兵庫県神戸市の総合スーパー「ダイエー神戸三宮店」が2月24日に全面リニューアルし、改装工事が行われていた2~9階が「三宮オーパ2」(三宮OPA 2)となって2月24日にグランドオープンした。

新たなフォントのロゴを掲げた三宮OPA2。
新生OPA1号店、ダイエーのお膝元に誕生
三宮OPA2の延床面積は17,600㎡、総賃貸面積は11,700㎡(2~9階)。
施設コンセプトに「今日が、明日が楽しくなる“ゴキゲンCHARGE STATION”」を、店舗広告に「マイニチ ヨリミチ」を掲げ、駅前立地を活かし、デイリーユースを想定した女性ターゲットの施設を目指した。
三宮駅とペデストリアンデッキを通じて接続する2階「ファッション&ライフスタイルグッズ」のフロアには、グロサリー専門店久世福商店が展開する和カフェ「久世福茶寮」が近畿初出店。「万能だしのだし玉うどん」や「老舗あんこのあんみつ」など、日本全国のうまいものを取り揃えるという久世福のコンセプトを体現したようなメニューが提供される。
衣料・雑貨テナントとしてはワールドの「groove」、アダストリアの「studio clip」(スタジオクリップ)、芦屋のインテリア雑貨店「ル・グラン・トレザワ」が手掛けるヨーロッパのアンティーク雑貨専門店「Dentelliere」(ダンテリエール)などが出店する。
2階のダイエー神戸三宮店管轄フロアには「スターバックス」「サンマルクカフェ」などが出店しており、一大喫茶店ゾーンが形成されることとなった。

久世福商店を併設する和カフェ「久世福茶寮」。
3階「ビューティケア&リラクシング」のフロアには、美と健康に特化した品揃えが特徴の「イオンボディ」、化粧品通販会社「Kagami」の直営店、オーダーメイド枕専門店「ピロースタンド」が近畿初出店。三重発のインテリア雑貨「ルナワールド」も出店する。
4階「ベーシック&カジュアル」のフロアには「ASBee」「Right-on」「Honeys」など比較的低価格志向のアパレル、シューズテナントが出店。三宮OPA2の客層に合わせた売場づくり、商品展開が行われる。

開放感あるフロアづくりが特徴の4階。
5階「ホームコーディ(ホームファッション&クラフト)」のフロアには、イオンが新たに専門店化を推し進めるホームファッションブランド「HomeCoody」1号店と、手芸専門店「パンドラハウス」が出店。
HomeCoodyは、「ACCENTUATION(暮らしにアクセント)」をコンセプトに掲げ、生活雑貨や文具用品などを展開。パンドラハウスは三宮OPA2の客層に合わせ、「スイーツデコ」「DIY女子」などテーマ性のある講習会を開催するなど提案型の店舗を目指すという。
6階、7階には以前から出店していた登山用品に強みを持つアウトドア専門店「IBS石井スポーツ」、大型書店「ジュンク堂書店」がそのまま営業を続けている。
レストラン街は4倍の16店舗に
8階、9階はレストラン街「PATIO THE DINER」としてフロアを展開。
面積は改装前の約2倍に拡大し、店舗数は改装前の約4倍となる16店舗に増加した。
「お米の新しい可能性を探る」をコンセプトに掲げた「日本酒バル・米屋 イナズマ お米研究所」、健康バランスを重視した食事を提案する「おぼんdeごはん」、イオンモール堺鉄砲町に1号店を出店以降好評を博している「カプリチョーザ ピッツァ&ビュッフェ」など個性豊かなテナントが新規出店したほか、ダイエー時代から継続して「英國屋」「しゃぶ扇」なども営業する。

