カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

JA松本ハイランド、イオンモール松本から2018年7月撤退-別館「空庭」核店舗の1つ、わずか10ヶ月で

松本ハイランド農協(松本市)は、2017年9月に開業した「イオンモール松本」にある農産物直売所「ファーマーズテラス松本」を2018年7月に閉店させる。

ファーマーズテラス松本。

わずか10ヶ月で撤退-売り上げ不振で

イオンモール松本は2017年9月に開業。
「ファーマーズテラス松本」は同モールの別館である「空庭」1階のなかで最も広い面積(約350㎡)を占める核店舗となっていた。

イオンモール松本の別館「空庭」。

コンセプトは「ふだんづかいの、食のプレミアム」で、地元の農畜産品、農産加工品を多く取り揃えていたほか、店内中央にはオープンキッチンを備え、出来立ての惣菜や弁当の販売もおこなっていた。

苦戦の「空庭」、回遊性を生み出せるか課題

空庭の1階にはレストラン街があるほか2階には映画館「イオンシネマ」があるほか、あるが、他館からは一旦外に出ないとアクセスすることができないため、比較的閑散としていることが多かった。

「空庭」のシンボルであるだるま。

とくにファーマーズテラス松本はイオンの食品売場からかなり距離があり、食品を求める客の回遊性が期待できる場所ではなかったことが苦戦の原因であると考えられる。

イオンモール松本の本館「晴庭」。

跡地の活用方法などは発表されていないが、本館の客が回遊するような抜本的な改革や、ホビー店など回遊性がなくとも遠くからでも目的買いの客が集まるような店舗の導入が求められるであろう(なお、空庭にはそうした店舗として模型店「ポポンデッタ」やヨガスタジオ「LAVA」も出店している)。

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テラスモール湘南、2018年4月26日リニューアル開業-「辻堂」人気の火付け役、「湘南」アピールで集客めざす

神奈川県藤沢市にあるJR辻堂駅北口直結のショッピングモール「テラスモール湘南」が、4月26日にリニューアルオープンする。

テラスモール湘南。

辻堂人気の火付け役、開業以来初の大規模改装

テラスモール湘南は、JR辻堂駅北口周辺地区都市再生事業「湘南C-X」の複合都市機能ゾーン「A-1街区」に2011年3月開業。店舗面積は63,000㎡。
住友商事グループの住商アーバン開発が運営を手がけており、住商系の大型食品スーパー「サミット」、ファストファッション「H&M」、「ZARA」「ユニクロ」、雑貨店「ロフト」、「無印良品」、大型書店「有隣堂」、家電量販店「ノジマ」、「山野楽器」、「アカチャンホンポ」、「109シネマズ」など、約280店舗が出店する。

湘南初セレクトショップから地元の人気店まで新規出店

今回のリニューアルでは、湘南エリア初のセレクトショップ「BEAMS」「SHIPS」「nano・universe」「FREAK’S STORE」、三越伊勢丹のコスメ専門店「イセタン ミラー メイク&コスメティクス」、「POLO RALPH LAUREN」、カフェ併設の大型インテリア店「ACTUS」(増床移転)、「Francfranc」など都市型志向のファッション・雑貨店が数多く導入される。

ACTUSやFrancfrancが出店するコンセプトゾーン「くらしテラス」。

その一方で、1階「湘南マルシェ」には、湘南エリアのスイーツ店4ブランドを取扱う「湘南スイーツセレクション」が新設され、3階フードコート「潮風キッチン」には、ローストビーフの名店「ローストビーフの店鎌倉山」、藤沢名物うどん・バラ丼専門店「里のうどん」、茅ヶ崎発のカレー専門店「GARA中海岸」といった地域に根付いた人気飲食店も導入されるなど、開業時からのコンセプト「湘南ライフコア」を意識した「湘南ならではのモールづくり」が行われたという。

