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ホテルサンパレス球陽館、2025年12月閉館-那覇の戦後を支えた老舗ホテル、77年の歴史に幕

沖縄県那覇市のゆいレール県庁前駅近くにある老舗大型ホテル「ホテルサンパレス球陽館」が、2025年12月に閉館する。

終戦直後に開業、那覇を代表する老舗ホテルだった

ホテルサンパレス球陽館を運営する「球陽館ホテルズおきなわ」のウェブサイトによると「ホテル球陽館」として1948年に米軍統治下の那覇で創業。当初は木造平屋で、ホテルが少なかったころであったため戦後の那覇復興を支える存在となった。
1956年に現在建物がある久茂地に移転。鉄筋3階建てとなり、国際通りや県庁・市役所にも近いため著名人が宿泊するホテルとしても知られた。

現在のホテルサンパレス球陽館。

その後、1973年に11階建てとなり、1985年に増築されて現在の姿となった。
2008年には「ホテルサンパレス球陽館」に改名。客室数は66室で、2003年にホテル隣接地にゆいレールが開通したことから軌道沿いの壁面緑化を実施したほか、館内にはトレインビュールームも設置されている。

通常営業は10月まで-恩名村のホテルに経営資源集中

ホテルサンパレス球陽館の閉館は建物の老朽化などによるもの。通常営業は2025年10月までになる予定だという。
那覇を代表する一等地だけに、今後の活用方法が注目される。

ゆいレールとホテルサンパレス球陽館。駅からも近い。

なお、「球陽館ホテルズおきなわ」が恩納村で1975年に開業させた姉妹館「パレスインムーンビーチ」は営業を継続するとしている。

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高島屋洛西店、2026年8月3日閉店-ラクセーヌの核店舗、老朽化と業績不振で43年の歴史に幕

京都府京都市西京区の洛西ニュータウンショッピングセンター「ラクセーヌ」核店舗「高島屋洛西店(洛西タカシマヤ)」が2026年8月3日をもって閉店する。

洛西ニュータウンの中核施設「ラクセーヌ」

洛西ニュータウンショッピングセンター「ラクセーヌ」は、1975年7月設立の京都市出資による財団法人「洛西ニュータウン管理公社(現京都市住宅公社)」主導のもと、1982年4月に同ニュータウンの商業核として開業。
ラクセーヌは2002年4月に新コンセプト「リボーン・ラクセーヌ」を掲げ増床リニューアル(13,360㎡→15,915㎡)を実施、2023年7月から12月にかけて耐震改修工事/長期休業をともなう大規模リニューアルを実施するなど、施設の現代化に取組んだ。
2025年10月現在はケーワイカンパニー運営食品スーパー「キッチンランドSunSun」を食品核に、大型家具インテリア雑貨店「ニトリ」や谷山無線電機FC家電量販店「エディオンタニヤマ」、複合書店「ふたば書房」、100円ショップ「キャンドゥ」、ファストフード「マクドナルド」、喫茶店「ホリーズカフェ」など関西地場大手や個人経営店を中心に31店舗が入居する。。

