カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

ワイズマートAKIBA-ICHI店、8月1日閉店-秋葉原駅前で唯一のスーパー

JR秋葉原駅前のスーパーマーケット「Y’s mart AKIBA-ICHI店」が8月1日で閉店する。
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ワイズマートAKIBA-ICHI店。

秋葉原駅前唯一のスーパー、閉店へ

ワイズマートAKIBA-ICHI店は秋葉原UDXの「AKIBA-ICHI」1階に2006年3月に開店。UDXの開業に合わせた出店だった。
スーパーマーケットとしては規模は小さいながら、駅前にあることから外国人観光客も多く訪れる店であり、また24時間営業であることから、終電を逃した客や始発待ちの客の利用も多く見られる店舗だった。

ワイズマートは1969年創業。現在は浦安市に本社を置き、かつては「主婦の店チェーン」であった。現在は江東・葛飾地区の駅近くを中心に、小規模スーパーを多数展開している。

秋葉原駅最寄りのスーパー、末広町のハナマサに

ワイズマートの跡地に入居するテナントは7月1日現在まだ発表されていない。
ワイズマートAKIBA-ICHI店の閉店により、秋葉原駅に最も近いスーパーは駅ビルの成城石井を除くと末広町JR高架下の「肉のハナマサ秋葉原店」となる。

外部リンク:ワイズマートAKIBA-ICHI店 閉店のお知らせ
関連記事:秋葉原UDXに「秋葉原拉麺劇場」4月8日開店
関連記事:アキドラ、3月31日完全閉店-事実上の歌舞伎町移転

仙台空港、7月1日完全民営化-東急系運営、「仙台国際空港」に

宮城県名取市の「仙台空港」が2016年7月1日より完全民営化し、愛称を「仙台国際空港」に改称した。P1040397完全民営化を果たした仙台空港。

国管理空港から東急系の第三セクター運営に

仙台空港を運営するのは、東京急行電鉄が筆頭株主で、前田建設工業、豊田通商、宮城県などが出資する第3セクター企業の「仙台国際空港株式会社」。
同社は2015年12月に設立。民営化を控えた2016年4月には、仙台空港ビル、仙台エアカーゴターミナル、仙台エアポートサービスの空港子会社3社を吸収合併していた
国内の民営空港は、成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港、大阪国際空港に次いで5施設目となる。
7月1日からは滑走路の管理・着陸料の徴収が開始されるとともに愛称を「仙台国際空港」とし、これまで国管理空港であった仙台空港は晴れて完全民営化を果たした。

 LCC専用棟を建設、料金体系見直し国際線増を目指す

仙台空港の年間旅客数は2015年現在で約315万人。そのうち、国際線旅客数は約17万8000人と、石川県の小松空港(小松飛行場)、北海道の旭川空港などよりも少ない。
 仙台国際空港では、今回の民営化により国の供用規定により定められていた着陸料などの空港使用料を自由に設定できるようになったため、伸び悩む国際線旅客数を増やすための起爆剤として、2016年11月からの冬のダイヤ運航に合わせて新たな料金体系を導入、旅客数に合わせ空港使用料をフレキシブルに設定することで、主にLCC(格安航空会社)国際線の就航数増加を狙う。
さらに2018年度を目途にLCC専用の搭乗棟「ピア棟」を建設し、LCC需要の受け皿を確保する予定。
これらのLCC誘致の姿勢を積極的に示した甲斐もあり、さっそく同空港初となる海外LCC「タイガーエア台湾」の誘致に成功。6月29日より台北―仙台間で週4往復の運航を開始した。P1040401現在の国際線チェックインカウンターは閑散としている。

 仙台国際空港では、東京オリンピックを迎える4年後の2020年度には410万人、さらに30年後の2044年度には550万人の旅客数を見込んでおり、「国際」の名に恥じない空港になることが期待される

