大田区大森のダイシン百貨店跡に「MEGAドン・キホーテ大森山王店」が6月30日にグランドオープンした。
MEGAドン・キホーテ大森山王店(公式サイトより)
ダイシン運営、ドイトやニトリもある都内最大「メガドンキ」
「MEGAドン・キホーテ大森山王店」は、今年5月8日に閉店した総合スーパー「ダイシン百貨店」の建物に入居。売場面積は約10,500㎡。
大型の旧ダイシン百貨店ビルをそのまま引き継いだことから、同店は都内最大の「MEGAドン・キホーテ」となった。
地下1階~5階までのうち、1階から2階に「MEGAドン・キホーテ大森山王店」が入居。このほかの階には、ドンキホーテグループのホームセンターであるドイトのリフォームサービスショップ「ドイトWithReHome」や、家具大手の「ニトリ」が出店し、ドンキホーテが苦手とする分野を受け持つほか、「ガスト」などの飲食店テナントも入居する。屋上には独欄も開設。なお、一部テナントは今秋までに順次開店する予定。
メガドンキは引き続きダイシン百貨店が運営する。
(写真は公式サイトより)
また、同店は引き続きドンキ子会社となった「株式会社ダイシン百貨店」が運営する。
ドン・キホーテによると、これまで築いてきた大田市場からの仕入れルートなどを生かした「ダイシンらしさ」に、日用品などを低価格で販売する「ドンキらしさ」を掛け合わせた「メガドンキ百貨店」として生まれ変わることになるという。
大森・山王商店街の華、52年の歴史に幕を下ろしたダイシン
1964年に開業したダイシン百貨店は、家電、家具、DIY用品など「何でも揃う百貨店」として知られていた。
近年は、百貨店が掲げる「半径500メートルの住民を100%顧客にする」のスローガン通り、近隣の高齢者住民に対するサービスを充実させるなど、高齢化社会に対応した小売店としてメディア各所からの注目を浴びてきた。
閉店後、メガドンキへの移行が進む最中の旧ダイシン百貨店。
しかし、2013年以降、隣接地にイオン系列のスーパー「まいばすけっと」が2店舗相次いで出店したことなどもあり経営が悪化。
2014年に経営権がドン・キホーテ系列の投資ファンドに売却されると、営業時間が他のドンキ店舗と同様のものに変更されるなど、徐々に「ドンキ化」が進んでいった。
2016年にはドン・キホーテHDがダイシン百貨店の直接経営権を取得するに至り、5月8日にダイシン百貨店は52年の歴史に幕を下ろしていた。
「驚安の森」に-黒字化めざしニッチな売場も廃止
ドン・キホーテでは、年商約54億円(2015年)だったダイシン百貨店を年商80億円にまで引き上げ、早期の黒字化を図りたい考え。
ドン・キホーテへの改装に伴い、従来のダイシン名物だった「粉歯磨き」などといったニッチな商品の販売は中止されているほか、キャッチフレーズはこれまでの「住んで良かった街づくり-オオモリノモリ」から「驚安の森」へと変更されている。
かつて掲げられていた「ダイシン百貨店」の看板。
大森・山王商店街の華として約半世紀にわたり営業を続けてきたダイシン百貨店。
MEGAドン・キホーテは、多くの人から愛されたダイシン百貨店のスピリットを受け継ぎ、これまでの顧客に愛されることができるか、注目が集まっている。
MEGAドンキホーテ大森山王店
住所:東京都大田区山王3-6-3
営業時間:8:00~27:00
関連記事:ダイシン百貨店、5月上旬閉店ードンキが買収で
外部リンク:ダイシン百貨店公式HP
外部リンク:2016年6月30日(木)「MEGAドン・キホーテ大森山王店」オープン(ドン・キホーテHDホームページ)