今回のリニューアルで飲食店街も強化、内装も一新。

「辻堂」人気の火付け役となったテラスモール湘南。今回の「都市型志向」を目指したリニューアルにより、辻堂エリアのさらなるブランド力向上が期待される。

リニューアルを記念して「#湘南ハッピー×風景」キャンペーンを実施。ハッシュタグで応募された風景をポスターとして掲示した。

(一部のイメージ画像は公式サイトより)
外部リンク:テラスモール湘南
外部リンク:テラスモール湘南 開業後、初の大規模リニューアルを実施 4月下旬グランドリニューアルオープン | 住友商事
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エブリボウル広尾店、2月21日開店-リンガーハット新業態の1号店

リンガーハット(品川区/長崎市)は、渋谷区広尾駅前に新業態店舗「エブリボウルEVERY BOWL)」の1号店を2月21日に出店した。

エブリボウル広尾店。

「ワンボウルで野菜たっぷり」の新業態

エブリボウルは女性を主なターゲットとし、コンセプトは「one-bowl meals, for every day, for every one.」で、特徴は麺、ソース、デリや季節の野菜などを自分で選んでワンボウルに盛り付けるというセルフスタイル。
麺は「五穀」・「国産小麦」、「グルテンフリー」から、ソースは6種類から選択可能。メインの具材は日替わりで、デリメニューにはグラタンやマリネなども取りそろえる。
また、メニューはテイクアウト可能で、動物性食材を使用していないヴィーガン対応のメニューも用意している。

盛り付け例。

価格は税別980円からでリンガーハットよりも客単価は高めとなっている。
リンガーハットは「エブリボウル」を2020年までに主要都市に20店舗を展開する考えだという。

EVERY BOWL 広尾店

住所:東京都渋谷区広尾 5-5-1
時間:11:00〜22:00

(画像は公式サイトより)
外部リンク:EVERY BOWL(エブリボウル)
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ライザップ、ワンダーコーポレーションを子会社化-「ワンダーグー」「新星堂」を展開

フィットネスクラブ「ライザップ」(RIZAP)を運営するライザップグループ(新宿区、旧・健康コーポレーション)は2月19日に、CDやゲームなどを販売する「新星堂」、「ワンダーグー」(WonderGOO)を展開する「ワンダーコーポレーション」を買収し、連結子会社化することを発表した。

ワンダーグーの店舗。

カスミ傘下のCD店、「新星堂」を傘下におさめていた

ワンダーコーポレーションは1988年にスーパーマーケット「カスミ」(つくば市)が運営する「カスミ家電」として設立。2000年に現社名となった。
現在はCDやゲームなどを販売する「ワンダーグー」の展開を主力事業とするほか、2013年には大手CD店「新星堂」を連結子会社化、2016年に吸収合併している。

新星堂の店舗。ワンダーグーと異なり都市型・ビルインが多い。

ライザップグループは2月より株式公開買い付け(TOB)を開始、ワンダーの筆頭株主であるカスミが保有する株式の43.1%を取得する。

CD店×フィットネスで相乗効果、結果にコミットできるのか?

ライザップは来期にワンダーコーポレーション店舗内にライザップ関連事業20店舗を出店、ライザップグループの商品の取り扱いを開始するなどし、ライザップ関連事業来期計画「売上高前期比150%以上」の確実な達成に繋げたい考えだという。

ニュースリリースより。

ライザップは2016年に雑貨店「パスポート」を、2017年にアパレル店「ジーンズメイト」を買収するなど、M&Aによる企業規模の拡大を図っている。

ニュースリリースより。

外部リンク:  株式会社ワンダーコーポレーションとの資本業務提携契約の締結並びに公開買付けの開始及び第三者割当増資の引受けに関するお知らせ
外部リンク:  (訂正) 株式会社ワンダーコーポレーションとの資本業務提携契約の締結並びに同社株式に対する公開買付けの開始及び第三者割当増資の引受けに関するお知らせ
外部リンク:  株式会社ワンダーコーポレーションとの戦略的提携方針のお知らせ
関連記事:ライザップ、ジーンズメイトを子会社化
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イオンモール、スペースワールド跡地の開発を発表-2021年開業、イオン最大級に