商業施設も充実、面積は現在の7倍へ

これまでの仙台空港内の商業施設・飲食店等の店舗はきわめて小規模であり、空港ビルとしての魅力の低下を招いていた原因でもあった。
そこで、仙台国際空港を運営する新会社は、空港内の商業施設の充実も掲げている。
改装第一弾として、2016年度中には1階部分を改装しカフェなどを新設。さらに2018年度中には東北の魅力ある産品を扱う商業施設を開設する予定で、これまで多くの商業施設を手がけてきた東急グループの手腕が試される。P1040399現在の小規模な商業スペースは将来的に7倍まで拡大する見込み。

最終的には、商業エリアは現在の7倍ほどに拡大する見込みで、空港の「商業施設」としての価値の向上が期待される。

空港への交通網の充実も

また、今回の空港民営化に合わせる形で、空港への二次交通を整備する動きも出ている。
福島交通、会津バス、岩手県北バスなどを傘下に持つ「みちのりホールディングス」は、広域な営業エリアを生かす形で、仙台空港を起点とし、福島市を経由し会津若松まで運行する路線バスと、松島・平泉を経由し岩手の安比高原に至る観光バスを年内から運行させる方針を固めた。
仙台空港から東北各地へと繋がる二次交通網の一体的な整備は、東北観光を振興させるために必要不可欠であり、このように、民営化された仙台空港が「東北の玄関口」としての役割を確立するためには、空港だけでなく自治体や関連事業者を含めた積極的な政策が求められている。

空港民営化の動き、全国へ-高松、福岡など

仙台空港に次いで、高松空港や福岡空港などでも民営化の動きが出ている。
仙台空港では、国が空港の所有権はそのままに運営権だけを民間に売却する「コンセッション方式」により民営化を果たしたが、高松や福岡もこの方式での民営化が検討されている。
地方空港の民営化は地域の活性化にも繋がる可能性を秘めている一方で、「空港」という公共性が高い事業であるからこそ、運営の失敗は許されない。
それだけに、仙台空港での事業の成否は、全国的な空港民営化の流れにも影響を及ぼすことが予想され、仙台空港の動向は今後も注目を集めることとなりそうだ。

外部リンク:仙台国際空港

銀座ソニービルで「GINZA SONY PARK PROJECT展」開催-7月10日まで

ハーバービジネスオンライン様に詳しい記事を掲載しています

2017年3月の閉館を控えた「銀座ソニービル」で「GINZA SONY PARK PROJECT展」が始まった。
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銀座ソニービル。

閉館を控えたソニービル、「今までとこれから」を紹介

GINZA SONY PARK PROJECT展は、ソニービル50年のこれまでを振り返るとともに、ソニービルの建替え事業である「GINZA SONY PARK PROJECT」を紹介するイベント。
会場には、ソニービル竣工当時の図面や、各時代にソニービルで開催されたイベントの紹介、そして、今後のPARK PROJECTに関するものなどといった様々な資料が展示されているほか、今後の再開発計画を紹介する映像も放映されており、ソニービルとソニーの歴史を振り返りつつ、これから行われるビルの建替え事業についても知ることが出来る。
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展示会場の様子。

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これまでのソニービルの歩みを振り返ることができる。

「世界のソニー」の手腕の見せどころ
-銀座全体の発展に繋げることができるか

GINZA SONY PARK PROJECT展の会場では、「ソニービルが歩んできた歴史」についての資料が数多く展示されており、新しいビルによって「新たな歴史を刻みたい」というソニーの強い意気込みを感じ取ることができた。
その一方で、銀座の一等地で世界のソニーが運営するイベント広場、さらに東京オリンピックの開催前後ということもあり、この地で世界的に注目されるようなイベントが開催される可能性もあるものの、今回の展示を通した限りでは、そういったものが開催された際のイメージが少し沸きづらかった。
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館内に展示される「公園化」イメージ。

