カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

平和堂フレンドマート大津なかまち店、2017年9月8日開店-菱屋町商店街の西友跡地に

大津市中心部にある菱屋町商店街の西友跡地に「平和堂フレンドマート大津なかまち店」が2017年9月8日に開店する。

平和堂フレンドマート大津なかまち店。

平和堂、大津市中心部・菱屋町商店街の西友跡地に

西友大津店は1975年に開店した地上6階・地下1階の総合スーパーで、大津市中心部の菱屋町商店街に立地。近年は多くのフロアを閉鎖して下層階のみで営業していたが店舗の老朽化もあり2015年4月に閉店、その後、建物は解体されていた。

西友大津店。

平和堂は地元商店会などの要望に応えて出店を決めたもの。
平和堂フレンドマート大津なかまち店の店舗面積は1,298㎡。建物は平屋で、食品と日用雑貨を中心に販売。テナントとして、近江牛専門店「げんさん」、カット最安690円の美容室「HAIR STUDIO IWASAKI」、滋賀銀行ATMが出店する。
平和堂はこのほかに、JR大津駅前にあった平和堂アルプラザ大津跡地に建設されるマンション下層階への出店(再出店)も検討している。

平和堂フレンドマート大津なかまち店

住所:滋賀県大津市長等二丁目2番17号
営業時間:9:30~20:00

外部リンク:フレンドマート大津なかまち店開店のお知らせ
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東京ミッドタウン日比谷、2018年3月29日開業-三信ビル跡に日比谷の新・ランドマーク

日比谷に新たなランドマークが生まれる。
三井不動産は、東京都千代田区有楽町一丁目で開発を進めていた「(仮称)新日比谷プロジェクト」の名称を「東京ミッドタウン日比谷」に決定し、2018年3月29日にグランドオープンさせることを発表した。

東京ミッドタウン日比谷。

かつての「三信ビル」「三井銀行本店」跡地を再開発

東京ミッドタウン日比谷は日比谷シャンテ、日生劇場、東京宝塚劇場などの隣接地に誕生する複合高層ビル。キャッチフレーズは「未来志向の新たな体験や価値が日比谷で花開く」。
この地は、かつて東京都心を代表するアールデコ建築であった荘厳なオフィスビル「三信ビルディング」(1929年竣工)、そして「日比谷三井ビルディング」(三井銀行本店)などがあった場所としても知られ、国の都市再生特別地区および国家戦略特区の特定事業の1つとして再開発が進められてきた。

東京ミッドタウン日比谷の全体像。

第二の「東京ミッドタウン」ブランド

三井不動産は六本木でも「東京ミッドタウン」を展開しているが、「東京ミッドタウン日比谷」ではこれまでの東京ミッドタウンが掲げてきた「Diversity」「Hospitality」「Creativity」「Sustainability」という4つの共通の提供価値に加えて、街の個性である「In the Park(緑やオープンスペースと街が連続した空間となり、心が豊かになる街)」、「Entertainment(新たな芸術文化・エンターテインメントを発信する街)」、「Elegance(文化的刺激に溢れ、本物を知る大人たちが集う街)」を街固有の提供価値として、世界中の様々な文化・感性・才能が日比谷に集結・交流することを促し、未来志向の新たな体験や価値を創出する街づくりを行うとしている。

コンセプト。

「東京ミッドタウン日比谷」ロゴタイプ。

建物は地上35階、地下4階、延床面積約189,000㎡。
そのうちの地下1階-7階が商業フロア(4-5階は映画館)、6・7階の各一部と9-34階がオフィスとなる。

全館フロア構成。

商業フロアは60店-三信ビルモチーフの空間、「日劇」移転も

地下1階-7階の商業フロアには、全60店舗(店舗面積約18,000m2)が出店する。

晴海通りからの景観。
下層階は大型商業施設で、地域の賑わいに貢献する。

地階:「駅直結の都心型フードアーケード」と題し、博多の老舗和菓子店「鈴懸」、東京初出店となる「住吉酒販」など個性溢れる食物販と、バラエティ豊かな8つの業態が集まる都心型フードホール「(仮称)HIBIYA FOOD HALL」を開設。また、ドラッグストア「トモズ」、「スターバックスコーヒー」、「セブンイレブン」など、普段使いができるお馴染みのショップも出店する。
地下のアーケードには「三信ビルディング」をモチーフにモダンなデザインで再構築することで、街の記憶を継承する。 

