イズミ、マルヨシセンターと資本業務提携-2019年11月発表、香川地場大手がイズミの持分法適用会社に

大手スーパーの「イズミ」(広島県広島市)は、食品スーパー「マルヨシセンター」(香川県高松市)と資本業務提携を締結、株式の約20%を取得し。持分法適用会社にする方針を2019年11月12日に発表した。

イズミ本社。(広島市東区)

積極的な経営改革を推し進めたマルヨシ、イズミ傘下に

マルヨシセンターは1961年3月に「トキワフードセンター」として創業。1970年9月に現在の社名に変更した。
近年は高級路線の新業態「グランデリーズ」への業態転換やコンビニ大手「ローソン」とのFC契約締結(現在は閉店)、外食事業縮小など積極的な経営改革を推し進めていた。
2019年11月現在は四国3県(香川県、徳島県、愛媛県)と兵庫県淡路島に食品スーパー36店舗、レストラン1店舗を展開する。
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グランデリーズ太田店。(香川県高松市)

今回の資本業務提携では、両社による商品仕入やポイント政策・電子マネーの共通化(ゆめカード・ゆめか)、生鮮品を含む地場商品ルートの構築及び原価低減、新規出店や店舗閉鎖、惣菜商品の共同開発・製造、物流・販促・資材購入、経営管理・店舗管理の手法に係る協力、人事交流を行うとしており、イズミはマルヨシセンター株の約20%(発行済株式総数19.81%、議決権比率20.02%)を自己株式処分の引受、新株発行の引受、マルヨシセンター株主からの譲受により取得、持分法適用会社化を目指す。(時期等未定)

マルヨシセンター片原町店。

マルヨシセンターは2期連続の赤字決算が続いていたという。
屋号などについては変更されないものとみられる。

イズミ、四国地方の食品スーパー店舗網を大幅拡充

イズミは2015年10月に徳島地盤の中堅食品スーパー「デイリーマート」を買収、2018年12月にゆめマート四国1号店「ゆめマート木太」を出店したが、依然として競合他社と比べ食品スーパー業態の店舗網は手薄であった。
今回イズミグループ傘下となるマルヨシセンターは、地域密着型の小商圏型店舗が中心であり、大型店舗が中心のイズミとの相互補完が期待される。
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イズミグループとなったデイリーマート。(徳島県)

イズミと競合関係にあるイオングループは2018年10月に「フジ」と資本業務提携を締結、2019年3月にはマックスバリュ西日本が「マルナカ」「山陽マルナカ」と経営統合するなど、四国地方における影響力を急速に強めつつあり、今後もイズミによる「新たな対抗策」が起きる可能性もあろう。

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