また、銀座ソニービルの隣接地には2016年3月に「東急プラザ銀座」が開業したばかり。このビルは開業以来、幅広い世代をターゲットにして多くの客を集め、連日混雑が続いている。さらに、すぐ近くでは銀座松坂屋跡の再開発事業も進んでおり、新しいソニービルが完成した際に、こういった近隣の「集客装置」をどう活かし、ひいては銀座全体の発展に繋げていくつもりなのかといった「銀座地域全体における新しいソニービルの位置づけ」が明確に示されていないことも残念であった。
今後の「ソニーパーク」の運営を通して、新しいソニービルが「未来の銀座」においても地域になくてはならない象徴の1つとなるようなビジョンが示されることに期待したい。
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ソニービルは人気の「東急プラザ銀座」とも隣接。
今後の連携も期待されるが…。

「ソニー創業70年、銀座ソニービル50年」を記念した一大事業

銀座ソニービルは1966年に開館。
芦原義信による斬新な設計で知られていたが、2016年のソニー創業70周年、ソニービル開業50年目を機に「GINZA SONY PARK PROJECT」として、ビルを解体し、2020年まで公園として活用したのちに建て替えを行うことが発表されていた。
ビル館内には「ソニーストア」「ソニーショールーム」などのほか、多数のイベントスペースがあり、ソニーの新商品体験会や「乃木坂46」などソニーミュージック所属アーティストのイベントが開催されることもあった。
詳しくは:銀座ソニービル、2017年3月閉館-2022年の建替え目指す
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展示会場には公園化した際の完成予想模型も展示。

GINZA SONY PARK PROJECT展は7月10日まで(7月3日を除く)、銀座ソニービル8階のイベントホール「OPUS」で開催されている。
入場は無料、開館時間は11時~19時。

外部リンク:GINZA SONY PARK プロジェクト展
関連記事:銀座ソニービル、2017年3月閉館-2022年の建替え目指す
関連記事:東急プラザ銀座、3月31日グランドオープン 

水害で閉鎖のアピタ石下店跡、トライアルが出店へ-2016年11月開店

2015年9月の常総水害の影響で閉店した常総市のショッピングセンター「ユニー・アピタ石下店」跡の建物に、大手ディスカウントスーパー「トライアル」(本社:福岡市)が出店することが分かった。
追記:11月23日のグランドオープンが発表された。
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アピタ石下店跡。

閉店から1年、ようやく後継店舗出店

旧アピタ石下店の建物は関東鉄道石下駅そばに立地しており、2階建て、売場面積は約13,500㎡。
トライアルカンパニーはアピタ石下店の建物を建て替えずに居抜き出店する方針で、開業は2016年11月ごろの予定。
業態はディスカウント業態の総合スーパー「メガセンタートライアル」になるとみられ、また、同社ではこの業態の殆どの店舗で24時間営業を行っていることから、アピタ石下店跡の新店舗も24時間営業となることが予想される。
なお、トライアルの店舗のなかでは非常に規模が大きいため、店舗の一部を活用しての出店や、他社テナントの導入も考えられる。

アピタ再活用、復興のはずみに

ユニー・アピタ石下店は1999年にオープン。核店舗の総合スーパー「ユニー・アピタ」のほかに、30店舗弱の専門店が入居しており、地域で最も大きい商業施設であった。
2015年9月10日の常総水害(関東東北豪雨)では店舗そばの鬼怒川の氾濫により店舗1階が完全浸水し、2階と屋上に多くの買い物客や避難者が取り残された。その後、仮設テント売場を経て10月1日に2階のみで仮営業を再開したものの、1階の損傷が大きく、多額の復旧費用がかかるために2015年12月6日を以て閉店していた。

常総市石下地区では復興が進み、水害の影響もあまり感じられなくなっている。水害時のまま残されたアピタの建物が再活用されることは、地域の完全復興への大きなはずみにもなろう。

関連記事:アピタ石下店が閉店-常総水害で損壊

MEGAドン・キホーテ大森山王店、6月30日開店-旧ダイシン百貨店

大田区大森のダイシン百貨店跡に「MEGAドン・キホーテ大森山王店」が6月30日にグランドオープンした。
スクリーンショット 2016-06-28 23.39.21MEGAドン・キホーテ大森山王店(公式サイトより)

