福島県福島市の福島駅前にある百貨店「中合福島店二番館」が老朽化による耐震性の問題のために8月31日で閉店する。

中合福島店二番館。
旧「山田百貨店」の平和ビル、耐震問題で44年の歴史に幕
中合二番館は1973年11月に「山田百貨店」として開店した建物。
ビル名は「平和ビル」で、売場面積は約12,000㎡。
山田百貨店は1930年に「山田呉服店」として創業。戦後に百貨店化した。1973年に再開発で建設された平和ビルにニチイ(のちのマイカル、SATYなど運営)と共同で出店したのち、1978年に東日本の百貨店4社(イチムラ(長岡市)、カネ長武田百貨店(青森市、現「さくら野百貨店」)、丸光百貨店(仙台市、「さくら野百貨店仙台店」、2月27日破産)、小美屋(川崎市))とともにニチイグループと業務資本提携し「百貨店連合」を設立。1982年にはこれらの百貨店5社が合併した「ダックビブレ」の運営となり、その後は店名を「ダックシティ山田」、「福島ビブレ」と改め、1998年3月に福島市曾根田町の福島交通曽根田駅前に移転した。
福島ビブレ(山田百貨店)の退去後、平和ビルは1998年に「中合福島店二番館」として生まれ変わり、中合本館(辰巳屋ビル)との連絡通路も設置された。

本館(辰巳屋ビル)と二番館を繋ぐ連絡通路。
なお、移転後の福島ビブレは2002年に「さくら野百貨店福島店」となった後、2005年に閉店。店舗跡は2010年よりダイユーエイトなどが出店する「MAXふくしま」になっている。

MAXふくしま。
現在、中合二番館には生鮮食品売場のほか、フードコート、コーチ、岩瀬書店、コムサ、シューラルー、ニコルなどの専門店が出店。商工中金福島支店も入居している。

二番館のエントランス。
解体後の活用方法は未定
長きに亘って福島市の地域一番店であった中合であるが、二番館閉館後の中合福島店の売場面積は、現在の約半分の約14,000㎡となり、(面積的には)地域一番店の座をイオン福島店(旧・福島サティ)に譲り渡すこととなる。
福島駅前の一等地だけに早期の再開発が望まれるが、今後の活用方法は未定だといい、中合が再増床を果たすことができるかどうかも注目される。
外部リンク:中合福島店
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西武百貨店筑波店、32年の歴史に幕-2017年2月28日閉店、跡地問題長期化か
茨城県つくば市の「西武百貨店筑波店」(筑波西武)が2月28日20時を以て閉店し、32年の歴史に幕を閉じた。

西武百貨店筑波店。
万博に合わせた「セゾンショールーム」としての開店だった
西武百貨店筑波店は、つくば科学万博に合わせて1985年3月に新治郡桜村(現・つくば市)に開業。
当時、村にある大手百貨店は日本唯一で、開店当初は周辺人口が少なかったために西武セゾングループのショールーム的な存在の店舗だった。
開店時は日本初のスパイラルエスカレータが導入されたことでも話題を呼んだが、現在は撤去されている。

スパイラルエスカレータ、ポーターロボット…かつての西武には「近未来」があった。 (閉店時のパネル展より)
入居する「クレオスクエア」(売場面積30,832㎡)は、筑波都市整備株式会社が所有。そのうち、西武百貨店は売場面積16,688㎡を占める。
クレオスクエアは総合スーパーの「イオン」(売場面積6,681㎡)と2核1モールを形成している。
改装直後、真新しい外装に「閉店」の文字-静かな閉幕に
最終営業日を迎えた28日は、店舗の別れを惜しむ客で混雑した。
新築かと見紛うような建物は、実は半年ほど前に補修されたばかり。閉店発表時も外壁補修中であったため、真新しい外装に掲げられた「閉店」の文字は、余計に物悲しさを印象づけるものとなった。

真新しい外観。
2階の正面口では、開店した1985年にちなんで先着1985名にデンファレの花が贈られたほか、入口には開店からの歩みや、客から寄せられた西武の想い出が掲示された。
パネル展では、ロボットが働くという開店当時の写真を見ながら「未来的だな…」との驚く客の様子も見られた。

