カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

ウィリーウィンキー、2020年9月中旬までに全店閉店-JR四国のベーカリー、一部店舗はリトルマーメイドに

JR四国グループのベーカリー「ウィリーウィンキー(Willie Winkie)」(本社:香川県高松市)が、2020年9月中旬を目処に全店舗が閉店する。

ウィリーウインキー高知店。

国鉄末期創業のJR四国名物ベーカリー、33年の歴史に幕

ウィリーウィンキーは、1987年2月に国鉄直営のベーカリーショップとして高知県高知市の朝倉駅で創業。同年4月の国鉄分割民営化に合わせてJR四国に運営が移行、1993年2月に現法人が設立された。
ブランド名の由来はアンデルセン童話「眠りの精オーレおじさん(眠りの精ウィリーウィンキー)」がもととなっている。
ウィリーウインキーは、JR四国が管轄する主要駅への出店により最盛期には20店舗超を展開、アンパンマンパン購入客を対象にJR四国が運行するアンパンマン列車をデザインしたオリジナル手提げ袋を提供するなど、JR四国グループの強みを活かした営業施策に取組んでいた。
2017年にはJR四国と一部競合関係にある高松琴平電気鉄道(ことでん)の瓦町駅ビル(瓦町FLAG)に新規出店するなど、グループ外施設への出店を試みた。しかし、近年は店舗閉店が相次いでおり、2020年8月現在は最盛期の半分以下となる10店舗にまで減少していた。

7店を「リトルマーメイド」に転換、残りは閉店

今回の閉店はJR四国グループの会社再編に合わせたもの。
2020年10月1日に香川・徳島県内で駅ビル・駐車場・飲食事業を手掛ける「ステーションクリエイト東四国」がウィリーウィンキーを吸収合併、新会社がアンデルセングループの「マーメイドベーカリーパートナーズ」とFC契約を締結し、残存する10店舗中7店舗(高松・坂出・多度津・川之江・今治・松山・高知)を「リトルマーメイド」として営業開始するとしている。
なお、リトルマーメイドに転換しない3店舗(徳島・南小松島・新居浜)は8月下旬を目処に閉店する予定となっている。

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ダイエーグルメシティ旭店、2020年8月17日閉店-ダイエーグループ、縁の深い千林から撤退

大阪府大阪市旭区の大阪メトロ(旧・大阪市営地下鉄)谷町線千林大宮駅近くにある「ダイエーグルメシティ旭店」が、2020年8月17日午後6時をもって閉店する。

ダイエーグルメシティ旭店。

旭区役所そばのダイエー、わずか20年で営業終了

ダイエーグルメシティ旭店の前身となるダイエーグループの総合スーパー「サカエ旭店」は1999年10月に開店。グループ経営再建の過程で進められた運営会社再編の一環で、2007年に「グルメシティ旭店」に改称、2015年のダイエー直営化を機に現在の店名に改称していた。
建物は地上2階建で、売場面積は2,000㎡、駐車可能台数は39台。店舗正面に本社を構える建築石材・介護事業者の旭大理石工作所が所有しており、2020年現在は、1階にダイエー直営の食品・日用消耗品・文具・薬売場、2階にファミスタが出店する。

ダイエーグループ、創業以来縁の深い千林から完全撤退

ダイエーグルメシティ旭店は、2005年10月に「トポス千林店」が閉店して以来、ダイエー創業の地として知られる千林商店街から最も近いダイエーグループの店舗、区内随一の売場面積を有する大型店となっていた。
旭店の閉店により、ダイエーグループは創業以来縁の深い旭区・千林から完全撤退することとなる。

競争激しい旭区、ダイエーの後継店舗などは未定

ダイエーグルメシティ旭店の周辺では、2013年11月に阪急オアシスの大型店「阪急オアシス高殿店」(地上2階建、売場面積2,118㎡)、2015年7月にはライフのフラッグシップ業態「ライフセントラルスクエア高殿店」(地上2階建、売場面積2,684㎡)といった競合店が相次ぎ進出したが、セントラルスクエアは開業わずか2年ほどで標準業態「ライフ高殿店」に転換するなど、競争激化による営業戦略の見直しを行っている。(セントラルスクエアからライフへの転換は初)
ダイエーグルメシティ旭店の建物は、同社閉鎖店舗と比べ築年数が浅く、近隣競合店と遜色ない規模、駐車スペースを有しているため、後継店舗として価格競争力の高いディスカウントスーパーなどの出店が想定される。

