(西條百貨店(名寄、稚内、士別、枝幸)は現在ショッピングセンター業態)、ロフトや無印良品、三省堂書店など多くの大手専門店も出店していたが、そごう・西武の経営不振もあり、売上の減少を理由に2016年9月30日に閉店。
その後、地権者側の敷金返還問題なども報じられていた。
また、地元紙・北海道新聞によると、西武百貨店旭川店B館は耐震補強が済んでいるため耐震性はあるものの、ホテルの誘致するに当たっては建物をそのまま活用するか解体するかどうかは未定だという。
解体すすむ旭川西武A館-跡地は未定
旭川西武跡地では、B館の活用が決まる一方で、A館の建物は解体が進んでいる。
2017年2月現在、A館跡地の利用方法などについては未定だという。

解体中の西武百貨店旭川店A館。
(撮影:北のテッチャンさん)
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ザ・ビッグ岩国店、2017年2月28日閉店-ザ・ビッグ1号店
マックスバリュ西日本(広島市)が運営する山口県岩国市のディスカウントストア(総合スーパー)「ザ・ビッグ岩国店」が2月28日に閉店する。

ザ・ビッグ岩国店(Googleマップより)。
競合多い岩国で生まれた「ザ・ビッグ1号店」
ザ・ビッグ岩国店はみどり(大竹市)が運営する総合スーパー「みどり岩国店」として1977年6月に開店。
岩国駅東口から徒歩10分ほどの場所に立地し、店舗は2階建てで、店舗面積は1,954㎡と狭いながら、衣食住フルラインで取扱う総合スーパーとなっている。
みどりは1976年までいづみ(現:イズミ・ゆめタウン)と業務資本提携しており、イズミが既に出店していた岩国への出店は独立したみどりを象徴する出来事であったと考えられる。
その後、1986年にみどりはジャスコグループ入り。1989年3月に競合の激しい岩国店を新業態のディスカウントストア「ザ・ビッグ」として営業を開始した。当時の岩国市は、1983年12月に「イズミ南岩国店(ゆめタウン南岩国)」が、1987年4月に「フジグラン岩国」などが開業したばかりで、ディスカウントストアへの転換は、当時成功していたダイエーグループのディスカウントストア「トポス」に倣ったものであったと考えられる。

みどりが運営していた店舗(ザ・ビッグ小郡店)。
このロゴは2代目のもの。
みどりは営業している12店舗を順次ディスカウントストア「ザ・ビッグ」に転換。1999年に山陽ウェルマートと合併、現在のマックスバリュ西日本(広島市)の源流の1つとなっている。
その後、イオングループは2008年より「ザ・ビッグ」の全国展開を開始。
現在は全国的に展開される屋号となった。

現在のザ・ビッグの店舗(福岡県)。
跡地には新店舗を建設する方針
ザ・ビッグ岩国店は築40年が経過、老朽化が進んでいるため、建物は解体される予定。
店舗跡には、マックスバリュ西日本が新しい店舗を建設して再出店する方針だという。
追記:新店舗の完成まで小規模の仮設店舗が設けられる。
外部リンク(プレスリリース):「ザ・ビッグ岩国店」の閉店について
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