イオンモールは、テーマパーク「スペースワールド」(北九州市八幡東区)の跡地を再開発するための仮契約を土地所有者の新日鐵住金(一部は新日鉄興和不動産が所有)と結んだことを2月18日に発表した。

スペースワールド。

イオン最大級、2021年開業めざす

スペースワールドは1990年4月に新日鐵八幡製鉄所の一部敷地を利用して開園。開業当初は新日鐵、地元財界、自治体などが共同出資していた。
2005年からは北海道を中心にリゾート開発・再生を手掛ける「加森観光」(札幌市)傘下での運営となっていたが、2017年12月31日に閉店。
2月現在、遊具の解体がおこなわれている。
なお、同園の大店法上の売場面積は3,403㎡だった。

スペースワールドのエントランス。

イオンモールはスペースワールドの跡地を「(仮称)八幡東田プロジェクト」として開発する。総敷地面積は約27万㎡で、開業予定は2021年。
すでに隣接地には「イオンモール八幡東」が出店しており、スペースワールド跡地を合わせた敷地面積は約33万7000㎡。
これはイオンのなかで最大の敷地面積である「イオンレイクタウン」(越谷市、総面積:337,357㎡)とほぼ同規模で、イオン最大級の店舗となる。
(参考:イオンモール幕張新都心の敷地面積は約192,000 m²)

開発地の概要(ニュースリリースより)。

イオンモールは同地の開発に当たって「ショッピング」機能のみならず、「エンターテインメント」、「カルチャー」、「食」を融合した施設を計画するとしているが、開発の具体的な内容は発表されていない。

(仮称)八幡東田プロジェクト

住所:福岡県北九州市八幡東区東田4-1-101外

外部リンク 「(仮称)八幡東田プロジェクト」の出店について (イオンモール)
関連記事:スペースワールド、2017年12月末閉園へ
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神田明神ホール、2018年12月開館-創建1300年記念で「文化交流館」建設、大型イベント・ライブホールも

神田明神の境内に建設中の「神田明神文化交流館」内に、大型のイベント・ライブホール「神田明神ホール」が2018年12月に完成する。
追記:開業日は12月15日となった。神田明神文化交流館の愛称は「EDOCCO」。初穂料などの電子マネー決済も導入される。

建設中の神田明神ホール。

創建1300周年に向けた記念事業

神田明神は平安時代の730年に創建。
主祭神として大己貴命(大黒さま)、少彦名命(恵比寿さま)、平将門命を祀っている。
1616年に現在地に移転し、江戸総鎮守となった。
神田明神文化交流館と神田明神ホールの建設は、2030年の創建1300年を前にした記念事業の一環となる。総工費は約45億円。

神田明神の拝殿。

境内西側に建設される「神田明神文化交流館」内

神田明神ホールが入居する「神田明神文化交流館」は、境内西側の立体駐車場(屋上は屋上庭園として緑化していた)の跡地に設けられる。
1階にはカフェ、土産品店、授与所などを開設。地階は茶道などの日本文化が体験できる施設となる。
2階、3階は「神田明神ホール」となる。ホール部分の運営は都内でイベントホールや貸会議室を運営する「マグネットスタジオ」(中央区)が行う。4階は貴賓室。

ホール部分の面積は316.6㎡で、最大700人収容という、秋葉原のなかでも比較的規模の大きなホールになる。

神田明神ホールのイメージ。(以下、イメージは公式サイトより)

ホール内には300インチワイド大型スクリーン、レーザー方式10,000lmプロジェクターなどを備え、アイドルなどのライブコンサートのほか、企業の新商品発表会・プレゼンテーションの場としての活用も想定しているという。

館内図面。


館内イメージ。ホールとホワイエは画像のように一体化できる。

神社は古来から芸能の場となっており、現在も境内や神楽殿でアイドルライブなどを開催する神社も少なくないが、こうした本格的な大型イベント・ライブホールを備えるものは珍しい。
都心、そして神田・秋葉原という立地ならではともいえる「神田明神ホール」。どのように活用されていくのか楽しみである。