ラクセーヌ(公社公式より)。

43年の歴史に幕おろす洛西高島屋、代替で衛星店整備

高島屋洛西店の建物は地上3階建で店舗面積は8,079㎡。
高島屋洛西店は同社運営の日本百貨店協会加盟店(=標準店/ローズサロンやメゾン業態を含まず)のなかでも最小規模にあたる郊外型店舗であるが、2025年10月現在も高島屋ストアの流れを汲むイズミヤ系食品スーパー「カナート洛西店(食料品セルフコーナー)」をはじめ、コスメ「資生堂「ちふれ」、和洋惣菜「RF1」「古市庵」、銘菓「モロゾフ」「ユーハイム」「ブールミッシュ」「菓匠清閑院」「井筒八ツ橋本舗」、ファミリーファッション「a.v.v」、レディスファッション「Cour Carre an」、アメリカンカジュアル「McGREGOR」「Golden Bear」、ベビー子供服「MIKIHOUSE」、スポーツウェア「DESCENTE」といったブランドを展開するなど、洛西ニュータウンの上質商品/贈答品需要に応える店舗づくりを行っている。
一方、高島屋洛西店の商圏(洛西ニュータウン)は以前から続く住民高齢化や京都市営地下鉄東西線延伸計画の凍結/白紙化に加え、2023年10月には京都市立芸術大学の京都駅付近への移転が生じるなど暗雲立ち込めていた。洛西店では市内旗艦店「高島屋京都店(京都タカシマヤS.C.)」分店への移行といった経営合理化を進めていたが、営業赤字や店舗改修を背景に43年の歴史に幕をおろすこととなった。
高島屋洛西店は2026年9月に「隣接する商業施設内の一区画にサテライトショップの出店を計画」する方針を示しているが、現店舗から大幅に減床することとなる。

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西友小金井店跡、2025年10月から解体開始-閉店から8年以上、住友不動産の主導で再開発始動

東京都小金井市のJR武蔵小金井駅北口にあり、2017年に再開発のため閉店した大型総合スーパー「西友小金井店」跡の解体が、2025年10月にようやく開始される。

西友小金井店。

築52年、近く再開発で解体か

西友小金井店は1965年に開店。売場は地階から8階までで、店舗面積は6,818㎡。開店当初は地域随一の高層ビルであったという。
テナントとして無印良品、ダイソー、三井住友銀行なども出店しており、最上階のレストランからは駅周辺を一望できることで人気を集めていた。
 
最上階にあった中華レストラン「魯吃房 」。

西友小金井店はJR武蔵小金井駅前の再開発計画に合わせて2017年7月に閉店。近く再開発がはじまるものと期待されたものの、具体化には長い期間を要することとなり、ビル内にはいくつかのテナントが残留していた。
2025年8月31日には最後までビル内に残っていた三井住友銀行小金井支店が駅南口に2020年に完成した野村不動産の再開発ビル「SOCOLA武蔵小金井クロス」1階の「デイリーテーブル紀ノ国屋」跡に移転。解体への準備が整った。

西友小金井店跡、住友不動産のタワーマンションに

西友小金井店跡は2025年10月に解体を開始。解体だけでも約1年間以上かかる見込みだ。
解体後は住友不動産が中心となって「武蔵小金井駅北口駅前東地区第一種市街地再開発事業」をおこなう。

東京都庁ウェブサイトより。

「武蔵小金井駅北口駅前東地区第一種市街地再開発事業」は2025年6月に都から事業認可されており、地上35階・高さ約125mの商業施設を併設したタワーマンションなど2棟が建設される計画となっている。
全体の完成は2029年度を見込んでいる。

再開発すすむ武蔵小金井

近年の武蔵小金井駅周辺では北口、南口ともに再開発が活発化している。

長崎屋・MEGAドンキホーテ小金井店。

先述したとおり2020年にはJR武蔵小金井駅南口(イトーヨーカドー南側)に野村不動産の分譲マンションを中心とする再開発ビル「SOCOLA武蔵小金井クロス」(26階建て)が完成したほか、具体化はしていないものの西友跡に隣接する「長崎屋MEGAドンキホーテ小金井駅前店」(1963年開店、現在のビルは1971年新築)周辺でも再開発計画があり、JR武蔵小金井駅周辺は大きく変化を遂げることになる。

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イオンスタイル東山二条、2025年10月14日開店-ジャスコ源流企業から半世紀超の歴史誇った当時現存最古店、京町スーパーマーケットに

京都市左京区の二条通り沿いに整備中の近畿建物系複合商業施設「2WA」に、イオンリテールの食品スーパー「イオンスタイル東山二条」が2025年10月14日に開店する。