三信ビルをモチーフとした空間。

1階:「プレミアムライフスタイルゾーン」。玄関口(エントランス)となる「(仮称)日比谷ゲートプラザ」(後述)に面したゾーンには、TOYOTA「レクサス」のカフェ併設型ブランド体験施設が世界初出店するほか、ニューヨークの人気レストラン「Buvette」が日本初出店。また、「イセタンミラー」(伊勢丹)、「DEAN & DELUCA CAFE」など、大人の良質なファッションを提案する雑貨ショップが集積する。
2階:「上質なファッション・ライフスタイルゾーン」。「THE NORTH FACE」「A.P.C.」など、良質でひとつひとつのアイテムにこだわる楽しさを提案するショップを集積したファッションのメインフロアとなるほか、「食のトレンドを発信する最旬パークビューダイニング」のエリアは、代官山の人気ビストロ「Ata」の新業態や、今海外で人気のモダン炉端焼き、立ち飲み天ぷらなど、食のトレンドが詰まった最旬レストランフロアとなる。
3階:「情報発信型のライフスタイルゾーン」。「有隣堂書店」の、書店ながら一般書籍を殆ど置かない新業態「HIBIYA CENTRAL MARKET」など、大型のライフスタイルショップなどに加えて、音楽やアートに美と健康を加えた、大人の都会的なライフスタイルを充実させるためのフロアとなる。また、「本物志向のプレミアムレストランゾーン」には人気イタリアン「サローネグループ」の旗艦店や創業450余年の京都の老舗料亭「瓢亭」の新業態など、人気と実力を兼ね備えた有名店が集結する。 

吹き抜けのアトリウム。

4-5階:11スクリーン約2,300席のシネマコンプレックス「TOHOシネマズ 日比谷」となる。なお、有楽町マリオンにある「TOHOシネマズ日劇」は同館の開館により閉館し、「日本劇場」時代からの84年の歴史に幕を下す。

TOHOシネマズ日比谷。


マリオンにある「TOHOシネマズ日劇」は閉館する。

6-7階:レストラン街となる。6階のバルニバービ社による「ガーデンレストラン」は、皇居外苑、日比谷公園から続く緑を取り込む「(仮称)日比谷テラス」(後述)を囲み、様々なシーンで日比谷ならではの過ごし方を提案するものとなる。 

商業フロア構成。

下層階の館内中央には、伝統的な劇場空間を参考にした3層吹き抜けのアトリウムが設置され、様々なイベントが開催される。

オフィスフロアは25層-休息できるスカイガーデンも

日比谷公園を眼下に望むオフィスフロアは9・10階のロビー階から11-34階に位置し、「Business Hospitality」をコンセプトに、先進的な機能やサービスの融合がフレキシブルなワークスタイルを実現する。

オフィスエントランスのスカイロビー。

さらに、9階にはオフィス向けのスカイガーデンを、6階には「(仮称)日比谷ビジネス連携拠点」を設置するなど、ビジネス環境の構築に配慮された造りとなる。

スカイガーデン。

日比谷らしく「演劇の街」意識したプレミアムイベント空間も

THE PREMIUM TIME, HIBIYA”をコンセプトに掲げる東京ミッドタウン日比谷。館内には吹き抜けのアトリウムのほか、6階には空中庭園「日比谷テラス」(仮)が、1階には千代田区有地と一体的に整備された「日比谷ゲートプラザ」(仮)が設けられ、今後は映画・演劇等の国際的なエンターテインメントイベントの誘致・開催も検討されているという。

エントランスとなる日比谷ゲートプラザ。

芸能・演劇の街に生まれた新たなランドマークが、 かつてこの地にあった三信ビルのように、長きに亘って地域に親しまれる「プレミアムな存在」となることを期待したい。
(写真以外は三井不動産ニュースリリースより、写真は都商研撮影)

東京ミッドタウン日比谷

住所:東京都千代田区有楽町1丁目1番地2号
営業時間:店舗により異なる

外部リンク:「(仮称)新日比谷プロジェクト」の名称が「東京ミッドタウン日比谷」に決定  上質な体験価値を提供する約60の店舗が2018年3月29日にオープン ~未来志向の新たな体験や価値が日比谷で花開く~ 
外部リンク:東京ミッドタウン日比谷 商業テナント一覧(PDF:438KB)
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ユニー・ピアゴ弘明寺店、10月15日閉店-旧ほていや、55年の歴史に幕下ろす

