カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

ファッション誌「KERA!」紙媒体、2017年6月号で休刊-原宿系ファッション誌の代表格、デジタル版に移行

ジェイ・インターナショナル社が発行する原宿系ファッション誌の代表的存在「KERA!」が2017年6月号(4月15日発売)を以て休刊し、デジタル版のみの発行に移行する。

KERA!5月号。表紙は生駒里奈。(公式サイトより)

原宿系トレンドの発信役、ファッション店も展開する「KERA」

KERA!は1998年に創刊。「青文字系」と言われる原宿系ファッション誌の代表的存在で、原宿ならではの「カワイイ系ファッション」のトレンドを牽引し続けてきた。
また、ゴシックロリータなどのサブカル系ファッション・トレンドや、ヴィジュアル系バンド、女性アイドルグループ、アニメやコスプレに焦点を当てる記事も多く、「原宿系カルチャー」の旗振り役としても知られていた。
専属モデル・読者モデルには、きゃりーぱみゅぱみゅ、椎名ぴかりん、春奈るな、北出菜奈、佐藤すみれ、相沢梨紗など、歌手やアイドルとして活動している人も多い。
また、出版社が全国のファッションビルに実店舗「KERA!ショップ」を出店・運営していることも特徴で、北は札幌市から南は大分市まで、全国12都市(2017年2月現在)に出店、ネット通販サイトも運営している。

KERA!SHOP MARIA札幌店。
(札幌店が出店するファッションビル「丸ヨ池内」の公式サイトより)

しかし、インターネットで手軽に情報を得られる時代となって雑誌業界は厳しさを増しており、特にメインターゲットとなる世代の「デジタル移行」は顕著であるため、紙媒体からデジタルへの移行を決めたと考えられる。
デジタルマガジン版「KERA!」の第1号は2017年5月16日に創刊する予定。
なお「KERA!ショップ」の運営は今後も継続するとみられる。

外部リンク:リアルなファッションマガジン「KERA/ケラ!」
外部リンク:KERA!ショップ
関連記事:JR原宿駅を橋上駅舎化-2020年までに

ラオックス秋葉原アソビットシティ、2017年3月31日閉店-かつての「日本最大のホビー専門店」

免税家電店「ラオックス」は、秋葉原で長年親しまれてきたホビー専門店「秋葉原アソビットシティ」(Aso Bit City、東京都千代田区)を3月31日に閉店させる。

秋葉原アソビットシティ。

かつて「日本最大のホビー専門店」だった

アソビットシティは2002年10月に当時中堅家電量販店であった「ラオックス」が運営するホビー専門店として「T-ZONE秋葉原本店」「ミナミムセン」の跡(現在はドンキホーテ秋葉原店・AKB48劇場などが出店するビル)に開業。その後、ドンキホーテの出店などに伴い、現在の場所に移転オープンした。
開業当時は日本最大級のホビー専門店であり、ゲーム、模型、プラモデル、フィギュアなどを販売。その後は中野、豊洲にも出店した。
2009年にラオックスが中国・蘇寧電器の傘下となったあとは秋葉原店のみとなったが、同店主催のアイドルイベントやゲーム発売記念イベントなどの開催も継続されるなど、近年まで多くの集客力があった。
また、2012年にはキャナルシティ博多(福岡市博多区)にも出店し、2店舗体制となっていた。

ホビー専門店から免税品中心へ-客離れから再起できず

しかし「爆買い」ブームに乗るように2015年7月に「ホビー系免税店」としての改装をおこなうと、 多くのフロアがラオックス本館と同様の中国人向け家電・宝飾品売場に衣替えするなどしたため、 これまで主要客層であった日本客が大幅に減ってしまい、「免税店」とも「ホビー店」とも言えないどっちつかずのスタンスから集客に苦戦している印象があった。
2017年1月に全面改装をおこない再びホビー店としての再出発を図ったものの、売場は3フロアのみに。いったん離れた客を取り戻すことは難しく、閉店することに至ったと思われる。
秋葉原アソビットシティの閉店により、「アソビットシティ」はラオックスキャナルシティ博多店のなかに設置された店舗のみとなるが、こちらも当初とは異なり外国人客向け中心の商品構成となっており、ラオックスキャナルシティ博多店の改装とともに姿を消す可能性もある。