ラブライブ!とのコラボでも有名だ。

外部リンク:神田明神ホール
外部リンク:江戸総鎮守 神田明神
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マルエツ立川駅北口店、2018年2月25日閉店-撤退相次ぐ「フロム中武」、ニトリも閉店

かつて“サブカルの聖地”として親しまれた JR立川駅前の商業施設「フロム中武」(ふろむちゅうぶ)からテナントの流出が相次いでいる。
フロム中武の新たな核店舗であった地下1階の食品スーパー「マルエツ立川駅北口店」が2018年2月25日に閉店。3階の「ニトリデコホームフロム中武店」も2月12日に閉店している。
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フロム中武・マルエツ立川駅北口店。

かつての「サブカルの聖地」、2015年に一旦幕

フロム中武は中武ビルディングが運営する専門店ビルで、店舗面積は12,552㎡。 1962年に「中武デパート」として開業し、1984年の全面リニューアルを機に現在の施設名となった。

フロム中武には2002年11月にアニメショップ最大手「アニメイト」が進出して以降、フィギュア専門店や中古同人ショップ、アイドルカフェなどサブカル系のテナントが相次ぎ出店。一時は「ももいろクローバーZ」がライブ拠点の1つとしていたほか、正面看板などに掲げられた立川に関するユニークなキャッチコピー(現在も不定期で実施)が一躍注目を浴びたこともあり、立川を代表する「サブカルの聖地」として一時代を築いていた。
しかし、施設の老朽化に伴う耐震工事のため2015年4月から約1年間一時閉店し「サブカルの聖地」としての歴史に幕を下ろした。

リニューアルから僅か2年…撤退相次ぎ岐路に立たされる

2016年5月に全館リニューアルを迎えたフロム中武であったが、改装休業中にアイドルカフェ「ハーツ劇場」や「アニメイト」などが周辺ビルに完全移転していたこともあり、サブカル系テナントを呼び戻すことはできずに大幅な路線転換を実施。
改装後は食品スーパー「マルエツ」(売場面積:895㎡)、紳士服「サカゼン」、100円ショップ「ダイソー」、生活雑貨「ニトリデコホーム」など、大型専門店を中心とした商業施設となった。
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リニューアルオープンしたころのフロム中武。

しかし、好調な立川エリアの近隣商業施設とは裏腹に、リニューアルの目玉であった大型スポーツショップ「ギャラリー2」(7階)が2017年7月に、「ニトリデコホーム」(3階)が2018年2月に相次ぎ撤退するなど苦境に立たされており、新店舗の誘致もままならない状況が続いている。
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僅か1年半で撤退したニトリデコホーム。
高島屋立川店へのニトリ大型店進出が閉店の原因とみられる。

今回フロム中武から撤退する「マルエツ立川駅北口店」は、開店前は立川駅北口では数少ない食品スーパーになるとして期待を集めていたが、生鮮食品や惣菜部門の強化を打ち出した「MEGAドン・キホーテ立川店」(2016年1月開店、旧ダイエー跡地)や業務用食品スーパー「肉のハナマサ立川店」(2016年10月開店)が同時期に開店したこともあり、競争力が低下していた。
マルエツの閉店により、フロム中武は地階の全体、3階の殆ど、6階の半分が空き店舗となる(7階は大部分が改装中)。

7階は「医療モール」に-新たな核店舗はどうなる

フロム中武は打開策として2018年2月1日以降に7階全区画を医療モール「立川北口メディカルモール」に転換する大幅リニューアルを進めており一部区画には医療機関が開業している。
しかし、依然として多くのフロアで空き区画が目立っているうえに集客の要であった食品スーパーも失うことから、近隣の大型商業施設と差別化可能な有力テナントの早期誘致が期待される。

外部リンク:フロム中武
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大中原宿店、2018年3月25日閉店-人気老舗雑貨店、最後の店舗が閉店

元ダイエー系で、現在はマルシェガーデン株式会社(千代田区)が展開する老舗アジアン・中国雑貨ブランド「大中」最後の実店舗「大中原宿店」(1980年開店、東京都渋谷区)が、2018年3月25日をもって閉店する。

