カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

新たな再開発始まる秋葉原-駅東側・昌平橋ビル・石丸跡

JR秋葉原駅の周辺で3つの新たな大規模再開発計画が進行している。
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万世橋交差点。

秋葉原駅東口に超高層ビル

1つは秋葉原駅中央口向かい(東側)、ヨドバシカメラの北側にあたる神田練塀町(ねりべいちょう)。
現在は日本通運などがあるが、ここには住友不動産が事業主体となり高さ112メートルの高層ビルが建設されることになった。秋葉原練塀町再開発地5-縮小
秋葉原駅東側(練塀町)の再開発地区。

再開発ビルの下層階は商業施設と事務所、高層階は住宅(34世帯)となる予定。
駅前であることから南側(ヨドバシ寄り)には公共広場を整備、区道の付け替えと電線の地中化も行い、景観に配慮する。
総事業費は222億円、2018年10月の竣工を予定している。 
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練塀町再開発ビルの完成予想図。

昌平橋ビル解体、再開発へ

そして、もう1つは昌平橋交差点東側、東京都住宅供給公社昌平橋ビルの再開発。
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昌平橋ビル。

昌平橋ビルはパセラリゾーツ(パームス、旧石丸電気2号館)やラジオ会館2号館(旧石丸電気レコード館)などがある昌平橋通りの大型ビル。
東京都住宅供給公社の物件であり、4階まではオフィス、 5~10階は公社賃貸住宅(42世帯)となっている。
アニメ「ラブライブ!」で矢澤にこさんの自宅となっていることでも有名。
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左側にあるのが昌平橋ビル。©2013 プロジェクトラブライブ!

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 この昌平橋ビルは耐震性が低いと診断され、前の道路が緊急輸送道路であることから、2015年度末までに解体が開始されることとなった。解体後の活用方法はまだ未定。
公社物件であるために再開発には東京都が関与すると思われる。
企業事務所なども多く入居しているが、既に一部では退去が始まっている。
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神田川から見た昌平橋ビル。

ヤマギワ跡の解体も進む

また、外神田一丁目では現在解体中の石丸電気・ヤマギワ跡再開発計画も進行している。現在は三井住友建設により解体工事が進行中。
こちらについてはまだ具体的な計画は発表されていないが、好立地であるために高層ビルが建設される可能性も高い。
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解体が進む石丸電気・ヤマギワ跡。

昨年はラジオ会館の再開発などが行われた秋葉原界隈。
今後も目が離せない地区となりそうだ。
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2014年に再開発された新・ラジオ会館。

外部リンク:神田練塀町地区市街地再開発組合の設立認可について(東京都)
外部リンク:神田練塀町(かんだねりべいちょう)地区第一種市街地再開発事業(東京都都市整備局)

大丸心斎橋店本館、建て替えのため2016年に解体へ

歴史的建造物として知られる大丸心斎橋店本館が建替えのため本年度内にも営業を終了することになった。
現在の本館は2016年に解体。新しい店舗は2019年の開業予定で、現在の建物の意匠を活かしたものになる予定。
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大丸心斎橋店本館。

保存を求める声も

現在の大丸心斎橋店本館は米国の有名建築家であるヴォーリズによる設計で、「docomomo 日本におけるモダン・ムーブメント建築」にも選定されており、保存を求める声が多くある。
一方、大丸心斎橋店を運営する大丸松坂屋百貨店は「現段階ではまだ建て替えは決まっていない」としている。
(担当記者:W)

【7月25日追記】大丸は12月30日で現店舗を閉店することを正式発表した。

参考:ヴォーリズ設計「心斎橋大丸」建て替えへ(産経新聞)
外部リンク:本日の一部報道について(大丸心斎橋店)

大型店を研究する3団体、百貨店で「デパートに行こう!」展を開催-2015年7月18日から

大分県別府市の百貨店「トキハ別府店」で、2015年7月より大型店を研究する3団体による合同展示企画「デパートに行こう!」展が開催される。
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包装紙や紙袋の展示。

デパートに行こう!展、デパートの催事場で

今回の「デパートに行こう!」展は、「別府現代芸術フェスティバル2015 混浴温泉世界・わくわく混浴デパートメント」の一環。
展示主催は「都市商業研究所」で「昭和なスーパーめぐり」、「デパート通信」が参加する。
会場はトキハ別府店7階特設会場。入場は無料。
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トキハ別府店の紹介コーナーも。