多くのイベントの”思い出”残して「あっけない幕切れ」

アソビットシティは長年に亘って趣都・秋葉原を牽引してきた大型店舗の1つであり、多くの家電量販店のホビー販売拡大のきっかけになった店舗でもあった。近年まで多くの集客力があり、同店主催のイベントに参加した思い出のある人も多いであろう。

最末期にはラブライブ!に力が入れられたが、1階は化粧品というチグハグさ。

閉店告知も店舗閉鎖の直前というドタバタ具合で、こうした経営の迷走による「あっけない幕切れ」は非常に残念なことである。

外部リンク:ラオックス秋葉原アソビットシティ店
関連記事:アニメイト、秋葉原に”女性向け”大型旗艦店-2016年7月開店
関連記事:JR秋葉原駅で「ご注文はアトレですか??」開催

イオン甲子園店、2017年5月閉店-旧プランタン百貨店・ダイエー甲子園店、競合増加で経営不振に

西宮市甲子園のショッピングセンター「イオン甲子園店」が2017年5月31日に閉店する。
追記:商品売場のみ6月以降も営業継続する。詳しくはこちら。
イオン甲子園店。

元・プランタン百貨店→ダイエー甲子園店

イオン甲子園店は1993年6月にダイエー系百貨店「プランタン甲子園」として開業。1995年にはダイエー直営の総合スーパー「ダイエー甲子園店」に業態転換し、ダイエーがイオンに買収されたのちの2016年3月からは「イオン甲子園店」として営業している。

スーパーらしからぬ造りの店舗だった。

建物は地下2階、地上6階建てで、商業施設面積は約29,000㎡。
プロ野球・阪神タイガースの本拠地で春夏には高校野球も行われる「阪神甲子園球場」の最寄り店舗ということもあり、試合開催日には多くの観戦客で売場が混雑することで知られていた。

タイガース協賛セールが行われる館内。

ダイエー時代末期からの業績不振抜け出せず閉店へ

イオン甲子園店の閉店の一番の要因は、ダイエー時代からの業績不振を脱せなかったことだという。
もともと同店はかつてはダイエーのなかでも全国屈指の売上を誇る旗艦店として知られており、現在も甲子園で試合が開催される際は混雑することで知られているが、2004年には甲子園球場南東側に三井不動産の大型商業施設「ららぽーと甲子園」(売場面積53,000㎡、核店舗:イトーヨーカドー)が、2008年には西宮スタジアム跡地に「阪急西宮ガーデンズ」(売場面積107,000㎡、核店舗:西宮阪急)が開業するなど、周辺では大型店同士での競争が激化。
さらに、近隣の食品スーパーとの競争においても、高級路線の「いかり」や低価格路線の「業務スーパー」(神戸物産)といった店舗と比べると特徴に乏しく、普段使いのスーパーとしての訴求力に課題を抱えていた印象は否めなかった。

施設の今後は三菱地所の手に-マークイズなど運営

イオン甲子園店の閉店に伴い、不動産大手の三菱地所が同施設の信託受益権を取得しており、同社が閉店後の施設の活用方法を決めていくと見られる。
なお、三菱地所は国内各地でショッピングセンター「マークイズ」を運営し、直近ではプロ野球・福岡ソフトバンクホークスの本拠地「福岡ヤフオク!ドーム」に隣接していた商業施設「ホークスタウンモール」跡地での出店を予定している。福岡ドーム隣接地に建設予定のマークイズ。(三菱地所公式サイトより)

福岡ドームと甲子園、奇しくもどちらもプロ野球本拠地球場の隣接地の開発を手がけることになった三菱地所は、「虎党の聖地」をどう作り変えていくのであろうか。

追記:商品売場のみ6月以降も営業継続する。詳しくはこちら。

外部リンク:イオン甲子園店
関連記事:ダイエー、3月30日までに110店舗の「イオン化」完了-9県のみで展開するローカルスーパーに
関連記事:三菱地所、ホークスタウン跡に「MARK IS」出店へ-ZEPP福岡も復活

イトーヨーカドー平店、2020年までに閉店へ-老朽化で、所有者は建替え目指す

福島県いわき市のJRいわき駅近くにある総合スーパー「イトーヨーカドー平店」が2020年までに閉店し、地域のコミュニティ機能などを持った新店舗に建て替えられる見通しであることがわかった。

