カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

NPCインターナショナル、2020年7月1日倒産-ピザハット・ウエンディーズFC運営大手、営業は継続

米国などで多くの「ピザハット」や一部の「ウェンディーズ」などをFC展開する大手飲食店運営企業「NPCインターナショナル(NPC International)」(アメリカ・カンザス州)が2020年7月1日にアメリカ連邦破産法11条の適用を申請し、倒産した。
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日本のピザハット。

アメリア最大級の飲食フランチャイジー、コロナで破産

NPCインターナショナルは1962年創業で、米国の多くのピザハットや一部のウエンディーズを運営する。
2006年にメリルリンチ系に、2008年にバンクオブアメリカ系に、2011年にはオリンパスパートナーズに買収されるなど、資本関係が次々と変わっていた。その間に経営規模を拡大し、アメリカ最大級のトップメガフランチャイジーとなった。
経営破綻は新型コロナウイルス感染拡大の影響とみられる。
同社が運営する店舗の多くは今後も営業を継続し、経営再建をめざすとしている。

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青海に大型アリーナ、2025年夏開業-パレットタウン・Zepp Tokyoなど閉館へ

森ビルとトヨタグループの東和不動産などは、東京都江東区青海の複合施設「パレットタウン」を2022年度ごろまでに閉館し、2025年夏を目途に大型アリーナを中核施設とする新たな複合商業施設を開業させる。

パレットタウン。
左からメガウェブ、Zepp、レジャーランド(現チームラボ)。

「都市博」跡-再開発が決まっていたパレットタウン

パレットタウンは1999年に開業。もともとこの地は1996年に開催されることが決まっていた世界都市博覧会の予定地だったが、博覧会の開催に反対する青島幸男氏が都知事に当選したことにともない開会直前に中止となったため、空き地となっていた。
そのため、トヨタグループの東和不動産と森ビルが東京都から土地を借り受け建設したのがパレットタウンであった。敷地面積は79,295㎡。

中核施設のヴィーナスフォート。

パレットタウンはショッピングセンター(一部アウトレットモール)の「ヴィーナスフォート」を核に、トヨタの資料館「メガウェブ トヨタ シティ ショウケース」を核とした「メガウェブ」、ライブハウス「Zepp Tokyo」、アミューズメント施設「チームラボプラネッツ TOKYO」(ネオジオワールド・東京レジャーランド跡)、大観覧車などで構成される。
お台場という立地から数多くのドラマやアニメ作品の舞台となっており、近年は「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の舞台としても知られるほか、館内では多くのアーティスト・アイドルなどのイベントも行われるため、まれに「間違えて青梅に行く」出演者が現れることも恒例となっていた。

チームラボと大観覧車。

一方で、トヨタグループと森ビルは近い将来の大型再開発を見越して、借地権が切れる前の2008年に東京都から同地の土地を取得。当初、再開発は2013年ごろに完了するとされていたものの、リーマンショックなどの影響で延期されていた。
再開発に伴い、Zeppは代替施設として2012年に開業した三井不動産グループの複合商業施設「ダイバーシティ東京」に「Zepp DiverCity TOKYO」を開業、さらに2020年中には羽田空港近くに「Zepp Haneda」を開業させるなど、準備が進められていた。
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ダイバーシティ東京。

さらに、2020年3月には新たな大型アリーナ建設の具体案についても発表されていた。

1万人規模のアリーナに-Zeppなど2022年度迄に閉館

再開発後に建設される施設の核となる大型多目的アリーナの延床面積は約37,000 ㎡。
収容人員はスポーツで約10,000席、ライブなどイベント等では約 10,000〜13,000席とする計画となっている。

アリーナ完成予想図(東和不動産)。
2020年時点で名称は発表されていないが、イラストには「トヨタアリーナ」の看板が掲げられている。


アリーナ内観(東和不動産)。

さらに、アリーナにはヴィーナスフォートに変わる新たな商業施設も併設される計画だという。
今回の再開発にもトヨタグループが関わっており、同社の博物館機能の存続も予想される。

トヨタの資料館「メガウェブ トヨタ シティ ショウケース」。

再開発は2023年春ごろに着工し、2025年6月ごろの完成を見込む。
そのため、ヴィーナスフォートやZepp Tokyoなどは遅くとも2022年度中に閉店・閉館するとみられる。

