東京都の小池百合子知事が、11月7日に予定されていた「築地市場」(中央区)の豊洲移転を当面延期する方針であることがわかった。
築地市場。
日本を代表する卸売市場
築地市場は1935年に開設された東京市中央卸売市場を前身とする公設卸売市場。敷地面積は23ha。
魚市場としては世界最大規模の取引金額を誇り、日本を代表する市場として国内外を問わず多くの観光客を集めてきた。
また、1935年に建てられた市場は「昭和モダン」の建築物としても注目を浴びていた。
観光客でごった返す場内。
しかし、市場取引量の増加、鉄道輸送を前提とした市場の使い勝手の悪さに加えて、建物の老朽化、耐震性不足、アスベスト問題などが持ちあがり、2001年には江東区豊洲地区への移転が決定された。
移転反対の声を受け再び延期に
市場の移転先として選ばれた豊洲であったが、移転予定地にはかつて東京ガスの施設があり、それに伴う土壌汚染が確認された。
このため、市場移転反対派との議論が難航し、当初は2012年を目処に移転予定だったものが、2016年11月7日まで延期となっていた。
豊洲への移転反対を訴える市場関係者。
しかし、移転を目前に控えた2016年8月現在でも、豊洲市場の土壌汚染や施設の利便性を問題視する市場関係者による反対運動が起こっていた。
7月に就任した小池都知事はこれらの移転反対の声を受けるとともに、豊洲市場の安全性調査や施設の利便性改善を行うとし、移転を当面延期する方針となった。
予定されていた移転時期までは約2ヶ月強であり、すでに引っ越し準備に取り掛かっている業者も多いため、再度の混乱も予想される。
延期後の具体的な市場移転時期などについてはまだ発表されていない。
追記:小池知事、8月31日に移転延期を正式表明
小池百合子知事は、8月31日に築地市場の移転延期を正式表明した。
土壌汚染のモニタリングの最終結果は2017年1月末に明らかになるため、移転はその結果が出て以降となる可能性が高い。
建設すすむ豊洲新市場。
外部リンク:ザ:築地市場 ホームページ