エコス、与野フードセンターを2020年9月目処に完全子会社化-経営不振の与野フード、エコス傘下に

関東地盤の大手食品スーパー「エコス」(東京都昭島市)は、「与野フードセンター」(埼玉県さいたま市)の完全子会社化に関する基本合意書締結を2019年11月12日に発表した。
今後両社は2020年9月末日(予定)の最終契約書の締結に向けて協議を進める。

与野フードセンター彩鮮館与野店。(さいたま市中央区)

「セルコ」という共通点を持ったエコス・与野フード

エコスは1965年12月に「たいらや商店」として設立。2019年10月現在、関東地方を中心に食品スーパー「エコス」「TAIRAYA」「マスダ」など74店舗を展開する。
与野フードセンターは1960年10月に設立。2019年10月現在、埼玉県内に主力業態の食品スーパー「フードガーデン」、スーパーバリュー業態の「Y-VALUE」など15店舗を展開する。
両社は中小規模のスーパー各社により構成されるボランタリーチェーン「協同組合セルコチェーン(セルコグループ)」に属しており、両社の創業家がセルコ役員を兼任するなど、以前よりセルコを通して強い結び付きがあった。

エコスグループたいらや鶴田店。(栃木県宇都宮市)

与野フード、エコス傘下入りで経営不振から脱却なるか

与野フードセンターの2019年2月期の売上高は約143億円であるが、純利益は約8億6000万円、純資産はわずか500万円しかなく経営不振が深刻化していた。エコスは2018年9月に与野フードセンターへの商品供給契約を締結、同年10月に木村幸治取締役副社長を与野フードセンター社長に兼任させる経営支援を行っていたが、経営状況改善の見通しが立たなかったため、今回の完全子会社化に至ったとみられる。
今後はエコスが買収した食品スーパー「エーリスウエノ」「うえのユーマート」「マスダ」「やまうち」と同様に、エコスグループ色を前面に押し出した店舗モデルへの転換、エコス本体との一体運営が想定される。
(写真協力:JP-SuperさんITOさん

関連記事:たいらや鶴田店、2019年6月9日閉店-旧上野百貨店・うえのユーマート最後の店舗
関連記事:イオンモール川口、2021年春再開業-建替前の約2倍に

このエントリーをはてなブックマークに追加