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とらのあな福岡店・とらのあな新潟店、2020年7月31日閉店-新潟・九州から完全撤退

秋葉原に本社・本店を置く大手漫画・同人誌専門店「虎の穴(コミックとらのあな)」は、福岡県福岡市中央区の「とらのあな福岡店」と新潟県新潟市中央区の「とらのあな新潟店」を2020年7月31日をもって閉店する。

とらのあな福岡店。

北天神のとら、17年の歴史に幕-九州から完全撤退

とらのあな福岡店は、ダイエーショッパーズ福岡店本館(当時)裏の雑居ビル1~2階に2003年2月に開店。2006年10月に現在の河村天神荘ビル3階に移転した。2020年現在は同社日本最西端、九州唯一の店舗となっている。なお、同じビルの4階にはアニメグッズ・タペストリー専門店の軸中心派も出店する。

とらのあな福岡店。

とらのあな福岡店が出店する北天神は、2000年3月の大手漫画古書店「まんだらけ福岡本店」開店を皮切りに、ボークスやジーストアといった模型・グッズ専門店、メロンブックスや明輝堂など漫画・同人誌専門店、メイドカフェなどが相次ぎ出店するなど、長らく“サブカルの聖地”であった。

かつての北天神。

しかし、2011年4月のまんだらけ移転以降、アニメショップ「アニメイト」やアニメイト系の大手漫画・同人誌専門店「メロンブックス福岡店」が天神の大型商業ビル内に移転するなど、サブカル系店舗の「駅チカ」シフトが進んでいた。

新潟店、11月に移転・2月に改装したばかりだった

とらのあな新潟店は、2010年12月に新潟万代東宝プラザ(現在は閉館)を核とする商業施設として開業した万代シネモールビル3階に開店。2019年11月には新潟駅近くビルへと移転したばかりであった。 
とらのあな新潟店・新店舗(公式サイトより)。

2020年2月には店内商品の半数超を女性向けに刷新するなど、競合関係にあるメロンブックスとの差別化を図ったとみられる改装をおこなったばかりだったが、移転・改装直後の閉店ととなってしまった。

とらのあな、実店舗の縮小つづく-コロナも影響か

とらのあなは2020年7月現在、両店舗の閉店理由について詳細を発表していない。
とらのあなは2019年には大須店・湘南藤沢店・宇都宮店2020年2月には立川店6月には三宮店・静岡店をそれぞれ閉店
さらに地方店舗を中心に大規模な店舗整理・定休日新設を含む営業時間の短縮を相次ぎ打ち出すなど、実店舗の縮小が続いている。
こうした経営規模の縮小は、ネット通販の拡大に加えて新型コロナウイルスの感染拡大やそれに伴うコミケの中止なども影響していると考えられ、今後もさらなる実店舗縮小が続く可能性もあろう。
同社の地方店舗(東名阪の3大都市圏周辺を除く)は札幌・仙台・岡山・広島・台北のみとなる。

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棒二森屋函館空港店、2020年6月30日閉店-棒二森屋「完全消滅」

北海道函館市の函館空港国内線旅客ターミナルビル2階で営業する「棒二森屋函館空港店」が2020年6月30日をもって閉店する。
現在、店舗では30日まで閉店セールがおこなわれている。

閉店直前の棒二森屋函館空港店。

函館の名門百貨店だった「棒二森屋」

棒二森屋の前身となる「金森森屋洋物店」は1869年に、「棒二荻野呉服店」は1882年に創業。両社の合併に伴い1936年に現在の屋号に改称、1937年には函館駅前に百貨店本館を建設した。

解体される予定の棒二森屋。

棒二森屋は、1981年に大手流通グループのダイエー傘下となったが、経営悪化を理由とする運営会社再編の一環として1994年2月にダイエー系の「アドバンスド・デパートメントストアーズ・オブ・ジャパン(ADS)」に運営を移行したため法人格が消滅。2005年9月からは同じくダイエー系の「中合」運営店舗となった。
その後も、ダイエーグループの百貨店として生き残りを図ったが、建物の老朽化のためイオングループ等が再開発をおこなうことになり、2019年1月をもって棒二森屋本館を閉店。同年2月には棒二森屋アネックス館が「函館駅前ビル」としてリニューアルを実施したため、函館駅前から棒二森屋が消滅することとなった。