ダイシン運営、ドイトやニトリもある都内最大「メガドンキ」

「MEGAドン・キホーテ大森山王店」は、今年5月8日に閉店した総合スーパー「ダイシン百貨店」の建物に入居。売場面積は約10,500㎡。
大型の旧ダイシン百貨店ビルをそのまま引き継いだことから、同店は都内最大の「MEGAドン・キホーテ」となった。
地下1階~5階までのうち、1階から2階に「MEGAドン・キホーテ大森山王店」が入居。このほかの階には、ドンキホーテグループのホームセンターであるドイトのリフォームサービスショップ「ドイトWithReHome」や、家具大手の「ニトリ」が出店し、ドンキホーテが苦手とする分野を受け持つほか、「ガスト」などの飲食店テナントも入居する。屋上には独欄も開設。なお、一部テナントは今秋までに順次開店する予定。
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メガドンキは引き続きダイシン百貨店が運営する。
(写真は公式サイトより)

また、同店は引き続きドンキ子会社となった「株式会社ダイシン百貨店」が運営する。
 ドン・キホーテによると、これまで築いてきた大田市場からの仕入れルートなどを生かした「ダイシンらしさ」に、日用品などを低価格で販売する「ドンキらしさ」を掛け合わせた「メガドンキ百貨店」として生まれ変わることになるという。

大森・山王商店街の華、52年の歴史に幕を下ろしたダイシン

1964年に開業したダイシン百貨店は、家電、家具、DIY用品など「何でも揃う百貨店」として知られていた。
近年は、百貨店が掲げる「半径500メートルの住民を100%顧客にする」のスローガン通り、近隣の高齢者住民に対するサービスを充実させるなど、高齢化社会に対応した小売店としてメディア各所からの注目を浴びてきた。
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閉店後、メガドンキへの移行が進む最中の旧ダイシン百貨店。

しかし、2013年以降、隣接地にイオン系列のスーパー「まいばすけっと」が2店舗相次いで出店したことなどもあり経営が悪化。
2014年に経営権がドン・キホーテ系列の投資ファンドに売却されると、営業時間が他のドンキ店舗と同様のものに変更されるなど、徐々に「ドンキ化」が進んでいった。
2016年にはドン・キホーテHDがダイシン百貨店の直接経営権を取得するに至り、5月8日にダイシン百貨店は52年の歴史に幕を下ろしていた。

驚安の森」に-黒字化めざしニッチな売場も廃止

ドン・キホーテでは、年商約54億円(2015年)だったダイシン百貨店を年商80億円にまで引き上げ、早期の黒字化を図りたい考え。
ドン・キホーテへの改装に伴い、従来のダイシン名物だった「粉歯磨き」などといったニッチな商品の販売は中止されているほか、キャッチフレーズはこれまでの「住んで良かった街づくり-オオモリノモリ」から「驚安の森」へと変更されている。
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かつて掲げられていた「ダイシン百貨店」の看板。

大森・山王商店街の華として約半世紀にわたり営業を続けてきたダイシン百貨店。
MEGAドン・キホーテは、多くの人から愛されたダイシン百貨店のスピリットを受け継ぎ、これまでの顧客に愛されることができるか、注目が集まっている。

MEGAドンキホーテ大森山王店

住所:東京都大田区山王3-6-3
営業時間:8:00~27:00

関連記事:ダイシン百貨店、5月上旬閉店ードンキが買収で
外部リンク:ダイシン百貨店公式HP
外部リンク:2016年6月30日(木)「MEGAドン・キホーテ大森山王店」オープン(ドン・キホーテHDホームページ)

東武りょうもう号、台湾鉄路「プユマ号」のデザインに-進む日台の鉄道交流

東武鉄道は、特急「りょうもう号」(浅草-赤城・伊勢崎間などを運行)に用いられる200形のうち1編成を台湾鉄路(台鉄)の特急「プユマ号」のデザインに変更し、6月17日に運行を開始した。
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プユマ号のデザインを再現したりょうもう号(200形)。