緑に包まれたレストラン街「パティオ・ザ・ダイナー」。
「マイニチ、ヨリミチ」目指したこだわりの店舗に
開業当日の記念式典でイオンモール吉田昭夫社長は「ホームコーディは生活雑貨、カルチャーのイオン1号店」「従前のダイニングの8階9階と、今回の8階9階を比べると全く違う施設になっている」と強いこだわりを見せており、神戸市担当者も「間違いなく役所の職員は、それこそマイニチ、ヨリミチして帰る」と冗談を交えながら語った。

開業当日の記念式典には多くの神戸市民が足を運んだ。
新しい「OPA」、ファッションビル・総合スーパーの未来担うか
新生OPA1号店「三宮OPA2」開業以前のOPAは、10~20代女性をメインターゲットとする渋谷109系、原宿系アパレル中心の店舗構成が特徴で、米国発のスタイリッシュな猫キャラクター「フレンチキティ」を各種広告に採用するなどし、現在でも関西圏のヤング層を中心に根強い支持がある。
しかし、今回の新店舗では既存店「三宮OPA」のような従来型OPAとは異なる食物販、デイリー重視のフロア構成となった。
こうした路線転換は、ファストファッションが台頭し、かつて隆盛を誇ったDCブランドなどのアパレルが次々と不振に陥るなかで、「ファッションビル」から「都市型ショッピングモール」への転換を図るというOPAの新戦略の象徴ともいえる。
同じく「デイリーユース」重視の売場に転換した聖蹟桜ヶ丘OPA。
「ブックオフ」や「ニトリ」が出店する(東京都多摩市)。
近年はOPAの旗艦店「心斎橋OPA」でもこうした手法が採られており、2015年の改装時に地下2階の大部分をグロサリー、ベーカリー、スイーツ専門店により構成される「食物販ゾーン」、7階をアニメ専門店、リアル脱出ゲーム会場により構成される「サブカルチャーゾーン」に転換、8階の輸入古着店「HANJIRO」跡を旅行代理店「H.I.S」とするなど、アパレル比率を減らしつつある。
一方で、今回開業した三宮OPA2は、都市型総合スーパー「ダイエー神戸三宮店」の直営衣料・雑貨フロアからの転換であり、その流れとして、イオングループが「ホームコーディ」「パンドラハウス」「ASBee」などのテナントをフロアに再配置していることも特徴だ。
イオングループは、今後も業績不振が続く総合スーパーや従来型のファッションビルを、こうした都市型ショッピングセンターとしての「OPA」に転換する可能性もあろう。
三宮OPAは数年内に閉店-ダイエー・OPA2も再開発検討へ
現在、三宮地区ではJR西日本、阪急阪神HDによる再開発が行われており、JR三ノ宮駅に併設された「三宮OPA・三宮ターミナルビル」も2018年を目処に閉鎖する計画が持ち上がっている。
(詳細は前記事を参照)