新型コロナで休業続いていた函館空港唯一の百貨店

棒二森屋函館空港店は1971年9月に開店。函館空港新・国内線旅客ターミナルの第1期開業に合わせて2003年12月に移転リニューアルを実施した。
2019年1月の百貨店本館閉店後も、中合運営のもと従来通りの屋号・制服・包装紙・サービスを維持しており、棒二森屋の屋号で営業を続ける唯一の店舗となっていた。

閉店告知。

しかし、2020年4月25日に新型コロナによる臨時休業。28日には新型コロナウイルス感染症による空港利用客減少を理由として6月中の閉店を発表していた。
再就役行日近くの店内は、商品は残り少なくなっていたものの、貴重な「ボーニ」の紙袋に商品を包んでもらうために商品を購入しに来たとみられる客もみられた。その一方で、新型コロナウイルスの感染拡大もあり空港利用客自体が少なかったこともあり、静かな閉幕となった。

飛び地解消や中合の百貨店事業廃業も理由か

棒二森屋函館空港店を運営する中合は、ダイエーの百貨店事業中核子会社となった2005年当時、東北・北海道で百貨店5ブランドを展開していた。
しかし、同社は2012年に山形県酒田市の清水屋を地元企業に売却、2018年1月に山形市の十字屋山形店を閉店2019年11月には青森県八戸市の三春屋をやまきに売却したため、2020年6月現在の店舗網は福島県内中合2店舗(会津サテライト含む)と北海道函館空港の空港売店1店舗のみという状態となっていた。このため、函館空港店の閉鎖には経営効率の低い“飛び地店舗”解消という狙いもあった。
同社は2020年5月に福島県内中合2店舗を8月までに閉店する方針を発表しており、これにより同社の全店舗が消滅する。
(写真撮影:文鉄・お札とコインの資料館

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JR九州、2020年7月1日から激安フリーパス「みんなの九州きっぷ」発売-JR各社に先駆けて

JR九州(本社:福岡県福岡市)は、2020年7月1日から格安のフリーパス「みんなの九州きっぷ」を期間限定で発売する。

JR博多駅。

コロナ禍後のフリーパス、JR各社に先駆けて発売

「みんなの九州きっぷ」は、土日祝日の2日間(男性60歳・女性50歳以上を中心とした「ハロー自由時間クラブ」会員は平日も利用可能)に、指定エリアの九州新幹線・特急列車の普通車自由席が乗り放題となるフリーきっぷ。普通車指定席も6回利用できる。
販売されるのは以下の2種類。
(熊本地震で不通となっているJR豊肥本線は8月8日に再開通予定)

  • みんなの九州きっぷ全九州エリア版
    :大人10,000円・こども2,000円
    :JR九州全線(在来線・九州新幹線)で利用可能
  • みんなの九州きっぷ北部九州エリア版
    :大人5,000円・こども1,000円
    :大分・熊本駅以北/豊肥線・三角線含む(在来線・九州新幹線)で利用可能

利用期間は2020年7月11日(土)から9月27日(日)の土日祝日、発売期間は2020年7月1日(水)から9月23日(水)まで。
切符はおもにネット販売限定で、「JR九州インターネット列車予約」のほか、JR西日本「e5489(イーゴヨヤク)」でも販売する。
このほか、JR九州旅行の窓口や主な旅行会社(九州・西日本エリア)では、宿泊旅行商品などとセットでの販売もおこなうとしている。
なお、いずれも利用日の1カ月前から3日前の23時までに予約・決済を行わなければならない。

JRホテルブラッサム大分。

JR各社は新型コロナウイルスの感染拡大により利用者が大幅に減っているが、こうした本格的な利用促進策は各社に先駆けたものとなる。
感染者が減った地域では、今後もこうした格安きっぷの発売による地用促進が行われることになろう。

