カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

ヤマダ電機テックランド茅ヶ崎店、2018年7月22日閉店・建替えへ-旧ダイクマのディスカウント1号店、近く閉店か

神奈川県茅ヶ崎市のJR茅ケ崎駅前にある家電量販店「ヤマダ電機テックランド茅ヶ崎店」(旧ダイクマ茅ヶ崎店)が、老朽化のため近く閉店し、建て替えられる見通しであることがわかった。
追記:ヤマダ電機(ダイクマ)は7月22日閉店。建て替え中のあいだイトーヨーカドー内に仮店舗を出店する。
ヤマダ電機テックランド茅ヶ崎店。

築50年で老朽化、8階建て店舗に建て替えへ

ヤマダ電機テックランド茅ヶ崎店はかつて首都圏で展開していた小売チェーン「ダイクマ」のディスカウントストア1号店として1968年に開業。
建物は地上4階建てで、店舗面積は9,867㎡。建物所有者はヤマダ電機。
大型ディスカウントストアだった名残から、生活雑貨や書籍売場が充実している。
茅ヶ崎市への5月25日の届け出によると、ヤマダ電機は築50年と老朽化した現店舗を解体し、地上8階建て、延床面積29,701㎡の店舗を新築する計画だという。
着工は2019年7月1日、工事完了は2020年4月30日をそれぞれ予定しているが、現店舗の閉店日や建て替え後の詳しい施設概要はわかっていない。(6月4日現在)

ヨーカ堂と二枚看板、茅ヶ崎で愛されたダイクマ

ダイクマは1922年に秦野市で呉服店として創業。1978年にイトーヨーカドーの子会社となると、以降は首都圏でディスカウントストアを多店舗展開してきた。
1979年にはダイクマ茅ヶ崎店隣に「イトーヨーカドー茅ヶ崎店」 が開業。同じグループの大型店2店舗は茅ヶ崎駅前の象徴として、長年茅ヶ崎市民に愛されてきた。
イトーヨーカドー茅ヶ崎店(手前)とヤマダ電機(奥)。

「ダイナミック!ダイクマ!」のキャッチフレーズで親しまれたダイクマであったが、1990年代以降「ドン・キホーテ」など新たなディスカウントストアチェーンが台頭すると、ダイクマは経営不振に。2002年にはアイワイグループ(現7&iHD)から家電量販店のヤマダ電機(高崎市)に売却され、茅ヶ崎店でもヤマダ電機への業態転換が行われた。
今年4月25日には店舗前の角地でダイクマ時代から営業を続けていた鯛焼き店「みよしや」が閉店。茅ヶ崎市民思い出の場所が消えゆく中で、50年の歴史を持つ施設も終焉を迎えることとなりそうだ。

追記:ヤマダ電機(ダイクマ)は7月22日閉店。建て替え中のあいだイトーヨーカドー内に仮店舗を出店する。

外部リンク:30-2 新栄町地内 (仮称)ヤマダ電機茅ヶ崎店改築業務(茅ヶ崎公式サイト)
関連記事:テラスモール湘南、4月26日リニューアル-「辻堂」人気の火付け役、「湘南」アピールで集客めざす

ザ・パントリールクア大阪店、2018年5月31日閉店-高級食品スーパー間の競争激化続く梅田

大阪府大阪市北区梅田にある大阪駅ノースゲートビルディング「ルクア大阪」地下1階の高級食品スーパー「ザ・パントリー ルクア大阪店」が、5月31日に閉店した。

閉店後のザ・パントリー ルクア大阪店。

大近グループ、梅田エリアから全面撤退

ザ・パントリー ルクア大阪店は、関西を中心に高級食品スーパー「パントリー」「ラッキー」を運営する大近(大近グループ)により2011年5月開店。

営業当時のザ・パントリー ルクア大阪店。

大近の梅田エリア旗艦店として、コンセプトに「安心・安全」を掲げ、ルクア大阪の客層・立地特性を意識した店舗オリジナル商品「The Pantry」ブランドやオーガニック食品の充実、長時間営業(7時~23時)を行っていたことが店舗の特徴であった。