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ワールド、5ブランド廃止を2020年8月5日に発表-358店閉店、新型コロナで収益悪化

アパレル大手の「ワールド」(本社:兵庫県神戸市中央区)は、グループ内の5ブランドを廃止し、継続ブランドも含めて合計358店舗を近く閉店させることを2020年8月5日に発表した。

ワールド東京本社。

ワールド、5ブランドを廃止-新型コロナで収益悪化

廃止となるブランドは「ハッシュアッシュ(HusHusH)」「サンカンシオン(3can4on)」「アクアガール(aquagirl)」「オゾック(OZOC)」など5ブランドで、これにより214店が閉店。そのほかの店舗を含め、閉店数は全店舗の約15パーセントにあたる合計358店となる。
さらに、40歳以上の200人の希望退職者を募集する。

廃止となる3can4on。

ワールドグループは新型コロナウイルスの感染拡大により収益が悪化しており、2020年4~6月期の連結決算では、売上収益が前年同期比45.0%減の約330億円、純損益が約24億円の赤字となった。

主力ブランドは廃止せず継続

一方で、2020年現在、ワールドグループの主力業態はファミリー「シューラルー(SHOO・LA・RUE)」、レディス「グローブ(grove)」、メンズ「TAKEO KIKUCHI/SHOP TK」、都市型コスメ・雑貨店「イッツデモ(ITS’DEMO)」、雑貨店「one’s terrace」、ローティーン「ピンクラテ」などであり、ここ数年は今回閉店する業態の新規出店は少なくなっていたほか、主力業態への業態転換も進んでいた。

主力ブランドの殆どは継続する(ITS’DEMO)。

先述したとおり、今回廃止される5ブランドは全店舗あわせても同社全店の1割程度であり、影響は限定的なものであるといえるであろう。

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ザ・ビッグ八幡西店、2020年8月1日開店-イオン九州ホームワイド永犬丸店跡、食品ディスカウントストアに

福岡県北九州市八幡西区のホームワイド永犬丸店跡に、マックスバリュ九州(MV九州)の食品ディスカウントストア「ザ・ビッグ八幡西店」が2020年8月1日に開店した。
ザ・ビッグ八幡西店とサンガーデン永犬丸店跡。

永犬丸のホームワイド、業態転換の方針が決まっていた

ザ・ビッグ八幡西店の前身となるイオングループ系ホームセンター「ホームワイド永犬丸店」は2000年7月に開店。建物は平屋建2棟、売場面積は4,532㎡(本棟3,499㎡、別棟1,033㎡)、ホームワイドとしては福岡県内11店舗目、北九州市内初の店舗であった。
ホームワイド永犬丸店は、同社直営の園芸専門店「サンガーデン」やイオンのペットショップ・ペットホテル「イオンペットビューティープラス」する大型店舗であったが、相次ぐ競合店舗の出店や経済環境変化による売上低迷を理由に2020年3月31日をもって閉店。
閉店当時の運営会社であったイオン九州は、店舗跡地にイオングループとして新たなショッピングセンターを構築する方針を発表していた。

ホームワイド、初のザ・ビッグ化

ザ・ビッグ八幡西店はホームワイド本棟跡に出店するもので、敷地面積は9,597㎡、売場面積は2,251㎡。MV九州のビッグ業態としては25店舗目、福岡県内では13店舗目、北九州市内では3店舗目。MV九州のホームワイド跡への出店は最初で最後となった。
青果・鮮魚売場では北九州市場を活用することで地場商品を拡充、精肉売場では頻度商品を低価格販売、惣菜売場・インストアベーカリーでは店内厨房による出来たて商品を展開する。
店舗近隣では2018年6月に西鉄ストア・スピナ鷹見台店が北九州初となる酒量販店「あんくるふじや」を別棟に導入、2019年8月にはゆめマート永犬丸店が敷地内新築移転を行うなど、既存店のリニューアルが相次いでおり、イオングループもホームワイド本棟の食品ディスカウント化、別棟への専門店導入により集客力の向上を図る狙いがあるとみられる。