横浜市営地下鉄ブルーライン弘明寺駅近くの総合スーパー「ピアゴ弘明寺店」(横浜市南区)が10月15日をもって閉店する。

ピアゴ弘明寺店。

弘明寺商店街で55年の歴史誇るユニー店舗

ピアゴ弘明寺店はユニーの前身企業、ほていやの店舗として1962年5月に開店。
開業当時の建物は1971年に焼失しており、現在の建物は1972年に「ユニー弘明寺店」として建て替えられたもの。同一立地で営業を続けているユニー店舗の中では55年と最も歴史がある。
建物は地上4階建てで、店舗面積は1,922㎡。(売り場は1-3階)。建物はユニーが所有している。
弘明寺商店街唯一の大型店であり、直営の食品売場(1階)、ファッションと暮らしの売場(2階)に加え、100円ショップ「ワンオーオー」(3階)が出店している。

エレベーター・駐車場無しの老朽店、今後の活用方法は?

弘明寺店では築45年となる建物の老朽化や、狭小な売場、エスカレーター未設置(エレベーターは設置)、駐車場未設置など、時代に適さない店舗設備となっていたことが閉店の要因と考えられる。
9月3日現在、閉店後の活用方法は明らかになっていないが、ファミリーマートとの合併、ドン・キホーテとの業務資本提携開始などで総合スーパーの縮小路線が目立っているユニーだけに、同じ横浜市の「ピアゴイセザキ店」や「アピタ金沢文庫店」のように建て替え→再出店の流れを実現出来るかどうかが今後の注目となりそうだ。

2015年に建て替えられたピアゴイセザキ店。
弘明寺店と同じ旧ほていや店舗だった。

なお、ピアゴ弘明寺店では閉店セールを10月15日まで実施している。

外部リンク:ピアゴ弘明寺店
関連記事:ユニー・ファミマとドンキ、業務資本提携へ-ドンキ、ユニー株4割を取得
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アクロスプラザ坂戸、2018年3月30日開業-マルエツ坂戸初出店、イトーヨーカドー坂戸店跡地

東武東上線坂戸駅前にあった総合スーパー「イトーヨーカドー坂戸店」(2016年10月閉店)の跡地に、食品スーパー「マルエツ」(東京都豊島区)を核とするショッピングセンター「アクロスプラザ坂戸」が出店する。
追記:開業日は3月30日となった。かつてのイトーヨーカドー坂戸店。(現在は解体済み)

坂戸市とともに歩んだイトーヨーカドー

イトーヨーカドー坂戸店は1976年6月に開業。
坂戸店が開店した1976年は、同じく坂戸町内に忠実屋坂戸店(現・丸広百貨店坂戸店)が出店したほか、坂戸町が市制を施行し「坂戸市」となった年でもあり、まさに「坂戸市とともに歩んだ商業施設」だった。
しかし、建物の老朽化や郊外大型店との競争激化により、2016年10月16日をもって閉店。40年の歴史に幕を打った。坂戸駅前に立地し、市を象徴する建物だった。

イトーヨーカドー坂戸店の建物はすでに解体済み。
東武東上線の全列車種別が停車する坂戸駅前の一等地だけに、その活用方法に注目が集まっていた。

跡地は「アクロスプラザ坂戸」に-核店舗にマルエツ

解体されたヨーカドー跡地に出店するのは、大和情報サービス(大和ハウス子会社)が手がけるショッピングセンター「アクロスプラザ坂戸」。
埼玉県への届出売場面積は3,810㎡で、食品スーパーを核に複数のテナントが出店すると見られる。
施設の核となる食品スーパーは、関東地方を主戦場とする「マルエツ」で、坂戸市には初出店となる。

坂戸初出店となるマルエツ。(写真は立川市の店舗

アクロスプラザ坂戸の開業は2018年4月ごろを予定している。
追記:開業日は3月30日となった。

関連記事:イトーヨーカドー坂戸店、10月16日閉店-坂戸市と共に歩んだ市最大の商業施設
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アスナル金山、営業期間を2028年まで延長-再開発で「近く閉館予定」だった

再開発で近く閉館する予定であったJR・名鉄・地下鉄金山駅(金山総合駅)北口の複合商業施設「アスナル金山」(名古屋市中区)の営業期間が2028年2月末まで延長されることになった。

