カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

有明ガーデン、2020年6月17日開業-ビッグサイト徒歩圏の大型開発、「イオン」「東京ガーデンシアター」などを核に

東京都江東区のゆりかもめ有明駅前に、住友不動産の複合商業施設「有明ガーデン」が2020年5月15日に開業する。
追記:6月17日開業となった。

有明ガーデン。
手前からホテル、温浴施設、商業施設、公園。

ビッグサイト徒歩圏、イオンを核に劇場・温浴施設など

有明ガーデンは住友不動産が有明駅前で行う大型開発事業。
東京ビッグサイトからも徒歩圏でありながら総開発面積は10.7ヘクタールと広大であり、国家戦略特区に指定されている。

エリア構成。

エリア内は「住友不動産ショッピングシティ有明ガーデン」を核に、劇場・ライブホール「住友不動産東京シアターガーデン」、劇場「劇団四季専用劇場」(2021年開業)、温浴施設「泉天空の湯 有明ガーデン」(開業時から当面の間は温泉ではなく上水で運営)、タワーマンション「シティタワーズ東京ベイ」、ホテル「住友不動産 ホテル ヴィラフォンテーヌ グランド 東京有明」、公園「有明ガーデンパーク」「スポーツエンターテイメント広場」、こども園(幼稚園・保育園)「武蔵野大学付属有明こども園」などで構成される。
なお、開発前はおもに平面駐車場として利用されていた。

エリア全体イメージ。


タワーマンション「シティータワー東京ベイ」。

そのうち「東京ガーデンシアター」は8000人規模の大型ライブホール・劇場。客席は110度の扇型に配置され、客席フロアを4層とすることにより、どの席からもステージが見やすい立体的な構成を実現したという。
開業直後から「Official髭男dism」「King Gnu」「LUNA SEA」「ナオトインティライミ」「田村ゆかり」「小倉唯」「TrySail」など様々な人気アーティストの公演が決まっていたが、多くは中止・延期となっている。
東京ガーデンシアター。

当館も当初は4月24日の開業予定であったが、感染症防止のために5月15日の開業に延期された。

商業ゾーン、バスターミナルも併設

商業ゾーン「ショッピングシティ有明ガーデン」の店舗面積は約4万㎡、売場は1階から5階で店舗数は203店。「豊かに味わう」「楽しく育む」「素敵に暮らす」をテーマとする。

館内構成。


ショッピングシティ。

1階から2階は食品ゾーンとなり、核テナントの食品スーパー「イオンスタイル有明」。豊洲から直送の鮮魚をウリとするほか、イオン内にはイオンのステーキ店「ガブリングステーキ」、海鮮丼専門店「魚魚彩」、「ミニストップのソフトクリーム」、ベーカリー「カンテボーレ」も出店する。

そのほか、食品ゾーンにはグロサリー「カルディコーヒーファーム」「北野エース」、カフェ「茶寮 伊藤園」「タリーズコーヒー」「鹿角巷(ジ・アレイ)」などが出店。
1階にはBRTや空港リムジンバスが発着する「有明バスターミナル」が設けられる。開業に合わせて、都営バスでは4月1日に[都05-2]東京駅丸の内南口~有明ガーデン線を新設している。

イオンスタイル。


イオンスタイルにはイートイン「ココdeデリ」を併設。

2階の一部と3階、4階はファッション・スポーツのフロアとなり、服飾、生活雑貨を取り揃えた「有明コレクション」が設けられるほか、「アーバンリサーチ」「H&M」「ムラサキスポーツ」「ニトリデコホーム」などが出店。
4階には180㎡の屋内キッズスペースも開設される。

ゲームコーナーは「SEGA」。


様々な年齢を対象としたキッズスペース。

5階は13店が出店する飲食街「有明テラスダイナー」となるほか、5階部分には屋上テラスも併設される。

有明テラスダイナー。


屋上テラス。

このほか、館内には2階の吹き抜けなど11ヶ所・総面積23,000㎡超のイベントスペースが設けられる。

2階の吹き抜け。

アネックス棟の1階から3階には、2020年秋に都内最大級となる「無印良品」の旗艦店がオープンする予定となっている。
追記:無印良品 東京有明」は12月3日に開業。店舗面積は4628.75㎡で、関東最大となる。