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レナウン、百貨店向けカジュアルブランドの多くを2020年9月頃までに閉店へ-経営再建で、シンプルライフ・インターメッツォなど終売の見込み

経営再建中のアパレル大手「レナウン」(本社:東京都江東区)が、百貨店向けカジュアルブランドの殆どの取り扱いを2020年9月頃までに終了する見込みであることが都商研の取材で分かった。
(計画のため変更の可能性あり/続報があれば追記します)
追記:シンプルライフ・ダーバンなどを小泉アパレルが引き継ぐこととなった。
追記:アーノルドパーマーは水甚が引き継ぐことを発表。ただし店舗は全て閉店している。

ブランド終了となる見込みのシンプルライフ・インターメッツォ。

レナウン、再建スポンサー選定が難航していた

レナウンは1902年に大阪で「佐々木商会」として創業。1923年に英国の巡洋艦「レナウン」に因んで改名された。同社は日本全国と東アジア各地の百貨店や総合スーパーに「アーノルドパーマー(Arnold Palmer)」や「ダーバン(D’URBAN)」「インターメッツォ(INTERMEZZO)」「シンプルライフ(SIMPLE LIFE)」「通勤快足」など多くのブランドを展開していたが、2010年には中国の繊維企業「山東如意科技集団有限公司」(山東省済寧市)の傘下となったのち、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け2020年5月に倒産していた。負債総額は約138億円であった。
経営破綻当初は6月ごろに再建スポンサーの選定をおこなうとしており、殆どの店舗は営業を続けていたものの、スポンサー選びが難航。2020年7月末ごろには数百店舗が突然閉店する事態となっており、今後が不安視されていた。

レナウン本社が入居する有明・TFTビル。

デパート向けカジュアルブランド殆ど終了・閉店の方針

関係者によると、経営再建の過程で百貨店向けのカジュアルブランド「シンプルライフ」「インターメッツォ」などは2020年9月頃までに販売を終了し、殆どの店舗が閉店する見込み。一方で、フォーマルウェアを中心に扱っている「ダーバン」「アクアスキュータム」などについては、9月以降もブランドを存続・営業を継続させる方針で計画が進んでいるという。

「ダーバン」はブランド継続とする方針。

なお、百貨店向けブランドよりも価格帯と客層を拡大しているショッピングセンター向けカジュアルブランド「エレメンツオブ・シンプルライフ」「アーノルドパーマー・タイムレス」などについても閉店が相次いでいるものの、8月6日時点では何らかのかたちで存続する可能性もあるといい、終了するかどうかは未発表であるため続報が待たれる。

エレメンツオブシンプルライフ。

これらの再建計画について2020年8月6日時点ではレナウン側から正式な発表はなされていないが、レナウンは8月7日ごろに販売終了する予定のブランドなどの詳細をまとめて発表するとしている。
(計画のため変更の可能性あり/続報があれば追記します)
追記:発表は8月21日まで遅れることとなった。5ブランドを小泉アパレルグループが引き継ぐ。

追記:東京商工リサーチによると、8月6日時点でレナウンの連結子会社11社のうち「ダーバンソーイング宮崎」など2社が倒産、5社が事業閉鎖となった。

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百盛・パークソンサイゴンツーリストプラザ店、2020年7月31日リニューアル開業-ユニクロ・無印良品がベトナム初出店

ベトナム社会主義共和国ホーチミン市の高級百貨店「パークソン(百盛) サイゴンツーリストプラザ店」が2020年7月31日にリニューアル開業した。
Parkson Saigon Tourist Plaza.

東南アジア最大手の百貨店グループ「百盛」

パークソン・リテール・アジア(百盛/Parkson Retail Asia Limited)は、マレーシアに本拠を置く華人系財閥「ライオングループ(金獅集団/LION Group)」傘下の高級百貨店として、連邦直轄領クアラルンプールのスンガイ・ワンプラザ(Sungei Wang Plaza)で1987年に創業。1994年に同社初となる海外店舗を中国・北京に現地企業との合弁事業として出店して以来、同社の地盤であるマレーシアや中国を中心に出店を加速、2020年現在は東南アジア最大手の百貨店グループとなっている。