西武の想い出メッセージコーナー。
筑波西武は筑波大学にも近いことから、かつて大学に在籍した人の「お名残り訪問」とおぼしき姿も多くあった。
閉店セールに訪れた60代男性は「一つの時代が終わった。ネットで何でも買えるからなあ」と語ったほか、様々な世代の客から「跡地は何になるんだろう…」との声が多く聞かれた。また、「化粧品を買うところがなくなるから困る」という20代女子学生もいた。
閉店を迎えた20時すぎにシャッターが下ろされると、客から拍手が起きた。
「安全性」を名目に閉店セレモニーなどは実施されず、閉店挨拶もない静かな閉幕だった。

跡地は未定-茨城県の百貨店は1店のみに
閉店を迎えた西武百貨店筑波店であるが、跡地の活用方法は未定となっている。オフィスビルとして再活用を目指すクラウドファンデイングが実施されたこともあったが、不成立に終わっている。
西武百貨店の閉店により、クレオスクエアは半分以上が空きビルとなってしまう。館内に出店するイオンについては、今後も営業を継続する。
また、西武百貨店に出店するテナントのうち、ハウスオブローゼ、ファンケル、第一花壇、JTB(交通公社)は隣接する「Q’t」に、ブックセンターリブロはクレオのエスカレータ横の空きスペースに移転する。
(リブロは売場面積が狭いため、仮店舗と思われる)

感謝の挨拶が掲げられた。
かつて県内最大手であった伊勢甚をはじめとして、各地に多くの百貨店が立地していた茨城県であるが、西武百貨店筑波店の閉店により、県内の百貨店は水戸京成百貨店のみとなる。
外部リンク:西武筑波店
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西武百貨店八尾店、36年の歴史に幕-2017年2月28日閉店、新施設に期待の声も
八尾市の近鉄八尾駅前にある百貨店「西武百貨店八尾店」(八尾西武)が2017年2月28日20時を以て閉店し、36年の歴史に幕を閉じた。

西武八尾ショッピングセンター。
ショッピングセンターとして開業、現在はアリオと連結も
「西武百貨店八尾店」は「西武八尾ショッピングセンター」の核店舗として1981年5月に開店。建物は八尾市都市開発と八尾ビルディングが所有している。売場面積は37,536㎡。
八尾西武は、高槻西武、大津西武、つかしん西武などとともに従来の百貨店に専門店を加えた「ショッピングセンター」として開業した(当時は百貨店としての出店申請が難しかった背景もある)。
現在も、ユニクロ、ロフト、エディオン、無印良品、ABC-MART、山野楽器、JINSなど数多くのテナントが出店している一方、近年は類似したテナントが出店するショッピングセンターとの競争も激しかったと思われる。
また、隣接する「アリオ八尾・イトーヨーカドー八尾店」(2006年12月開業)と連絡通路で接続されたことは、西武百貨店のセブンアンドアイホールディングス入りを印象づける出来事であった。八尾西武の広告塔屋には「アリオ」の名前も記されている。

閉店セール中の八尾西武。
最終営業日には多くの看板が撤去されていた。
また、通常は屋上にあることが多い稲荷神社が8階のレストラン街に設置されていることも特徴となっており、現在、神社は向かいの大手お好み焼きチェーン「千房」などが管理をおこなっていた。この千房は、千房の百貨店出店1号店でもあった。

8階レストラン街の稲荷神社と千房。
天候に恵まれた最終日、新施設に期待の声も
最終営業日となった28日は、朝から天候にも恵まれ多くの買物客が店に訪れた。既に建物外壁に設置されていた「SE[I]BU」看板の大半が取り外されており、広告塔屋や日除けに描かれたロゴもシールなどで覆われるなど閉店前とは思えない異様な光景が見られた。

閉店当日の八尾西武。
また、1階ではアクセサリー売りつくしセールが開催されるなど、館内は大いに賑わいを見せた。

閉店セールで賑わう館内。
8階レストラン街には、閉店を記念した「メッセージボード」が設置された。開業当時の写真やチラシ、紙袋、記念品など様々な資料が公開され、当時を懐かしむ客の涙腺を刺激した。
「キラッキラの、八尾。」「おや、おや、やおや。」などのセゾンらしいキャッチコピーも並ぶメッセージボード。
買物客からは「子供の頃からなぁ、遊び場だったもんなあ、かくれんぼしたよなぁ」(10代男性学生)、「親が子供の頃からあったのにつらいなあ」(10代男性学生)など、閉店を惜しむ声が多く聞かれたほか、「ただただ寂しい、でも建物は残るみたいで安心やねぇ、若い子が寄るような店は残る?無印は閉店するのねぇ」(60代女性)、「H&Mが入ると嬉しい」(30代男性)、「ロフトが残るの初めて知ったんだけど!」(学生団体)といったような、新施設への期待の声も多くきかれた。
また、地階食品売場でも、食品スーパー、惣菜専門店の営業継続について店員に尋ねる買物客が多く、西武閉店後の買物場所を心配したり、一部テナントの営業継続に安堵する様子も見られた。

