「ファミリーマート」(東京都豊島区)の傘下となっている「ココストア」が、2016年10月1日にエネルギー事業大手の「ミツウロコグループホールディングス」(東京都中央区)に経営譲渡され、2016年末までに店名を「TAC-MATE」(タックメイト)、「RICストア」(リックストア)に改称する。
「タックメイト」に転換するココストア(愛知県)。
年内に屋号変更-日本初のコンビニ「藤山台店」も改称へ
「ココストア」は1971年に名古屋の食品商社「盛田」(1665年創業、ソニー創業者・盛田昭夫氏の実家)系列であった「山泉商会」(のちの「イズミック」)のコンビニ事業部として創業。
ココストア1号店の藤山台店(愛知県春日井市)は「日本初の本格的コンビニ」としても知られている。
イズミックは1972年にココストアを分社したが、1993年には再びコンビニ事業に乗り出し、商品宅配サービスを行うボランタリーチェーン方式のコンビニ「タックメイト」の展開を開始した。タックメイトは2012年にココストアに経営統合されている(屋号は維持)。
2000年代以降は、九州の大手スーパー「寿屋(ラララグループ)」傘下の「九州コンビニエンスシステムズ」(「エブリワン」「RICマート」「九州スパー」)、茨城県に本社を置くスーパー「カスミ」傘下だった「ホットスパー」、先述の「タックメイト」などを傘下に収めて拡大路線を目指した一方、各社の業態、地域性を重視した独自の商品展開も行われた。
系列企業となっていたエブリワン。
ココストアでは一部の大型店舗に「ココ・デ・クック」と称する本格的な厨房や「ココ・デ・ベイク」と称するベーカリーを備えており、店内で製造される「ばくだんおにぎり」は名物商品となっていた。
また、2012年には人気手羽先居酒屋チェーン「世界の山ちゃん」とのコラボ商品を展開するなど、名古屋発祥企業らしい商品ラインナップも行っていた。
名物の「ばくだんおにぎり」と「ココ・デ・クック」のコーナー。
2015年12月には、ココストアグループがファミリーマートに買収されたことに伴いファミリーマートの傘下となり、ファミリーマートへの業態転換(名古屋市内の一部店舗は「サークルK・サンクス」へ転換)が進んでいた一方で、一部の店舗はエネルギー事業大手の「ミツウロコグループホールディングス」へと経営譲渡されることが発表されていた。
改称のみ、業態変わらず-名物「ばくだんおにぎり」も存続
都商研の取材によれば、8月31日現在「ココストア」の屋号で営業する店舗のうち、殆どの店舗が2016年10月1日よりミツウロコの運営による新体制に移行、順次「タックメイト」(九州の店舗は「RICストア」)に屋号を変更する予定となっている。
「RICストア」に転換予定の店舗(大分県)。
これらの店舗では、屋号が変更される以外には「ココストア」とほぼ同様の品揃え・サービスが提供される予定で、名物の「ばくだんおにぎり」や、九州内の店舗では、ココストアで販売していた旧エブリワンの商品などもこれまで通り販売が継続される。
なお、タックメイトに転換する一部店舗では、「炊き立てごはん」の提供を新たに開始する店舗もあるとのこと。
また、九州のエブリワンの一部は業態を変えず「RICストア」に転換する。
ココストア店頭に掲げられた告知。
RICの看板に変更された店舗。
追記:ポプラと提携へ
追記:10月より一部地域でポプラグループの「生活彩家」との提携により、ポプラ・ローソンなどのPB商品導入が開始されている。
ミツウロコに経営譲渡される予定のココストア店舗
(「タックメイト」「RIC」に改称される予定、約50店舗?)
※都商研調べによる。一部は調査中、後日追記(11月17日更新)
茨城県(全10店舗)
- ココストア神立上砂店(土浦市):9月3日タックメイトに転換
- ココストア土浦右籾店(土浦市):9月1日タックメイトに転換、炊きたてごはん弁当サービス開始
- ココストア千代田中志筑店(かすみがうら市):9月3日タックメイトに転換、炊きたてごはん弁当サービス開始
- ココストア下館大田郷店(筑西市):タックメイトに転換
- ココストア岩井長須店(坂東市):9月1日タックメイトに転換
- ココストア友部上市原店(笠間市):タックメイトに転換、炊きたてごはん弁当サービス開始
- ココストア水戸鯉淵店(水戸市):9月1日タックメイトに転換
- ココストアひたちなか平磯店(ひたちなか市):9月3日タックメイトに転換
- ココストア日立大みか店(日立市):9月1日タックメイトに転換、炊きたてごはん弁当サービス開始
- ココストア大子袋田店(久慈郡大子町):9月1日タックメイトに転換、炊きたてごはん弁当サービス開始
栃木県(全1店舗)
- ココストア芳賀ひばりが丘店(芳賀郡芳賀町):タックメイトに転換、9月1日炊きたてごはん弁当サービス開始
愛知県(全7店舗)
- ココストア藤山台店(春日井市/店内厨房あり):タックメイトに転換予定、店頭告知は27日時点なし、店内製造弁当は継続、日本のコンビニエンスストア発祥の地の看板も存続→11月閉店