イオンスタイル東山二条。

ジャスコ源流企業から半世紀超の歴史誇った東山二条店

イオン東山二条店は、1968年6月に大阪北摂地場大手系食品スーパー「シロ東山二条店」として旧公団住宅「UR都市機構東山二条アパートパレス二条」1階に開店。店舗面積は1,160㎡。
シロは1968年3月に「岡田屋」「フタギ」と共同出資で現在のイオンの源流にあたる共同仕入機構「ジャスコ」を設立した企業であり、シロ東山二条店は初代ジャスコ設立以前から建替えせずに営業継続する現存最古の店舗であった。

シロ東山二条店。

シロ東山二条店は(当時)ジャスコグループ発足にともない「ジャスコ東山二条店」に改称、2011年3月にはイオン系総合スーパー運営会社再編にともない「イオン東山二条店」に改称したが、老朽化にともなう地場不動産会社「近畿建物」による再開発のため、2021年9月30日をもって閉店していた。

「京町スーパーマーケット」として全面刷新

イオンスタイル東山二条の敷地面積は約3,459㎡、店舗面積は909㎡。
イオンスタイル東山二条は「こだわりの食と必需品を扱う京町スーパーマーケット」として、テーマに「地域の食文化に対応した商品」「即食・個食・簡便」を掲げ、京都市中央卸売市場や近郊生産者による地場野菜コーナーや京都舞鶴漁港を中心に仕入れた対面鮮魚コーナーを展開。学生・単身世帯が集まる地域特性を活かし、水産系惣菜「魚屋の鮨」では一人前にぎり鮨や海鮮丼、デリカコーナーでは日替わり弁当や本格窯焼きピッツァといった「買ってすぐ食べられる」「一人前でちょうどいい」というニーズに応える商品を提案する。
そのほか、冷凍食品に関しても「ロイヤルホストデリ」「フルッタフルッタ」「ゴールドスター」といったレストランの味や話題のスイーツを導入、地域の食文化に対応した商品を取扱う。。

イオンスタイル東山二条のフロアマップ。

イオンスタイル東山二条

住所:京都府京都市左京区聖護院蓮華蔵町31-1 
営業時間:8時30分~22時

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ツインモールプラザ北上、リオ・コンサルティングに2025年12月15日運営移行-TMさくら野百貨店運営「北上都心開発」撤退、北上市が土地建物取得

岩手県北上市と不動産大手「リオ・ホールディングス」(本社:東京都千代田区)系「リオ・コンサルティング」(本社:同上)は、北上市内の複合商業施設「ツインモールプラザ北上」再生に向けた基本協定を2025年10月6日に締結した。
ツインモールプラザ北上は同協定に基づき、北上市出資の第3セクター「北上都心開発」(本社:岩手県盛岡市)からリオ・コンサルティングに同年12月15日を目処に運営移行、2026年春を目処に新施設として新装開業する。
さくら野百貨店北上店。

北上市を代表する複合商業施設「ツインモールプラザ」

ツインモールプラザ北上は、1993年11月設立の組合「北上市本通り・新穀町地区市街地再開発組合」施行による再開発事業の一環として2000年3月に開業。
再開発組合は発足当初、岩手地場老舗百貨店「川徳」(本社:岩手県盛岡市)を核とする都市型複合商業施設の開業をめざす方針であったが、1997年8月に川徳が再開発事業より撤退したため、同年10月に流通大手「マイカル」(本社:大阪市中央区)出資の東北地場百貨店連合「ダックビブレ」(本社:仙台市青葉区/後のエマルシェ)を代替に施設整備を進めることとなった。
建物は同方針に基づき1999年3月に着工、2000年2月に竣工したもので、鉄筋コンクリート造(RC造)地上8階建、延床面積は87,093㎡。北上市出資の第3セクター「北上都心開発」が施設全体の管理運営を担う。