数年以内に閉館するとみられる三宮ターミナルビル「三宮OPA」。
JR西日本グループでは大阪駅ビル「LUCUA」(ルクア)の成功以降、関西地区での駅ビル事業の拡充や高架下商店街の管理強化を進めており、三宮ターミナルビルも建替後はJRが自社系商業施設の開設を目指す可能性がある。
また、今回「三宮OPA2」が開業したサンシティビル(ダイエー神戸三宮店)も、2020年以降に神戸市主導による再開発が検討されていることから、OPAが従来通り営業を継続できる施設は「三宮VIVRE」1施設に限られる可能性が高い。
一方で、この三宮VIVREも築48年と老朽化が深刻であり、今後もOPAが創業の地である神戸での店舗を維持できるのかは不透明なものとなっている。
追記:三宮オーパ閉店の記事はこちら
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関連記事:イオンスタイルumie、2017年夏開店-ハーバーランドのイズミヤ跡に
関連記事:ダイエー神戸三宮店、2017年2月「三宮オーパ2」に転換-ダイエーは3フロアで存続
関連記事:イオンモール神戸南、7月15日着工-中央市場駅前、2017年9月開業目指す
外部リンク:「三宮オーパ2」2月24日(金)AM10:00オープン
ダイエー、大きいサイズの紳士服店「グランバック」をタカキューに移管-整理すすむダイエー系企業、ドムドムも縮小へ
ダイエーは、2月1日に傘下に持つ大きいサイズ(Lサイズ)の紳士服専門店「GRAND-BACK(グランバック)」の一部店舗とeコマース事業(ネットショッピング)を、イオン傘下の紳士服店「TAKA-Q(タカキュー)」に売却した。
旗艦店のグランバックなんば店。
ダイエー直営の“大きいサイズ”専門店-グランバック
グランバックはダイエーグループの紳士服販売子会社「ロベルト」の一部門として1980年代に設立。ダイエーの事業整理・組織再編の一環により、2012年をもってダイエー本体に吸収合併されていた。
ダイエー食品売場のキャッチコピー「◯◯をおいしいと言わせたい!」になぞらえた「大きい男達をお洒落と言わせたい!」を掲げ、2L~5Lサイズ・TLサイズ(170~195cm)まで対応した紳士服・紳士カジュアルを販売している。
かつての「プランタンなんば」に出店していたなんば店(写真)のようにダイエー系列の商業施設に出店することが多かったのは勿論であるが、同業他社の首都圏を中心に展開する「サカゼン」や、ロードサイド型店舗を得意とする「ビッグエムワン」などとは異なり、主要都市の中心部に大型路面店を構えていたのも特徴の一つだった。
2012年時点では「グランバック」ブランドを冠したダイエー内インショップ売場を合わせて全国各地で49店舗が営業していた。
グランバックの路面店「グランバック仙台広瀬通店」。
グランバック事業は「イオン傘下」のタカキューで継続へ
タカキューは1950年に創業した紳士服店で、現在は「TAKA-Q」「MALE&Co.」などのブランドで紳士服、カジュアル衣料などを展開している。
1992年よりジャスコグループ(現・イオングループ)と業務資本提携を結び、2017年現在はイオンが発行済株式の約33%を持つ筆頭株主となっているが、東証一部への上場を維持し、イオン系列外の商業施設へも店舗展開するなど、イオンと一定の距離感が保たれている。
ダイエーはイオン傘下となって以降、業績不振に陥っている旧来の総合スーパー業態からの脱却を図るために都市型食品スーパー「イオンフードスタイルストアbyダイエー」業態への転換を進めており、婦人服子会社「ロベリア」を除くダイエー直営売場を構成する衣料・雑貨子会社をダイエー本体に吸収、もしくは事業清算していた。

イオンフードスタイルストアbyダイエーに転換した市川店。
本体に吸収された「グランバック」事業であるが、「グランバック」ブランドを冠したインショップ売場は前述したダイエーの脱総合スーパー路線や、イオンへの地方店舗移管もあり減少傾向にある。路面店・eコマース事業も、ダイエーグループの商業施設、各種店舗との相乗効果が期待できないことから、今回の事業売却に至ったとみられる。
グランバックのタカキュー売却に伴い、ネット通販サイトは1月18日午後6時から2月3日午前10時、路面店は1月31日から2月2日まで臨時休業。2月3日より新体制でのスタートを切った。
整理すすむダイエー系企業、「ドムドム」も大幅縮小に
ダイエー傘下の衣料・雑貨部門の企業でイオン傘下となって以降に他社に譲渡されたものは、創業当初よりダイエーとの結び付きが強かった「メガネの愛眼」により一部店舗が移管された「ゼノン」(ブランドは消滅)、三愛出身者により事業継続に至ったとみられる大手中国雑貨専門店「大中」、ファンシー雑貨専門店「マルシェ」に続き3例目となる。
また、同じくダイエー傘下にある企業では、飲食店を経営する「オレンジフードコート」でも、運営する「ドムドムハンバーガー」や「オレンジキッチン」などの店舗整理を進めており、今後も経営規模の縮小や事業売却が続くものと思われる。