店頭に掲げられた閉店カウントダウン。
式典なく静かな閉店に
閉店間際となった午後8時、「お客様の安全性」を名目に閉店記念セレモニーなどは実施されなかったもの、多くの買物客が閉店の瞬間を見届けるべく1階玄関前に集まっていた。買物客の一部からは「大の西武なのに安全上の理由もせんとか、せやから西武潰れるんやで」(50代男性)といった不満の声も聞こえたが、午後8時10分にシャッターが閉まった瞬間拍手が巻き起こった、
その後店員の1人が「ありがとうございました」といい、八尾西武は36年の歴史に幕を下ろした。

多くの人が詰めかけた。
新たな施設として再生へ-多くのテナントが営業継続
八尾都市開発と八尾ビルディングは、不動産会社「ザイマックス」とともに西武百貨店跡を新たな商業施設として再生する計画を発表している。
3月1日以降は西武百貨店運営フロアを除く多くのテナントが営業を継続。2017年9月ごろの全面リニューアルオープンを目指して工事が進められる。

営業継続の案内を掲げる八尾ロフト。
3月1日以降も営業を続けるテナント
地下1階
- パントリー(食品スーパー)
- おきな昆布(乾物・惣菜)
- 花屋敷(洋菓子)
- 三都屋菓子舗(和菓子)
- 千鳥屋(和菓子)
- 播彦(和菓子)
- 桃林堂(和菓子)
1階
- E.R.G(婦人服)
- ハニーズ(婦人服)
- フリースタイル(婦人服)
- ミューゼ(婦人服)
- ラナンキュラス(婦人服)
- リップスター(婦人服)
- 靴下屋(靴下)
- ブランハンナ(フラワーラウンジ)
- ラフィネ(リラクゼーション)
- ミスターミニット(靴の修理・合カギ)
- すまいSelect(住宅相談)
- 八尾自動車教習所カウンター
- カフェJr.(カフェ)
- カラダファクトリー(リラクゼーション)
- 八尾 チャンスセンター(宝くじ)
1階別棟
- 八尾市ワークサポートセンター(就労支援)
- 小学館英語教室(スクール)
- フタバクリーニング(クリーニング)
2階
- アミティエ(婦人服)
- ミューゼ(婦人服)
- 資生堂(化粧品)
- 宝飾サロン(宝石)
- アールズステージ(婦人カラーフォーマル)
- 香里乃港(仏壇・仏具・線香)
- アンフィドゥ(婦人肌着)
3階
- エムニバイ・センソユニコ(婦人服)
- 京都ふうや(婦人服)
- タケオニシダ(婦人服)
- ブティックエコー(婦人服)
- ブティック・キュア(婦人服)
- ブティック サラン(婦人服)
- プレタセレクト(婦人服)
- ベルミラン(婦人服)
- リサルトジョカーレ(婦人服)
- ルートアン(婦人服)
- ビーズリー(パンツショップ)
- フォーマルサロン(婦人フォーマル)
- 京のきもの屋 四君子(呉服)
- クラフトハートトーカイ(毛糸・生地・手芸)
- リフレッシュサロン(リラクゼーション)
- マジックミシン(洋服のお直し)
4階
- ライトオン(カジュアル衣料)
- ユニクロ(カジュアル衣料)
- ABCマート(靴)
- かんかん(エスニック雑貨)
- イケダペットファーム(ペット)
- ヴァンカウンシル(美容室)
- 小学館幼児教室ドラキッズ(スクール)
5階
- ロフト(生活雑貨・文具)
- JINS(メガネ)
7階
- メガネの三愛(メガネ・補聴器)
- 保険ひろば(保険コンサルティング)
- もりかわ歯科(歯科)
- エディオン(家電・携帯・リフォーム)
- 山野楽器(音・映像・楽器・音楽教室)
- リブロ(書籍)
- カフェ・ド・クリエ(カフェ)
8階
- とんかつ 八尾 花(とんかつ)
- 串のアイワ(串揚げ専門店)
- 千房(お好み焼)
- 五旬(季節料理)
- にっこりマッコリ(韓国食彩)
- 占い開運館(占い)
※無印良品は閉店する。
外部リンク:西武八尾店
関連記事:西武百貨店筑波店、32年の歴史に幕-2月28日閉店、跡地利用長期化か
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アリオ松本、2017年9月10日閉店-アルピコ松本バスターミナルの核店舗
セブンアンドアイグループが運営するJR松本駅前のショッピングセンター「アリオ松本」が2017年秋ごろに閉店する。
追記:閉店日は9月10日となった。