イトーヨーカドー平店。

追記(2020年):2021年2月前後の閉店を見込む。

浜通り唯一のヨーカドー、築46年の「古参店」

イトーヨーカドー平店は1971年に開業、1993年に増築。
建物は地上5階建て、店舗面積は14,452㎡で、イトーヨーカドーと真砂不動産(いわき市)が所有している。
テナントとしては、ファストフードの「ポッポ」、「マクドナルド」、100円ショップ「ダイソー」などが出店している。
また、2013年からはいわき市内を中心とした郊外の買い物困難地域や、震災からの復興地域を対象に、4トントラックによる移動販売「イトーヨーカドー安心お届け便」を行っていることも特徴だ。

平店を拠点に行っているヨーカドーの移動販売。(富岡町のさくらモールとみおかにて)

老朽化で複合商業施設に建替え目指す-2020年までに

福島県浜通り地方唯一のイトーヨーカドー店舗として高い拠点性を持つ平店だが、最初に建てられた部分が築約46年と老朽化しており、さらに2011年に発生した東日本大震災による損傷も問題視されていたという。

「古さ」を感じずにはいられない店舗の裏側。

3月24日に国の認定を受けたいわき市中心市街地活性化基本計画によると、平店の一部を所有者する真砂不動産は2020年までに現在の店舗を閉店し、その後はイトーヨーカドーを核に子育てや地域のコミュニティ機能を持った複合商業施設へのリニューアル(建て替え)を目指すという。
なお現在、イトーヨーカドーは総合スーパー業の不振により店舗網を縮小しつつあるものの、福島県ではセブン&アイグループのスーパー「ヨークベニマル」(郡山市)もドミナント展開されており、そのため新施設には何らかのかたちでセブン&アイグループの店舗が出店する可能性も高いであろう。

外部リンク:イトーヨーカドー平店
外部リンク:いわき市中心市街地活性化基本計画の認定について(いわき市公式サイト)
関連記事:小名浜名店街・タウンモールリスポ、2018年1月閉館-老朽化で、イオン開業も影響か
関連記事: イオンモールいわき小名浜、8月着工-2018年夏開業目指す「防災拠点モール」

エスパル仙台東館、6月1日増床オープン-目玉は東北初の「成城石井」

以前の記事はこちら:エスパル仙台東館3月18日開店-東急ハンズ、東北初店舗

JR仙台駅ビル「エスパル仙台」を運営する仙台ターミナルビル株式会社は、2016年3月に開業した「東館」を6月1日に増床オープンさせることを発表した。
エスパル仙台東館。

ホテルメトロポリタン下層階に17店舗が集結

エスパル仙台東館は2016年3月、仙台駅東西自由通路の拡幅に伴いオープン。
建物(既存部)は地下1階、地上6階建てで、店舗面積は10,300㎡。
今回の増床部分は6月19日に開業する「ホテルメトロポリタン仙台イースト」の下層階に位置し、店舗面積は約1,300㎡。
増床部分のコンセプトは「East Communication&Daily Market」で東北初出店テナントを含む17店舗(ATM除く)が集結する。
増床部分。

なお、今回の東館増床によりエスパル仙台全館(本館、東館既存部、東館増床部、エスパルⅡ)の総売場面積は32,119㎡、総専門店数は331店舗に拡大し、日本有数の規模の大型駅ビルとなる。

「成城石井」などが東北初出店、楽天ショップも

東口駅前広場に直結する増床部分1階には海老ワンタン麺が人気の地元ラーメン店「本竃」、プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスのオフィシャルショップ「楽天イーグルス グッズショップ」、地元媒体社等との連携により宮城の情報発信機能も備えるカフェ「タリーズコーヒー コミュシティ」、本格ナポリピッツァを味わえるスポーツバー「ダンボ ピザファクトリー」の4店舗がオープンする。
1階は東口駅前広場に直結する。

増床部分2階は「青の葉デイリーマーケット」と名付け、高級スーパー「成城石井」や和食屋の本格的な味が気軽に楽しめる「だし茶漬け えん」が東北初出店。その他、ドラッグストア「トモズ」、和惣菜「杜のこんだて 鐘崎」、寿司「浪花 古市庵」など13店舗が出店する。

2階には成城石井など13店舗が出店する。

エスパル仙台東館・増床部分出店テナント一覧

1階

  • 本竃(ラーメン)
  • タリーズコーヒー コミュシティ(カフェ)
  • 楽天イーグルス グッズショップ(東北楽天オフィシャルショップ)
  • ダンボ ピザ ファクトリー(スポーツバー&ダイニング)