昨年より台湾と交流を行ってきた東武、記念切符発売も

台鉄の「プユマ号」(普悠瑪號)は台北から台東を約3時間半で結ぶ在来線特急列車で、日本車輛が製造した振子型車両が用いられている。
東武鉄道は台湾鉄路と2015年12月より友好鉄道協定を結んでおり、これまでも両社で使える記念乗車券の発売を行ったほか、乗車券の相互優待制度などを設けている。東武は台湾からの訪日客向けのサービスも拡大し、台湾からの観光客誘致にもつなげたい考え。
6月17日には浅草駅で出発式が行われ、同日より記念乗車券(台紙付き硬券)の販売も開始されている。
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特徴的なフォントや「猿」のデザインも再現。
但し、りょうもう号は猿の名所である日光には行かないので注意。

進む台湾の鉄道との友好締結

こうした台鉄の車両デザインに合わせた車両の運行は、2016年2月の京浜急行に続くもの。台鉄でも京浜急行の車両デザインをラッピングした車両が運行されている。
このほか、台鉄はJR四国、IGRいわて銀河鉄道(岩手県)、三陸鉄道(岩手県)、西武鉄道(埼玉県)などと友好関係を結んでいるほか、台北駅が大阪駅と、台鉄平溪線が由利高原鉄道(山形県)、江ノ島電鉄(神奈川県)と、台鉄集集線がいすみ鉄道(千葉県)と、阿里山森林鉄路が黒部峡谷鉄道(富山県)、大井川鉄道(静岡県)とそれぞれ友好関係を締結するなど、私鉄や線区ごとでの友好関係締結、交流事業も進んでいる。
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江ノ電藤沢駅に設置された看板。

外部リンク:「普悠瑪」デザイン塗装の特急りょうもう号が登場!様々な取組みもご紹介 (東武鉄道)
外部リンク:台鉄「プユマ」号デザインの東武鉄道「りょうもう」号が出発 (台北駐日経済文化代表処)

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ドン・キホーテ京都洛西店、エディオン内に6月17日開店

京都市西京区の家電量販店「エディオン洛西店」1階にディスカウントストア「ドン・キホーテ京都洛西店」が6月17日に開店した。
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エディオンビルに出店するドン・キホーテ。

エディオン洛西、ダイソーやドンキ入居で複合店化

ドン・キホーテの入居するエディオン洛西店は「ミドリ電化洛西店」として1998年1月開店。2012年の店舗ブランド変更により現在の店舗名となった。地下2階、地上4階建。売場面積は4,690㎡。
開店当時は京都市内最大の家電量販店だったが、競合店の出店などにより近年は3階、4階部分を閉鎖、2014年には地下1階に100円ショップ「ダイソー」を導入するなど、直営部門を大幅縮小していた。

ドンキ、「普段使い」を重視した小規模店

ドン・キホーテ京都洛西店の売場面積は1,326㎡で、ドン・キホーテとしては京都地区3店舗目。
食料品や化粧品、ブランド品、家電製品、衣料品、玩具、バラエティグッズなどを取り揃え、近隣のファミリー層が日常利用しやすい店舗を目指すほか、物産展コーナーや抹茶コーナーを設置することで「京都らしさ」をアピールしている。
ドン・キホーテ洛西店のグランドオープンを記念し、同店のほか、ドン・キホーテ京都南インター店、MEGAドン・キホーテ宇治店でもオープニングセールが実施される。

テナント化進む郊外型家電量販店

近年、家電量販店は大型店の台頭とネット通販との競合で苦境に立たされている店舗も多い。その一方で、100円ショップなどといった来店頻度・集客性の高いテナントの導入をおこなう家電量販店は増えて来ており、旧ミドリ電化でもスーパーやホームセンターなど、数多くのテナントの導入を行ってきた。今後もドン・キホーテなどと手を組む家電量販店が増える可能性もあろう。
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ベスト電器では複数店舗で「マツモトキヨシ」を導入している。

(ドンキホーテの画像は公式サイトより)
外部リンク:2016年6月17日(金) 『ドン・キホーテ京都洛西店』オープン! ~京都市内2店舗目の出店・地域密着型店舗~