核店舗「北上さくら野」、開店時は「北上ビブレ」だった

ツインモールプラザ北上の核店舗「ツインモールプラザ北上さくら野(TMさくら野)」は、2000年3月にマイカルグループ系百貨店「北上ビブレ」として開業。建物は地上8階建で営業フロアは1~4階、店舗面積は㎡。
北上ビブレ開業当初は、百貨店直営フロアを核に系列複合映画館「ワーナーマイカルシネマズ北上」やスポーツクラブ「エグザス北上」を併設するなど、時間消費型商業施設に強みをもつ親会社のノウハウを活かした売場を展開した。一方、2001年9月の親会社の民事再生法適用にあわせて同店運営会社も連鎖的に経営破綻したため、2002年5月にダックビブレ設立母体にあたる不動産会社「武田」(本社:青森市)など地場複数社出資による新体制に移行。同年10月にマイカルグループから正式に独立したうえで「さくら野百貨店北上店」として新装開業することとなった。

さくら野百貨店北上店。

北上さくら野、紆余曲折経て第3セクター傘下に

さくら野百貨店北上店は2002年10月の新装開業を機に経営再建に向けた営業改革を本格化。2005年4月には武田が過半数出資する新会社「さくら野東北」(本社:仙台市青葉区→青森市/現さくら野百貨店)に運営移行し、高島屋との業務提携に基づく「高島屋ハイランドグループ」(2025年10月現在は解散を冠した販促を行うなど、若年層向けファッションビル色の強い旧ビブレから高級志向を高める戦略に方針転換した。
一方、同戦略は2017年2月のさくら野百貨店仙台店運営会社「エマルシェ」自己破産や高島屋との業務提携解消、北上市商圏の競争激化や高齢化により見直しを迫られることとなり、2018年3月に直営食品スーパーを岩手地場大手生協系食品スーパー「いわて生協ベルフ北上」に転換、ドラッグストア「アサヒドラッグ」やアウトドア用品店「好日山荘」を導入するなど、都市型ショッピングモール色を再び強めることとなった。

2018年3月に新装した「さくら野百貨店北上店」。
大型専門店「Belf」「Seria」「DAISO」の看板が目立つ。

さくら野百貨店北上店は、2020年代初頭の感染症拡大を背景として武田傘下から独立、2023年8月14日に新会社「いわて北上リテールマネジメント」に事業承継(分社化)したうえで同年8月31日に北上都心開発が同社全株式を取得、同年9月1日より現名称/現体制に移行した。

北上都心開発、さくら野承継で経営悪化

ツインモールプラザ北上全館の運営会社となった北上都心開発は、2021年4月に西館1~2階を北上市保健子育て支援複合施設「hoKko」に転換、2024年秋には半導体営業拠点「東京エレクトロンFE北上ステーション」を従来の4階レストラン街跡に加えて3階大部分に増床するなど、西館土地建物の北上市への一部売却や東館商業フロアの集約及びオフィスフロア転換といった取組みにより百貨店存続を図った。
一方、北上都心開発は百貨店事業承継にあわせて約1.5億円の借入れを実施、6期連続営業赤字となるなど経営悪化が深刻化しており、施設運営継続が極めて困難な状態に陥っていた。

市が土地建物取得、リオ社主導でオフィスを大幅拡大

北上市は「北上都心開発の経営破綻によるツインモールプラザの機能停止を避け、円滑かつスピードある移行によって、テナントの事業と雇用の継続を確保」することなどを目的に、北上都心開発及び地権者27名より区分所有権を約9億4000万円で取得。2025年4月22日に非公開での市議会全員協議会を開催、5月28日の北上市議会臨時会議で「ツインモールプラザ再生事業」に向けた補正予算審議を可決、6月9日に公募型プロポーザルを公告するなど、北上都心開発に代わる新たな運営事業者選定を急いだ。
北上市によるツインモールプラザ北上再生に向けた取組みの一環として、2025年10月6日に新たな運営事業者「リオ・コンサルティング」と基本協定を正式締結、12月15日に新事業者に運営移行し、2026年春を目処にリオ・コンサルティング主導のもと新装開業する。
ツインモールプラザ北上の運営体制変更にともない、TM北上さくら野の親会社でもある北上都心開発は運営撤退、新事業者による「市場の需要に基づくビルの最大限の活用による最大の経済効果」を意識したオフィスフロアが半数近くを占める複合施設として生まれ変わることとなる。
なお、開業以来の主要テナントである複合映画館「イオンシネマ北上(旧ワーナー・マイカル・シネマズ北上)」も2026年2月に契約期間満了見込み(更新未定)であり、市中心部での役割を大きく変えることとなりそうだ。