高級スーパーの競争激しい梅田

梅田では百貨店同士の競争が激化していることで知られるが、同様に高級スーパ同士での競争も激化している。
ザ・パントリーと同じJR大阪駅構内では、長らく関西地場資本の高級食品スーパー「いかりスーパーマーケット」が生鮮3品取扱いの大型店を出店、阪急梅田駅やWhityうめだでも「成城石井」(阪急阪神HDのFC店舗)が3店舗を営業していた。
2018年4月には、JR大阪三越伊勢丹地下食品売場「イセタンフードホール」(核店舗:北野エース)跡に「ルクア フードホール」が開業。阪急オアシスがグローサラント強化型新業態「キッチン&マーケット」を出店するなど、以前にも増して高級食品スーパー間の競争が激化していた。
近隣で営業する百貨店各社も、食品売場の充実化を進めていたため、ザ・パントリーは売場の差別化が難しくなっていた。

閉店後に掲示された案内。

ザ・パントリーの閉店に伴い、大近は梅田エリアから全面撤退する。
その一方、大近はJR高槻駅、JR尼崎駅への新規出店やJR新大阪駅構内店舗のリニューアルを進めており、今後も大都市近郊の駅構内での積極的な店舗出店を行うと考えられる。

外部リンク:ザ・パントリー ※5/31(木)をもって閉店いたします。(ルクア大阪)
外部リンク:ザ・パントリー ルクア大阪店 営業終了のお知らせ。(大近)
関連記事:阪神梅田本店「建て替え第1期棟」6月1日開業-「食」の阪神、スナックパークも復活
関連記事:
ミズノオオサカ茶屋町、4月20日開店-ミズノの「世界旗艦店」
関連記事:ウメダフードホール、3月28日開業-阪急三番街北館地下2階を全面改装
関連記事:バルチカ、12月19日増床リニューアル-ルクア地下2階、2018年春に「阪急オアシス」も出店へ
関連記事:うめきた地下道、12月19日閉鎖-梅田のレトロ地下道、90年の歴史に幕
関連記事:ヨドバシ梅田とJR大阪駅、「架橋」で6月30日接続-愛称は「淀橋」
関連記事:タイトーステーション梅三小路店、5月26日開店-ソフマップ跡に歴代”電車でGO”集結

阪神梅田本店「建て替え第1期棟」2018年6月1日開業-「食」の阪神、スナックパークも復活

大阪府大阪市北区梅田の百貨店「阪神梅田本店」の建て替え第1期棟が6月1日にグランドオープンした。

阪神百貨店梅田本店建て替え第一期棟。

「食」の阪神百貨店、創業85年を機に生まれ変わる

阪神百貨店は1933年に阪神マートとして創業、1940年に現在地に移転。1951年にターミナル百貨店「阪神百貨店」として開店した。当初は地上2階建てであったが、1957年、1963年に大規模な増築工事を行い、地上8階建てとなった。

旧・阪神百貨店、大阪神ビル。

同店は西日本一のデパ地下とも称される地階食品売場を持つことで知られており、建て替え前は200を超える和・洋菓子、総菜、ベーカリーブランドの集積や、後述する「スナックパーク」は人気を集めたが、それらは今回の建替工事のために大部分が閉店・休店状態であった。

客層の拡大を図る-「食」の阪神、1階にも食品拡大

阪神梅田本店建て替え第1期棟が出店する建物は地上13階建てで、百貨店は地上9階~地下1階部分で営業する。建替工事に伴う総投資額は530億円。
今回開業する部分の売場面積は約27,000㎡で、従来の阪神百貨店の半分の規模。今後の増築により、元の面積とほぼ同じ規模となる。売上目標(2018年度通期)は410億円。
コンセプトに「毎日が幸せになる百貨店」を掲げ、「暮らし」や「健康」分野に軸を置いた生活に密着した売場づくりを目指すなど、阪急うめだ本店や競合店との差別化が図られる。

窓が印象的な夜の姿。

従来、阪神梅田本店は近隣の百貨店と比べ、顧客の年齢層が高いことが特徴として挙げられていたが、建て替えを機に30~40代の女性(特に阪急阪神百貨店が「西梅田OL」と呼ぶ働く女性層)も新たにターゲットにするなど、客層の拡大・若返りを目指したという。

関西初となるハンバーガーレストラン「Shake Shack」など新たなテナントも迎え入れ、客層の拡大を目指す。

これまで婦人雑貨などが販売されていた1階には新たに食品売場が拡大・展開されており、人気のベーカリーを集めた「パンワールド」や、約400種類のワインの試飲もできる「リカーワールド」が設置されたことも特徴だ。