KITTE名古屋、2016年6月17日開業-JPタワー名古屋に

愛知県名古屋市のJR名古屋駅前にある「JPタワー名古屋」内に、新たな商業施設「KITTE名古屋」が2016年6月17日にグランドオープンした。
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KITTE名古屋が入居するJPタワー名古屋。

「KITTE名古屋」は飲食店中心、全36店舗

KITTE名古屋は日本郵便グループが運営する商業施設で、「JPタワー名古屋」(高さ195m、地上40階~地下3階建)の3階~地階に入居。売場面積は4,650㎡。
6月17日に開業したのは全36店舗のうち27店舗で、そのうち14店舗が中部地方初出店。2017年春のJRゲートタワーや新バスターミナルの完成に合わせて全店舗が出揃う予定で、これまでのKITTE東京、KITTE博多とは異なり、飲食店中心の店舗構成となっている。
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館内の吹き抜け。

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 KITTE名古屋・館内(2階)。

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出店店舗。飲食店中心で、残る9店舗は来春までに順次開業する。

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地階「美味横丁」入口。

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JPタワー名古屋内には名古屋中央郵便局が入居する。

名古屋らしい演出も

館内の吹き抜けには、KITTE名古屋のシンボルとして祐成政徳氏による高さ8.8メートルの金鯱のモニュメント「GOLD FISH」が設置されている。
また、吹き抜けでは開業を記念して7月10日(日)まで「七夕飾り・美濃和紙あかりアート展」を開催中。
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1階にある金鯱のモニュメント。

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七夕飾り・美濃和紙あかりアート展。

グランドオープンを迎えた17日には朝から多くの人が詰めかけた。
テープカットに際し、日本郵便の井上執行役員は「郵便も人と人を繋ぐことがコンセプト。KITTE名古屋は皆さまにとって切ってもきれない場所になると思う」と挨拶した。
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多くの客が詰めかけた。

外部リンク:KITTE名古屋
外部リンク:JPタワー名古屋
連記事:大名古屋ビルヂング、3月9日全館開業-伊勢丹出店

西鉄・田川後藤寺バスセンター、2016年9月30日閉鎖-かつては複合商業施設・映画館も

西日本鉄道グループ(福岡市)は、福岡県田川市後藤寺の「西鉄後藤寺バスセンター」を2016年9月30日で廃止する。
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西鉄後藤寺バスセンター。

後藤寺バスセンター、築57年で老朽化

後藤寺バスセンターは1959年開業で、田川後藤寺駅のそばに立地する。
約60年に亘って田川地区の交通の中心的役割を担っており、当初は映画館を始め複数のテナントが営業していたが、核テナントである映画館「ターミナル会館」は1988年に閉鎖され、2016年現在は殆どのテナントが撤退済み。
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ターミナル会館側(県道側)の入口。

2016年現在、福岡天神、小倉、飯塚方面の特急・急行・快速バスと
一部の一般路線バスが乗り入れているが、西鉄バスの窓口も2015年4月を以て廃止されている。近年は建物の老朽化が著しく、コンクリートやタイルの剥落、ひび割れなどが発生して危険な状態となっていた。
西日本新聞によれば、バスセンターの所有者が西鉄側の補修要請に応じないことも閉鎖の原因だという。
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構内の様子。

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バスセンターそばの後藤寺銀天街もレトロな雰囲気。

代替バス停は後藤寺駅近くの県道上に

西鉄では新しいバスセンターの建設は予定しておらず、代替停留所としてバスセンター近くの県道上(田川後藤寺駅の駅前通り)に新たな停留所を設ける方針。
また、後藤寺バスセンターを起終点とする便は、西鉄後藤寺営業所バス停起終点に変更される予定となっている。

関連記事:盛岡バスセンター、9月30日閉鎖-盛岡市、跡地に複合施設検討
(岩手県盛岡市のバスセンター、1960年開業)

関連記事:サンメディラック飯塚、2015年7月25日開業-バスターミナル、複合ビル化
関連記事:西鉄、「天神ソラリア」「博多バスターミナル」のレストラン街をリニューアル

イオンタウンユーカリが丘、6月10日開業-イオンタウン最大規模

千葉県佐倉市に「イオンタウンユーカリが丘」が6月10日にグランドオープンした。
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イオンタウンユーカリが丘。