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大賀薬局、持株会社「オーガホールディングス」に2025年10月1日移行-ドゲンジャーズ生み出した福岡地場大手、産業競争力強化法に基づく事業再編で動物と不動産強化

福岡地場大手ドラッグストア「大賀薬局」(本社:福岡市博多区)は産業競争力強化法に基づく事業再編計画認定を2025年9月30日に受けた。同社は事業再編計画に基づき、持株会社「オーガホールディングス」に2025年10月1日に移行した。

ドゲンジャーズ生み出した福岡地場大手ドラッグストア

大賀薬局は1902年に現在の福岡県筑紫野市二日市で「大賀商店」として創業、1927年に現在の福岡市中央区天神に食料品/薬品店を開店、1949年11月の西鉄街店開店(天神コアを経て現在のONE FUKUOKA BLDG.)にあわせて法人化した。
同社は1976年6月の天神コア開業にあわせて輸入雑貨店「木馬館」1号店を開店(2020年7月VIOROに移転)し、福岡市中心部の西鉄系商業施設を中心に多店舗展開するなど業容を拡大。1990年代からは福岡都市圏でのドミナント深耕を図りつつ、2015年6月には沖縄地場同業「グリーンドラッグ」を買収するなど九州全域に郊外型ドラッグストアを展開することとなった。
2019年10月には大賀崇浩同社代表取締役社長による「薬剤戦師 オーガマン」がSNSで話題となり、2020年4月より同社主導の特撮TV番組「ドゲンジャーズ」が首都圏を含む幅広い地域で放送に至るなど、九州を代表するローカルヒーローを生み出したドラッグストアとして高い知名度を誇っている。
九州を本拠とする独立系ドラッグストア各社のなかでは「コスモス薬品」(2025年5月期の売上高:1兆113億9,000万円)、「ナチュラルHD」(2025年3月期の売上高:3,118億円/ドラモリ単体売上高2,127億円)に次ぐ業界3位、2024年9月期の売上高は346億5,800万円となっている。

2024年からは動物強化、持株会社化で不動産強化

大賀薬局による持株会社体制移行は、オーガHDが「事業会社の支援とガバナンスを強化」「中長期的な視点でグループ全体の最適化」を担い、各事業会社が「意思決定の階層を簡素化し、現場で迅速に判断・実行できる体制」「変化する市場に素早く対応し、新たな付加価値の創出と持続的な成長」をめざすため。

大賀薬局西鉄福岡駅店。

大賀薬局は2025年6月30日付で持株会社体制の要となる新会社「オーガホールディングス」を設立し、同年10月1日付で新会社に大賀薬局の経営管理事業及び不動産管理事業を移転、2026年4月1日付で新会社に系列不動産会社「大賀ビル」を吸収合併することで不動産事業強化を図る。

大賀薬局都府楼南店。

また、2029年に向けたビジョン「One Health Leading Company(ワンヘルス リーディングカンパニー)」実現に向けた取組みの一環として、2024年12月に日本唯一の動物専門調剤「わんにゃん薬局」に出資、2025年2月に福岡県小郡市の動物病院「藤野動物病院」運営会社を事業承継するなど、動物関連への業容拡大を進める。

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フォーエバー21、2025年10月までに国内全店閉店-3度目の日本撤退、米法人の再倒産で

