カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

手柄山展望台、3月25日閉館-個性的なデザインの回転展望台、52年の歴史に幕

姫路市の手柄山中央公園にある「手柄山回転展望台」が老朽化のため3月25日に閉鎖されることになった。

手柄山回転展望台。

姫路モノレールと同時期に開業

手柄山回転展望台は1966年に完成。「姫路大博覧会」の開催に合わせたもので、同年には姫路駅から手柄山まで姫路モノレールも開通している。
なお、姫路モノレールは飾磨、山陰方面などに延伸する壮大な計画があったものの、1974年に営業休止、のちに廃止されている。

展示される姫路モノレール。

老朽化で閉鎖へ-解体は未定

手柄山回転展望台のデザインはロサンゼルス国際空港の管制塔をモチーフとしており、新幹線からも見える独特のデザインは手柄山のシンボルとして52年に亘って親しまれてきたが、施設の老朽化により、3月25日を以て閉鎖されることとなった。

独特のデザインは多くの人に親しまれた。

回転展望台の内部はカフェ「手柄ポート」となっており、連日閉鎖を惜しむ多くの客が訪れている。
ある従業員は「最近はそんなにお客さんは多くなかったけど閉鎖が決まってから急に増えたのよ」と淋しげに話した。

喫茶店「手柄ポート」内。

回転展望台は役割を終えるが、解体の予定などは決まっておらず、当面は手柄山のシンボルとしてその姿を留めることになる。

外部リンク:手柄山中央公園(姫路市)
関連記事:船橋西武・小田原西武・ヤマトヤシキ姫路本店が閉店-2月28日
関連記事:MEGAドン・キホーテ姫路広畑店、2018年2月16日開店-イトーヨーカドー跡に
関連記事:旧・姫路モノレール大将軍駅、解体へ
関連記事:西友リヴィン・ザ・モール姫路、2018年5月から7月にかけて閉店-イズミが取得、「ゆめタウン姫路」秋ごろ開店

普門館、2018年12月より解体へ-杉並区の大型ホール、「吹奏楽の聖地」として有名に

杉並区の方南町駅近くにある大型ホール「普門館」が、老朽化による耐震性不足のために解体されることとなった。所有する仏教系団体「立正佼成会」が3月22日に発表した。

普門館(立正佼成会ウェブサイトより)。

「吹奏楽の聖地」だった大ホール

普門館は1970年に竣工。定員は4,702名。仏教系の宗教法人「立正佼成会」が所有する。
「普門」とは法華経の中に出てくる言葉で、すべての人に門を開くという意味だといい、宗教関連行事以外にも様々なコンサートなどに利用されてきた。

普門館ロビー、宇宙をモチーフとした照明。
(立正佼成会ウェブサイトより)

とくに、全日本吹奏楽コンクールは約40年間に亘って普門館で開催されており、「吹奏楽の聖地」として全国的に有名であった。
 
普門館大ホール(立正佼成会ウェブサイトより)。

しかし、東日本大震災後の耐震性調査では震度6以上で天井が崩落する恐れがあるとして、大ホールは2012年に使用を中止。現在、館内に教団関連施設などのみが入居している。
なお、全日本吹奏楽コンクールは2012年より名古屋国際会議場で開催されている。

「再建方針」示すも叶わず-深刻化する「ホール不足」

立正佼成会によると、現在閉館に向けて「ありがとう普門館」を実施中。
館内にある立正佼成会の施設も11月までに全て退去し、12月から解体工事が開始される予定だという。
普門館は一時は建替え方針が出されたものの、関連法規等に照らして当該地にホールを建築することは原則的に不可能であるとして解体後は緑地化されることになっており、普門館は48年の歴史に完全に幕を下ろすこととなる。

首都圏では、老朽化や耐震化、東京オリンピック対応などによる「イベント会場不足」が叫ばれているが、またしても長年に亘って親しまれた大型ホールが消滅することとなった。

外部リンク:「普門エリア整備工事」実施へ 12月から着工(立正佼成会・佼成新聞)
外部リンク:普門館大ホールの使用停止について(立正佼成会、2012年)
関連記事:日本武道館、2019年から長期休館へ-築52年で老朽化、”イベント会場不足”に拍車
関連記事:国立代々木競技場、長期閉鎖へ-耐震工事で
関連記事:中野サンプラザ、閉館へ-2025年目途に新ホール建設