九州新幹線800系(自由席)。

追記:12月まで延長発売される。

追記:JR四国も「四国満喫きっぷ」割引へ

JR四国も7月1日より従来の「四国満喫きっぷ」より安い「四国満喫きっぷスペシャル」を発売する。
こちらはみどりの窓口販売8,000円、WEB販売8,500円。
土休日を1日以上含む連続した3日間、JR四国全線の特急・普通列車自由席が利用できるフリーきっぷ。土佐くろしお鉄道、阿佐海岸鉄道、一部のJR四国バスも利用可能となる。
発売期間は2020年7月1日から9月27日まで、利用は9月29日までとなる。

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イトーチェーンフーズガーデンゆりあげ食彩館、2020年7月1日開業-名取市閖上初のショッピングセンターに

宮城県名取市閖上地区まちなか再生計画区域に、アークスグループの「伊藤チェーン」が運営・開発する地域密着型ショッピングセンター「イトーチェーンフーズガーデンゆりあげ食彩館」が2020年7月1日午前9時に開業する。

伊藤チェーン、アークス傘下入り後初となる新規出店

イトーチェーンフーズガーデンゆりあげ食彩館は、東日本大震災復興整備計画の一環として「閖上地区まちなか再生計画区域」内に出店するもので、建物は平屋建、売場面積は4,313㎡(直営3,033㎡、テナント1,280㎡)。
同社食彩館業態としては玉浦に次ぎ2店舗目、アークスグループ傘下となってから初の新規出店となる。

イトーチェーンフーズガーデンゆりあげ食彩館。

フーズガーデンゆりあげ食彩館は「生鮮食品強化型スーパー」として、直営食品売場では宮城県南地域最大級となる農産コーナー(330㎡)や同社初となる地元漁師持ち込みの魚介類を展示するスカイタンクコーナー(生け簀)を導入する。

農産コーナー。

また、店内フードコート「閖上マリンキッチン」では、海鮮マグロ丼や天ぷらうどん・そば、牛タンカレーなどを販売するほか、地域のコミュニティ会場としての貸出しも実施。「名取市PRコーナー」では、行政・イベント情報発信に加え、社会福祉施設入所者による手作りクッキーや工芸品などの販売も行うなど、食材のテーマパークをめざすとしている。

閖上マリンキッチン。

そのほか、テナントとしてドラッグストア「マツモトキヨシ」や100円ショップ「Seria」、「東園生花」といった専門店も出店する。

閖上地区の復興、大型食品スーパー出店で加速なるか

フーズガーデンゆりあげ食彩館が出店する閖上地区は、2011年3月に発生した東日本大震災で甚大な津波被害を受けたため、復興計画策定に向けた合意形成が難航するなど、都市基盤整備の遅れが目立っていた。
2013年12月にはカナダ政府からの寄付により建設された「ゆりあげ港朝市メイプル館」が開業、2019年4月には地元主導の商業施設「かわまちてらす閖上」が開業するなど、各種物販店舗や飲食店が入居する施設が相次ぎ開業したが、生鮮3品をフルラインで取扱う食品スーパーが震災を機に消滅したため、スーパーの誘致がを求める声が根強くあった。
ゆりあげ食彩館の開業によって地区内でのワンストップショッピングが可能となり、復興への弾みがつくことが期待される。

イトーチェーンフーズガーデンゆりあげ食彩館

住所:宮城県名取市閖上字昭和33番地(E-37-1街区1画地)
営業時間:9時30分~21時

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高島屋、岡山高島屋を2020年7月1日に完全子会社化-両備グループとの合弁解消へ

大手百貨店「高島屋」は、岡山地盤の公共交通・流通グループ「両備ホールディングス」との合弁会社「岡山高島屋」(岡山県岡山市北区)を2020年7月1日付で完全子会社化する方針を2020年6月26日に正式決定した。

岡山高島屋。

岡山高島屋、高島屋完全子会社に

岡山高島屋は1973年5月に「高島屋岡山店」として開業。本館は地上8階地下2階建、東館は地上4階地下2階建で、売場面積は21,575㎡。本館(日本生命岡山駅前ビル)は高島屋日本橋店増築部やそごう大阪店(現在は解体)を手掛けた村野藤吾が設計に携わっており、現在に至るまで高島屋と縁が深い日本生命が建物を所有している。
岡山高島屋は2004年4月に会社分割で現法人が設立、2010年に両備HDが株式の33.4%を取得する合弁会社となった。
両備グループ系百貨店となった翌年の2011年4月には両備グループ共通ポイントカード「たまルン」を導入、2012年からは全館リニューアルを実施、2014年12月には至近距離に開業したイオンモール岡山に食品を中心とした「高島屋フードメゾン」を出店するなど“攻めの経営”を続けている。