大中原宿店。

ダイエーのアジアン・中国雑貨専門店として創業

大中は大阪市都島区の「ダイエー京橋店」内で1972年に創業。
ダイエーグループのアジアン・中国雑貨専門店「大中」として全国に店舗網を拡大した。店名の由来は諸説あるが、「大栄」と中国、そしてダイエーの創業者「中内功」氏を暗喩したものであるとも言われる。
創業した1972年は日中国交正常化が行われた年で、看板キャラクターである「大中パンダ」は同年に日本に上陸した上野動物園のパンダ人気にあやかり作られたもの。大中のシンボル的存在となっており、店舗では「パンダスリッポン」など大中オリジナルのパンダグッズが数多く並べられている。

人気の「パンダ」商品(公式Twitterより)。

2009年にはパルコ、丸井、イオンモールなどの大型商業施設内や、繁華街に路面店として70店舗近くを展開していたが、ダイエーの事業整理に伴い、当時の運営会社は2014年に清算されていた。
現在の大中は、ダイエーから雑貨専門店「マルシェ」「大中」の一部店舗を承継した「マルシェガーデン」が2014年から運営している。

竹下通りの原宿店、閉店セール実施中-今後は通販で?

大中原宿店は原宿・竹下通りに1980年に開店。2月17日から閉店セールが行われており、人気商品「パンダTシャツ」などの人気商品が最大70%引きで販売されている。

原宿店では閉店セールを実施中。

マルシェガーデンによると、大中の一部商品はネットショップ・通販などで販売を継続する方針だといい、今後も長年親しまれた「大中」ブランドが生き続ける可能性もある。

外部リンク:大中(公式サイト)
外部リンク:大中 DAICHU OFFICIAL BLOG
外部リンク:大中原宿店(@DaichuHarajyuku)さん | Twitter
外部リンク:大DAICHU中さん(@daichu_official) • Instagram写真と動画
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ミグランス、2018年2月15日開業-全国初「市役所+ホテル」の複合施設

奈良県橿原市の近鉄大和八木駅前に、大型複合施設「ミグランス」が2018年2月15日に開業した。

ミグランス。

全国初となる「市役所+ホテル」の複合施設

ミグランスは地上10階建てで、延床面積は15,720.85㎡。高さは橿原市最高層の47mで、これは奈良県内で最も高層であったJR奈良駅前の「ホテル日航奈良」(46m)を上回る。
施設名の「ミグランス」は全国から公募された名称であり、橿原市章にも起用されているトビの学名「ミルヴス ミグランス」から名付けられた。

大和八木駅前の街並みとミグランス。

 ミグランスは全国初となる「市役所(分庁舎)」と「ホテル」の複合施設となっており、1階から4階には橿原市役所分庁舎やコンベンション施設、観光案内所、レストランが入居。5階から10階には核テナントの「カンデオホテルズ奈良橿原」が入居している。
10階の一部は展望フロアとして市民や観光客に開放されており、橿原市の街並みや大和三山を見渡すことができる。

ミグランスのエントランス。

 奈良県内では外国人観光客の増加により「ホテル不足」が問題となっていた。
その一方で、周辺店舗からは「公共施設が宿泊費の安いビジネスホテルや飲食店をテナントに入れるとは民業圧迫だ」との声も上がっているという。

外部リンク:ミグランス 橿原市役所新分庁舎 | 大和八木駅から徒歩五分、中南和地域の観光・イベント情報・宿泊案内
外部リンク:【公式】カンデオホテルズ奈良橿原|2018年2月15日グランドオープン
外部リンク:複合施設「ミグランス」 – 橿原市
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アルピコプラザ、2018年2月15日開業-旧・アリオ松本、松電バスターミナルビルに

長野県松本市のJR松本駅前にあったイトーヨーカドーのショッピングセンター「アリオ松本」跡(松電バスターミナルビル)に新たな商業施設「アルピコプラザ」が2月15日にグランドオープンした。