閉店が進むオレンジフードコートの店舗。
外部リンク:大きいサイズの服メンズ専門店 GRAND-BACKグランバック
関連記事:ダイエー、市川店・コルトンプラザ店を相次いで改装-城東・市川ドミナンドで生き残り図る
関連記事:ダイエー神戸三宮店、2017年2月「三宮オーパ2」に転換-ダイエーは3フロアで存続
関連記事:ダイエー「旗艦店級」28店舗、2016年3月1日からイオンに転換
ドラッグストアモリ、ザグザクを傘下に-株式の約6割を取得
ドラッグストア「ドラッグストアモリ」(ドラモリ)を運営するナチュラルホールディングス(朝倉市)は、同業であるドラッグストア「ザグザグ」(ZAGZAG、岡山市中区)の発行済み株式総数のうち61.07%を取得し、子会社化したことを2月21日に発表した。
個性的なアニメCMで知られる「ドラモリ」と「ザグザグ」
「ドラッグストアモリ」は1983年に福岡市で森薬局として創業、1998年に本社を甘木市(現・朝倉市)に移転。
シンボルマークは林檎で、一部では調剤薬局も運営、店舗での健康相談会なども実施する。
2017年2月現在で、九州全域、沖縄県、中国地方西部、四国地方西部を中心に242店舗を展開している。2016年3月期の売上高(単体)は1146億円。

ドラモリの店舗(別府市)。
「ザグザグ」は1990年に岡山市で創業。
キャッチフレーズは「ちょっと気になるザグザグ」で、一部では調剤薬局も運営する。
2017年2月現在で、中国地方東部、四国地方東部を中心に139店舗を展開している。2016年8月期の売上高(単体)は615億円。

ZAGZAGの店舗(小豆島町)。
両店舗はともに印象に残る個性的なキャラクターによるアニメCMを行っていたことも特徴。それぞれのテレビCMは各公式ウェブサイトで見ることもできる。
ドラモリのCM
ザグザグのCM
NID所属で地盤が被らない両社、業務資本提携へ
ドラモリ、ザグザグはともに「日本ドラッグストアチェーン会」(NID)に加盟しており、プライベートブランドなどを共有している一方で、ザグザグは2012年からイオンが筆頭株主となっており(約15%保有)、イオングループのプライベートブランドであるトップバリュの導入も行っていた。今後もイオンはザグザグの株式を保有し続ける方針で、ザグザグではトップバリュの導入も継続するという。

ザグザグはイオン系店舗への出店も行っていた。
両社は同じNIDに加盟しており、地盤が被らないために物流などを共通化して効率化を図ることが大きな狙いであると考えられる。合併後の年商は2000億円近くにも達し、九州に本社を置くドラッグストアチェーンとしてはコスモス薬品(ディスカウントドラッグコスモス)に次ぐ規模となる。
なお、両店舗ともに屋号の変更などは行わないといい、両社お馴染みの「個性的なCMキャラクター」もまだまだ活躍の機会がありそうだ。
外部リンク:ドラモリオンライン
外部リンク:ドラッグストア ザグザグ
関連記事:イトーヨーカドー岡山店、2017年2月28日閉店
関連記事:マルキョウ、西鉄との資本提携解消へ
マルショク・サンリブ四日市、2017年10月31日閉店-宇佐四日市商店街の核店舗
宇佐市四日市商店街の核店舗である総合スーパー「マルショク・サンリブ四日市」が2017年10月31日に閉館する。

マルショク・サンリブ四日市。
開業から54年、宇佐きっての老舗スーパー
マルショク・サンリブ四日市はマルショク四日市店として1963年12月に開店。旧・宇佐郡きっての老舗スーパーだった。
本願寺別院の門前町として栄えた四日市商店街にある旧・大分交通豊州線四日市駅跡のバスターミナルそばへの出店で、多くの集客があった。