日替わりで毎日15種類の食パンも並ぶ「パンワールド」。

賑わうオープン当日、ハイタッチ隊による歓迎も

開業当日となった1日の朝、2階デッキには営業開始を待つ多くの買物客で長蛇の列となった。
パフォーマーによるパントマイムの披露や吹奏楽の演奏、ハイタッチ隊による歓迎もあり、9時55分に華々しいオープンを迎えた

ハイタッチ隊やパフォーマーが買物客を出迎えた。

食文化発信「スナックパーク」復活-ちょい飲み需要も

今回の建て替え第1期棟の開業に伴い、人気のフードコート街「スナックパーク」も約3年ぶりに完全復活した

新装なったスナックパーク。

新装「スナックパーク」の常設店舗は13店で、これ以外に催事店舗が2店出店する。(2018年6月現在)
建替前から営業していた「阪神名物いか焼き」「ちょぼ焼き」「うまかラーメン玉子丸」「御座候」の5店舗に加え、箕面船場の天丼専門店「天ぷらの山」、中華そばの名店「カドヤ食堂」といった新ブランドも出店した。
阪神百貨店近隣では、ルクア大阪の「ルクアフードホール」「バルチカ」、阪急三番街の「ウメダフードホー」など、改装を機に食物販ゾーンを拡充させる商業施設が増加していることもあり、380円のローストビーフの注文でワイン30分飲み放題が540円となる「ローマ軒」など、ちょい飲みに適した店舗も導入されている。

大阪の食文化が集まる「スナックパーク」のメニュー。

阪急と合わせて「大阪梅田ツインタワーズ」形成

阪神電鉄は、今後西側部分の建替工事を進め、今回開業した部分と合わせて2022年春に「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」として全面開業させる予定。なお、阪神梅田本店部分は2021年秋にグランドオープンするほか、高層階はオフィスとなる。
また、2022年の全面開業時には阪急うめだ本店が入っている梅田阪急ビルを「大阪梅田ツインタワーズ・ノース」に改称、両ビルを「大阪梅田ツインタワーズ」と総称することになる。

阪急百貨店との連携も図られる。

外部リンク:TOP | 阪神梅田本店
関連記事:ミズノオオサカ茶屋町、4月20日開店-ミズノの「世界旗艦店」
関連記事:ウメダフードホール、3月28日開業-阪急三番街北館地下2階を全面改装
関連記事:バルチカ、12月19日増床リニューアル-ルクア地下2階、2018年春に「阪急オアシス」も出店へ
関連記事:うめきた地下道、12月19日閉鎖-梅田のレトロ地下道、90年の歴史に幕
関連記事:ヨドバシ梅田とJR大阪駅、「架橋」で6月30日接続-愛称は「淀橋」
関連記事:タイトーステーション梅三小路店、5月26日開店-ソフマップ跡に歴代”電車でGO”集結

西新井トスカ西館・東武ストア西新井店、2018年7月1日閉店-築45年で老朽化、建替えか

東京都足立区の東武伊勢崎線西新井駅ビル「西新井トスカ 西館」と併設される総合スーパー「東武ストア西新井店」が、2018年7月1日に閉店する。
西新井トスカ西館(左)と東武ストア西新井店(右)。

西新井駅西口の駅ビル&総合スーパー

トスカ西館と東武ストアは1973年11月開業。売場面積は4,804㎡。
西新井駅では1981年4月には駅東口に「トスカ東館」が、1988年には東西館を結ぶ3階連絡通路に「トスカ ペアロード」が開業している。
トスカ西館は地下1階、地上4階建てで、6月1日現在のテナントは100円ショップ「シルク」、CD・DVD「新星堂」など。
東武ストアは地上3階建てで、1階と2階が東武ストアの直営売場、3階はドラッグストア「クリエイトエス・ディー」となっている。

築45年、建て替え濃厚か

西新井トスカ西館と東武ストア西新井店のビルは築45年と老朽化しており、トスカ西館は地震時に倒壊の危険性がある「要緊急安全確認大規模建築物」に指定されている。
また、2017年3月15日に行われた足立区議会建設委員会では、東武鉄道がトスカ西館・東武ストアの建て替えを行う予定であるとの報告がなされており、閉館後のビル解体が濃厚と見られる。
なお、トスカ西館では新星堂など6店舗で閉館セールを実施している。

外部リンク:西館閉館およびペアロード継続のお知らせ(西新井トスカ公式フェイスブック)
外部リンク:東武ストア西新井店
関連記事:ドン・キホーテ西新井駅前店、3月2日開店-ドンキ集中出店の足立区、約1キロ圏内に3店舗