展示メインコーナーの1つ「デパート探検に行こう!」では、エレベータ、エスカレータ、屋上遊園地などは勿論、吹抜け、増築部、階段室などデパート建築の見どころを紹介。
その他にも「昭和なスーパーめぐり」による「非常口コレクション」や、たくさんの紙袋や包装紙を展示する「包装紙の花園」、「紙袋の森」などといったコーナーが展開されている。
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「わくわく混浴デパートメント」の会場では他にも様々なアーティストの作品が展示されている。

開催期間は2015年7月18日から9月27日まで。8月26日と9月9日は休館日となる。
営業時間は10時~19時。
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トキハ別府店。

外部リンク:別府現代芸術フェスティバル 混浴温泉世界2015
外部リンク:トキハ別府店

「片町きらら」2015年9月18日開業-ロフトなど出店

金沢市中心部の「ラブロ片町」跡地周辺再開発によって生まれる複合商業施設「片町きらら」が2015年9月18日に開業することが発表された。
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建設が進む片町きらら。

「片町きらら」は北陸地方最大の繁華街である金沢市片町のスクランブル交差点前に立地。
江戸時代から栄えた金沢の中心であり、1923年に宮市百貨店(のちの大和百貨店)が創業した場所でもある。
大和百貨店が筆頭株主となり、地権者などが設立した「プロパティマネジメント片町」が運営する。総工費は約57億円。
「きらら」は「きらびやかだ」という意味の古語「煌らか」に由来している。
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完成予想図。

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かつてのラブロ片町。

「片町きらら」の核となるのは雑貨店「金沢ロフト」、ファストファッション「H&M」、結婚式場「アルカンシエル」で、いずれも石川県初出店。
そのほか、ファッション店、時計店、眼鏡店、レストランなど、16店舗が出店予定。「アルカンシエル」は来春の開業となる。ロフトは、金沢の女子学生でつくる「かなざわ娘」と共同で商品開発も行う。
店舗前には屋根つきの公共広場も設置され、バスを待つ客も利用することができる。
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大きな屋根の下にはバス停が設置される予定。

一方、北陸地方では今夏に「イオンモール砺波」(砺波市)、「三井アウトレットパーク北陸小矢部」(小矢部市)、「コストコ射水倉庫店」(射水市)、「コストコ野々市倉庫店」(野々市市)などの郊外型大型店が相次いで開業。
また、金沢市中心部においても、新幹線が開業した金沢駅周辺の開発が進む一方で、旧来の中心商店街は観光客が増えているにも関わらず地価の下落が続いていた。

現在、金沢市中心部では大型店と中心商店街による共同販促が行われており、「片町きらら」が近隣大型店や商店街と協力して存在感を出していけるかどうかが、金沢市の中心市街地活性化への1つの鍵となるであろう。
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新天地商店街の古い町並みから。
(担当記者:W)
 
画像提供:金沢まちゲーションさん、はるひさん

「片町きらら」出店予定テナント
1階 
H&M(ファストファッション)
アネモネ(アクセサリー)
センス・オブ・プレイスbyアーバンリサーチ(ファッション・雑貨・カフェ)
ニューエラ(帽子)
デシグアル(ファッション・雑貨)
2階 
H&M(ファストファッション)
アスビー(靴)
アーク バイ グランブルー(ヘアサロン)
ティージーシー(眼鏡)
メゾンブルー(ファッション&雑貨)
ムーヴ(時計)
モントロンドシュシュ(ジュエリー)
サルヴァトーレ(イタリア料理)
ネイルモア(ネイルサロン)
ラフィネ(マッサージ・エステサロン)
3階
H&M(ファストファッション)
ロフト(雑貨)
4階・5階
アルカンシエル(結婚式場・レストラン)
この記事は「金沢まちゲーション」さんの協力で作成しました。

外部リンク:片町きらら(公式)
外部リンク:片町A地区再開発事業( 片町きらら )2015.7(金沢まちゲーション)
外部リンク:片町A地区市街地再開発組合

琴電瓦町駅ビル、新名称は「瓦町FLAG」-旧コトデンそごう・天満屋、2015年10月開業へ

高松琴平電鉄と双日商業開発は、香川県高松市の中心部にある高松琴平電鉄瓦町駅ビルのリニューアル概要を発表した。
リニューアル後の新しい商業施設名は「瓦町FLAG」で、10月に開業予定。
 