米国発祥で日本ではアンドエスティHD(旧名・アダストリア)グループが手掛けるファストファッション「フォーエバー21」が、2025年10月13日をもって日本から再再撤退する。

フォーエバー21原宿店(2017年閉店)。

フォーエバー21、経営破綻で2019年に日本撤退していた

フォーエバー21は1984年に韓国人(米国籍)のドン・チャン(張道、チャン・ドン)により米国で創業。2000年には三愛が同社一部商品の取り扱いを開始、さらには2009年4月に米国法人の直営店として原宿店(東京都渋谷区、2017年10月閉店)を開店させ、日本に本格進出。2010年4月には銀座松坂屋(2013年閉店)に出店し、百貨店初進出を果たした。この時点では日本国内では米法人が同社傘下の「FOREVER21 JAPAN RETAIL」を設立して展開していた。

銀座店は松坂屋内にあった。

フォーエバー21は2000年代に入ると世界各地に急速に店舗網を拡大した一方で、アナスイやトロヴァータなど有名ブランドのデザインを盗用・盗作したとして数多くの訴訟を抱えることとなったほか、他のファストファッションとの競争激化による品質低下やEC(ネット通販)展開の遅れもあって業績が悪化。
2019年には米法人が連邦破産法11条の申請・経営破綻(倒産)し、日本からも2019年10月までに全店撤退していた。

フォーエバー21渋谷店。

倒産後、2020年には米国のブランド管理会社「オーセンティック・ブランズ・グループ」、日本ではプレミアムアウトレットでも知られる不動産投資信託会社「サイモン・プロパティー・グループ」、不動産投資信託会社「ブルックフィールド・プロパティー・パートナーズ」の3社が約100億円で運営権を買収していた。

アダストリア+伊藤忠で再上陸を果たしたが…

フォーエバー21は、日本再出店に際して伊藤忠商事がマスターライセンシーを取得。グローバルワークなどを展開するアパレル大手「アダストリア」(本社:東京都渋谷区、のち「アンドエスティHD」)の子会社が同社とサブライセンス契約を締結し、コミュニケーションディレクターとして歌手の青山テルマ氏を指名した。
そして、2023年2月よりアダストリアグループの公式オンラインストア「ドットエスティ」にて先行販売を開始。さらに、同年4月に開業した「三井ショッピングパーク ららぽーと門真」(大阪府門真市)3階に再出店1号店(約123坪)をオープンさせ、15店舗ほどを展開する予定だとしていた。

フォーエバー21、米国法人の再破綻により再び日本撤退

フォーエバー21の再上陸から僅か2年経った2025年3月、フォエバー21の米国法人が中国発の格安通販サイトとの競争激化やコスト増を理由として2度目の破産を申請。米国では200店舗を閉店する計画を発表した。これにより本社からの商品の供給が無くなったという。
2025年10月時点は「ららぽーとTOKYO-BAY店」のみとなっているが、同店も2025年10月13日に閉店。ECサイトなどの事業も2025年度中(2026年2月期中)に閉店するとしており、これを以てフォーエバー21は3度目の日本撤退となる。
一方で、フォーエバー21は2025年夏に中国に現地企業と提携して4度目の再出店をはたしており、今後日本でも4度目の再出店を果たすことがあるのかどうかが注目される。

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ながの東急百貨店地階食品フロア、2025年10月2日より順次新装開業-デパ地下約24年ぶり全面刷新、長野県内初の生鮮や市内初のRF1も

長野県長野市の東急系百貨店「ながの東急百貨店」地階食品フロアが2025年10月2日午前10時より順次新装開業する。

北野エースながの東急店。

長野地場百貨店「丸善」として創業

ながの東急百貨店は、1958年11月に長野県長野市で地場百貨店「丸善銀座屋(ながの丸善)」として創業。1966年11月の長野駅前への新築移転(売場面積7,768㎡)と同年12月の東横(現東急百貨店)との資本業務提携締結を機に、1970年9月に現在の店名となった。。