イオンタウン最大の店舗、ユーカリが丘に誕生

イオンタウンユーカリが丘は、千葉県佐倉市のニュータウン・ユーカリが丘の「ミライア街区」に出店。
延床面積は約127,280㎡でイオンタウン史上最大規模、駐車可能台数は約2,260台で、イオンタウンの中では大垣(岐阜県)、古川(宮城県)に次ぐ3番目となる。
コンセプトは「~集う!味わう!育てる!~わたしの夢がかなう街」で、発展著しいユーカリが丘の新たな「心臓」として、更なるまちの進化を担う店舗として期待される。

148店舗が出店-各フロアの注目テナントは

イオンタウンユーカリが丘は道路を挟んで西街区と東街区に分かれており、西街区・東街区共に店舗棟は地上3階建てで、2階と3階部分がデッキにより繋がっている。
ここでは、西街区・東街区の各フロアごとの注目テナントをレポートする。

西街区

1F 圧倒的な食の提案フロア
西街区1階の核店舗は、総合スーパー「イオンスタイル」の食品売場。
鮮魚コーナーでは、マグロの販売に特化した「まぐろショップ」が展開し、普通のスーパーでは滅多に手に入らないマグロの希少部位を販売する。
また、惣菜コーナーでは、千葉県産の食材を積極的に使用し、「じもの」にこだわった惣菜を数多く販売する。
購入した惣菜は、売場に隣接するグルメコートに持ち込み、手軽に食べるといったことも可能。
P1040325核店舗のイオンスタイル。

2F 毎日カジュアルスタイルのフロア
西街区2階は、「イオンスタイル」のファッション・住まい・暮らしのコーナーを中心に、化粧品の「イオンボディ」、靴の「ASBEE」などが主なテナントとなっているほか、「ユーカリが丘ヒルズ歯科」も入居。

3F ハッピーファミリーライフのフロア
西街区3階の核店舗となる子供用品店の「キッズリパプリック」は、同店で関東最大級の広さと品揃えを誇る。
遊戯施設やベビールームを設けるなど、子育て世代の多いユーカリが丘のニーズを最大限キャッチした店づくりがされている。
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キッズリパブリック。同店では関東最大。

吹き抜けの近くには、ナムコが手がける子供向けアミューズメント施設「あそびパーク」が展開する。
自由に走り回れる砂場「屋内砂場 海の子」や無人島をイメージしたフワフワ遊具「海の無人島」など、子ども達が気軽に南国気分を味わえる「あそび場」となっている。
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あそびパーク。

東街区

1F 最新ファッションとBOOKとグルメのフロア
東街区1階の注目店舗は、書店の「未来屋書店」とカフェの「カフェ・ド・クリエ」のコラボ店舗。
両店の間には敷居が存在せず、カフェ・ド・クリエの座席でコーヒーを飲みながら、未来屋書店の書籍を読むことが可能。
未来屋書店とカフェ・ド・クリエのコラボ店舗はモンテメール芦屋に次ぐ全国2店舗目で、イオングループの大型店では初出店となった。
P1040331未来屋書店とカフェ・ド・クリエのコラボ店舗。

また、今秋には、「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が久々の新規出店となる店舗を開業させる予定。
閉店が続く同店であるが、イオンタウンユーカリが丘への新規出店が日本における戦略の一つのターニングポイントとなるのか、注目が集まる。P1040332クリスピークリームドーナツ予定地は現在休憩所に。

また、ファストファッションの「H&M」も秋にオープン予定。
最近は新規・新装開業するイオンモールへの出店が相次いでいたが、イオンタウンへの出店は初となる。

2F 3世代のアクティブライフ応援のフロア

千葉初出店となる「VIVRE GENE」はイオンリテールが運営するファッションビル「ビブレ」の小型店舗。
これまで全国のイオンモールに出店してきたが、イオンタウンへの出店は初となる。P1040329ビブレジーン。