現在の四日市商店街。本願寺附近。
その後、マルショク四日市店は1981年に3階建てのショッピングセンターに建替えられ「マルショク・サンリブ四日市」と改称、株式会社中津丸食(のちにマルショク大分本社に合併)の旗艦店となった。3階には文化ホールも入居した。
同年には、当時の宇佐市最大の商業施設となった「駅川寿屋」(現:トライアル宇佐店)、「トキハインダストリー長洲店」も開業している。
しかし、2000年代に入ると競合店の出店やマルショク(大分本社)の経営悪化に伴い、同社の他の大型店と同様に一部フロアを閉鎖。
近年は1階を中心に営業しており、建物の一部しか使われていなかった。とくに、2009年にすぐそばのバスセンターの一角に「ドラッグストアモリ宇佐四日市店」が開業したことや、徒歩数分の距離にある百貨店系総合スーパー「トキハインダストリー宇佐四日市店」が2014年に改装されたことは、大きな影響を与えたと思われる。サンリブ四日市は、近年は改装が行われておらず、老朽化も進んでいた。
現在の売場面積は4,110㎡(ただし一部しか使われていない)。
土地は地元住民などが、建物はマルショクが所有している。
跡地は未定
マルショク・サンリブ四日市の館内のテナントは殆どが撤退済み。
建物は築36年が建ち老朽化が進んでいるといい、10月の閉店後は解体されるという。
跡地については、2月現在まだ発表されていない。
マルショク(大分本社)では競合店の増加に加えて熊本地震で旗艦店が複数損壊した影響も大きく、この他にも旗艦店であったサンリブ日田を閉店・解体することや、熊本地震で損壊した店舗についても大幅に減床して再建することを発表しており、今後も経営規模の縮小が続く可能性が高い。
外部リンク:サンリブ四日市
関連記事:サンリブ日田、2017年8月閉店-JR日田駅前の顔、54年の歴史に幕
関連記事:マルショク流川通り店、9月7日開店-マルショク”本店”3年ぶり復活
関連記事:サンリブ子飼・サンリブ健軍の再建、11月25日起工-小型の食品スーパーに
ユニー・アピタ黒部店、2017年8月までに閉店へ-旧・黒部サティ
黒部市の旧国道8号線沿いにあるショッピングセンター「アピタ黒部店」が2017年8月までに閉店する。

アピタ黒部店(GoogleMapより)。
旧・黒部サティ、アピタ化後に一度も売上目標達成できず
アピタ黒部店はマイカルが運営する「黒部サティ」として1997年8月に開店。 マイカルグループの経営破綻に伴い2003年6月に閉店し、同年11月にユニーが土地(一部除く)と建物を買収、2004年4月にユニー・アピタ黒部店となった。
アピタ黒部店の売場は1階と2階で売場面積は13,657㎡。このほかにパチンコ店などが出店する別棟を備える。
ユニーの出店当時は直営年商32億円を目標としていたが、売上は2006年の24億円をピークに減少。 競合店の増加とバイパスの開通による交通の分散もあり、核テナントの1つであった上新電機が2015年6月に閉店するなど不振を極め、一度も売上目標を達成することは出来ないままの閉店となった。
建物は築約19年と新しいものの、店舗跡地の活用方法は3月現在まだ決まっていないという。
外部リンク:アピタ黒部店
外部リンク:アピタ黒部店の開店について
関連記事:イオンモール新小松、3月24日開業-北陸最大級のイオン、福井県も商圏に
ピーコックストア新浦安店、2月19日閉店ーモナ新浦安の核店舗、「グループ内競合」に敗北
JR新浦安駅に直結する都市型ショッピングセンター「MONA新浦安」1階の食品スーパー「ピーコックストア新浦安店」が2月19日に閉店した。