百盛のホーチミン旗艦店、19年から大規模改装進めていた

パークソンサイゴンツーリストプラザ店は、国営旅行会社傘下の百貨店「サイゴンツーリストデパート」を事実上引継ぐ形で2005年6月に開業。運営はパークソン・ベトナムが担う。
ベトナムにおける外資系百貨店の先駆的存在、高級百貨店の代表格として、ベトナム全土に店舗網を拡大する礎を築いた。
2019年4月には買物するだけの場所(destination for shopping /shop and go)からの脱却を図るべく、新たなストアデザイン・コンセプトに「理想的な買物を提供する場所、食や飲料、エンターテイメントを同時にサービスする場所(ideal place that offers shopping, F&B and entertainment services at the same time./all-in-one destination)」を掲げ、同社初となる既存店の大規模リニューアルを開始した。
リニューアル計画の一環として2019年12月にはファストファッション「ユニクロ(UNIQLO)」のベトナム1号店「ユニクロドンコイ店」(1~3階フロア/売場面積約3,107㎡)を導入。ユニクロのグランドオープン期間中(12月6日~8日)には、2万人超がユニクロに訪れるなど大きな話題を集めた。
ユニクロドンコイ店オープニングセレモニー。
柳井正代表取締役会長兼社長も法被を身に着け参加した。


ユニクロベトナム1号店に並ぶ地元客。

コスメ拡充、ベトナム初「無印良品実店舗」も

パークソンサイゴンツーリストプラザ店は今回のリニューアルに合わせて内外装を一新。1階ではGUCCIやBVLGARI、Chloeといった欧米系ブランドから資生堂イッセイミヤケといった日本系ブランド、Whoo(The History of 后)といった韓国系ブランドなどを取揃え、ワンストップビューティー(Onestop beauty)と洗練された買物体験(Stylish shopping experience)の実現を目指す。
また、無印良品ベトナム初となる実店舗「MUJI POP UP STORE」(期間限定店舗として営業予定)が出店する。
今回のリニューアルに対して、パークソン・ベトナムのCEOは「We are glad and excited to bring famous global brands into Vietnam like MUJI, UNIQLO for the first time with guaranteed affordable prices. This is also the new strategy of Parkson Vietnam when bringing new international brands to Vietnam to provide customers with an ultimate experience」と述べており、今後もベトナムにおける百貨店事業戦略の要として、無印良品やユニクロといったベトナム初となる有名グローバルブランドの導入を目指すとしている。

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ドン・キホーテ柳ケ瀬店、2020年10月25日閉店-旧・岐阜メルサ、「ぎふ葵劇場」は12月閉館

岐阜県岐阜市の柳ケ瀬商店街近く・徹明町にあるディスカウントストア「ドン・キホーテ柳ケ瀬店」が、2020年10月25日に閉店する。

ドン・キホーテ柳ケ瀬店・名鉄第一徹明町ビル。

かつてファッションビル「岐阜メルサ」だったドンキ

ドンキが入居する「名鉄第一徹明町ビル」は1990年11月に名鉄グループのファッションビル「岐阜メルサ」を核店舗として開業。本館(ファッション館)の店舗面積は8,254㎡であったが、岐阜市中心部で大型店の撤退が相次いだことにより経営不振になったとみられ、2009年9月に閉店した。なお、別館であったグルメ館はその後に雑居ビルとなった。

岐阜市・柳ケ瀬。

ドンキは2011年4月に旧岐阜メルサファッション館の1~5階に出店。そのうちドンキ3階以下は直営床、4・5階はテナントゾーンとして百円ショップ「ダイソー」、衣料品スーパー「オンセンド」、フィットネス「カーブス」が出店する。また、8階には大衆演劇場「ぎふ葵劇場」がある。

エントランス。

ドンキはユニーを傘下に収めて以降、岐阜県内で多くのピアゴ・アピタをドンキに転換させており、2020年3月3日にはそのなかでも大型となる「MEGAドン・キホーテUNY岐阜店」が開業したばかりだった。
岐阜市中心部の賃貸物件であるドンキ柳ケ瀬店は店舗面積が狭い割に家賃も高かったと思われ、閉店に至ったと考えられる。

「ぎふ葵劇場」は12月に閉館

都商研の取材によると大衆演劇場「ぎふ葵劇場」は12月で閉館する。そのほか物販テナント側については当面営業を継続する可能性もあるが、8月5日時点では閉店日などについて未定の店舗もあるという。

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高島屋横浜店、2021年春増床リニューアル開業-「日本最大のデパ地下」に、明治屋も刷新