無印良品。

なお、当初は4月中に開業し、直後のコミケで賑わいを見せる予定であった同施設であるが、開業は6月17日へと延期された。
※現地の写真撮影は2019年12月・2020年1月。

住友不動産ショッピングシティ有明ガーデン

住所:東京都江東区有明2丁目1−8
営業時間:8時~23時(イオンなど)

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トライアル日向店、2020年4月12日閉店-アスティ日向、33年の歴史に幕【追記:8月営業再開】

宮崎県日向市の日向市駅前・上町商店街にあるスーパー「メガセンタートライアル日向店」が2020年4月12日に閉店する。
追記:2020年8月に営業を再開する。

メガセンタートライアル日向店。

大型ショッピングセンター・アスティ寿屋が前身

トライアル日向店は、大型ショッピングセンター「アスティ日向寿屋」として1987年10月に開店。店舗面積は8,380㎡。建物は6階建て、売場は1階から3階で、寿屋が所有していた。 

アスティ日向寿屋(撮影:日向市教委)。

開店前は地元・上町商店街などの出店反対運動が起き、出店推進派と商店街を二分する騒ぎとなった。そこで、寿屋は地元貢献を標榜し、1階には吹き抜けのイベントスペース「アスティプラザ」、休憩所などが、3階に文化教室とスポーツクラブ、シアター、児童図書館、多目的市民文化ホールなどが、6階にイベント広場が設置された。イベントスペースには芸能人が来店することもしばしばあったほか、地域の団体や児童作品の展覧会などの公共的催事もおこなわれていた。さらに書店、CD店、ファーストフード店、ファッション店など多くの専門店が入居。寿屋が運営する高級品店や外商も出店し、大きな賑わいを見せた。

飲食街「遊食パーク」・CD「AVクラブ」跡地。
(トライアル倉庫)

なお、将来的なペデストリアンデッキ設置などの際のためにテラスなども設置されたが、使われることはなかった。

日向市の中心商店街に立地する。

寿屋の経営破綻に伴い、2003年4月に開店した「スーパーセンタートライアル日向店」(のちにメガセンターに改装)は、トライアルが建物を購入するかたちで出店したもので、宮崎県北部唯一の大型ディスカウントストアであり、その後に日向市駅高架化に伴う街路整備がおこなわれたこともあり、中心商店街の核として広域的な集客があった。

店内にある吹き抜け。

一方で、ショッピングセンター時代と比較すると近年は店舗の老朽化が極めて著しく、旧寿屋時代に店舗が整備された商店街内(店舗近隣)の花壇や植え込みが荒れ果てており、商店街に剥落したタイルが落下したり客が投棄したゴミが散乱しているが処置がなされないなどといった意見も聞かれていた。
(取材:2010年~2012年・協力:日向市商工会議所)

店内のようす。

トライアル、6月に細島のイオン近くに出店

トライアルは日向市から一旦撤退するが、2020年6月にはイオン日向店近くの郊外エリア(細島地区)に「スーパーセンタートライアル日向日知屋店」として縮小移転オープンする予定となっている。
アスティの今後については4月時点では発表されていない。
建物はトライアルが所有していることから、入居者が現れない場合は解体されるものとみられ、日向市駅前に巨大な空き地が生まれることとなる。
追記:2020年8月に営業を再開する。

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ロイヤルHD、西洋フードから高速道路SA・PA事業を買収-2023年12月までに完全子会社化、高速道路レストラン・ショップ最大手に

大手飲食グループ「ロイヤルHD」は、英国コンパスグループの日本法人「西洋フード・コンパスグループ(旧・西洋フードシステムズ」から、「高速道路のサービスエリア・パーキングエリアにおけるレストラン・ショップ運営事業(SA・PA事業)」運営会社を2023年12月まで完全子会社化する。