2階 青の葉デイリーマーケット

  • グリーングルメ(惣菜)
  • 銀座 縁(焼鳥・惣菜・うなぎ)
  • 第一楼(中華惣菜)
  • カンナムキンパ(韓国惣菜)
  • フロ プレステージュ(だし茶漬け・おにぎり)
  • だし茶漬け えん(だし茶漬け、おにぎり)
  • デリフランス ル・コントワール(ベーカリー)
  • 農家イタリアン 米屋十米衛(イタリア惣菜)
  • 杜のこんだて 鐘崎(和惣菜)
  • 浪花 古市庵(寿司)
  • 大江戸とんかつ かつ匠(揚げ物惣菜)
  • 成城石井(グロサリー)
  • トモズ(ドラッグストア)

2階 ATM

  • セブン銀行
  • ゆうちょ銀行

関連記事:さくら野百貨店仙台店、自己破産-2月27日より店舗閉鎖、同名他店は影響なし
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関連記事:ヨドバシ旧仙台店の再開発、今秋着工へ-2018年10月開業予定

GINZA SIX、2017年4月20日開業-銀座松坂屋跡で「脱百貨店」かかげる「新百貨店」

東京の顔ともいうべき東京都中央区銀座6丁目に、銀座最大規模の複合商業施設「GINZA SIX」(ギンザシックス)が4月20日にグランドオープンする。
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GINZA SIX。

銀座松坂屋跡、大丸松坂屋・森ビルら4社の共同開発

「GINZA SIX」は、J.フロントリテイリング(大丸松坂屋)、森ビル、L Real Estate(LVMHグループ)、住友商事の4社が共同出資した「GINZA SIX リテールマネジメント」が運営・開発を手がける複合商業施設。
2013年6月に閉店した「松坂屋銀座店」跡地とその周辺を再開発する銀座六丁目10 地区第一種市街地再開発事業によって生まれたもので、商業施設面積は約47,000㎡、敷地面積が約9,000㎡、延床面積は約148,700㎡、地上13階地下6階建。コンセプトを「Life At Its Best 最高に満たされた暮らし」とし、施設で展開される全てを高いレベルで提供するとしている。

「GINZA SIX」ロゴ。

商業フロア以外にオフィス、能楽堂、屋上庭園も

GINZA SIXの商業フロアは地下2階~6階・13階の一部。
そのほか、7階~12階・13階の一部は銀座地区では珍しい大規模オフィスとなる。
 また、地下3階部分にはイベントホールを兼ねた文化・交流施設「観世能楽堂」が設けられるほか、地下4~6階を大規模地下駐車場、屋上を4,000㎡の庭園「GINZA SIX ガーデン」として活用する。

館内構成。


屋上庭園には桜などが植えられる。

1階には観光案内拠点「ツーリストサービスセンター」(ローソン併設)や、三原通りに銀座初の観光バス乗降場を開設。
銀座の渋滞対策に貢献するとともに、増加する外国人観光客にも魅力的な複合商業施設を目指す。
ツーリストサービスセンターのイメージ。


三原通り側に設けられる観光バス乗降場。

和と洋を取り入れた特徴的なデザインに

建物の基本設計・外観デザインは谷口建築設計研究所が、インテリアデザインはフランス出身のグエナエル・ニコラが担当する。
外観デザインは「ひさし」「のれん」をイメージした日本らしい外装で、美しい銀座の街を引き立てる建築になるという。
なお、開発によりかつての松坂屋銀座店本館とパーキング館の敷地が一体化され、あづま通りが分断されたため、館内に新たに通路が設置される。

中央通りより。

今までの銀座にはない241の「ブランド」を集積

GINZA SIX商業フロアのブランドスローガンは「Where Luxury Begins 世界が次に望むものを」。単なる高級品ではない、人生を豊かに充実させるための新たな価値「New Luxury」を提供することを標榜する。
GINZA SIXに出店する241ブランドのうち旗艦店級の店舗が半数を超える122を占めるほか、銀座初出店が81、新業態が65と、従来の銀座には無かった新たなブランドが進出。
中央通り側の路面店舗にはアジア初となるディオール メゾンを導入する「The House of Dior(ザ・ハウス・オブ・ディオール)(仮称)」をはじめ、「CÉLINE(セリーヌ)」、「SAINT LAURENT(サンローラン)」、「VALENTINO(ヴァレンティノ)」「FENDI(フェンディ)」といった6のラグジュアリーブランドが出店する。

