東京ミッドタウン日比谷、2018年3月29日開業-三信ビル跡に日比谷の新・ランドマーク

日比谷に新たなランドマークが生まれる。
三井不動産は、東京都千代田区有楽町一丁目で開発を進めていた「(仮称)新日比谷プロジェクト」の名称を「東京ミッドタウン日比谷」に決定し、2018年3月29日にグランドオープンさせることを発表した。

東京ミッドタウン日比谷。

かつての「三信ビル」「三井銀行本店」跡地を再開発

東京ミッドタウン日比谷は日比谷シャンテ、日生劇場、東京宝塚劇場などの隣接地に誕生する複合高層ビル。キャッチフレーズは「未来志向の新たな体験や価値が日比谷で花開く」。
この地は、かつて東京都心を代表するアールデコ建築であった荘厳なオフィスビル「三信ビルディング」(1929年竣工)、そして「日比谷三井ビルディング」(三井銀行本店)などがあった場所としても知られ、国の都市再生特別地区および国家戦略特区の特定事業の1つとして再開発が進められてきた。

東京ミッドタウン日比谷の全体像。

第二の「東京ミッドタウン」ブランド

三井不動産は六本木でも「東京ミッドタウン」を展開しているが、「東京ミッドタウン日比谷」ではこれまでの東京ミッドタウンが掲げてきた「Diversity」「Hospitality」「Creativity」「Sustainability」という4つの共通の提供価値に加えて、街の個性である「In the Park(緑やオープンスペースと街が連続した空間となり、心が豊かになる街)」、「Entertainment(新たな芸術文化・エンターテインメントを発信する街)」、「Elegance(文化的刺激に溢れ、本物を知る大人たちが集う街)」を街固有の提供価値として、世界中の様々な文化・感性・才能が日比谷に集結・交流することを促し、未来志向の新たな体験や価値を創出する街づくりを行うとしている。

コンセプト。

「東京ミッドタウン日比谷」ロゴタイプ。

建物は地上35階、地下4階、延床面積約189,000㎡。
そのうちの地下1階-7階が商業フロア(4-5階は映画館)、6・7階の各一部と9-34階がオフィスとなる。

全館フロア構成。

商業フロアは60店-三信ビルモチーフの空間、「日劇」移転も

地下1階-7階の商業フロアには、全60店舗(店舗面積約18,000m2)が出店する。

晴海通りからの景観。
下層階は大型商業施設で、地域の賑わいに貢献する。

地階:「駅直結の都心型フードアーケード」と題し、博多の老舗和菓子店「鈴懸」、東京初出店となる「住吉酒販」など個性溢れる食物販と、バラエティ豊かな8つの業態が集まる都心型フードホール「(仮称)HIBIYA FOOD HALL」を開設。また、ドラッグストア「トモズ」、「スターバックスコーヒー」、「セブンイレブン」など、普段使いができるお馴染みのショップも出店する。
地下のアーケードには「三信ビルディング」をモチーフにモダンなデザインで再構築することで、街の記憶を継承する。 

三信ビルをモチーフとした空間。

1階:「プレミアムライフスタイルゾーン」。玄関口(エントランス)となる「(仮称)日比谷ゲートプラザ」(後述)に面したゾーンには、TOYOTA「レクサス」のカフェ併設型ブランド体験施設が世界初出店するほか、ニューヨークの人気レストラン「Buvette」が日本初出店。また、「イセタンミラー」(伊勢丹)、「DEAN & DELUCA CAFE」など、大人の良質なファッションを提案する雑貨ショップが集積する。
2階:「上質なファッション・ライフスタイルゾーン」。「THE NORTH FACE」「A.P.C.」など、良質でひとつひとつのアイテムにこだわる楽しさを提案するショップを集積したファッションのメインフロアとなるほか、「食のトレンドを発信する最旬パークビューダイニング」のエリアは、代官山の人気ビストロ「Ata」の新業態や、今海外で人気のモダン炉端焼き、立ち飲み天ぷらなど、食のトレンドが詰まった最旬レストランフロアとなる。
3階:「情報発信型のライフスタイルゾーン」。「有隣堂書店」の、書店ながら一般書籍を殆ど置かない新業態「HIBIYA CENTRAL MARKET」など、大型のライフスタイルショップなどに加えて、音楽やアートに美と健康を加えた、大人の都会的なライフスタイルを充実させるためのフロアとなる。また、「本物志向のプレミアムレストランゾーン」には人気イタリアン「サローネグループ」の旗艦店や創業450余年の京都の老舗料亭「瓢亭」の新業態など、人気と実力を兼ね備えた有名店が集結する。 

吹き抜けのアトリウム。

4-5階:11スクリーン約2,300席のシネマコンプレックス「TOHOシネマズ 日比谷」となる。なお、有楽町マリオンにある「TOHOシネマズ日劇」は同館の開館により閉館し、「日本劇場」時代からの84年の歴史に幕を下す。

TOHOシネマズ日比谷。


マリオンにある「TOHOシネマズ日劇」は閉館する。

6-7階:レストラン街となる。6階のバルニバービ社による「ガーデンレストラン」は、皇居外苑、日比谷公園から続く緑を取り込む「(仮称)日比谷テラス」(後述)を囲み、様々なシーンで日比谷ならではの過ごし方を提案するものとなる。 

商業フロア構成。

下層階の館内中央には、伝統的な劇場空間を参考にした3層吹き抜けのアトリウムが設置され、様々なイベントが開催される。

オフィスフロアは25層-休息できるスカイガーデンも

日比谷公園を眼下に望むオフィスフロアは9・10階のロビー階から11-34階に位置し、「Business Hospitality」をコンセプトに、先進的な機能やサービスの融合がフレキシブルなワークスタイルを実現する。

オフィスエントランスのスカイロビー。

さらに、9階にはオフィス向けのスカイガーデンを、6階には「(仮称)日比谷ビジネス連携拠点」を設置するなど、ビジネス環境の構築に配慮された造りとなる。

スカイガーデン。

日比谷らしく「演劇の街」意識したプレミアムイベント空間も

THE PREMIUM TIME, HIBIYA”をコンセプトに掲げる東京ミッドタウン日比谷。館内には吹き抜けのアトリウムのほか、6階には空中庭園「日比谷テラス」(仮)が、1階には千代田区有地と一体的に整備された「日比谷ゲートプラザ」(仮)が設けられ、今後は映画・演劇等の国際的なエンターテインメントイベントの誘致・開催も検討されているという。

エントランスとなる日比谷ゲートプラザ。

芸能・演劇の街に生まれた新たなランドマークが、 かつてこの地にあった三信ビルのように、長きに亘って地域に親しまれる「プレミアムな存在」となることを期待したい。
(写真以外は三井不動産ニュースリリースより、写真は都商研撮影)

東京ミッドタウン日比谷

住所:東京都千代田区有楽町1丁目1番地2号
営業時間:店舗により異なる

外部リンク:「(仮称)新日比谷プロジェクト」の名称が「東京ミッドタウン日比谷」に決定  上質な体験価値を提供する約60の店舗が2018年3月29日にオープン ~未来志向の新たな体験や価値が日比谷で花開く~ 
外部リンク:東京ミッドタウン日比谷 商業テナント一覧(PDF:438KB)
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