アリオ松本。
「JR松本駅前の顔」、39年の歴史に幕へ
「アリオ松本」は1978年4月に「イトーヨーカドー松本店」として開業。
松本電鉄(2011年に「アルピコ交通」に改称)が建設した「松電バスターミナルビル」への出店で、建物は地上7階、地下1階建。1階にはアルピコ交通(松本電鉄)のバスターミナルが設けられている。売場面積は13,178㎡。
イトーヨーカドーは1996年にショッピングセンター業態の「エスパ松本」に、2011年には「アリオ松本」となったが、核店舗としてはイトーヨーカドーが開店以来継続して出店している。なお、かつて食品売場にはアップルランド(松電ストア)が出店していた。

1階にはバスターミナルが設置されている。
1月に西武、コムサなど相次ぎ撤退
2011年12月のアリオ化による全面改装では、テナントとして雑貨店の「ロフト」、「ヴィレッジヴァンガード」、「パスポート」や、タワーレコードの小型店「タワーミニ」、ベビー用品「赤ちゃん本舗」、レストラン街などが出店したほか、2階と5階には準核店舗として「西武百貨店アリオ松本ショップ」も出店。これまでのイトーヨーカドー直営フロア中心の売場からイメージを一新した。

アリオ化により多くのテナントが出店した。
しかし、2017年1月には西武百貨店が全面撤退したほか、同時期にファストファッション「コムサ」、写真館「スタジオマリオ」、クリームパン「八天堂」、信州そば「こすげ亭」なども相次いで閉店。一部はヨーカドーの直営売場拡大で埋められたものの、空き店舗が目立つ状態となりつつあった。
イオン開業を見越した閉店か-一変する松本の商業地図
アリオ松本の閉店を報じた地元紙・信濃毎日新聞によると、今回の閉店は2017年秋の開業を目指して工事が進められている「イオンモール東松本」(延床面積約97,000㎡、旧カタクラモール建替え事業)の影響を見越したものだと見られるという。
また、築40年を迎える松電ターミナルビルの老朽化も閉店の大きな要因であろう。
イオンモール東松本(イオンモール公式サイトより)。
アリオの閉店とイオンモールの開店は、松本市の商業地図を大きく塗り替えるものとなり、アリオと同じく中心市街地に立地する井上百貨店、松本パルコ、ミドリ(駅ビル)への影響も必至である。
アリオ跡の活用方法などについては発表されていないが、松本駅前の一等地であるうえにバスターミナルが入居しているということもあり、早期の再活用や再開発が望まれる。
追記:新施設は「アルピコプラザ」
アルピコ交通はアリオの建物を新たな複合商業施設「アルピコプラザ」として再活用する方針を示しており、核店舗として「デリシア」(松電ストア)が出店する。
外部リンク:アリオ松本
関連記事:イオンモール東松本、8月3日着工-松本カタクラモール跡、2017年秋開業へ
関連記事:そごう・西武、中小10店舗を2017年夏までに閉鎖へ
関連記事:イトーヨーカドー、1号店の千住店など閉店へ-来春まで20店舗
さくら野百貨店仙台店、自己破産-2017年2月27日より店舗閉鎖、同名他店は影響なし
宮城県仙台市青葉区の「さくら野百貨店仙台店」を運営する株式会社エマルシェ(本社も同地)が、 2月27日に仙台地方裁判所に自己破産を申請した。
さくら野百貨店仙台店は同日朝より閉鎖されている。