- ココストアつつい店(名古屋市):8月31日タックメイトに転換、店内製造弁当は継続
- ココストア一宮戸塚店(一宮市/店内厨房・パンあり):9月1日タックメイトに転換、店内製造弁当・パンは継続
- ココストア共和駅西店(大府市/店内厨房・パンあり):9月1日タックメイトに転換、店内製造弁当・パンは継続
- ココストア名鉄大田川駅前店(東海市):9月1日タックメイトに転換
- ココストア名和店(東海市/店内厨房あり):タックメイトに転換、店内製造弁当継続
- ココストア三好ヶ丘店(みよし市):8月30日タックメイトに転換、店内製造弁当は継続
三重県(全3店舗)
- ココストア桑名木曽三川公園店(桑名市/店内厨房・パンあり):9月1日タックメイトに転換、店内製造弁当・パンは継続
- ココストア四日市インター店(四日市市/店内厨房あり):9月1日タックメイトに転換、店内製造弁当は継続
- ココストア四日市駅前店(四日市市):タックメイトに転換→11月閉店
岐阜県(全2店舗)
- ココストア神戸柳瀬店(安八郡神戸町/店内厨房・パンあり):タックメイトに転換、店内製造弁当、パンは継続
- ココストア松屋店(恵那市/店内厨房あり):9月1日タックメイトに転換、店内製造弁当は継続
大阪府(全2店舗)
- ココストア南津守店(大阪市/店内厨房・パンあり):9月1日タックメイトに転換、店内製造弁当・パンも継続
- ココストア神宮寺店(八尾市):タックメイトに転換
福岡県(全1店舗)
- ココストア唐原店(福岡市/店内厨房あり):RICに転換、店内製造弁当は継続→11月閉店
大分県(全7店)
- ココストア別府駅前店(別府市):9月にRIC転換→11月閉店
- ココストア亀川駅前店(別府市):9月にRIC転換→11月閉店
- ココストア大分高専前店(大分市):RICに転換→11月閉店
- ココストア坂ノ市南店(大分市):RICに転換→11月閉店
- ココストア猪野店(大分市):RICに転換(年内閉店予定なし)
- ココストア生石店(大分市):RICに転換(年内閉店予定なし)
- ココストア南大分店(大分市):RICに転換(年内閉店予定なし)
熊本県(全7店)
- ココストア桜町店(熊本市):RICに転換→11月閉店
- ココストア上高橋店(熊本市):RICに転換(年内閉店予定なし)
- ココストア大村店(八代市):9月にRIC転換→11月閉店
- ココストア川田町東店(八代市):RIC転換→11月閉店
- ココストア氷川町店(氷川町):RIC転換→11月閉店
- ココストア菊陽テクノパーク店(菊陽町):RICに転換(年内閉店予定なし)
- ココストア辻久保店(合志市):RICに転換(年内閉店予定なし)
- ココストア嘉島上島店(嘉島町):RICに転換(年内閉店予定なし)
宮崎県(全3店舗)
- ココストア上北方店(宮崎市):9月にRIC転換→11月閉店
- ココストア古川店(延岡市):RIC転換→11月閉店
- ココストアみき屋(日向市):RIC転換(年内閉店予定なし)
鹿児島県(全1店舗)
- ココストア教育学部前(鹿児島市):9月にRIC転換→11月閉店
沖縄県(本島:全7店舗)
- ココストア具志川兼原店(うるま市):タックメイトに転換
- ココストア沖縄美原店(沖縄市):タックメイトに転換
- ココストア本部並里店(国頭郡本部村):タックメイトに転換
- ココストア中城屋宜店(中頭郡中城村):タックメイトに転換→11月閉店
- ココストア具志頭玻名城店(島尻郡八重瀬町):タックメイトに転換→11月閉店
- ココストア那覇安里駅前店(那覇市安里):タックメイトに転換→11月閉店
- ココストア玉城親慶原店(南城市玉城):タックメイトに転換
以下、調査中
ミツウロコに経営譲渡されず閉店したココストア店舗
(ココストアのまま閉店、一部は10月ファミマ転換の可能性)
- ココストア真岡小林店(真岡市):閉店
- ココストア浦添宮城三丁目店(浦添市):閉店
- ココストア恩納冨着店(国頭郡恩納村):不明
- ココストア宜野座惣慶店(国頭郡宜野座村):閉店
- ココストア中城南上原店(中頭郡中城村/店内厨房あり):閉店
- ココストア読谷高校前店(中頭郡読谷村):閉店
- ココストア久米島イーフビーチ前店(島尻郡久米島町/店内厨房あり):10月閉店?
- ココストア大里高平店(南城市大里/店内厨房あり):不明
※都商研調べによる。一部調査中。
2016年11月現在、各店舗への聞き取り調査などによる。 一覧以外に、現在営業中の九州内のエブリワンの多くがミツウロコに譲渡され、「RICストア」に改称される(関連記事参照)。
関連記事:サークルK・サンクス、約1000店を閉店へ-残る店舗はファミマに転換
関連記事:エブリワン・ココストア九州、2016年末までに「RICストア」に改称-人気のベーカリーも存続
外部リンク:株式会社ミツウロコプロビジョンズ
外部リンク:ココストアリテールについて|株式会社ミツウロコプロビジョンズ
外部リンク:株式会社ココストアリテールと株式会社ファミリーマートの吸収分割契約締結に関するお知らせ