神奈川県横浜市西区の相鉄横浜駅にある百貨店「高島屋横浜店(横浜高島屋)」が、専門店街「相鉄ジョイナス」の一部まで増床し、「日本最大の食品フロア」を持つ百貨店として2021年春にグランドオープンする。
この増床に先駆けて、2020年5月には「明治屋」などがリニューアルし、先行開業している。

横浜高島屋・相鉄ジョイナス。

横浜高島屋「食品フロア」日本最大に、明治屋も改装

高島屋横浜店は1959年10月に開業、店舗面積は53,950㎡。建物は相鉄グループ「相鉄ビルマネジメント」が所有する。
今回の改装は「相鉄ジョイナス」地下1階に食料品フロアを段階的に拡大、約1700㎡増床するもの。
増床が完了する2021年春には、国内最大級となる約5000㎡のデパ地下(食品売場)となる。また、食品売場の店舗数は既存の約150店舗から約200店舗に増加する。

黄色部分が増床エリア、記号は2020年夏までに開業した店舗。
(高島屋ウェブサイトより)

増床部分の開業は2019年11月27日より段階的におこなわれており、2020年夏までに「小樽洋菓子舗ルタオ」を運営するケイシイシイが手掛ける新ブランドスイーツ店「グッドモーニングテーブル」(フロア図のK番)や、「パン好きをもっとパン好きに」をコンセプトに日替わりでパンが入れ替わるセレクトベーカリー「HEART HAT(ハート ハット)」(フロア図の5番)などが新たに営業を開始した。
また、2020年5月18日には地階の既存テナント「明治屋横浜西口ストアー」(フロア図のE番)がリニューアル開業し、新たに「冷凍食品(調理品)」「明治屋直輸入チーズ」が導入されたほか、販売するコーヒーの有料試飲ができる「Tea&Coffee Cellar」が設けられた。

明治屋横浜西口ストアーの改装イメージ。

今後は2020年内に相鉄ジョイナス部分の売場の段階的閉鎖がおこなわれるとともにジョイナスも一部を改装。高島屋の売場としてはスウィーツ・グローサリー、惣菜・パンの新ゾーンが順次増床開業していく予定で、2021年春にデパ地下全館がグランドオープンを迎える計画となっている。
横浜駅では6月に新たな駅ビル「JR横浜タワー」に「シァル(CIAL)」「ニュウマン(NEWoMan)」などが開業したばかりであり、それらと相乗効果が生まれるような構成となることが期待される。

高島屋横浜店

住所:神奈川県横浜市西区南幸1丁目6−31
地階の営業時間:10時~20時・21時

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ラオックス秋葉原本店、2020年8月1日リニューアル開業-4フロアを「アソビットシティ」に

東京都千代田区のJR秋葉原駅近く・万世橋交差点前にある「ラオックス秋葉原本店」の地階から3階までが「アソビットシティ」となり、2020年8月1日にリニューアルオープンした。

新装なったラオックス秋葉原本店。

ラオックス本店、免税需要消滅でアソビットに転換

ラオックスは新型コロナウイルスの感染拡大により店舗の大幅削減を発表しており、併せて旗艦店である道頓堀店を日本人客をおもなターゲットとした店舗へと改装。

そこで、秋葉原本店についてもどういったテコ入れが行われるのかどうか注目されていた。

ラオックス道頓堀店。

新装開店したラオックス秋葉原本店は、地階から3階までの全フロアがラオックスのホビー売場「ラオックスアソビットシティ」として営業することとなる(アソビットシティの公式アカウントによる)。
アソビットシティは万世橋交差点そば(それ以前は現ドンキの建物)に単館として営業していたが、「爆買い」ブームに乗るように2015年7月に「ホビー系免税店」としての改装をおこなうと、 多くのフロアがラオックス本館と同様の中国人向け家電・宝飾品売場に衣替え。これにより日本客が大幅に減ってしまい、再びホビー店へと戻ったものの、客足を取り戻すことができず2017年3月に突然閉店。
その後、アソビットシティはラオックス本館の1コーナーとなっていた。

旧アソビットシティ。

しかし、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大により、今後は本館の「免税店」としての需要が無くなったため、再びアソビットシティを増床するに至ったものと思われる。