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「瓦町FLAG」ロゴ。

旧コトデンそごう、天満屋撤退でリニューアルへ

瓦町フラッグのキャッチフレーズは「かわる、をはこぶ」。
核店舗は「ジュンク堂書店」、その他にも「ビームス」、「ナノユニバース」、「MARKS&WEB」、「手芸ドリーム」、「スターバックスコーヒー」などが出店。
また、公共フロアには図書館や多目的スタジオも設置されるほか、屋上は芝生広場となる。
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ビルの改装イメージ。

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フロア概要。

コトデン瓦町ビルは1997年竣工。
1997年から2000年までは「コトデンそごう」が出店、その後、2001年から2014年3月までは「高松天満屋」が営業していたが、経営不振により撤退していた。
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閉店セール中の高松天満屋。

外部リンク:2015年10月に、ことでん瓦町ビルを「瓦町FLAG」としてリニューアル開業します(ことでん)

リブロ池袋本店、2015年7月20日閉店-跡地に三省堂、8月開店

東京都豊島区の百貨店「西武百貨店池袋本店」書籍館にある大手書店「リブロ」が2015年7月20日に閉店し、跡地に三省堂書店が出店することが決まった。

リブロ旗艦店、40年の歴史に幕-跡地に三省堂

リブロ池袋本店は約3000㎡の大型書店で、リブロの前身、西武百貨店書籍部として1975年に開店。
その後、隣接する無印良品などとともに「西武セゾン文化」の一翼を担う同社の旗艦店であったが、西武側の意向により賃貸契約満了となる7月20日を以て閉店することが発表されていた。

リブロ池袋本店。

三省堂書店は現在も西武百貨店池袋本店本館に出店しているが、そちらも営業を継続する。書籍館へは8月上旬に出店予定。
一方で、リブロは創業の地である池袋への再出店を検討しているとしているが、具体的な出店先については発表されていない。
リブロ池袋本店の柱には、閉店を惜しんで多くの著名人のサインが寄せられている。
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かつて西武に勤務していた永江朗さん、漫画家の江口寿史さん、吾妻ひでおさんなどのサインも。

外部リンク:リブロ – LIBRO | 池袋に本店を構える本屋
外部リンク:三省堂書店

新・渋谷駅ビル東棟に屋上展望台-2019年完成予定

渋谷駅前にまた新たな名所が誕生する。
東急電鉄、東京メトロ、JR東日本の3社は、渋谷駅に建設中の超高層ビル「渋谷駅街区開発計画Ⅰ期東棟(仮)」の屋上に屋外展望施設を設置することを発表した。prl1507020208-p1
新渋谷駅ビル東棟と屋上展望台イメージ。

高さ230メートルの「屋上庭園」

渋谷駅ビル東棟はヒカリエから明治通りを挟んだ向かい側に建設中の47階建て超高層ビル。
その屋上(48階)に設けられる予定の展望台は高さ230m、面積約3000㎡で、渋谷スクランブル交差点やハチ公前広場を見下せるほか、晴れた日には富士山まで見渡すことができ、国内外の観光客にも人気の場所となりそう。
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新駅ビルの位置関係。

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展望イメージ。

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東急百貨店東横店に隣接して建設中。

新・渋谷駅ビル東棟の完成は2019年度を予定。渋谷駅前では東急プラザの建替え計画も進んでおり、東京オリンピックを前にして渋谷の景観も大きく変わりそうだ。

新しい記事はこちら:渋谷駅ビル、名称は「渋谷スクランブルスクエア」に

外部リンク:渋谷駅街区開発計画Ⅰ期(東棟)への展望施設設置について(PR TIMES)

イズミ、ユアーズと丸和を傘下に

「ゆめタウン」などを展開する流通大手「イズミ」(広島市)は、中堅食品スーパー「ユアーズ」(広島県海田町)、「丸和」(北九州市)を買収し、傘下に収めることを発表した。
丸和は経営再建の過程で2011年にユアーズが買収していた。
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ユアーズ。