閉店告知を見る人々(2月27日)。
丸光百貨店が起源、ミュージックサイレンで親しまれる
さくら野百貨店仙台店は「丸光百貨店」として1946年6月に仙台駅前のバラックに開業。
その後、丸光百貨店は石巻(移転後、現:石巻市役所ビル)、釜石(のちのニチイ釜石店→閉店)、気仙沼(のちのイコーレ気仙沼→閉店)、郡山(現:エリートビル)、八戸(現:さくら野百貨店八戸店、資本関係はない)に出店したほか、スーパーマーケット「トーコーチェーン」(1995年に自己破産)の運営も開始した。
1953年から1987年まで続いた屋上からの「ミュージックサイレン」は、長きに亘って仙台市民に親しまれた。
ニチイ(マイカル)との提携で一度破綻、再生はかるも…
丸光は1978年に東日本の百貨店4社(イチムラ(長岡市)、カネ長武田百貨店(青森市)、山田百貨店(福島市)、小美屋(川崎市))とともにニチイグループ(のちのマイカル、SATYなど運営)と業務資本提携し「百貨店連合」を設立。1982年にはこれらの百貨店5社が合併した「ダックビブレ」の運営となり、その後は店名を「ダックシティ丸光仙台店」、「ダックビブレ仙台店」、「仙台ビブレ」と改めた。
しかし、マイカルグループの民事再生法申請に伴い、2001年9月にダックビブレも民事再生法適用を申請。ダックビブレは2002年9月に「さくら野百貨店」と社名を変更、仙台ビブレは「さくら野百貨店仙台店」として再スタートを切り、2004年からは大手百貨店「高島屋」との提携も開始した。
民事再生手続きの終了に伴い、2005年4月には青森店など他店を「カネ長武田百貨店」を源流に持つ「さくら野東北」(のちに社名を「さくら野百貨店」に)として分離。
さくら野百貨店仙台店は単独での運営となった。

さくら野百貨店仙台店(2月27日)。
71年の歴史に幕-負債額は約31億円
さくら野百貨店仙台店の運営会社は、2010年8月に社名を「エマルシェ」と改め、その後はブックオフ、石井スポーツ、H&Mなどを新規テナントとして導入するなどの経営改革を行っていた。2016年には、開店70周年記念イベントが開催されたばかりだった。
店舗は綺麗に改装されていたものの、度重なる増築を繰り返しているために老朽化が深刻で、耐震性の問題も経営破綻の遠因になったとも考えられる。

閉店を知らせる貼り紙。
負債額は約31億円、店舗は2月27日から閉鎖されているが、一部テナントは営業を継続している。

レストラン街は閉鎖に。
さくら野百貨店仙台店で当面営業を続けるテナント
- ドコモショップ
- 楽天モバイル
- 伊藤豆屋
- 宝くじチャンスセンター
- H&M
- ゼクシィ
- ニットソーイング倶楽部
- 石井スポーツ
- エルセーヌ
- ブックオフ
- 佐藤貴美枝ニットソーイングクラブ
(2月27日現在)

H&Mは営業中(2月27日)。
さくら野の他店とは「資本関係なし」、他店は営業継続
先述の通り、さくら野百貨店のそのほかの店舗は、かつてマイカルの資本が入り同一企業となっていたために屋号を同じくしているが、現在は青森市に本社を置く「カネ長武田百貨店」を起源とする「株式会社さくら野百貨店」が運営しており、仙台店との資本関係は無く、これまでと変わらずに営業を継続する。
なお、さくら野百貨店仙台店が発行した商品券やポイントなどについては、現在の「さくら野百貨店」4店舗(青森、弘前、八戸、北上)での取り扱いを継続するほか、エマルシェ発行の百貨店商品券は今後も全国で使用できる。

さくら野百貨店青森本店(カネ長武田百貨店)。
寝耳に水の閉店「駅前で便利だったのに…」
さくら野百貨店仙台店の経営破綻は、地元民にとっても寝耳に水であった。

停止したエスカレータ。地下鉄連絡口も封鎖された。
仙台駅に直結していたため、「駅前で便利だったのに」(40代女性)と話す人や、近年はテナントの導入により若者客も増えていただけに「テナントしか利用しないけれど残念」(10代男性)という声も聞かれた。
27日より一部テナントのみの営業となっている店内は、売場に柵が設けられるなど、前日までの状況とは一変した。

さくら野百貨店仙台店の店内(2月27日)。
外部リンク:さくら野百貨店仙台店
関連記事:仙台ロフト、9月2日全面改装-東北初「MoMA」導入
関連記事:仙台パルコ2、7月1日開業-新館「オトナ」ターゲットに
関連記事:ヨドバシ旧仙台店の再開発、2016年秋着工-大型ライブハウスも
イオンモール新小松。














同じく「デイリーユース」重視の売場に転換した聖蹟桜ヶ丘OPA。