3F 大人世代のゆとり生活支援のフロア
西街区3階には、イオングループのショッピングセンターではお馴染みのテナントである、家電量販店の「ノジマ」や、100円ショップ「ダイソー」などが出店している。

イオンタウン開業の裏で旧サティは閉店-2017年春を目処に山万直営のSCへ

山万ユーカリが丘線地区センター駅前にあるSC「スカイプラザ」の核店舗として入居していた「イオンユーカリが丘店」は、イオンタウングランドオープンの5日前となる6月5日に閉店した。
同店舗は旧マイカルの「ユーカリが丘サティ」として1992年にオープン(のちのサティ2番街オープンにより「サティ1番街」に)。ユーカリが丘最大のスーパーとして、イオンにリブランドされた後も大きな存在感を示していたが、今回のイオンタウンの開業によりお役御免となった。_MG_35756月5日をもって閉店した旧イオンユーカリが丘店。
2017年春を目処に山万直営のSCがオープン予定。

しかし、ユーカリが丘の開発主体である山万は、旧イオン含むスカイプラザ全体をリニューアルし、2017年春までに新たなショッピングセンターを開業させる方針を示している。
山万直営となるSCには、スーパーのみならず、ホームセンターや医療、教育系のテナントなど50-60店舗が入る予定で、テナント面でイオンタウンとの差別化が図られる見通しだ。

イオンシネマが入居するユープラ、旧サティ閉店で正念場

また、ユーカリが丘駅前には三越の小型店「エムアイプラザ」を核店舗とする商業施設「ユーカリプラザ」(通称:ユープラ)がある。
旧マイカルが1999年に「ユーカリが丘サティ2番街」としてオープンさせたユープラは、印旛地域南部では貴重な映画館であるイオンシネマ(旧ワーナーマイカルシネマズ)を抱えている。_MG_3567イオンシネマを抱えるユープラ。
イオンタウンとは約600m離れている。

しかし、本来であればイオンシネマがテナントとして入居するケースも多いイオンタウンとは約600m離れていることや、隣接するスカイプラザの一時的な空洞化など、取り巻く状況は必ずしも良好とは言えない。

このように、ユーカリが丘にはイオンタウンやユープラと言った動員力の大きな施設が点在しているだけに、スカイプラザのリニューアルをはじめとした施設間での回遊性の向上が、さらなるまちの賑わい創出に繋がるであろう。

高齢化・人口減少しないニュータウン「ユーカリが丘」
-山万の「成長管理型」まちづくりは次なる領域へ

千葉県佐倉市ユーカリが丘は、不動産会社「山万」の手によって、高度経済成長期の1971年から開発され78年に分譲を開始したいわば「ニュータウン」である。
しかし、ユーカリが丘の「成長管理型」と言われる中長期的な視点に立った開発は、高齢化や人口減少が問題となっている他地域のニュータウンとは一線を画しており、「持続可能なまち」を実現している。
その要因となっている主な例が以下に挙げるものである。

  • 毎年一定の戸数以上は分譲せず、将来的な高齢化リスクを防ぐ
  • 高層マンションを作ることで、主にユーカリが丘の戸建て住宅に住む子育てが終了した親世代の「住み替え」ニーズに応える
  • ユーカリが丘で育った住民が子育て世代となったときに、親の住む高層マンションの近くの戸建てに再び住むといった「近居」を実現出来る

山万はその他にも、保育施設の充実による子育て世代への支援や、老人施設の充実による高齢者へのサポートなど、まちに住む誰もが「住みやすい」と感じるまちづくりを行っている。

今回開業したイオンタウンにおいても、関東最大級のキッズリパブリックやあそびパークなど、子育て世代とその子供に寄り添った売場構成がなされており、ここでも“ユーカリが丘というまちに適したニーズ”が反映されている。_MG_3573 (1)ユーカリが丘の高層マンション群とイオンタウン。

ミライア街区にオープンしたイオンタウンは、新時代のまちづくりとして注目を集める「ユーカリが丘・モデル」をさらに高いステップへと押し上げていくことにも繋がりそうだ。

外部リンク:イオンタウンユーカリが丘