創業初期から空港などで食堂・売店を手掛けるロイヤル

ロイヤルは1951年10月に空港内食堂・喫茶事業1号店を開店。1973年11月の関門自動車道めかりPA開業に合わせて高速道路内食堂・売店1号店を開店した。2020年現在は、同社持株会社化の一環として設立された「ロイヤル空港高速フードサービス」を通じて、全国の空港・高速道路SA・PA内で飲食・売店事業を展開している。

ロイヤルめかりPA店(建替えのため写真の店舗は2016年閉店)。

ロイヤルは飲食・売店事業に加えて、1990年に住友商事との合弁で「ロイヤルマリオット&エスシー(現・ロイヤルコントラクトサービス)」を設立しコントラクト事業に参入。2005年には伊勢丹の食堂運営会社を買収し合弁会社「R&Iダイニング(ロイヤル66.65%:伊勢丹33.35%)」を設立、2007年には三越グループの食堂事業を取得し合弁会社「セントレスタ(ロイヤル66.6%:三越33.4%)」を設立するなど、百貨店や病院・介護施設でコントラクト事業を展開している。

総合コントラクト企業に転身した西洋フード、一転縮小へ

西洋フード・コンパスグループは1947年9月に「荏原食品工業」として創業。1976年には経営悪化を理由に西武セゾングループ傘下の「レストラン西武」と合併、1989年10月には「西洋フードシステムズ」に社名変更していた。
同社は長らく、西武セゾン系の大手総合外食チェーンとして、ファミリーレストラン「CASA」の運営を中核事業に据えていたが、西武セゾングループ解体の影響を受け、2002年1月からは英国に本部を構える大手総合コントラクト企業「英国コンパスグループ」の傘下に入り現在の社名に変更していた。

CASA西武大津店(2020年現在は閉店)。

西洋フードは、英国コンパスグループ傘下入りに合わせて、オフィス・工場を始めとする各種事業所の食堂運営受託や宿泊施設・公的施設・保養所・研修所・高速道路SAPAの運営受託など、コントラクト事業を中心とした経営に移行。その一環として、2011年6月には森永製菓傘下の「森永フードサービス(現・エムエスエル)」を買収し、同社が主に「森永レストラン」の屋号で運営していた社員食堂や国立・県立青年の家・少年自然の家宿泊滞在者向けの食堂、大学食堂、足柄SAの売店・レストラン事業の運営を取得、2019年8月までに外食関連事業から全面撤退するなど、コントラクト中心の事業体制を確固たるものとしていた。
足柄SA。
丸井高層階を始め最盛期全国100店舗ほど展開していた
「森永レストラン」最後の店舗が2010年代まで営業していた。

しかし、2019年9月には大手外食グループ「クリエイト・レストランツHD」に「スポーツ施設およびレジャー施設におけるレストランその他の飲食提供業務および宿泊業務に係る事業(スポーツ事業及びレジャー事業)」を売却するなど、英国コンパスグループ傘下入り後初となるコントラクト事業の整理を打ち出した。

ロイヤル、高速道路SA・PA事業最大手に

西洋フードは、2020年2月1日付でグループのSAPA事業を新会社「ハイウェイロイヤル(旧・CFS)」に承継し、新会社の株式の50%をロイヤルHDに譲渡した。
ロイヤルHDは新会社の出資比率を2021年12月に66.66%、2022年12月には94.99%に高め、2023年12月に全株式(1550万100株、)を取得、155億円で完全子会社化する。
ロイヤルHDは高速道路SA・PA14施設、新会社は高速道路SA・PA12施設で運営受託業務を手掛けており、両社の経営統合によりロイヤルHDは高速道路SA・PA業界最大手となる見込み。

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セブン&アイHD、2020年6月に「ヨークマート」「食品館」「プライス」等を新会社「ヨーク」に統合

セブン&アイ・ホールディングス(本社:東京都千代田区)は、グループの首都圏食品スーパーを、新会社「ヨーク」(本社:東京都江東区)のもとで再編することを2020年4月9日に発表した。