ドムドムベーカリー小平店、2018年5月31日閉店-ドムドム唯一の「ベーカリー」消滅

東京都小平市の総合スーパー「ダイエー小平店」内のハンバーガー店「ドムドムハンバーガー小平店」に併設されていた「ドムドムベーカリー」が2018年5月31日に閉店した。ドムドムベーカリー小平店。

ドムドムのベーカリー業態が消滅-一般型店舗に

ドムドムベーカリーはレンブラントHD(厚木市)が運営するハンバーガーチェーン「ドムドムハンバーガー」のベーカリー業態。
ベーカリーはダイエーグループ傘下の「オレンジフードコート」が運営していた時代から存在し、2018年5月現在で小平店が全国唯一の店舗だった。
小平店のロゴは「DOM²Special Taste&Bakery」で、ハンバーガーの注文カウンターにパン売場が隣接。夕方以降はパンの100円セールを行うなど、地元利用者に親しまれていた。
なお、小平店でのハンバーガー販売は継続、今後は「ドムドムハンバーガー」の一般型店舗として営業する。

関連コラム:再出発のドムドムハンバーガー、旧店舗大量閉店でフードコートが「ドムドムロス」に!――閉鎖店への再出店は?(ハーバー・ビジネス・オンライン公式サイト)
関連記事:ドムドムハンバーガー、2017年10月より「新ロゴ」に-大阪・京橋で記者会見、100店舗体制めざす

大分オーパ、2019年春開店-「全館食品」に落胆の声も

イオングループとオーパは、大分市中心部のファッションビル「大分フォーラス」(旧・ジャスコ大分店)跡地に建設される食品館「大分オーパ」(大分OPA)の概要を発表した。
追記:春の開業は延期される

建設中の大分オーパ。

東九州を代表するファッションビル「大分フォーラス」

大分オーパの前身「大分フォーラス」は1973年3月に「ジャスコ大分店」として開業。大分駅前の中央町商店街に立地し、売場面積は12,097㎡で、地下1階、地上8階建てだった。
大分フォーラス
大分フォーラス。

「ジャスコ大分店」は1993年10月に食品売場などを廃止し、ファッションビル「大分フォーラス」としてリニューアル。
その後、1995年1月にジュンク堂書店の関西外1号店「淳久堂書店大分店」が、2001年3月にはスターバックスコーヒー大分1号店が出店するなど大分市中心部を代表するファッションビルとして親しまれたが、建物の老朽化による耐震性不足が発覚したため、熊本地震後の2017年2月に閉館。イオングループとなった旧ダイエー系のファッションビル「オーパ」が跡地に出店することを発表していた。
セントポルタ中央町
イオン銀行看板の附近が大分フォーラス。
商店街の一等地に出店していた。

なお「オーパ」とは一号店だった「新神戸 Oriental Park Avenue」の略にちなむ。

全館「食品」-イオングループ最大級の食品館か

大分オーパは地上4階建て。コンセプトは、あたらしい“食”体験 「Wonder Food Experience」で、全館・全フロアが食品とそれに関連した売場となる。

大分オーパの完成予想図。

1階は「フードマルシェ」。2階は「フードマーケット」。3階は「フードマーケット」。4階は「フードホール/レストラン」。4階には屋外テラスも設置される。

4階 フードテラス/レストラン(食品・飲食店)
3階 フードマーケット(食品)
2階 フードマーケット(食品)
1階 フードマルシェ(生鮮食品)

館内構成(計画案)。

全館食品関連売場のオーパは史上初で、イオングループ全体においても最大級の食品館になると思われる。1階のフードマルシェは食品スーパー業態とみられるが、生鮮食品売場の運営主体はイオン九州、マックスバリュ九州のどちらになるかなどは発表されていない。
オーパは「大分の地域風土が培ってきた魅力と世界のトレンドや多様なスタイルを融合。新鮮な食材や、旬の味覚を楽しむことはもちろん、食にまつわる様々な知恵や体験を通して今までにない感動をご提供します。」としている。