関連記事:「横浜ユナイテッドアリーナ」「横浜武道館」、2024年までに開業へ-横浜文化体育館など建て替えで

ユニー・アピタ田富店、2018年9月9日閉店-増床「イオン」の影響大きく

ユニー・ファミリーマートHDは、山梨県中央市のショッピングセンター「アピタ田富店」を2018年秋に閉店させる。
追記:閉店日は9月9日となる。

アピタ田富店。

旧・田富町最大の商業施設

アピタ田富店は1998年10月開業。建物は2階建てで、売場面積は18,967㎡。建物は県内大手の不動産・リゾート開発会社「富士観光開発」が所有する。
テナントとしてはユニー直営の総合スーパーに加え、「ニトリ」、「ザ・ダイソー」、「コムサイズム」、「タカキュー」などが入居している。
旧・田富町(2006年中央市に合併)最大の商業施設で、東隣にある地元スーパー・オギノ(甲府市)運営の「オギノリバーシティショッピングセンター」(1987年開業)と共に、現在も市内屈指の商業集積を形成している。

アピタの東隣にあるオギノリバーシティ。

開業20年目に閉店-イオンなど大型店との競争激化で

テレビ山梨の報道によると、北東に約1.5㎞離れた昭和町の大型商業施設「イオンモール甲府昭和」 (2011年開業)など、近隣大型店との競争激化がアピタ閉店の原因だという。
イオンモール甲府昭和は2017年11月に増床リニューアルオープンを果たしており、店舗数と駐車場の大幅増加、有名ファッションテナントの誘致などで求心力を高めていた。

2017年秋に増床開業したイオンモール甲府昭和。

なお、アピタを運営するユニー・ファミリーマートHDは、総合スーパーを除く25の専門店について、施設の管理会社と今後の対応を検討していくといい、築19年半と建物も比較的新しいため、将来的には新たな商業施設として再生されることも考えられる。

追記:閉店日は9月9日-ニトリは営業継続

閉店日は9月9日。ニトリは営業を継続、店名を「ニトリ田富店」に変更する。

外部リンク:アピタ田富店
関連記事:オギノ湯村ショッピングセンター、2018年夏閉店-旧・山交ダイエー、老朽化で
関連記事:イオンモール甲府昭和、11月23日増床リニューアル-全館の8割を刷新

伊勢丹松戸店が閉店-2018年3月21日、43年の歴史に幕

千葉県松戸市のJR松戸駅前・伊勢丹通り商店街にある百貨店「伊勢丹松戸店」(松戸伊勢丹)が、2018年3月21日午後7時すぎに閉店し、43年の歴史に幕を下ろした。

最終営業日の伊勢丹松戸店。
屋上看板の一部には既に足場が組まれていた。

松戸市に支援打診するも失敗、結局閉店に

伊勢丹松戸店は1974年4月に開業。
地上11階、地下1階建てで、売場面積は31,268㎡。建物は投資ファンドなどが所有する。2015年度の売上高は約192億2500万円。

松戸市中心部のランドマークだった。

 三越伊勢丹は2017年に松戸店の業績低迷から直営売場を4階以下に圧縮することを発表。さらに松戸市が4階の一部を10年間、計21億円で貸借する計画であったが計画は最終段階で頓挫。
結局、2018年3月21日を以て閉店することとなった。
詳しくはこちら。

雪と雨のなかでの閉店セレモニー

最終営業日となった21日、松戸市内は早朝から雪混じりとなり天候に恵まれなかったもの、祝日だったこともあり多くの客が訪れた。
伊勢丹では14日から「ご愛顧感謝ファイナルフェスタ」を開催中。館内には「私と伊勢丹松戸店」と題した企画展示や、本物の桜の木を用いたメッセージスポットが設けられた。

賑わう最終営業日。

アトレ松戸やパチンコ店などでも伊勢丹に感謝する横断幕やポスターが設置され、松戸駅周辺は伊勢丹一色となった。

松戸駅に設置された横断幕。


チロルチョコの包み紙2294枚で作られた文字。

閉店時間が近づき、19時すぎからは閉店セレモニーが開催された。市民有志や店員も参加するお別れライブも実施され、地元アーティストによる「クロージングソング」も披露された。
店長の挨拶、そして「蛍の光」が歌われたあと、伊勢丹松戸店はその歴史に幕を下ろした。