ピーコックストア新浦安店。
百貨店の面影薄れたピーコック、新浦安での役目終える
MONA新浦安は明治生命(現:明治安田生命)が運営するショッピングセンターで1990年11月に開業。全体の売場面積は9,228㎡。同年6月には隣接地に「ダイエー新浦安店」(現:イオン新浦安店)も開業している。
ピーコックストア新浦安店は、MONA内に高級スーパー「大丸ピーコック新浦安店」として開店した。売場面積は608㎡。
当時の大丸ピーコックは大丸百貨店グループのネットワークを生かし、英国王室御用達スーパー「Waitrose」の商品など豊富な輸入食品の取扱いで人気となっていたが、イオングループ傘下入り後にピーコックストアではWaitrose商品の取扱いを終了。Waitroseブランドの輸入・販売はイオンの総合スーパーへと引き継がれ、ピーコックはマックスバリュに倣い「トップバリュ」を中心とした低価格・地域密着路線へと転換した。
しかし、イオン新浦安店(旧ダイエー)がフランス発祥の冷凍食品ブランド「ピカール」を導入するなど高級化を図った一方で、ピーコックストアは路線転換で商品力の低下が目立ち、劣勢に追い込まれていた。
ピーコックストア閉店後の跡地の活用方法については発表されていない。
ダイエー(現・イオン)が営業するショッパーズプラザ新浦安。
競合店舗の整理を進めるイオングループ、ピーコックでも
現在、イオングループは買収に伴い発生した自社内競合を回避するための、店舗の業態転換や商品構成の棲み分け、店舗整理(閉店)を進めている。
こうした動きはピーコックストアにも広がっており、新浦安と同様にダイエーとピーコックストアが競合関係にあった港区麻布では、ダイエーを都市型モデルスーパーとして改装、ピーコックストアを前述の「ピカール」と国内初となるフランス発のオーガニックスーパー「ビオセボン」の専門店へと転換している。
外部リンク:ショッパーズプラザ新浦安
外部リンク:ピーコックストア 探そう、おいしい食生活。楽しさ・べんりさ体験。|イオンマーケット株式会社
関連記事:ダイエー、大きいサイズの紳士服店「グランバック」をタカキューに移管-整理すすむダイエー系企業、ドムドムも縮小へ
関連記事:ダイエー、市川店・コルトンプラザ店を相次いで改装-城東・市川ドミナンドで生き残り図る
関連記事:ダイエー神戸三宮店、2017年2月「三宮オーパ2」に転換-ダイエーは3フロアで存続
関連記事:ダイエー「旗艦店級」28店舗、2016年3月1日からイオンに転換
関連記事:高品質冷凍食品専門店「ピカール」日本上陸-イオンが展開、1号店は港区青山
東急、「グランベリーモール南町田」跡地の再開発概要を発表ー「第2のニコタマ」目指す
東急電鉄は、2017年2月12日に閉館した「グランベリーモール南町田」(東京都町田市)の跡地で進められる再開発プロジェクト「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」の核となる新商業施設の概要を発表した。
グランベリーモール閉館の記事はこちら。

営業最終日のグランベリーモール。
南町田、「第2の二子玉川」を目指す-600億円投資
南町田拠点創出まちづくりプロジェクトは、南町田駅前で東急電鉄と町田市が共同で手掛ける再開発計画。投資総額は約600億円。
南町田駅や、隣接する鶴間公園との一体再整備を行い、道路や防災機能の強化、バリアフリー化が行われる。

南町田駅もリニューアルする。

鶴間公園前。
グランベリーモール跡地の新施設(名称未定)は2019年度に開業予定で、敷地面積は約83,000㎡、延床面積は約151,000㎡、店舗面積は約53,000㎡。

新施設の俯瞰図。
商業コンセプトに「生活遊園地~くらしの『楽しい』があふれるエンターテイメントパーク~」を掲げ、イベントスペース機能を持たせた広場を7ヶ所配置する。

新施設のイメージ。
グランベリーモール時代好評だったイベントスペースも設置。
また、新施設は旧施設と同様のオープンモール型となっているが、各店舗を2~3層の建物とすることで、専門店数を約2倍となる200店舗に増加、アウトレット店舗や生活提案型物販・飲食店の拡充を図る。