アスナル金山。

営業期間延長で「大規模改装」も

営業期間の延長は、アスナルを管理する名古屋市の外郭団体「名古屋まちづくり公社」」(旧・名古屋都市整備公社)が9月1日に発表したもの。
アスナル金山は名古屋市の副都心である金山地区の中心的存在で、金山総合駅と直結。 館内には成城石井、マツモトキヨシ、スターバックスコーヒーなどが出店しているほか、1階の中央ステージでは多くの有名アーティストやアイドルなどのイベントが開催されていることでも知られている。

1階・中央ステージ。

アスナル金山は将来的な再開発を前提として、「名古屋まちづくり公社」が名古屋市から15年間の期間限定で土地を借り上げて運営している。そのため、2020年3月を目途に閉館するとみられていた。
アスナル金山についての詳細は前記事を参照
アスナルでは今回の営業期間の延長に伴い、2020年春に全館の大規模リニューアルを実施。テナントの大幅入れ替えなども行う予定だという。

外部リンク:名古屋まちづくり公社
外部リンク:アスナル金山
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JR九州、大分市で「スマートサポートステーション」導入へ-2018年3月から、遠隔サポートで無人化

JR九州は、2018年3月のダイヤ改正に合わせて、大分市にあるJR日豊本線の牧駅-坂ノ市駅間、JR豊肥本線の敷戸駅-中判田駅間(実質的に大分駅-坂ノ市・中判田間、大分駅と無人駅を除く)の有人駅8駅を無人化し、最新の遠隔サポートシステムを導入した「Smart Support Station」(スマートサポートステーション、SSS)に転換する方針であることが分かった。

JR大分駅から牧駅方面を望む。

スマートサポートステーション導入、3例目

JR九州のスマートサポートステーションは、拠点駅に設けられたサポートセンターからの遠隔操作により、切符の精算やICカードチャージといった業務に対応するとともに、駅構内にはインターホンや複数台のカメラを設置するもので、2014年からはJR香椎線で、2016年からはJR筑豊本線で導入されている。

福岡県外でのスマートサポートステーション導入は初のこと。地元紙・大分合同新聞によると、スマートサポートステーション化により無人化されるのは、牧、高城、鶴崎、大在、坂ノ市、敷戸、大分大学前、中判田の8駅となる予定で、SSSは既に無人化されている滝尾、幸崎を含めた10駅での導入が検討されているという。

鶴崎駅。

SSS化でどうなる?-窓口存続例も

今回スマートサポートステーション化される駅のうち、鶴崎、大在、中判田駅は特急停車駅で、鶴崎、大在駅にはみどりの窓口も設置、特に鶴崎駅は旧・鶴崎市の中心駅であり全ての特急列車が停車、乗降客数も1日約4,000人と、比較的規模が大きい。

工業地帯にある鶴崎駅。特急も停車する。

これまでスマートサポートステーション化された駅のなかには、若松駅のようにみどりの窓口が存続され、通勤・通学時間帯のみ駅員を配置している駅もある。そのため、今回も利用客の多い駅ではそうした対応が取られる可能性が高い。
追記:JR九州は牧駅以外の3月からの無人化を先送りし、バリアフリー化を進める方針を発表した。

関連記事:JR筑豊本線、若松-直方間を3月から「スマートサポートステーション」に-遠隔サポートで無人化
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東京駅前・八重洲口の大型再開発、2017年9月着工-超高層ツインタワー建設、ビル内に「公立小学校」も

東京都千代田区にある東京駅八重洲口の大型再開発計画が本格始動することとなり、八重洲二丁目北地区再開発に伴う建物の解体が2017年9月より開始された。

八重洲二北地区、超高層ビルに「高級ホテル」「小学校」も

今回工事が開始された「八重洲二丁目北地区」は、現在「住友生命八重洲ビル」や「中央区立城東小学校」があるエリア。国家戦略特区の都市再生特別地区に指定されており、三井不動産などが事業主体となった大型再開発が行われることとなった。

再開発が実施されるエリア。

このうち、東京駅側にあたるA-1街区には、地上45階地下4階建て、延床面積約28万7100㎡、高さ約245mの超高層ビルが建設される。建物の大部分はオフィスとなるほか、高層部に高級ホテルが入居。さらに、低層部には区立城東小学校、ビジネス交流・サポート施設が入居する。
また、地下部分にはバスターミナルが設置される予定だ。