高島屋フードメゾンイオンモール岡山店。

なお、両備グループは高島屋岡山店開業初期から8階レストラン「ファミリーローズ」の委託運営を行うなど、子会社(サルボ両備)を通じて資本業務提携以前から結びつきがあった。

高島屋と両備、今後も“友好関係”を維持

高島屋は、岡山高島屋完全子会社化の目的を「両備HDとの友好を維持しながら、新たなステージでグループシナジーを追求し、さらなる成長につなげていくため」としており、今後も両備HDとは施設運営・サービス事業や店舗売上確保に向けた相互連携から、物流業務をはじめとする後方業務の委託まで提携を引き続き強化すると述べている。また、たまルンについても今後も利用することができる。

協力関係は維持される(写真は公式サイトより)。

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イズミヤカナートモール浜田町、2020年6月30日閉店-まるとく市場核のショッピングセンター、19年で営業終了

兵庫県尼崎市の地域密着型ショッピングセンター「イズミヤカナートモール浜田町」が、2020年6月30日をもって閉店する。

まるとく市場浜田町店。(公式サイトより)

新形態のカナートモールとして開業した浜田町店

イズミヤカナートモール浜田町は2000年12月に開業。建物は地上2階建、店舗面積は1,498㎡。
開業当初は、同社初となるデイリーカナート屋号の総合スーパー「デイリーカナートイズミヤ浜田町店」を核に、マクドナルドやクリニックモール、美容院、保育園、クリーニング店といったテナントが出店していたが、2008年には1階を食品ディスカウント「まるとく市場浜田町店」に業態転換、2階に音通の100円ショップ「フレッツ 尼崎浜田店」を導入するなど、低価格路線の商業施設として大規模リニューアルを実施していた。
カナートモールでは、2020年3月にフレッツが閉店しているため、イズミヤ直営売場の閉店により施設の大部分が空き床となる。

イズミヤは2020年6月現在、跡地の活用方法を発表していないが、築年数が20年未満と比較的浅いため、新たな食品スーパーが後継店舗として出店する可能性がある。

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ミトワみしま、2020年6月30日開業-三島駅前再開発、東急グループの複合商業施設に

静岡県三島市のJR東海・伊豆箱根鉄道三島駅前に、東急グループの複合施設「東急三島駅前ビル・ミトワみしま」が2020年6月30日に開業する。

東急三島駅前ビル。

三島駅前にショッピングとホテルの複合施設

東急三島駅前ビルは、三島市が主導する「三島駅南口西街区再開発事業(西街区・広域観光交流拠点)」の一環として整備が行われていたもので、建物は地上14階建、商業フロアは1~2階、敷地面積は約3,400㎡、店舗面積は約900㎡。
ミトワみしまの施設名称は、三島の湧水をモチーフに「み(水の都)」と「わ(和・輪)」をつなげた造語で、コンセプトに「三島周辺のいいもの・美味しいものでおもてなしする」を掲げ、沼津市に本社を構える地場飲食大手・セントリングスの「ワイン食堂VINSENT」や沼津市の鰻問屋・京丸うなぎが手掛ける「日本料理寿司・うなぎ処 京丸」、沼津市の老舗水産グループ・サスヨの特産品販売店「ふじのくにさすよ」、スペシャリティコーヒーショップ「タリーズコーヒー」といった沼津の人気店が出店。東急グループの会員制サテライトシェアオフィス「New Work 三島」も併設する。
ミトワみしま。

また、高層階には東急ホテルズの「富士山三島東急ホテル」(客室195室、ホテル面積10,563㎡)が出店。伊豆箱根鉄道三島駅と連絡通路を新たに設置するなど、地域商店街までのアクセスを整備し、地域にさらなる賑わいを創出するとしている。
富士山三島東急ホテルの展望温浴施設。