多彩な構成、「恐竜」テーマのフロアも

新装なったラオックス本館のフロア構成は以下の通り。

7階 当面閉鎖  
6階 当面閉鎖  
5階 当面閉鎖  
4階 LaOX(免税店) アウトレット・薬
3階 LaOXアソビットシティ ダイノストア・Toy
2階 LaOXアソビットシティ ファンシーキャラクター
1階 LaOXアソビットシティ アキバサブカルチャー
地階 LaOXアソビットシティ アウトレット・イベント

 

1階は「アキバサブカルチャー」がテーマ。
エントランスには全長5メートルの巨大な「恐竜フィギュア」と、日本に2台しかないという台湾で販売された「エヴァバイク」が展示される。
1階店内ではフィギュアを中心にキャラクターグッズを展開しており、頭のおかしい紅魔の娘ことめぐみんの大型オブジェなど記念撮影スポットも設置されている。

記念撮影スポットにはキン肉マンも。

2階は「ファンシーキャラクター」がテーマ。
サンリオを中心に、サンエックスなどのキャラクター商品を扱う。

2階はサンリオ好きにオススメ。

3階は恐竜を扱う「ダイノストア」。
恐竜を紹介するコーナーも設けられるほか、化石なども販売。
そのほか一般のおもちゃコーナー、ガチャガチャコーナーも設けられる。

3階は「恐竜」がテーマ。

地階はガンプラなどを販売。アウトレット売場やイベント会場としても利用される。
かつてのアソビットシティのように、ラブライブ!のスクールアイドル生誕祭などが開かれることもあるのだろうか。

地階はガンプラ中心。

なお、4階は免税店ラオックスのアウトレットフロアとなる。

閉店相次ぐラオックス、変わり身の早さで再生なるか

今回の改装はインバウンド需要の低下に伴うものであり、ラオックスらしい「変わり身の早さ」といえる改装となった。
ラオックスは新型コロナウイルスの感染拡大により九州から撤退するなど店舗網を大幅縮小している一方、先述したように道頓堀店も日本人客をターゲットとした店舗へと改装するなど様々な経営努力をおこなっている。
免税店ラオックスの店舗は最盛期の3分の1以下となってしまったものの、生き残った店舗がどのように姿を変えていくのかが注目される。

ラオックス秋葉原本店/アソビットシティ

住所:東京都千代田区外神田1丁目2−9
営業時間:11時~19時(当面のあいだ)

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ASUS Store 赤坂、2020年8月16日閉店-エイスース直営店、国内から姿消す

東京都港区赤坂にある国内唯一のASUS直営ショップ「ASUS Store Akasaka」が、2020年8月16日をもって閉店する。

ASUS Store AKASAKA.

ASUS日本初・日本唯一の直営店、2年半の歴史に幕

ASUS(華碩/アスース・エイスース・エイサッサ)は1989年に台湾・台北市で創業した世界大手のパソコンメーカーで、2008年にはASUSの日本法人「ASUS JAPAN」を設立。2020年現在、マザーボード分野では国内・世界シェアともに業界首位となっている。

台湾では大きな存在感を示すASUS。

ASUS Store Akasakaは、2018年3月に赤坂見附駅そばの赤坂ノアビル1階「岡村電産赤坂プラザショールーム」跡に開店。ASUS JAPAN直営店としては2015年に開店した秋葉原のツクモDOS/Vパソコン館内にあった「ASUSフラッグシップ・ストア」に次ぐ2店目、直営単独店としては国内初の店舗であった。
店舗は同社製品のアンテナショップとしての役割のほか、同社製品の修理・バッテリー交換といったサポート窓口としての役割に加え、充電スポットとしての役割を備えていた。

赤坂見附駅近くに立地していた。

ASUSはPCパーツ関連分野で高いシェアを占めている一方、格安スマホ市場は中国メーカーの台頭により競争が激化していた。そうしたなか、新型コロナウイルスの感染が拡大。ASUSは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたカスタマーサービス見直しの一環として、賃貸契約終了と同時に赤坂店を閉店させることが決まったとしている。
5月には秋葉原のツクモDOS/Vパソコン館内にあったASUSフラッグシップ・ストアもツクモ撤退に伴い閉店しており、ASUSの国内直営店は姿を消す。
なお直営店は消えるものの、家電量販店などでの端末販売などは続けられる。

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