ながの東急百貨店。

21年には東急完全子会社に、本店に経営資源集約

ながの東急百貨店は1975年11月に本館増床を実施、1986年11月には新館「シェルシェ」を開業しつつ、東急グループの甲信越における中核的流通企業として県内外への百貨店支店(小諸・岡谷など)や関連事業(近隣商圏型ショッピングセンター・スポーツクラブなど)を展開し、1991年8月には株式店頭公開を果たした。
その後、2000年代にはグループ不採算店整理の一環として支店各店を閉店。2021年6月の持株会社「東急」による完全子会社化後は、2025年3月に「ながの東急ライフ」を閉店するなど本店への経営資源集約を進めていた。10月現在は本店とサテライトショップ(上田・松本)の3店舗体制となっている。

デパ地下、約24年ぶり全面刷新

ながの東急百貨店地階食品フロアの全面刷新(リニューアル)は約24年ぶりとなるもの。同館では準備期間として2025年8月27日まで本館5階で「ながの東急百貨店フードショー」の仮設営業をしており、8月28日から9月5日にかけて青果店「九州屋」と高級食品スーパー「北野エース」が先行新装開店していた。

九州屋ながの東急店。

10月2日は「食料品リニューアル第1弾」として生鮮グロサリーを全面刷新し、名古屋本拠の老舗精肉店「スギモト」による対面精肉惣菜業態長野県内1号店を導入、鮮魚店「中島水産」の増床を実施するなど「専門店の目利きによるこだわりの商品を大幅に拡充」「快適にお買い物ができるようレイアウトやサービス機能も見直し」した。

スギモトながの東急店。

同館では11月にも東北信エリア初/長野市内初となる洋惣菜店「RF1」導入を目玉とする「食料品リニューアル第2弾」を予定しており、長野県内唯一となる大手系百貨店として競合との差別化や集客拡大を図る。

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スーパーセンタートライアル岡山豊浜店、2025年9月17日開店ー2024年12月閉店のDCMダイキ豊浜店跡に

岡山県岡山市南区の岡山赤十字病院近くに、トライアルHDのディスカウント総合スーパー「スーパーセンタートライアル岡山豊浜店」が2025年9月17日に開店した。

岡南のダイキ跡にトライアル出店

スーパーセンタートライアルが出店するのは、DCMダイキ豊浜店の跡。同店は2024年12月末をもって閉店していた。トライアルは建物をそのまま利用しており、居抜き出店となる。
近隣にはロードサイド店が多く立地しており、ヤマダデンキ、ヒマラヤ、ナフコなどが近接している。

一般的なトライアルの店舗。(イメージ)

スーパーセンタートライアル岡山豊浜店の営業時間は24時間。
食品に加えて生活雑貨、衣料、寝具、小型家具、家電などを販売するディスカウント総合スーパー業態となる。また、直営のドラッグストア売場を併設する。

トライアル岡山豊浜店

岡山県岡山市南区豊浜町13−68 
営業時間:24時間

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スーパーセンタートライアル鹿沼店、2025年10月1日開店-さつき大通りのパチンコ店跡地に

栃木県鹿沼市のさつき大通り沿いに、トライアルHDのディスカウント総合スーパー「スーパーセンタートライアル鹿沼店」が2025年10月1日に開店した。

鹿沼にトライアル初出店

スーパーセンタートライアルが出店したのは、鹿沼市の桜の名所として知られるさつき大通り沿い。ここにはもともと「パチンコでるでる」があった。なお、敷地の一部にはすでにマルハンが出店している。
また、近隣にはコメリやカスミが出店している。

一般的なトライアルの店舗。(イメージ)

スーパーセンタートライアル鹿沼店の建物は平屋で店舗面積は4332㎡、営業時間は24時間。
食品に加えて生活雑貨、衣料、寝具、小型家具、家電などを販売するディスカウント総合スーパー業態となる。

トライアル鹿沼店

栃木県鹿沼市茂呂923-7
営業時間:24時間

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