アルピコプラザ。

「松電バスターミナルビル」、開業から40年目の再出発

「アリオ松本」は1978年4月に「イトーヨーカドー松本店」として開業。
松本電鉄(2011年に「アルピコ交通」に改称)が建設した「松電バスターミナルビル」への出店で、1階にはアルピコ交通のバスターミナルが設けられている。
イトーヨーカドーは1996年にショッピングセンター業態の「エスパ松本」に、2011年には「アリオ松本」となったが、核店舗としてはイトーヨーカドーが開店以来継続して出店していた。しかし、イオンモール松本の開店を前にした2017年9月に閉店。その後は所有者のアルピコ交通と商業施設コンサルタントの「やまき」(東京都港区)がリニューアルの準備を進めていた。

「アリオ松本」時代。

建物は地上7階、地下1階建で、全体の売場面積は13,178㎡。 

核店舗はアルピコグループ「デリシア」-土産店も

アルピコプラザには新たに10数店舗が出店した。
地階の核店舗となったのは、アルピコグループのスーパーマーケット「デリシア」(旧・松電ストア、アップルランド、約1,750㎡)。
このほか、地階にはバスターミナルという立地を活かして土産店「松本のおみやげ屋さん」が開設されるほか、箸専門店「にほんぼう」、銘菓「藤屋」、マッサージ店が出店している。

信州の酒も取り揃えられる。

1階の半分は以前と同様に「アルピコ交通松本バスターミナル」が入居。ターミナルは改装されており、以前より明るい雰囲気となった。このほか、花店、クリーニング店が出店するが半分は空き店舗となっている。

バスセンターもリニューアルされた。

2階は一部に美容院、ネイルサロンが出店するが、殆どが空き店舗。このほか、3月に健康椅子チェーンが出店する予定である。
3階には「バースデイ」、「アベイル」、そして4階には「ファッションセンターしまむら」、「ディバロ」のしまむらグループ4店舗が出店する。これらの店舗はグランドオープンを前に12月28日に先行開業している。
5、6階は未活用。
 7階はアルピコグループが運営しているため今回は改装されておらず、以前と同様にレストラン街、100円ショップなどが出店している。

3、4階にはしまむらグループが出店する。

多い競合店、少し淋しいグランドオープン

アルピコグループとやまきは「2018年春までに約60のテナントを誘致する」計画としていた。
しかし、7階は以前からアルピコグループの管理であり改装されていないためそのまま、また地階と1階の大部分はアルピコグループが活用しており、結局のところ目立った新規出店テナントは3階、4階のしまむらグループのみ。メインエントランスである1階の半分、そして2階の大部分、5階全床、6階全床はテナントが入っていない状態で、全テナント数(7階含む)も20数店舗に留まるという淋しい船出となった。
周辺には「松本パルコ」、「井上百貨店」、丸善を核とした「コングロM」、駅ビル「MIDORI」など多くの商業ビルがあるほか、2017年9月に開業したばかりの「イオンモール松本」ともそれほど離れておらず、多くの競合店がある。
また、郊外にはアリオ松本に出店していた「ロフト」や「アカチャンホンポ」の移転先となった「イトーヨーカドー南松本店」をはじめ、複数のショッピングセンターも立地する。

イオンモール松本。

アルピコプラザは今後も新規テナントの誘致を進めるとしているが、そうした競争のなかで有力テナントを出店させ、空き床を埋めることができるのかどうかが注目される。

なお、アルピコプラザでは開業を記念して2月28日まで2階の空き床でNゲージ運転会などをおこなう「鉄道パーク」が開催されている。

2階で開催される「鉄道パーク」。

アルピコプラザ

住所:長野県松本市深志一丁目2-30
営業時間:店舗により異なる。
しまむらは10:00~20:00、デリシアは9:00~21:00。

外部リンク:ALPICO PLAZA -アルピコプラザ- – 長野県松本バスターミナルビル内にあるショッピングセンターです。
関連記事:イオンモール松本、9月21日開業-カタクラモール跡地に3館170店が集結
関連記事:アリオ松本、2017年9月10日閉店-アルピコ松本バスターミナルの核店舗