ブランド旗艦店が並ぶ。

そのほか、アパレルブランドとしては、2階には「FRANCK MULLER WATCHLAND」の日本4号店、3階には八木通商の「MACKINTOSH(マッキントッシュ)」、4階には「BEAMS HOUSE WOMEN」、NY発の「Theory」、「PAUL SMITH」、5階には「ノースフェイス」、「アディダス」などが出店する。

館内イメージ。

ファッション以外にも多くの店舗-レストラン街、蔦屋など

GINZA SIXには、ファッション関連以外にも多くの店舗が出店する。
地下2階はデパ地下のような食品フロアとなり、「はちみつ専門店 ラベイユ」、麹専門店「銀座 千年こうじや(仮)」、「発酵酢屋 庄分酢(仮)」、「ふふふあん by 半兵衛麩」、など個性的な店舗が出店。駅弁「峠の釜めし」で知られる「おぎのや」、白い恋人で知られる「石屋製菓」など百貨店の物産展でお馴染みの店舗が出店するのは百貨店系ならではとも言える。
そのほか、地下1階は資生堂、ゲランなど化粧品を中心とした店舗が、4階には新宿店なども人気となっているテレンス・コンランによるインテリア専門店「THE CONRAN SHOP」などが、5階にはカメラ店「ライカ」などが、6階にはTSUTAYAが運営するカフェ併設の大型書店「銀座 蔦屋書店」などが出店する。 
追記:蔦屋は一般書店ではなく「アート特化の新業態」となる。

館内吹き抜けイメージ。

また、6階と13階にはレストラン街も設置され、日本各地・世界各地の味を楽しむことができる。
このレストラン街には、大阪新世界の本店を構える串かつだるまの高品質業態「だるまきわ味」が都内初出店となるほか、京都発の肉カフェ・NICK STOCKが新業態・肉パブ「GRILL & PUB The NICK STOCK」を開設する。

大丸松坂屋百貨店も新業態2店舗を出店

このGINZA SIXには、もともとこの地にあった大丸松坂屋百貨店も新業態としてGINZA SIX2階に、ライフスタイル型自主編集売場「SIXIEME GINZA(シジェーム ギンザ)」を、6階にアートギャラリー「Artglorieux GALLERY OF TOKYO(アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー)」を展開する。
2階「SIXIEME GINZA」(150坪)の顧客ターゲットは「本質を極めた大人の女性」で、売場を「デイリータウン」「トラベルアクティブ」「コージーリラックス」「ドレスアップ」「ギフト」「プロモーション」の6ゾーンに構成、国内外から仕入れた雑貨を中心に商品提案をする。
(店名の由来はフランス語で「第6の」という意味で、第6感を刺激する売場づくりをしたい大丸松坂屋の思いが込められているという。)
また、店内什器の配置はGINZA SIXのインテリアを手掛けるグエナエル・ニコラがプロデュース、松坂屋の商標「いとう丸」からインスピレーションを受けたデザインにした。
6階「Artglorieux GALLERY OF TOKYO」(30坪)のコンセプトは「銀座で見つける人生の宝物」、百貨店ギャラリー・美術画廊と同様に常設展示は行わず、2週間毎に展示内容が変わる「企画展示」を実施。従来、百貨店ギャラリーに縁がなかった30代後半~40代にも訴求する企画展示を行う。

富裕層に照準合わせ「年会費5万円」のカードも

GINZA SIXでは施設のナビゲーションやサービス予約、イベント申込など様々な機能を備えた「GINZA SIX アプリ」をスマートフォンユーザー向けに提供する。
上顧客対象のプレミアムラウンジ「LOUNGE SIX」では、他言語対応のコンシェルジェが常駐し、施設内飲食店とコラボしたオリジナルメニューの提供などを行う。 

LOUNGE SIX。

また、GINZA SIXオリジナルのクレジットカード「GINZA SIXカード」を発行。このカードは年会費5千円の「ゴールドカード」と年会費5万円の「プレステージカード」の2種類を選ぶことができる。
プレステージカードの年会費は5万円と高額だが、その特典内容は2016年12月現在明らかにされていない。しかし、銀座エリアの店舗で様々なサービス特典が受けられることで知られる「銀座ダイナースクラブカード」の年会費が2万5千円であることから、プレステージカードではダイナースクラブカード以上の“特別なサービス“が提供されるものと想定される。

