免税家電店「ラオックス」は、秋葉原で長年親しまれてきたホビー専門店「秋葉原アソビットシティ」(Aso Bit City、東京都千代田区)を3月31日に閉店させる。
秋葉原アソビットシティ。
かつて「日本最大のホビー専門店」だった
アソビットシティは2002年10月に当時中堅家電量販店であった「ラオックス」が運営するホビー専門店として「T-ZONE秋葉原本店」「ミナミムセン」の跡(現在はドンキホーテ秋葉原店・AKB48劇場などが出店するビル)に開業。その後、ドンキホーテの出店などに伴い、現在の場所に移転オープンした。
開業当時は日本最大級のホビー専門店であり、ゲーム、模型、プラモデル、フィギュアなどを販売。その後は中野、豊洲にも出店した。
2009年にラオックスが中国・蘇寧電器の傘下となったあとは秋葉原店のみとなったが、同店主催のアイドルイベントやゲーム発売記念イベントなどの開催も継続されるなど、近年まで多くの集客力があった。
また、2012年にはキャナルシティ博多(福岡市博多区)にも出店し、2店舗体制となっていた。
ホビー専門店から免税品中心へ-客離れから再起できず
しかし「爆買い」ブームに乗るように2015年7月に「ホビー系免税店」としての改装をおこなうと、 多くのフロアがラオックス本館と同様の中国人向け家電・宝飾品売場に衣替えするなどしたため、 これまで主要客層であった日本客が大幅に減ってしまい、「免税店」とも「ホビー店」とも言えないどっちつかずのスタンスから集客に苦戦している印象があった。
2017年1月に全面改装をおこない再びホビー店としての再出発を図ったものの、売場は3フロアのみに。いったん離れた客を取り戻すことは難しく、閉店することに至ったと思われる。
秋葉原アソビットシティの閉店により、「アソビットシティ」はラオックスキャナルシティ博多店のなかに設置された店舗のみとなるが、こちらも当初とは異なり外国人客向け中心の商品構成となっており、ラオックスキャナルシティ博多店の改装とともに姿を消す可能性もある。
多くのイベントの”思い出”残して「あっけない幕切れ」
アソビットシティは長年に亘って趣都・秋葉原を牽引してきた大型店舗の1つであり、多くの家電量販店のホビー販売拡大のきっかけになった店舗でもあった。近年まで多くの集客力があり、同店主催のイベントに参加した思い出のある人も多いであろう。
最末期にはラブライブ!に力が入れられたが、1階は化粧品というチグハグさ。
閉店告知も店舗閉鎖の直前というドタバタ具合で、こうした経営の迷走による「あっけない幕切れ」は非常に残念なことである。
外部リンク:ラオックス秋葉原アソビットシティ店
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