食品館イトーヨーカドー。

セブンアイの食品スーパー統合「セブンカラーの鳩」に

新会社「ヨーク」は、セブンアイグループで食品スーパーを展開する「ヨークマート」が2020年6月1日付で商号変更を実施するもの。

ヨークマート。

新たなシンボルマークは「セブンアイカラーの鳩」となる。
同社のもとでイトーヨーカ堂が首都圏エリアで展開している「ヨークマート」に加えて「食品館イトーヨーカドー」「イトーヨーカドー・ザ・プライス」の20店舗、「フォーキャスト」が品川区中延でテスト展開している次世代型ミニスーパー「コンフォートマーケット」の運営を統合する組織再編を行う。
なお、首都圏エリアでの再編であり、南東北を地盤とするヨークベニマル(本社:福島県郡山市)は含まれない。

イトーヨーカドー・ザ・プライス西川口店。
(旧店、現在は建て替え中)

これにより、プロセスセンターやセントラルキッチンの導入など、製造・配送・販売が一体化したマーチャンダイジング(MD)を強化するとともに、これまで各社が構築してきた MDを統合することで更なるシナジーを目指し、食品シェアの拡大を目指す計画だ。

「ヨーク」再編改革。

このほか、「ヨーク」傘下ではないものの、4月30日には「ザ・ガーデン自由が丘」を展開するそごう・西武傘下の高級スーパー「シェルガーデン」についてもセブン&アイHD傘下へ移行し、シナジーの追求を狙うとしている。

ザ・ガーデン自由が丘。

株式会社ヨーク

住所:東京都江東区青海2-5-10 テレコムセンタービル西棟12階
資本金:30億円

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MEGAドン・キホーテUNY魚津店、2020年4月14日開店-富山初MEGAドンキ、アピタ跡に

富山県魚津市のアピタ魚津店跡に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウント「MEGAドン・キホーテUNY魚津店」が2020年4月14日午前9時に開店する。

MEGAドン・キホーテUNY魚津店。

魚津市内最大のショッピングセンター

アピタ魚津店は1999年11月に、JR魚津駅前の総合スーパー「ユニー魚津店」(1998年1月閉店)の後継店舗として開業。建物は地上4階建、売場面積は16,272㎡。
開業以来、魚津市内最大の商業施設として営業していたが、2019年4月にパチンコ店「スーパーUSA魚津店」を導入する商業フロアの減床リニューアルを実施、2020年1月12日にはドンキへの業態転換に伴いユニー直営売場を閉店したため、一部の専門店のみで営業をおこなっていた。

富山初となる「MEGAドンキ」「ダブルネーム店舗」に

MEGAドン・キホーテUNY魚津店の営業フロアは1~2階、直営売場面積は7,996㎡。ドンキとしては富山県内3店舗目で、MEGAドンキ業態及びユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては県内初となる。
1階ではアピタ時代と同様に生鮮食品の取扱うほか、2階ではドンキが得意とするインポートブランドや腕時計、カラーコンタクトレンズ、スポーツ用品、家電製品、文具、玩具などの取扱いを拡充するなど、広域からのニューファミリー層・若年層の集客を目指す。
また、テナントとして雑貨・鞄専門店「LAPAX WORLD」、旧・ユニー系の呉服店「さが美」、100円ショップ「ダイソー」、「ミスタードーナツ」「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」、ゲームセンター「namco」など30近い店舗が引続き出店する。

MEGAドン・キホーテUNY魚津店

住所:富山県魚津市住吉600番地
営業時間:午前8時~翌午前0時
(4月14日~16日は午前9時~午後10時)

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MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店、2020年4月14日開店-「最後のユニー」が前身のアピタ跡に

静岡県富士市のアピタ富士吉原店跡に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウント「MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店」が2020年4月14日午前8時に開店する。

MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店。

最後まで「ユニー」の屋号を掲げた吉原店

MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店の前身となる総合スーパー「ユニー吉原店」は1974年6月に開店。建物は地上3階建、売場面積は9,414㎡。
ユニー吉原店は老朽化による改修が検討されていたため、2009年2月の同社店舗ブランド再編後もグループで唯一「ユニー」の屋号を掲げ営業を継続していたが、改修工事のため2010年8月17日に一時閉店した。

地域密着型モールに転換したアピタだったが

ユニーの後継店舗となる「アピタ富士吉原店」は、旧・ユニー吉原店を増築する形で2011年10月に開店。建物は地上4階建、営業フロアは1~2階、敷地面積は17,160㎡、売場面積は10,607㎡、営業面積は12,598㎡、延床面積は24,205㎡、土地・建物はユニーが自社所有する。
アピタ富士吉原店は、コンセプトに「地域から信頼され、世代を超えて人気のあるコンパクトで高品質なコミュニティストア」を掲げ、ユニー時代からの同社直営売場に加えて30を超える専門店を新たに導入した。同店は地域密着型ショッピングセンターとして施設の刷新を図ったが、ドンキへの業態転換に伴い、2020年1月12日をもって直営売場を閉店、一部専門店のみ営業を継続していた。

ドンキへの転換後も生鮮食品売場や大半の専門店は存続

MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店の直営売場面積は7,427㎡。当初、ユニーの100%子会社として設立されたUDリテールが運営する。
ドンキとしては静岡県16店舗目で、ユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては2019年8月に開店した浜松泉町店に次ぎ4店舗目となる。
富士吉原店1階ではアピタ時代と同様に生鮮食品の取扱うほか、新たに医薬品・ヘルスケア用品の取扱いを開始。2階ではカジュアル衣料・キッズ衣料に加え、ドンキが得意とするスマートフォンアクセサリー・カラーコンタクトレンズといった商品を展開する。
また、テナントとしてワールドのレディスファッション「SHOO・LA・RUE」、眼鏡店「キクチメガネ」、100円ショップ「Seria」、旧・ユニーグループの「さが美」「BOOKSえみたす(旧・夢屋書店)」、静岡発祥の弁当・おむすびチェーン「天神屋」、ラーメン・甘味処「スガキヤ」、「ミスタードーナツ」など30近い店舗が引続き営業する。

富士市内のユニー、全店舗がドンキに

富士市内ではユニーが運営していたピアゴ中里店が2019年2月をもって「MEGAドン・キホーテUNY中里店」に、ピアゴ富士中央店が8月をもって「ドン・キホーテUNY富士中央店」に業態転換しており、富士市内から「アピタ」「ピアゴ」が消滅することとなる。

MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店

住所:静岡県富士市国久保2丁目1番10号
営業時間:午前8時~翌午前0時

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イオングループ、2020年3月・4月のテナント賃料を減免-三菱地所・ルミネなども

流通大手の「イオングループ」(イオン本社:千葉市美浜区)は、新型コロナウイルスの影響によりテナントの運営に営業上の支障が出ているとして、2020年3月・4月のテナント料金(家賃)を減免することを発表した。

イオン本社・イオンタワー(写真はアネックス棟)。

3月・4月の月間最低保証売上高を撤廃

テナント料金を減免するのはイオンモールイオンスーパーセンターイオンタウンイオンリテールの各社が運営している、全国のイオンモール・全国のイオンタウン・東北のイオンスーパーセンター・本州と四国のイオンやイオンスタイルなど。

イオンモールの店舗。

各社ともにテナントの多くは売上歩合制賃料となっているが、3月と4月の月間最低保証売上高を撤廃する。これにより、売上が下がったテナントの経営を助ける。そのため、仮に売上が0円ならば家賃も0円となる。
イオングループは、これまでに東日本大震災や熊本地震などでも
一部店舗で同様の措置をおこなっていた。

熊本地震で家賃減免が行われたイオンモール熊本。

地域子会社の多くは4月7日時点で未対応

イオンモールなどは全国一律に家賃の減免をおこなう一方で、イオン北海道・イオン九州・イオン琉球・ダイエーなどの各社では4月7日現在こうした家賃減免措置は発表されておらず、同業態・同店名の総合スーパーでも地域によって対応が異なる状態となっている。
これらについては今後の各地方の状況に応じて対応が変更される可能性もあろう。