新施設のイメージ。
施設デザインには、東急たまプラーザ再開発や三井不動産ららぽーと豊洲を手掛けた実績を持つ、ラグアルダ・ロウ・棚町建築事務所のPablo Laguarda(パブロ・ラグアルダ)氏を起用。
デザインコンセプトに「ヴィレッジ型空間」を掲げ、街や自然との調和、歩くたびに新しい発見や出会いが生まれる魅力ある商業施設空間を目指すという。

整備イメージ図。
新施設は2017年5月ごろに着工される予定。
東急電鉄では、南町田を「二子玉川に続く、駅・公園・商業施設が融合した新しい暮らしの拠点」とすることを目指すとしている。
追記:新街区名称は「南町田グランベリーパーク」
追記:東急グループは、新たな街区名称を「南町田グランベリパーク」とすることを発表した。南町田グランベリーパークの中央部分にはコミュニティ形成の場「パークライフ・サイト(仮称)」も設けられる。
(イメージ画像はプレスリリースより)
外部リンク:グランベリーモール 公式サイト
外部リンク:南町田拠点創出まちづくりプロジェクト|町田市・東急電鉄
外部リンク:南町田拠点創出まちづくりプロジェクト 商業施設計画の概要が決定 二子玉川に続く、駅・公園・商業施設が融合した新しい暮らしの拠点が誕生! ~2019年度に開業予定~(東急電鉄ニュースリリース)
関連記事:グランベリーモール南町田、2017年2月12日閉館-都内有数のアウトレット、再開発で
関連記事:ダイエー町田店、2016年7月21日開店-3年ぶりに営業再開
記事関連記事:町田モディ、4月29日全館改装ー目玉は「ロフト」
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583系寝台特急電車、2017年4月8日引退-高度成長期の象徴、姿消す
JR東日本秋田支社は、旧国鉄の寝台特急電車として長年親しまれてきた「583系交直流用寝台特急電車」を2017年4月8日の運行を最後に引退させることを発表した。
これにより、全国各地で運行されてきた583系電車は49年の歴史に幕を下ろす。

583系電車(急行「津軽」、上野駅)。
高度成長期の輸送量増に対応した「昼夜兼用車」だった
583系は国鉄初の寝台電車として1968年10月のダイヤ改正(ヨンサントオ)でデビュー。一足先の1967年に運行を開始した581系を改良したもので、東北本線の電化に合わせた登場だった。
高度経済成長期の急激な輸送量増に対応するため、昼間は座席車、夜は3段寝台(+座席車)として運用することを想定しており、その車内の複雑な機構はいかにも日本的であると言われた。

寝台が収納されるため、座席時は天井が高い。
その後、583系は寝台特急全盛期の国内輸送の担い手として、東日本方面では「はくつる」「ゆうづる」、西日本方面では「月光」「金星」などとして全国各地で活躍したが、1980年代に入ると、新幹線の延伸に加えて「3段寝台」や「リクライニングできない普通車座席」などの居住性の悪さもあり、一部車両を普通列車に改造するなどして徐々に姿を消していった。