「脱百貨店」は「百貨店の原点」に立ち返った売場づくりから
-GINZA SIXは新たな百貨店像を生み出せるか

GINZA SIXの運営主体の一社である大丸松坂屋は、旧松坂屋銀座店から引き続き銀座の地に「のれん」を掲げることとなる。しかし、全館を大丸松坂屋が運営していた旧店とは異なり、GINZA SIXで同社が直接運営に携わる売場は2店舗に過ぎない。
大丸松坂屋はGINZA SIXについて「従来の百貨店とは全く違う、フロア構成やブランド編成」と認識し、かつての松坂屋銀座店が作り上げた「古典的な百貨店像からの脱却」をテーマの1つとして掲げている。
実際、ショッピングアプリの導入や外国人向けサービスの充実など、変わりゆく時代背景に適合しようとする姿勢はまさに「新時代の商業施設」そのものであると言えるだろう。
しかし、GINZA SIXのフロア構成を見ていくと、地下2階はいわゆる「デパ地下」的な食物販ゾーン、1階・地階などの低層階にはインポートブランドの直営店や化粧品サロン、2階は服飾雑貨、3階~5階は婦人・紳士アパレル、5階は宝飾品、眼鏡、家具・インテリアなど、6階はレストラン街や美術画廊、書店となっており、テナント貸し中心ではありながら、まさに「古典的な百貨店」を連想させる内容だ。
銀座界隈では「銀座三越」、「銀座松屋」、「銀座松坂屋」をはじめ、「数寄屋橋阪急」「有楽町阪急」「有楽町西武」「有楽町そごう」「プランタン銀座」など、多くの百貨店が凌ぎを削って来た。しかし、長年同地の覇権を握っていた三越と松屋の牙城を崩すことはできず、その多くが専門店ビルやファッションビルへと姿を変えた。
このGINZA SIXの最大のライバルも、かつての百貨店跡地に建つ「東急プラザ銀座」だ。

東急プラザ銀座。 

この東急プラザ銀座は、かつて百貨店であった「数寄屋橋阪急」(のちにファッションビルに業態転換し「モザイク銀座阪急」となる)の跡地に2016年3月に開業した。
この東急プラザ銀座では、下層階にブランド店や中層に東急百貨店による大型セレクトショップ「HINKA RINKA」こそ入居しているものの、東急ハンズの新業態など複数の雑貨店、空港型免税店、そしてレストラン街・フードコートを集客の要としており、松坂屋跡の新施設と比較すると、アミューズメント性を備えた複合商業施設としての性格が強いものとなっている。
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東急プラザ7階「HANDS EXPO」

それに対し、松坂屋銀座店は1924年の開業から2013年6月に老朽化で閉店するまで、末期に大型専門店の導入はあったものの一貫して「百貨店」としてのスタンスを崩すことはなかった。 そして、銀座初の百貨店であった「松坂屋」の看板が街角から消えたあと、同地に深く根を張る松坂屋の「百貨店としての遺伝子」は、いまGINZA SIXの精神に受け継がれようとしているともいえる。
「古くて新しい」GINZA SIXは、低迷する百貨店業界の希望の星となることができるであろうか。その成否が注目される。

建設すすむGINZA SIX。
 (写真以外はプレスリリースより)

外部リンク:GINZA SIX | ギンザ シックス
外部リンク:銀座エリア最大の商業施設「GINZA SIX」 2017年4月20日誕生
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福井市の大型店4店、合同セールを開催-イオンモール新小松に対抗

3月24日にグランドオープンした「イオンモール新小松」に対抗するため、福井市中心部にある「西武百貨店福井店」と郊外型ショッピングセンター「ラブリーパートナー・エルパ」(アピタ)、「ショッピングシティ・ベル」(平和堂)、「イーストモール・パリオ」(ヤスサキ)の4店舗が合同セールを行う。