完成予想図(国家戦略特区ウェブサイトより)。

ビル内に入居する区立城東小学校は関東大震災のいわゆる「復興小学校」の1つとして1929年に建設されたものだが、築約90年で老朽化が進行していたという。超高層ビルの館内に公立小学校が入居するのは国内初で、グラウンドは低層部の屋上部分に整備される。

現在の城東小学校(同校ウェブサイトより)。

このほか、八重洲通りに面したにA-2街区は、地上10階地下4階建て、延床面積約6500㎡の建物が建設され、オフィスや店舗として利用される。八重洲二丁目北地区の再開発事業は2021年4月の完成をめざす。
また、隣接するヤンマービルもこれに合わせて建替えを行う。

八重洲口の正面に当たる。

隣接地の「八重洲一丁目」も再開発-ツインタワー形成へ

八重洲二丁目北地区の再開発に続き、今後は八重洲通りを挟んで隣接地する「八重洲一丁目東地区」の再開発も進められる。

八重洲通りより見た再開発地区。
左が八重洲二丁目北地区、右が八重洲一丁目地区、正面が東京駅。

こちらも国家戦略特区の都市再生特別地区に指定されており、事業主体は同地に本社ビルを置く「東京建物」。
八重洲通りに面したA街区には、地上11階地下3階建て、延床面積約1万2000㎡の建物を建設。
そして、B街区には、地上54階地下4階建て、延床面積約22万8000㎡、高さ約250mの超高層ビルが建設される。

完成予想図(国家戦略特区ウェブサイトより)。

八重洲二丁目北地区のビルと同様、こちらの地下部分にもバスターミナルが整備されることになっており、地下で両バスターミナルと東京駅が接続される計画だ。

地下バスターミナル整備概要(国家戦略特区ウェブサイトより)。

八重洲一丁目東地区の再開発事業は2024年3月の完成を目指しており、これらの大型再開発の完成により、八重洲口の顔は「超高層ツインタワー」へと生まれ変わることになる。

両ビルの概要図(国家戦略特区ウェブサイトより)。


再開発完了後のエリア図(国家戦略特区ウェブサイトより)。

なお、八重洲口ではこの再開発地区に隣接する「八重洲ブックセンター」などのある地区(八重洲二丁目中地区)においても再開発の計画が進められている。

外部リンク:都市再生特別地区(八重洲一丁目6地区)都市再生特別地区(八重洲二丁目1地区)都市計画(素案)の概要(首相官邸)
外部リンク:「八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業」 計画概要について (三井不動産)
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ラオックス、姫路のヤマトヤシキを買収へ-株式の8割取得

中国・蘇寧電器傘下で免税店大手の「ラオックス」(港区)は、姫路市の姫路城近くにある百貨店「ヤマトヤシキ」が発行する新株予約権付き社債を約3億円、新株予約権を約4億円で引き受け、ヤマトヤシキを子会社化する方針であることが分かった。
追記:姫路店閉店についてはこちら

ヤマトヤシキ姫路本店。

経営再建中のヤマトヤシキ、ラオックス傘下へ

ヤマトヤシキは1906年に姫路市で「米田まけん堂」として創業。戦後に百貨店化して「ヤマトヤシキ」に改称した。高島屋系列の仕入機構「ハイランドグループ」に加盟しており、2001年には加古川そごう跡に「ヤマトヤシキ加古川店」を出店(同社としては再出店)、現在では姫路本店を上回る業績を上げている。

ヤマトヤシキ加古川店。

その一方で、ヤマトヤシキは山陽百貨店、ピオレ姫路(駅ビル)などとの競合・姫路駅前への一極集中化による姫路本店の経営不振と耐震対応のため2014年に事業再生ADRを申請。家電量販店(現・免税店)「ラオックス」や百貨店「中三盛岡店」(現・Nanak)の再建をおこなった「マイルストーンターンアラウンドマネジメント」(MTM社)のもとで再建に着手していた。
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ピオレ姫路。

2015年以降は、姫路本店において耐震化工事を行いつつ地階食品売場を全面リニューアル。さらに家具店「IDC大塚家具」、手芸店「ユザワヤ」、雑貨店「ハンプティーダンプティー」、カフェ「ファーマーズドーター」を相次ぎ導入するなど、経営改革をすすめている。
今回の新株予約権が行使された場合、ラオックスはヤマトヤシキの79.6%の株式を持つ筆頭株主となり、ヤマトヤシキは同社の子会社化されることになる。