地元アーティストと店員によるオリジナルソング披露。


閉店セレモニー、店長による挨拶。

店舗跡の活用方法などは決まっていない。

2018年、すでに5百貨店が閉店に

1月には十字屋山形店が、2月には西武百貨店船橋店、西武百貨店小田原店、ヤマトヤシキ姫路本店が閉店。松戸伊勢丹の閉店により、僅か3ヶ月の間に5つの百貨店が閉店したこととなる。
6月には名古屋市の丸榮が約400年の歴史に幕を下ろす。

閉店の経緯などについて詳しくはこちらの記事を参照:伊勢丹松戸店、2018年3月21日閉店-縮小模索も結局「閉店」に」。

外部リンク:伊勢丹松戸店
関連記事:三越伊勢丹、4店舗の百貨店閉店・業態転換・縮小など検討-建物の「完全閉鎖」は避けたい考え
関連記事:三越伊勢丹、さらに5店舗の百貨店閉店・業態転換・縮小など検討-対象は合わせて9店舗に
関連記事:船橋西武・小田原西武・ヤマトヤシキ姫路本店が閉店-2月28日 
関連記事:そごう柏店、43年の歴史に幕-9月30日、西武百貨店旭川店も閉店

フード&タイム・イセタン・ヨコハマ、2018年3月20日開店-相鉄ジョイナスに

三越伊勢丹プロパティ・デザインは、神奈川県横浜市中区の相鉄横浜駅・新相鉄ビル(ジョイナス)地階に「FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA(フード&タイム・イセタン・ヨコハマ)」を3月20日に開店させた。

フード&タイム伊勢丹・横浜。

ジョイナス地階の伊勢丹、全面改装でさらに充実

フード&タイム・イセタンが出店したのは相鉄ジョイナス地階の「クイーンズ伊勢丹横浜店」があった場所。売場面積は2,340㎡。
クイーンズ伊勢丹は2006年11月から2017年10月まで当地で営業しており、今後も核店舗として継続出店する。

クイーンズ伊勢丹横浜店。

今回の改装によりクイーンズ伊勢丹としての面積は少し狭くなり、食品グロサリーなどのみの取扱いに縮小されたものの、百貨店系らしい銘菓・銘店ゾーンが充実されている。
生鮮品売場としては、新たに「ヤオヤスイカ」「築地魚金」「千駄木腰塚 横濱精肉店」の3店舗が導入されたほか、ナチュラル・オーガニック商品を扱う「ボンラスパイユ」も出店している。

モーニングからちょい飲みまで需要満たすイートイン

館内は「クイック&イートイン」「フードマーケット(クイーンズ伊勢丹)」「カフェ&デリ プラザ」「カジュアル ダイニング」の4ゾーンで構成。細長い店舗の構造であるが、今回の改装ではそれを活かして、手前をおもにカフェと食品エリア、奥を飲食エリアへとゾーン分けしている。
店舗コンセプトは「『TIME with FOOD』 ~時を過ごす人に「食」が寄り添う~」で、ビジネスマンのモーニング、ランチからちょい飲み需要までを満たす。
飲食店の総座席数は約700席(そのうち中央に設置される共有イートインは約130席)となる。

リンガーハット ヨコハマプレミアム横浜西口店。
多くの飲食店が集積する。

「スシローコノミ」など新業態(全国初)は7店舗

総テナント数は29店舗で、そのうち、スシローの持ち帰り・イートイン業態「スシローコノミ」、カフェ「COFFEE STYLE UCC」など7店舗が新業態(全国初出店)、神戸屋のカフェスタイル「神戸屋キッチン デリ&カフェ」、たまごサンド専門店「ウフタマゴサンド」など15店舗が横浜初出店となった。
スシローの新業態「スシローコノミ」。
1貫単位で寿司を販売する。
 (60円~)

三越伊勢丹HDでは、化粧品やコスメ関連商品をおもに扱うイセタンミラーなども含めて小型店の出店を積極的におこなっており、近年は収益の柱の1つとしている。
フード&タイム・イセタン業態としては品川駅(アトレ品川)に続く出店となったが、「イートイン」「ちょい飲みバル」人気を武器に、今後もこうした業態の店舗の拡大がおこなわれるかどうか注目される。

フード&タイム・イセタン・ヨコハマ

住所:神奈川県横浜市西区南幸1-5-1
    新相鉄ビル(ジョイナス) 地下1階
営業時間:7時30分~23時 (店舗により一部異なる)