70万人都市圏の中心が食品館―地元から「落胆の声」

当初は「ファッションビル」になると思われた大分オーパであるが、全館「食品」となるため、フォーラス時代よりも商圏が非常に狭いものとなることは想像に難くない。また、すぐ近くには以前から食品スーパー、百貨店もあるほか、周辺徒歩圏には複数のスーパーに加えて非常に多くの飲食店があるため、開店してすぐ厳しい競争に晒されることも確実だ。
大分フォーラスはアパレルのみならず、雑貨店やサブカル系店舗なども入居していたが、フォーラス時代にあったテナントの多くは大分市中心部から消滅してしまった。
とくにタワーレコード、島村楽器、ゴスロリ系ブランドを扱う店舗などを惜しむ声は多いが、今回の発表によりそれらの「復活」は絶望的なものとなったため「オーパやねーで大きなスーパーやん」という声も聞かれるなど「落胆の声」ばかりが目立つ結果となった。
開店まで1年を切った大分オーパ。果たして70万人都市圏の中心に相応しい店舗となるのか…勝算やいかに…。

追記:テナント一覧はこちら大分オーパ、2019年6月1日開業-旧フォーラス、食と健康を掲げた「食品館」に

外部リンク:「(仮称)大分オーパ」店舗概要決定!
関連記事:大分フォーラス、2017年2月閉店-建て替えで全面リニューアル「大分オーパ」に
関連記事:ジュンク堂書店大分店、ベスト電器大分ビルに2017年4月移転-コメダ珈琲店との複合店舗に
関連記事:JRおおいたシティ、1年間の入館者2500万人-予想の倍に

シダックス、カラオケ事業から撤退-カラオケ館に譲渡へ

カラオケ・給食事業大手の「シダックス」(渋谷区)が、長年に亘って主力事業としていたカラオケ事業から撤退し、同業大手の「カラオケ館」を運営する「B&V」(新宿区)にカラオケ子会社の株式の大部分を譲渡することを5月30日に発表した。

「レストランカラオケ」として人気、競合で赤字に

シダックスは1959年に創業、給食事業を発展させるかたちで1993年にカラオケ事業に本格参入、「レストランカラオケ」として全国に展開し人気を集めた。
しかし、近年は「パセラ」などの新たなレストランカラオケチェーンの台頭、また、比較的廉価な持ち込み可能業態である「まねきねこ」「ジャンカラ」などをはじめとした競合大手事業者との競争により業績が悪化、赤字となっていた。2016年には全店舗の約3割を閉店させたほか、旗艦店でありカラオケ店とシダックス本社、イベントホールなどが入居する「シダックスビレッジクラブ」(渋谷区)を閉鎖、その後売却していた。同館跡には現在ニトリが入居している。

営業当時のシダックス本社ビル。現在はニトリ(渋谷区)。

また、シダックスの閉鎖店舗の多くには「まねきねこ」などの競合他社が出店しており、他社にとっては事業拡大の「追い風」となっていた。

カラオケシダックス、「カラオケ館」運営企業に譲渡

シダックスはカラオケ大手「カラオケ館」などを運営するB&V(新宿区)と業務資本提携を締結、6月7日までにカラオケ事業を運営する子会社「シダックス・コミュニティー」の持ち株81%を売却し、同子会社に対する97億円分の債権も譲渡。カラオケ事業からは撤退する。
また、今回の提携により、シダックスがカラオケ館運営店舗への食材供給などをおこなうことも発表している。
今後、シダックスの残存店舗はカラオケ館の傘下の運営となり、長年親しまれた「レストランカラオケ・シダックス」の名称は将来的に消える可能性が高い。

ニュースリリース:資本業務提携締結に伴う 資本業務提携締結に伴う 提携締結に伴う債権譲渡に関するお知らせ
関連記事:ニトリ渋谷公園通り店、2017年6月30日開店-丸井・シダックス跡に「都心初」単独旗艦店

ファミリーマート、ドン・キホーテとの共同実験店舗を出店-2018年6月から3店を「ファミマドンキ」に

ファミリーマートは、ドン・キホーテとの共同実験店舗の出店を6月1日から開始する。

ファミマ+ドンキの共同店、まずは都内3店を改装

ファミリーマートとドン・キホーテの共同実験店舗第1号となるのは「ファミリーマート立川南通り店」「ファミリーマート大鳥神社前」の2店舗。6月1日に開店する。また、3号店となる「ファミリーマート世田谷鎌田三丁目店」は6月29日に開店する。
これらの店舗は看板にドン・キホーテの屋号を入れ「ファミリーマート PRODUCED BY ドン.キホーテ」とし、店内商品の半分以上をドンキ商品とする。また、全体の取扱商品数も通常店舗より大幅に増やす。