経営の試行錯誤つづけるラオックス、百貨店経営は初

ラオックスはインバウンド消費の拡大を受け、名古屋市の百貨店「丸栄」や大手百貨店「大丸」「松坂屋」などに相次ぎ出店したが、丸栄では規模を縮小、大丸神戸店(こうべみせ)からは2017年8月27日に撤退するなど、店舗の整理・縮小が続いている。
その一方で、千葉市には2017年7月に大型の複合施設を開業させたばかりで、経営の試行錯誤が続くなか、地域2番店の百貨店をどのようなかたちで立て直していくのかが注目される。

外部リンク:株式会社ヤマトヤシキの新株予約権付社債及び 新株予約権の引受に関するお知らせ
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トライアル唐津店、2017年9月10日閉店-旧・唐津寿屋

唐津市中心部の県道347号線沿いにある元・大型ショッピングセンター「トライアル唐津店」が9月10日に閉店する。

トライアル唐津店。

かつては唐津地区最大のショッピングセンターだった

トライアル唐津店は寿屋(熊本市)が運営するショッピングセンター「唐津寿屋」として1980年3月に開店。建物は2階建てで売場面積6,991㎡。建物は地元木材会社が所有する。
唐津寿屋としての出店当時は唐津地区で最大規模のショッピングセンターであり、遠方から多くの客が訪れるなど大いに賑わった。1999年2月期の年商は42億6300万円。

唐津寿屋。
(改装を手がけた河村デザイン社のウェブサイトより)

唐津寿屋はラララグループ・寿屋の経営破綻に伴い2002年1月に閉店。同年からはトライアルが新たな核店舗として出店し、唐津市内初の24時間営業を行うスーパーマーケットとなった。
改装当初はドラッグストア、美容室、着物店、ゲームセンター、飲食店街なども出店していたものの、近年は多くのテナントが撤退。撤退テナントの一部はそのまま放置されるなど荒れ果てており、店内は薄暗く冷房もあまり稼働しない状態で、メンテナンス不足もあり老朽化が非常に深刻な状態であった。

ショッピングセンター時代の面影が残る。

トライアルは唐津インターチェンジ近く(鬼塚駅近く)に「トライアル唐津中原店」を2016年に出店しており、店舗はそちらに統合されることになる。
追記:トライアルは旧寿屋の跡地に新築出店する。

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イオン甲子園店、10月1日閉店-2018年5月から「イオングループの新施設」に?

売場の一部のみで営業をおこなってきた西宮市甲子園のショッピングセンター「イオン甲子園店」が2017年10月1日に全館閉店する。
新しい記事はこちら:コロワ甲子園、2018年5月ごろ開店-旧・ダイエー甲子園店

イオン甲子園店。

甲子園球場最寄りの大型スーパー、10月より全館閉鎖

イオン甲子園店は1993年6月にダイエー系百貨店「プランタン甲子園」として開業。その後、ダイエーを経て2016年3月にイオンに転換した。建物は地下2階、地上6階建てで(売場は地下2階〜地上3階)、売場面積は29,000㎡。
プロ野球・阪神タイガースの本拠地「阪神甲子園球場」の最寄り店舗ということもあり、試合開催日には多くの観戦客で地下の食品売場が混雑することで知られていた。

タイガース協賛セールが行われる館内。

しかし、近隣大型店との競争激化や、試合開催日以外での集客不足、施設の信託受益権を取得している三菱地所との賃料交渉の難航などにより、6月1日からは食品売場のみの営業となっており、プロ野球のシーズン終了を待つかたちで、10月1日を以て残りの売場も閉店、全館閉鎖されることとなった。
詳しくはこちら:イオン甲子園店、2017年5月閉店-旧プランタン百貨店・ダイエー甲子園店、競合増加で経営不振に

2018年5月にリニューアルへ-リニューアル後もイオン?

イオン甲子園店の建物は不動産大手の三菱地所が同施設の信託受益権を取得しており、今後は同社が2018年5月のリニューアルを目指して改装を進めるという。
地元紙・神戸新聞によると、リニューアル後も引き続きイオングループ傘下のイオンリテールが営業する方向で調整が進んでいるといい、新たな専門店街に加えて食品売場にはイオングループのダイエーや光洋が出店することも考えられ、今後の再生が期待される。
新しい記事はこちら:コロワ甲子園、2018年5月ごろ開店-旧・ダイエー甲子園店

外部リンク:イオン甲子園店
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イオン甲子園店、2017年5月閉店-旧プランタン百貨店・ダイエー甲子園店、競合増加で経営不振に
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