外部リンク:ジョイナス内における 三越伊勢丹グループ新規商業施設「FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA」 出店について 
関連記事:三越伊勢丹HDとイオングループ、3月からカード事業で提携へ-「ポイント相互交換」も
関連記事:フード&タイム伊勢丹、11月15日開業-アトレ品川に伊勢丹新業態
関連記事:「横浜ユナイテッドアリーナ」「横浜武道館」、2024年までに開業へ-横浜文化体育館など建て替えで

コミックとらのあな台北店、2018年3月23日開店-海外初出店

大手アニメショップ・同人誌販売店の「コミックとらのあな」を運営するユメノソラHD(本社:市川市)は、本格的海外進出の第一号店として台北駅近くに「とらのあな台北店」を3月23日に開店させる。
(「虎之穴台北店」將於2018年3月23日開店。 就此正式走向世界。)

とらのあな台北店が出店する博愛公元ビル。
3月18日撮影、まだ看板は設置されていなかった。

「とらのあな」海外初は台北-近くにアニメイト・らしんばん

とらのあなは1994年に秋葉原で創業。とくに同人誌販売では国内大手で、2018年現在は札幌市から福岡市まで全国主要都市に出店している。
海外初出店となるのは、台北市中正区の台北駅近くの商業ビル2階。電気街として知られる西門町からも歩いてすぐの場所だ。店舗面積は約168坪。
すぐそばの台湾製糖会館ビルには「アニメイト台北総店」、「らしんばん台北西門店」があり、とらのあなもこの2社に続いての台湾進出となった。

アニメイト台北総店。

ユメノソラHDは、台北店を「本格的海外進出」の1号店としており、近い将来にはさらなる海外店舗の出店も考えられる。
とらのあなは、このほか近く町田市に再出店する方針を示しているほか、名古屋・大須への出店計画を明らかにしている。

 虎之穴台北店

 住所: 台北市中正區漢口街1段85號 博愛公元大樓2F
 営業時間:12:00~22:00

外部リンク:虎之穴台北店
関連記事:丸井、2018年春から「テニプリ」と提携-「女性向けアニメコラボ」強化するエポスカード
関連記事:「ハレザ池袋」内に「ニコファーレ池袋」、2019年春開業-進む旧豊島区役所・公会堂跡再開発
関連記事:太平洋そごう、9月から屋号を「遠東そごう」に-開店30周年記念セールも開催

日本トイザらス、事業継続と新規出店計画を発表-米トイザらス全店閉鎖を受けて

おもちゃ販売世界最大手の「トイザらス」を運営するToys “R” Us, Inc.の日本法人「日本トイザらス」は、アメリカ・トイザらス社が米国・英国内の全店舗を閉鎖すると発表したことを受け、今後の事業継続と新規出店計画などを3月15日発表した。

日本トイザらスの公式サイト。

日本法人は「香港法人との合弁会社」傘下に移行

トイザらスは1948年に米ワシントンで創業した世界最大手のおもちゃ販売チェーン。
日本法人「日本トイザらス」は1989年に日本マクドナルド主導で設立、1991年に1号店を出店。現在の「日本トイザらス」は米法人による運営となっており、2017年時点で島根県を除く46都道府県に出店している。
日本国内ではネット通販や家電量販店との競合に対応すべく、2007年以降、主力の大型店舗をベビー用品売場を強化した「トイザらス・ベビーザらス」併設店舗に転換している。また、2017年からは1,000㎡前後の小型店舗の開設を進めるなど、継続的な新規出店をおこなっている。

現在の主力業態「トイザらス・ベビーザらス」の店舗。

今回の発表は、米国法人運営全店舗の閉鎖決定を受けてのもの。
米国法人は2017年9月、日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条の適用を申請、事実上経営破綻していた。当初は同法のもと経営再建を目指していたが、2018年3月に全店閉鎖を決定するに至った。
日本法人は2017年4月以降、香港法人の「トイザらス・アジア・リミテッド」(米国法人85%、香港ファン・リテーリング15%出資)傘下に移行しており、2018年4月下旬の「トイザらス広島西風新都店」(イオンモール・THE OUTLETS HIROSHIMA内)、6月下旬の「トイザらス富士見店(仮称)」、9月下旬の「トイザらス名古屋港明店(仮称)」(ららぽーと名古屋みなとアクルス内)への新規出店についても、米国法人破綻の影響なく行われる見込みだ。