ルミネや三菱地所、LIXILビバも支払猶予などの措置

テナントの賃料の支払いをめぐっては、イオングループ以外でも、JR東日本グループの商業施設「ルミネ」などではテナントに対して月間最低保証売上高を半額にするほか、不動産大手「三菱地所」では丸の内ビルなど一部店舗で家賃支払いを猶予、LIXILグループのホームセンター「LIXILビバ(ビバホーム)」では食品・ドラッグストアを除くテナントの固定賃料(4月・5月分)を半額にする方針を示している。

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三井アウトレットパーク横浜ベイサイド、2020年6月4日開業-旧店舗を全面建替え

神奈川県横浜市金沢区のアウトレットモール「三井アウトレットパーク 横浜ベイサイド」の約2年弱におよぶ全面建て替え工事が終了した。店舗は4月中に営業を開始する予定であったが、開業は延期されることとなった。
追記:2020年6月4日に開業した。

三井アウトレットパーク 横浜ベイサイド。

旧・横浜ベイサイドマリーナ、全面建替-開業は延期

三井アウトレットパーク横浜ベイサイドは1998年9月に開業した旧「横浜ベイサイドマリーナ ショップス&レストランツ」の建物を利用して2008年に開店。2017年に横浜市が三井不動産に土地の売却を決定し、2018年9月から同社が建て替えをおこなうため閉館していた。
三井アウトレットパーク横浜ベイサイドの施設コンセプトは、「NEW MARINA LIFE」。アジア最大級のマリーナを眺めながらのショッピングや食事、広場でのアウトドア体験イベントなど海辺の環境ならではの上質なライフスタイル提案をするとしている。
当初は4月8日にプレオープン、4月10日に開店する予定であったが、感染症予防のために13日に延期、のちに無期限延期されることとなった。

面積は2.7倍に-成城石井はアウトレット初

新店舗の敷地面積は建替え前と同様の約3万2000㎡だが、延床面積は約1万9700㎡から約5万3000㎡に、店舗数は約80店から約170店に大幅拡大される。そのうち、アウトレット日本初出店は「成城石井」など12店舗、関東初出店は「メルセデスベンツ」など3店舗。また「DEASEL」はカフェ併設の新業態「DIESEL/Glorious Chain Cafe」となる。

3つの街区に分けられる新店舗

三井アウトレットパーク横浜ベイサイドのうち最大街区となる「A ブロック」は、1階は季節や天候に左右されない室内型のエンクローズドモール、2階・3 階はマリーナの空気を感じられるオープンモールとなる。
また、2000㎡の広さがある中庭「セントラルコート」では出店店舗との連携イベントなどがおこなわれる。この中庭では、アウトドアの「mont-bell/mont-bell factory outletモンベル)」によるボルダリング教室も開催される。

Aブロック。

マリーナに面した「Cブロック」はおもに飲食店街。
海辺の倉庫をイメージした三角の切妻屋根が連続した外観デザインとなり、東側はフードコート、西側は「BAYSIDE FOOD HALL」となる。海側の飲食店舗とフードコートには、海沿いにテラス席が設けられる。
「Bブロック」は立体駐車場となる。館内全体の総駐車台数は3000台で、以前(1200台)の倍以上となる。

海側から見た店舗(Cブロック)。飲食街となる。

このほか、隣接地にはUNIQLO・GUの旗艦店ユニクロパークが4月13日に開店する予定となっている。

ユニクロパーク横浜ベイサイド店。

三井アウトレットパーク横浜ベイサイド

住所:神奈川県横浜市金沢区白帆5-2
営業時間
物販・サービス:10:00~20:00
飲食:11:00~21:00
フードコート:10:30~21:00

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全日本デパートメントストアーズ開発機構(A・D・O)、2020年3月31日解散-日本最大の百貨店共同仕入機構