店舗イメージ。

ファミリーマートでは今回の3店舗を実験店舗と位置付けており、「ネットでは体感できないリアル店舗ならではの「お買い物の楽しさ」を追求した売場づくりを目指すとしている。
ユニー・ファミリーマートホールディングスとドンキホーテホールディングスは、2017年より資本・業務提携を締結。ユニーの総合スーパーの一部店舗をユニー・ドンキホーテに改装するなど、共同店舗の展開を開始している。

実験店舗に改装される3店舗
ファミリーマート立川南通り店(直営)

住所:東京都立川市錦町3丁目30-11
開店日:2018年6月1日(金)
売場面積:約47坪
駐車場台数:8台
免許品:酒、たばこ
取扱い商品数:約5,000種類(うち、ドン・キホーテ取扱い商品約2,800種類)
※通常の取り扱い商品の約1.7倍

ファミリーマート大鳥神社前店(直営)

住所:東京都目黒区目黒3丁目10-13
開店日:2018年6月1日(金)
売場面積:約45坪
駐車場台数:なし
免許品:酒、たばこ
取扱い商品数:約4,600種類(うち、ドン・キホーテ取扱い商品約2,700種類)
※通常の取り扱い商品の約1.5倍

ファミリーマート世田谷鎌田三丁目店(直営)

住所:東京都世田谷区鎌田3-12-16
開店日:2018年6月29日(金)(予定)
詳細:準備中(5月28日現在)

外部リンク:ファミリーマートとドン・キホーテの共同実験店舗の開始について ~リアル店舗ならではの「お買い物の楽しさ」を追求~(ファミリーマート)
関連記事:ファミリーマート、「フィットネスジム」併設店を展開へ-2018年2月から
関連記事:ドンキとユニーのダブルネーム店舗、屋号は「MEGAドン・キホーテUNY」に-2018年春から展開へ

東急グループ、タイでタワーマンションなど大型の住宅分譲事業を発表

タイにおいて不動産開発を進める東急グループ(渋谷区)は、タワーマンション建設などを含むタイ・バンコク市での大型の住宅分譲プロジェクトを5月23日に発表した。

事業説明会で手を組む東急電鉄星野取締役専務とSansiri社ウタイCOO。

東急、タイ大手と合弁でタワマンなど大型開発

今回の大型開発は、タイ大手不動産デベロッパー「Sansiri Public Company Limited」(以下、サンシリ社)と共同で進めるもの。
東急グループは2017年8月にサンシリ社の合弁で「Siri TK One Company Limited」を設立しており、分譲住宅第1弾となった「taka HAUS」(269戸、マンションタイプ)は、2017年9月の販売開始直後から高い契約数を記録、既に大半の物件が売却済だという。

“優雅で活動的な 鷹”をコンセプトに掲げた「taka HAUS」。

今回の大型開発は、分譲住宅第2弾・第3弾となるもの。いずれも図書室やジムを備える予定で、高級マンションになるとみられる。

そのうち「(仮称)エカマイ11」は地上38階建、約550戸の高層コンドミニアム(いわゆる「タワーマンション」)。
東急グループはこれまで中国、インドネシア(東急不動産)、ベトナム(東急電鉄)などでタワーマンションの分譲をおこなっているが、タイ国内では初となる。
建設予定地近隣は、高架鉄道駅や大型ファッションビル、映画館、日系スーパー(マックスバリュ、UFMフジスーパー)も多数進出するバンコク有数の商業集積地であり、都心部での最先端のライフスタイルを望む「20~30代の若年層」の入居を想定する。完成予定は2021年。

(仮称)エカマイ11の建設計画地周辺の写真。

もう1つの「(仮称)スクムビット50」は地上8階建2棟、合計約400戸の低層コンドミニアム。
コンセプトに「都市における特別な安らぎの空間」を掲げ、都心に通勤するタイ人の入居や、外国人駐在員への賃貸を目的とするタイ人・外国人投資家の購入を想定する。完成予定は2019年。

(仮称)スクムビット50の建設計画地周辺の写真。

バンコク市内では都市化による人口増加と自動車の普及により交通事情が悪化しつつあるが、両物件はともに「都心部へのアクセスが良好」であることを特長の1つとしている。
5月23日に行われた事業概要説明会において、東急電鉄星野取締役専務は新たなライフスタイルとして「職住近接」の提案を目指すことを掲げたうえで「(東急電鉄の経営理念である)美しい生活環境を実感していただけるよう引き続きサンシリ社と取り組む」と述べた。