タワーレコードも創業の地である米国からは全面撤退している。
日本法人はセブン&アイとNTTドコモの共同出資で存続中。

トイザらス創業者、3月22日に死去

なお、米トイザらスの創業者、チャールズ・ラザルス氏が3月22日に死去した。94歳だった。
ラザラス氏は25歳のときにおもちゃ店「トイザらス」(のちの「Toys “R” Us, Inc.」)を立ち上げた。

外部リンク:米国トイザらスの事業から撤退後も日本トイザらスは今後も変わらず継続して参ります。
関連記事:米トイザらス、連邦破産法適用を申請-9月18日に、日本法人への影響は今のところなし
関連記事:日本マクドナルドHD株式の大部分、米マクドナルド社が売却へ
関連記事:オールドネイビー、1月22日に日本撤退-GAP姉妹ブランド、全店閉鎖に
関連記事:ブルーボトルコーヒー、ネスレの傘下に-店舗展開加速へ

新光三越新竹店、2018年3月31日閉店-ビッグシティ(そごう)は増床へ

台湾・新竹市中心部の中華路にある「新光三越百貨新竹中華店」(新竹店)が3月31日に閉店する。その一方で、ライバルの「遠東ビッグシティ」(核店舗:そごう)は2018年内の増床を発表している。
(新光三越新竹店、2018年3月31日結束營業。遠東巨城購物中心(SOGO)、2018年將擴大營業面積。)

競合激しい新竹、僅か18年で閉店に

新光三越百貨新竹中華店(新竹店)は2000年に開業。
建物は地上8階、地下1階で、シティホテルのアンバサダーホテルと繋がっている。

新光三越新竹店(公式サイトより)。

新竹市は台湾のシリコンバレーとして知られ発展を遂げている都市だが、三越は好立地の競合店との競争に敗れて僅か18年での撤退となってしまった。
三越のライバルであるそごう2店舗はいずれも三越から歩いて10数分の距離にある。
地元紙によると、新光三越は将来的な再出店も検討しているという。

ライバル・そごう、ビックシティ店を増床へ

三越は台湾の大手百貨店で、世代を問わず大きな人気を集めているが、新竹からの撤退は競合関係にある「遠東ビッグシティ」(遠東そごう新竹店ビッグシティ館遠東巨城購物中心)の存在が大きい。

遠東ビッグシティ(遠東そごう)。撮影:地理人研究所

ビッグシティは新竹駅から2kmほどの場所にあるショッピングセンターで、遠東グループが運営。営業面積は約22万㎡。
もともと建物は2003年に総合スーパー「ジャスコ」と百貨店「松屋」を核にベスト電器、トイザらスなどが出店する「新竹風城」として建てられたものだが、経営難から2006年に大半が閉店。その後、台湾で「そごう」などをFC運営する遠東グループに売却され、2013年にそごうを核とした郊外型百貨店へと生まれ変わった。
2018年現在、専門店街にはテナントとしてユニクロ、GU、ニトリ、無印良品、ダイソーなどが出店しており、新竹最大の日系百貨店となっている。なお、建物には宿泊施設(ホテル)が併設されているものの、2018年現在は閉鎖されている。

地元紙によると新竹ビッグシティの年商は約420億円で、遠東グループは2018年にも同店を約8000㎡ほど増床させる予定。
新竹駅前には遠東そごうがもう1店舗出店しており、そごうは駅前、郊外の2つの商業拠点を押さえたことになる。

遠東そごう新竹店・駅前館。

新竹市の百貨店はそごう2店舗のみとなる。

外部リンク:新光三越新竹中華店
外部リンク:遠東SOGO新竹店Big City館
関連記事:ベスト電器、台湾から撤退-2017年末で、残る海外店舗は3ヶ国に
関連記事:太平洋そごう、9月から屋号を「遠東そごう」に-開店30周年記念セールも開催
関連記事:台湾・遠東グループ(太平洋そごう等)、訪日客向け「Tカード」発行-6月8日から
関連記事:ジョイフル、台湾初出店-5年間で100店舗目指す