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丸和小倉本店。日本初の本格的スーパーマーケットの1つ。

両社は2015年9月に業務資本提携を結ぶ。
ユアーズが第三者割当増資を実施、イズミが増資分全額を引き受けて連結子会社化する予定。増資額などは今後決定する。

ユアーズは1979年創業。広島県内を中心に郊外型の中型スーパーや、岡山駅などには都市型の小型スーパーを、広島三越・岡山天満屋などには高級スーパー「アバンセ」を出店するほか、経営破綻した「アパンダ」(北九州市)の複数店舗も引き継いでいる。

丸和は1947年創業。日本初の本格的スーパーマーケットの1つとして知られ、24時間営業の開始も国内スーパー初であった。現在は福岡県と山口県に出店。食品スーパー中心ながら一部郊外型の総合スーパーやショッピングセンター「サンパル」、高級スーパー「ラ・パレット」も展開しているほか、ユアーズとともに経営破綻した「アパンダ」の店舗の多くも引き継いでいる。
丸和はかつて福岡証券取引所に上場していたが、2011年のユアーズからの買収に伴い上場廃止となった。
(担当記者:W)

外部リンク:株式会社ユアーズとの資本業務提携に向けた基本合意締結に関してのお知らせ(イズミ)
外部リンク:株式会社イズミとの資本業務提携に向けた基本合意締結に関するお知らせ(ユアーズ・丸和)

フライングタイガー、2015年夏中に福岡・名古屋・埼玉に出店-大手北欧雑貨、地方出店を加速

北欧デザインの低価格雑貨専門店「フライングタイガーコペンハーゲン」(Flying Tiger Copenhagen)の出店が加速している。
2015年6月12日には福岡市中央区大名に「フライングタイガーコペンハーゲン福岡天神ストア」がオープン、名古屋などへの出店も予定されている。
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フライングタイガー福岡天神ストア。

人気の北欧系雑貨店が地方にも?

「フライングタイガー」は1995年、北欧デンマークのコペンハーゲンで創業した雑貨店。 2012年にアジア初となる「アメリカ村ストア」を大阪に出店して以降、首都圏・関西地方を中心に展開している。

フライングタイガー福岡天神ストアの売場面積は約93坪(約307㎡)。
西鉄福岡(天神)駅から徒歩4分ほどの距離にある中央区大名エリアの「HARE」・「レイジブルー」跡地に出店。フライングタイガーの国内への出店は19店舗目(路面店6店舗目)となる。
周辺には近年「H&M」、「FOREVER21」、「ZARA」などの外資系ファストファッションや「無印良品」、「Apple Store」などの路面店が次々と進出している。

埼玉県にも2店舗出店、夏には名古屋出店も

フライングタイガーは2015年4月にさいたま市、埼玉県富士見市にも進出したばかり。
今後、2015年7月20日には国内20店舗となる名古屋栄ストアもオープン予定となっており、今後は地方への出店も加速させていくとみられる。

スーパーマルエイ印西牧の原店、2015年6月20日閉店-印西ビッグホップの核店舗

千葉県印西市にある印西牧の原駅前の大規模ショッピングセンター「BIG HOPガーデンモール」の核店舗「マルエイ印西牧の原店」が6月20日に閉店した。
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ビッグホップガーデンモール。

テナントの入れ替わりが激しいビッグホップ

「BIG HOPガーデンモール」は2007年にミキシングが運営するアウトレットモールとして開業。しかし、入居テナントの撤退が相次ぐとともに2008年には運営会社が経営破綻した。
一時は約半数が空きテナントとなっていたものの、住友系デベロッパーによる再構築が行われ、更に2013年より京阪電鉄系の京阪流通システムズが運営を引継ぎ、「マルエイ」、「パシオス」、「宮脇書店」、「キャンドゥ」、「ABCマート」などが入居するデイリーユースのショッピングセンターとして生まれ変わっていた。
その他にも屋内動物園や会員制遊園地など、個性的な店舗が入居している。
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マルエイは中央部分に出店(1階左側がパシオス、マルエイ)。

京阪による運営引継後はテナントの多くが埋まった一方で、今年になって「タリーズコーヒー」、「サブウェイ」など大手テナントの撤退が相次いでいた。
跡地は今秋開店を目指して新たなスーパーの出店が予定されているが、集客力の高い食品売場の長期閉鎖は他のテナントにも大きな影響を与えるであろう。

外部リンク:ビッグホップガーデンモール印西