福井西武。

北陸最大のイオンに対抗、「百貨店」と「郊外店」共闘

イオンモール新小松は北陸最大のショッピングセンターとして3月24日にグランドオープン。建物は地上3階建てで、延床面積は約83,000㎡、総賃貸面積は約63,000㎡。「加賀ノ国文化ヲ嗜ム-豊かな時と美意識が息づく加賀文化で過ごす」をコンセプトに、核店舗の総合スーパー「イオンスタイル新小松」(1-3階)をはじめ、サブ核店舗の娯楽施設「楽市楽座」(2階)、映画館「イオンシネマ」(3階)、スポーツ用品の「スポーツオーソリティ」(3階)など約160店舗の専門店が出店。北陸最大級のイオンモールとなり、金沢都市圏は勿論のこと、福井県嶺北地方(福井市周辺)も商圏に据え、年間800万人の来店を見込んでいる。
イオンモール新小松。

そこで、危機感を抱いた「西武百貨店福井店」(売場面積22,108㎡)と郊外型ショッピングセンター「ラブリーパートナー・エルパ」(アピタ、同44,571㎡)、「ショッピングシティ・ベル」(平和堂、同28,010㎡)、「イーストモール・パリオ」(ヤスサキ、同16,133㎡)の4施設では、2016年秋に初の合同セールを開催。さらに、イオン開業後の今春からもこうした取り組みを継続し、「I LOVE FUKUI SHOPPING CAMPAIGN やっぱりふくいがおもしろい!」として共同での販促活動をおこなうという。

福井県最大の商業施設・エルパ(公式サイトより)。

この合同セールとは別に、各施設でも個別にイオンモール開業に合わせたセールやイベント実施することを決めており、それぞれの力を合わせるかたちで、規模では大きな差を付けられているイオンモールに対抗したい考えだという。

関連記事:イオンモール新小松、3月24日開業-北陸最大級のイオン、福井県も商圏に
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CIAL鎌倉、2017年3月22日開業-鎌倉駅ビル”観光客特化”リニューアル

神奈川県鎌倉市で営業していたJR鎌倉駅ビル「エキスト鎌倉」が「CIAL鎌倉」にリニューアルし、3月22日にグランドオープンを迎えた。

CIAL鎌倉。

鎌倉の玄関口に13店舗が集結

鎌倉駅ビルはこれまで「エキスト鎌倉」として営業してきたが、今回のリニューアルにより名称を「CIAL鎌倉」に改めた。
建物は地上2階建てで、店舗面積は約541㎡。
運営は桜木町駅、鶴見駅などの駅ビル運営も手がける株式会社横浜ステーションビルで、CIAL鎌倉では「鎌倉STYLE」をコンセプトに、エキストから継続する6店舗の他に観光向けテナントなど新規7店舗を加えた13店舗を展開する。
人気の銘菓・銘店を増やすことで、以前よりも観光客に特化した駅ビルとして生まれ変わった。

「CIAL鎌倉」出店テナント一覧
2階

鎌倉こまち市場 風凛(和食)
CAFE LEXCEL(喫茶・カフェ)

1階

こ寿々(和菓子) 
宗家 源 吉兆庵(和菓子)
鎌倉いとこ(和菓子)
鎌倉小川軒(洋菓子)
鎌倉まめや(お土産)
鎌倉旬粋(お土産)
旬粋彩り小町 (お土産)
ニューデイズ(コンビニエンスストア)
デリフランス(ベーカリー)
デリフランス(カフェ)
日影茶屋(惣菜)

外部リンク:シァル鎌倉
関連記事:京急久里浜駅ビル「ウィング久里浜」、2016年10月7日改装オープン

oh!plaza(LABI大船)、2017年4月16日閉館-旧・サティ、JR大船駅前の再開発で

神奈川県横浜市栄区のJR大船駅笠間口にある複合商業施設・ショッピングセンター「oh!plaza」(オー!プラッザ)が、再開発事業の進行に伴い4月16日を以て閉館する。

オー!プラッザ。

旧・大船サティ、再開発で閉店に

オー!プラッザの建物は1976年4月に「ニチイ大船店」として開業。「大船サティ」に転換したのち、2002年1月に閉店、その後、オープラッザとなった。
建物は地下1階、地上5階建てで、売場面積は10,878㎡。
現在は、建物の大半を占める「ヤマダ電機 LABI大船」を核店舗に、食品スーパー「ライフ」、100円ショップ「ダイソー」など複数の専門店が出店している。