ミトワみしま

住所:静岡県三島市一番町17-1
営業時間:7時~24時

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ジュンク堂書店福岡本店、2020年6月30日閉店ーMMT再開発で、西通りに仮店舗開設

福岡県福岡市中央区天神の西鉄福岡(天神)駅、地下鉄天神駅近くにある複合商業ビル「メディアモール天神」(MMT)が再開発のため近く閉鎖されることにともない「ジュンク堂書店福岡本店」(淳久堂書店)が2020年6月30日に閉店する。

MMTビル。

かつては数年おきに店舗が変わっていたMMT

メディアモール天神は1979年に東急不動産グループの複合商業施設として開業。建物は地上9階地下3階建。開業当初は低層階(地階~地上4階)に東急不動産の「天神東急プラザ」が、高層階(5~9階)に東急ホテルチェーンの「天神東急ホテル」が出店したが、東急プラザは数年で閉店。その後は「ソロンコーポレーション」により「マルチマート天神(MMT)」として営業再開するもこちらも数年で閉店、その後は「ベスト電器」が福岡本店建替え期間中の仮店舗として使用したのち1997年からはマイカルグループのファッションビル「天神ビブレ」の女子中高大生をターゲットとした別館「天神ビブレ2」となったが同社の経営破綻を受けて2001年2月に閉店、さらに同時期に東急ホテルチェーンが撤退したことで建物全館が閉館状態となった。
その後、2001年11月には低層階が関西地盤の大手書店「ジュンク堂書店(淳久堂書店)」に、高層階に専門学校「ヒューマン・アカデミー」などが入居する「メディアモール天神(MMT)」となった。ジュンク堂書店は、当時日本最大級の面積の書店であった。2016年にはキャナルシティ博多などを運営するディベロッパー「福岡地所」が建物を取得していた。

天神ビブレとMMTビル。

数年おきに核テナントが変わったMMTであったが、ジュンク堂書店はこれらの核テナントのなかで最も長く営業することとなった。
サイゼリヤなどMMTビルの他のテナントは当面営業を続けるものの、夏ごろまでに順次閉店するものと思われる。

閉店のお知らせ。

再開発で建替えへ-ジュンク堂書店は再出店予定

天神エリアでは、福岡市が「天神ビッグバン」と称して高さ制限や容積率の規制緩和による民間再開発促進事業を推進しており、2024年を目処に天神ビブレと同じ区画内にある「福岡ビル」(2019年3月閉館)及び「天神コア」「天神ビブレ」(2020年3月)の跡地にオフィスやハイクオリティホテルを備えた西鉄グループの複合商業施設(地上19階地下4階建、延床面積約100,000㎡、高さ約96m)が開業を予定している。

福岡ビル・天神コア跡地に建設予定の建物イメージ。

MMTビルの建て替えもこれに伴うもので、建物隣接地(新生飯店・楽天地など)を含めてMMTビルを所有する福岡地所が再開発をおこなう。また、2021年に閉館する予定の、隣接する福岡市役所北別館との一体開発も検討されている。

手前から福岡市役所北別館・MMT・ビブレ。

新ビルは福岡ビル・天神コア跡と同様に19階建て規模となる予定で、2024年ごろの竣工を見込む。下層階には核テナントっとして「ジュンク堂書店」が再出店し、高層階はオフィスなどとする計画だという。

ジュンク堂書店、西通りに仮店舗

ジュンク堂書店は、天神西通りにある「天神西通りスクエア」にあった経営破綻したファストファッション店「フォーエバー21福岡天神店」跡に仮店舗を出店する。
店舗面積は現在の3分の1程度になるという。
ジュンク堂書店が出店した当時、福岡市天神エリアには紀伊國屋書店、福家書店、丸善、リブロなど多くの大手書店が軒を連ねており「日本有数の大型書店激戦区」となっていたが、近年は撤退が相次いでおり、仮店舗の開設を望む声が多くあった。
仮店舗は2020年8月上旬に開業する予定であるという。

FOREVER21跡。

ジュンク堂書店福岡本店(仮店舗)

住所:福岡県福岡市中央区大名1丁目15−1
営業時間:未定

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