カネスエザザシティ浜松店、2022年9月29日開店-静岡初出店、スーパー生鮮館TAIGA核のフードワールド跡に

静岡県浜松市の「ザザシティ浜松」西館地下1階「スーパー生鮮館TAIGA浜松店(ザザシティフードワールド)」跡に、東海地方地場大手「カネスエ」(本社:愛知県一宮市)の大型食品スーパー「カネスエザザシティ浜松店」が、2022年9月29日午前10時に開店する。

荒波にもまれたザザシティ

ザザシティ浜松は、2000年11月に「浜松中央地区第一種市街地再開発事業」「浜松中央西地区第一種市街地再開発事業」の一環として西武百貨店浜松店跡地などを中心に開業。
再開発構想当初は、核店舗として(当時)西武セゾングループ系のファッションビル「パルコ」(本社:東京都豊島区)の進出が決まっていたが後に白紙撤回、開業1週間前に隣接する地場老舗百貨店「松菱」が経営破綻するなど、厳しい環境下での開業となった。
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松菱新館跡。2015年に解体された。

ザザシティ2館のうち、開業当初の中央館は小規模事業者中心の店舗構成で空床が著しかったこともあり、2011年10月に当時の施設管理会社が経営破綻している。
その後、中央館は2017年に「ザザ中央館」「はままつ楽市」として、食物販と公共施設・オフィスを中心に全館リニューアルを実施するなど、地元の台所を掲げ再生に取組んでいる。
一方、西館では2021年1月に大型玩具店「トイザらス」が、同年9月にはファストファッション「UNIQLO」が撤退するなど、集客の要であった大型専門店が相次ぎ撤退、テナント跡は暫定的に新型コロナワクチンの接種会場となった。

テナント撤退相次いでいた

スーパー生鮮館TAIGA浜松店は2000年11月に開店。
同店を運営していたアイスクリーム・市販用冷凍食品専門商社「アイスコ」は、神奈川県内を中心に食品スーパー8店舗、生鮮食品・惣菜専門店2店舗を展開していたが、同店は静岡県内唯一の店舗であった。

ザザシティ浜松西館

同店では「ザザシティフードワールド」という名称を店内掲示や各種販促で前面に打ち出し、青果部門にユナイテッドベジーズ(F.Vネット)、鮮魚部門には魚友、精肉部門にはオーエムツーネットワーク(肉のアイオー)、惣菜部門には東京プライス(おかず工房)を導入するなど、生鮮パワーセンター型の売場を展開。
近隣の遠鉄百貨店地下食品売場(明治屋)や浜松駅ビルメイワン地下食品市場メイビーワン(成城石井)、CGCフィーネ(旧いしはらフィーネ/現在はマックスバリュ)との差別化を図った。
その一方、ザザシティでは地上階の大型専門店に加え、地階でもフードコート内飲食店や衣料・雑貨関連店舗が相次ぎ撤退。
スーパー生鮮館TAIGAも2022年4月30日午後5時をもって閉店となった。

ザザシティ浜松フードワールド。

同店閉店によりフードワールドは全面閉鎖となったが、東海地方地盤のカネスエが2022年秋を目処に居抜き出店する方針を発表。ザザシティに食品核が再び復活することとなった。

フィーネ跡はマックスバリュになった。

フードワールドの「二の舞」回避なるか

カネスエは1892年に「カネ末岩部商店」として創業。1951年5月に「カネスエ岩部商店」として会社設立。1976年7月の本社移転にあわせ現社名となった。
同社は2003年9月に有機自然食品スーパー「旬楽膳」を出店開始しつつ、主力業態ではプロセスセンターによる生鮮3品の効率展開やチラシ配布の原則廃止、自社会員「カネスエファンクラブ」現金支払客対象の「本体価格×3/103割引」を打ち出すなど、首都圏で同様の施策を採るオーケーと同様に東海地方を代表する有力食品ディスカウントストアのひとつとして知られている。

期待の声も多いザザシティ浜松のカネスエ

浜松ではザザシティへのカネスエ出店に期待する声も多くあるが、市中心部は依然として衰退の一途をたどっており、地階フードコートもボートレースチケットショップとなった。
フードワールドの二の舞を避けるべく、独自性の訴求が必要となりそうだ。

開店当日は入場規制を行う

カネスエザザシティ浜松店

住所:静岡県浜松市中区鍛冶町15
営業時間:10時~21時

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