生駒ロフト、2018年3月16日開店-奈良県に半年ぶり復活、改装進める近鉄百貨店生駒店に

近鉄生駒駅前(奈良県生駒市)にある百貨店「近鉄百貨店生駒店」の5階に、大型雑貨店「生駒ロフト」が2018年3月16日に開店する。

近鉄百貨店生駒店。

ロフト、奈良県内に半年ぶりの復活

生駒ロフトの売場面積は約791㎡。「コンパクトなスタンダードタイプの店舗」として文具雑貨、健康雑貨、バラエティ雑貨、生活雑貨18,400アイテムを揃える。

開店告知ポスター(ロフト公式サイトより)。

ロフトは「イトーヨーカドー奈良店」(奈良市、旧奈良そごう)に奈良県内1号店を2010年に出店したが、ヨーカドーの閉店に伴い2017年9月に撤退した。
生駒ロフトの出店により、半年ぶりに奈良県内にロフトが復活することとなった。
奈良県唯一のロフトが出店していたイトーヨーカドー奈良店。

生駒ロフトでは開店記念企画として、4月8日まで「ディック・ブルーナグッズコレクション」や「ろ朱印ラリー」といったイベントが開催される。

有力ブランド導入で集客力向上目指す近鉄百貨店

近鉄百貨店生駒店は2017年以降、1階食品フロアへの「成城石井」(近鉄百貨店によるFC店舗)導入や5階専門店フロアのテナント大幅入替など、店舗の大規模リニューアルに取り組んでいる。今回のロフト導入も、店舗改装計画の一環として行われたものと見られる。
近鉄百貨店は「成城石井」「東急ハンズ」「OWNDAYS」「タリーズコーヒー」といった、有力ブランドへのFC加盟による百貨店事業強化を目指しており、今後も各店舗でこうした改装を進めていくことが予想される。

外部リンク:生駒ロフト
外部リンク:生駒店 – 近鉄百貨店
関連記事:旧・奈良監獄、7月15・16日に最後の見学会-2020年の「ホテル化」目指す
関連記事:イトーヨーカドー奈良店、9月10日閉店-旧・奈良そごう、2018年春の再生目指す
関連記事:東急ハンズ奈良店、4月27日開店

池上線五反田高架下、2018年3月13日開業-「中目黒」に次ぐ東急の高架下開発

東急池上線五反田駅〜大崎広小路駅の高架下に、商業施設「池上線五反田高架下」が3月13日に開業した。
池上線五反田高架下。

五反田〜大崎広小路の高架下、13店舗で構成

池上線五反田高架下は、東急電鉄が池上線五反田駅〜大崎広小路駅の高架下約230mを開発した商業施設。施設は大崎広小路駅寄りに新設された5店舗と、中間にある7店舗の飲食街「五反田桜小路」(2012年開業)、五反田駅寄りにある「ラーメン魁力屋」(2015年開業)を合わせた計13店舗で構成される。
東急電鉄は近年、自社路線の高架下スペースの開発に力を入れており、2016年11月には東横線中目黒駅〜祐天寺駅に商業施設「中目黒高架下」を開業させた。

複合サイクルショップなど5店舗が新規出店

新設店舗の核となる「STYLE-B」は、自転車販売をはじめ、シャワー付き室内駐輪場、コインランドリー、ドーナツ専門店「DOUGHNUT PLANT」、「旬八青果店」とコラボしたカフェスペースなど、様々な機能を内包した複合サイクルショップとなっている。
STYLE-Bに出店するドーナツ専門店。

そのほかにも、作りたてのベルギービールが味わえる「RIO BREWING&CO.東京醸造所」、熟成肉のレストラン「BUTCHER NYC UNITED」、シチリアのB級グルメと地中海の島ワインを提供する「Tevola Caleb Peri Peri」、池袋で人気のやきとん、もつ焼き店「木々屋」の計5店が新規出店した。
新設された飲食店で食事をする人々。

また、既存の高架下横丁「五反田桜小路」では、お笑いコンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之氏が経営するたこ焼き屋「みやたこです。」含む7店舗が外観をリニューアルする。

池上線五反田高架下

住所:東京都品川区西五反田1丁目22番4号ほか
営業時間:店舗による

ニュースリリース:2018年3月13日、池上線 五反田~大崎広小路駅の高架下に新たな店舗が誕生(東急電鉄公式サイト)
関連記事:中目黒高架下、11月22日開業-蔦屋書店など28店舗が集う“高架下商店街”
関連記事:東急、「グランベリーモール南町田」跡地の再開発概要を発表ー「第2のニコタマ」目指す
関連記事:武蔵小杉東急ストア、2018年2月28日閉店-東急ストア1号店、耐震工事で