九州鉄道記念館の車両は一度「普通列車」用に改造されたもの。
(583系の前身・581系から715系への改造車)
バブル期のスキーブームの際には臨時列車「シュプール号」などとして再び活躍の場を広げたこともあったものの、2012年3月の「急行きたぐに」(大阪-新潟、JR西日本編成)の廃止に伴い定期運用から完全に離脱。
2017年現在は、JR東日本秋田支社に波動用6両1編成を残すのみとなっている。
2016年には、東北から関東方面への臨時列車のほか、「ニコニコ超会議号」として運行されたことも記憶に新しい。
近年は臨時列車として活躍していた。
引退は4月8日に東北で-車両展示会も
引退運行は、4月2日に秋田-湯沢間、4月8日に秋田-弘前間で行われる。各ツアーの予約開始は2月20日からとなる。ツアーの詳細は下部の外部リンクを参照。
また、4月9日には秋田駅構内で車両の展示会も開催される。
引退後の車両の処遇は決まっていないという。
外部リンク:~引退発表~特急形寝台電車「583系」最終運行(JR東日本秋田支社)
関連記事:京阪、大津線4駅の駅名を2018年3月に改称-浜大津など、大津市の街づくり計画で
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関連記事:JR秋田駅西口に「店舗棟」「駐車場棟」建設-2017年春完成
かわねや木崎店(本店)、1月10日閉店-建替えで復活めざす
茨城県常陸太田市のJR常陸太田駅近くにある大型スーパー「かわねや木崎店」(かわねや本店)が、店舗老朽化のため1月10日に閉店した。
今後は再出店を目指して建て替えがおこなわれる予定という。

かわねや木崎店(かわねや本店)。
茨城県北の中堅スーパー本店、老朽化で一旦閉店
かわねやは常陸太田市に本社を置く地場中堅スーパーマーケットで、1969年に設立。ショッピングセンター運営や飲食店事業(「レストランバンビ」などの運営)もおこなっている。
かわねや木崎店はかわねやの本店として1978年6月に開店。
近隣にあるショッピングセンター「かわねやフェスタ店」(1998年6月開店)と異なり、直営の書籍売場や100円ショップが出店するなど、棲み分けが図られていた。また、別棟として同社が運営する人気レストラン「バンビ」も出店している。
しかし、出店から約40年が経過して老朽化しており、耐震性の面からも一旦閉店し、建替えをおこなうことになったという。
1月16日から解体、建替え工事へ
かわねや木崎店では、1月16日から解体工事が開始されている。店舗に隣接する「レストランバンビ」は建替え中も営業をおこなう。
また、木崎店の再開業までは、ネットスーパー事業など木崎店でおこなっていたサービスは近隣にある「かわねやフェスタ店」がおこなうという。
なお、木崎店の建替えに先駆けて、かわねやフェスタ店では2016年10月に大規模改装を実施している。

かわねやフェスタ店。
外部リンク:かわねや|木崎店
関連記事:ソフマップ梅田店・ソフマップ水戸駅店、1月31日閉店
関連記事:水戸オーパ、2017年3月開店-ヤマダ電機LABI水戸跡
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イトーヨーカドー食品館高井戸店、3月12日閉店-新業態「都市型食品館」も閉店に
杉並区宮前の環八沿いにあるスーパー「イトーヨーカドー食品館高井戸店」が3月12日に閉店する。

イトーヨーカドー高井戸店。(GoogleMapより)。
新業態「都市型食品館」2号店だった
イトーヨーカドー食品館高井戸店は2011年12月開店。
オートバックス環八高井戸店跡への居抜き出店だった。
高井戸駅北側、環八沿いに徒歩10分ほどの場所にあるマンション1階への出店で売場面積は855㎡。隣接地にはスギ薬局が出店している。
「都市型食品館」展開進まず縮小へ
総合スーパーの経営が不調となるなか、イトーヨーカドーでは2010年10月より東京都心を中心に新業態の「都市型食品スーパー」の展開を開始。 高井戸店は、都市型食品館1号店となった阿佐ヶ谷店に次ぐ2号店であり、当時は都内を中心にこうした1,000㎡未満の小型店舗を約100店舗ほど出店させることで、新たな収益の柱にするとしていた。
しかし、2017年現在で実際に出店を果たした数はその1割にも満たず、特に東京都心ではイオングループの「まいばすけっと」などの出店攻勢により、新たな出店の余地が少なくなっている。

都市型食品館の1つ・王子店。
イトーヨーカドー食品館高井戸店の閉店セールは2月22日からおこなわれる。2月現在、店舗跡の活用方法などは発表されていない。
外部リンク:イトーヨーカドー食品館高井戸店
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