大船駅東口交通ターミナル(手前)とオー!プラッザ。

しかし、オープラッザは大船駅前で進められている再開発事業の対象エリアとなっており、近いうちの施設の閉鎖が確定的なものとなっていた。
全体の閉館日は4月16日だが、核店舗のヤマダ電機は4月2日に先行閉店する。閉館後、建物は解体される。

再開発で複合施設に-東急不動産が参画

オー!プラッザ跡地など大船駅北口の約1.7haを再開発する「大船駅北第二地区第一種市街地再開発事業」では、地上8階建ての都市型商業施設(駐車場含む)と地上21階建てのマンションの複合施設、約5,800㎡の駅前広場などが整備される予定となっている。
総事業費は約250億円で、2020年末の完成を目指すとしている。再開発イメージパース。

この再開発には、事業協力者として東急不動産が参画している。
東急グループは大船の隣駅・JR戸塚駅前の再開発施設「トツカーナ」(東急プラザ戸塚)の運営も行っているほか、JR鎌倉駅前では飲食店街の運営などもおこなっており、湘南地域での影響力をますます強めることになる。

外部リンク:oh!plaza(オープラッザ)
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JR福井駅前「三角地帯」、全面再開発へ-電車通り「トランジットモール化」も検討

JR福井駅西口の中央大通りと駅前電車通りに囲まれた「三角地帯」の再開発計画案がまとまった。

福井駅西口の通称・三角地帯(左)。

福井駅西口、北陸新幹線開通を前に大規模再開発へ

素案は不動産大手「森ビル」(東京都港区)の子会社がまとめたもの。
当初、再開発は三角地帯の一部(ユアーズホテルフクイ周辺)のみで行われる計画であったが、地権者でつくる「中央1丁目4東地区まちづくり協議会」などは、より大規模な再開発をおこなうために2016年10月に再開発検討地域を三角地帯全体へと広げていた。

三角地帯図(GoogleMapより作成)。

現在の三角地帯には「ユアーズホテルフクイ」、「勝木書店本店」などの大型施設があるものの、老朽化した建物が多いほか、2016年にはミスタードーナツが撤退するなど空洞化が進行している。
また、3月24日には福井市を商圏とする北陸最大級のイオンモール「イオンモール新小松」が石川県小松市に開業。福井駅前を取り巻く商環境は大きな転換点を迎えている。

三角地帯には老朽化した建物が多い。
中央の白いビルが再開発の核施設となるユアーズホテル。

ホテル、マンション、コンベンション施設を軸
-「ヒゲ線」エリアのトランジットモール化も検討へ

計画では、中核施設として「ユアーズホテルフクイ」の建替えを軸とする。ホテルは高層部を使い、中層部はオフィスフロアとし、その一部は起業家らを集める「インキュベーションオフィス」とする。このインキュベーションオフィスについては、北陸大手のドラッグストア「ゲンキー」(福井県坂井市)も運営に協力する姿勢を見せている。
また、ホテルに隣接して別棟で、500人規模のホールを備えたコンベンション施設を建設する。さらに、その隣接地には高層マンション棟を建設し、まちなか居住を進めるという。また、3棟ともに下層階は商業施設となり、現在商店街に立地している商店などを出店させる計画だ。
これらの三角地帯の再開発事業について、再開発協議会は2022年の北陸新幹線福井駅開業までにすべてを完成させたいとしている。
また、再開発後は、福井鉄道の駅前支線(ヒゲ線)が走る駅前電車通りを公共交通と歩行者のみが通行できるトランジットモール化し、車道を中央大通りに集約することも検討されている。

駅前電車通りのトランジットモール化も検討される。
右側が再開発される三角地帯。

その一方で、地元紙・福井新聞によると、こうした大規模な再開発には一部の地権者が慎重な姿勢を見せており、計画の詳細が決まるまでにはまだ時間がかかりそうな状況だ。

再開発すすむ福井駅前

福井駅前では2022年の北陸新幹線開業を控えた再開発が各地で進んでおり、2014年には飲食街、商業施設、図書館などを備えた再開発ビル「アオッサ」が、2016年にはタワーマンションと公共施設、商業施設を備えた再開発ビル「ハピリン」が開業したほか、同年には福井鉄道駅前支線(ヒゲ線)が駅ロータリーまで延伸、福井鉄道とえちぜん鉄道の相互直通運転も開始されるなど、公共交通網の整備も進んでいる。

2014年に完成した再開発ビル「AOSSA」。
2022年の北陸新幹線延伸を前に開発が進む。

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