三越伊勢丹など7社が幹事を務める百貨店共同仕入機構「全日本デパートメントストアーズ開発機構(A・D・O)が2020年3月31日付で解散した。

伊勢丹新宿本店。

国内最大の「百貨店共同仕入機構」

全日本デパートメントストアーズ開発機構(A・D・O)は1973年3月に、老舗百貨店である「伊勢丹」(新宿区)主導の仕入機構「十一店会」(1961年発足)と「松屋」(中央区)主導の仕入機構「エコー」(1963年発足)が統合して誕生。発足時の加盟企業数は41社、加盟店舗数は60店舗であった。

松屋銀座本店。

A・D・Oは加盟企業共同での商品調達やイベントの開催、贈答品カタログ(お中元・お歳暮など)の共通化、相互利用可能な商品券・プリペイドカードの発行(1997年まで)、県外配送優遇サービスなど加盟企業の連携に繋がる施策を推し進めたほか、共同販促事業もおこなっており、折込広告のスタイルや「小さいサイズの婦人服ストロベリー」など売場の名称を伊勢丹と統一した百貨店もあった。

共同仕入機構解散で厳しさ増す地方百貨店

全国各地の百貨店の成長を支えたA・D・Oであったが、2008年4月には実質の運営主体であった伊勢丹が三越と経営統合した。そのため、国内各地に店舗網を敷く三越や、三越を中心とする共同仕入機構「ジョイントバイインググループ」に所属する店舗と、A・D・O発足当初からの加盟企業である松屋や藤崎との間で競合が生じることとなった。そのこともあり、2010年代以降は商品の共同開発事業などが縮小されていた。なお、ジョイントバイイングに関しても三越伊勢丹の統合後に解散している。

日本橋三越本店。

一方で、近年もお中元・お歳暮などの食品ギフトや社員教育などの事業は継続されていたという。
今回の解散により、国内百貨店総売上の30%を占める百貨店仕入機構が消滅することとなり、地方百貨店の経営はより一層厳しいものとなることが予想される。

おもな加盟百貨店
  • 藤丸
  • 丸井今井
  • 川徳
  • 大沼(2020年破産)
  • 藤崎
  • スズラン
  • 八木橋
  • 丸広百貨店
  • 東武百貨店
  • 松屋
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ユニクロパーク横浜ベイサイド店、2020年4月13日開業-三井アウトレット隣に「屋上公園つき」ユニクロ旗艦店

神奈川県横浜市金沢区の三井アウトレットパーク横浜ベイサイド隣接地にユニクロとGUの旗艦店「ユニクロパーク横浜ベイサイド店」が2020年4月10日に開業する。
追記:13日開店に延期されました。

ユニクロパーク。

「屋上公園併設」のUNIQLO・GU旗艦店

ユニクロパーク横浜ベイサイドは地上3階建てで、店舗面積は4000㎡。
建物は「PLAY」をコンセプトに、トータルプロデューサーの佐藤可士和氏が構築し基本構想とデザイン監修に建築家の藤本壮介氏を迎えたもので、ユニクロ・ジーユーとして初めて、屋上に公園が設けられる。

オリジナルロゴを配したエコバック。
1万円以上の購入者に期間限定で配布される予定。

屋上の公園にあるオリーブの木は香川県豊島から移植されたもので、ユニクロ店頭での募金活動や従業員ボランティアが支援している「瀬戸内オリーブ基金」によって育てられた。
屋上からは東京湾を一望できる素晴らしい眺めも堪能できるほか、教育玩具販売を手掛けるボーネルンド社と連携しすべり台、ジャングルジム、ボルダリングやクライミングなど楽しく安全に遊べる遊具も設置されるという。
当店の開店に伴い、ユニクロビアレ横浜並木店は閉店する。
なお、隣接地の三井アウトレットパーク横浜ベイサイドは4月13日にグランドオープンする予定となっている。
(追記:延期されました)

UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店
ジーユーUNIQLO PARK 横浜ベイサイド店

住所:神奈川県横浜市金沢区白帆6-5

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