1980年代からタイに投資してきた東急、近年は不動産も

東急グループは、タイ国内で1980年代初頭に「チョウカンチャン東急建設」「バンコク東急百貨店」を相次ぎ設立するなど、日本の鉄道会社としては非常に早い段階から様々な業種・分野での積極的な投資を続けている。
2014年には、タイ大手財閥「サハグループ」と合弁会社「サハ東急コーポレーション」を設立し、日本人駐在員家族を対象とした賃貸住宅をタイ・シラチャに開発するなど、新たに不動産事業にも乗り出していた。

日本人駐在員家族をターゲットとした「HarmoniQ Residence Sriracha」。

外部リンク:タイ・バンコクにおける「Sansiri Public Company Limited」との分譲住宅事業第2弾、第3弾プロジェクトが決定

東急グループ都市開発関連記事
関連記事:渋谷ストリーム、9月13日開業-渋谷ブリッジも秋開業、代官山まで「川と人の流れ」生み出す

関連記事:中央林間東急スクエア、3月28日開業-「中央林間とうきゅう」を業態転換、図書館も入居
関連記事:池上線五反田高架下、3月13日開業-「中目黒」に次ぐ東急の高架下開発
関連記事:東急、「グランベリーモール南町田」跡地の再開発概要を発表ー「第2のニコタマ」目指す

東南アジア関連記事
関連記事:ドンドンドンキオーチャードセントラル店、12月1日開店-ドンキ東南アジア初出店、タイ進出も発表

関連記事:ルミネシンガポール、11月25日開店-ルミネ、海外初進出
関連記事:ホーチミン高島屋、サイゴンセンターに出店-ベトナム初の日系百貨店

イオン福重店、2018年9月30日閉店-旧・ユニードダイエー福重アピロス

福岡県福岡市西区の大型ショッピングセンター「イオン福重店」が9月30日に閉店する。

イオン福重店。

旧・福重アピロス、35年の歴史に幕

イオン福重店は1983年11月に「ユニード福重アピロス」として開店。ユニードは福岡市に本社を置く大手スーパーで、1981年にダイエーグループ入りした。出店申請時はユニードとダイエーは資本提携していなかったものの、当店の出店はダイエーグループの下で行われた。
ユニードはユニードダイエーと改称したのち、1994年にダイエーと合併、当店も「ダイエー福重店」に改称された(通称として福重アピロスと呼ばれることも多かった)。
その後、2015年9月にダイエーが九州から撤退するのに伴い、イオン九州に譲渡され「イオン福重店」となった。
売場面積は15,152㎡で、売場は3階まで。建物名は「第3グリーンプラザビル」で、福岡市の中堅不動産会社「西部日本エンタープライズ」が所有する。

エントランス。

2018年現在、テナントとして書店「アシーネ」、100円ショップ「キャンドゥ」、フィットネス「カーブス」、ファストフード「マクドナルド」「ディッパーダン」などが出店。また、別棟として旧ダイエーグループのガソリンスタンド「DM Gas」も出店する。
周辺は福岡市西部の人口密集地であり、とくに食品売場の来店客は少なくなかったものの、5月現在は館内の一部が節電で薄暗く、また3階では一部の空調が故障したままとなっているなど、店舗の老朽化が進んでいた。

館内はダイエー時代からあまり改装されていない。

先述の通り、イオン九州は2015年9月に九州のダイエー店舗の多くを継承したものの閉店が相次いでおり、これまでに旧ユニード店舗のうち西新店、水巻店、銅座店を、旧ダイエー店舗のうち城野店、鹿児島谷山店を閉店している。

2017年1月に閉店したイオン城野店。

今回のイオン福重店の閉店により、僅か3年間で6店が閉店したことになる。
(撮影:@tyario_lalala

外部リンク:イオン福重店閉店についてのお知らせ
関連記事:ゆめマート福津、2018年2月22日開店-旧・ユニードダイエー・マルシェ跡

関連記事:イオン水巻店、2017年3月31日閉店-旧・ユニードダイエー水巻アピロス
関連記事:筥崎宮の大鳥居、4月末までに解体-老朽化で
関連記事:福岡パルコ、2017年冬リニューアルー進む新館の「脱商業」化、ホテル・シェアオフィスも