カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

Sガスト、2020年7月5日までに全店閉店-都心の「小型ガスト」、約20年で消滅

大手外食グループ「すかいらーくHD」(東京都武蔵野市)が運営する定食・カレー・丼専門の小型ガスト「Sガスト」が、2020年7月5日のSガスト日吉店(横浜市港北区)閉店をもって全店舗が閉店した。

首都圏駅前の「低価格小型ガスト」20年ほどで消滅

Sガストは、2001年1月に「クイックレストラン・Sガスト」として東京都赤坂に1号店を出店。Sガストの“S”は「セレクト・スモール・スピード・スマイル」などの意味を込めたもので、すかいらーく傘下の業態としては最安値水準の低価格メニュー(200円台後半~700円台後半)、同社傘下の業態唯一となる各種カード決済の非対応と食券券売機の導入、牛丼・ハンバーガーチェーンと同等な小規模・回転率重視の店舗運営を特徴としていた。

Sガスト武蔵小山店。(東京都品川区)

また、近年は一部店の看板を「定食・カレー・丼」を全面に押し出したものへと変え、さらに看板商品であった「ハンバーグ定食」を始めとする「低価格・高ボリューム商品」を強化するなど、カフェレストランを謳うガスト標準店舗との差別化を鮮明にしていた。

デミグラハンバーグ定食(380円)。

大半の店舗は「とんから亭」「から好し」に転換

Sガストの店舗数は当初、同年6月に店舗展開を開始した「Sバーミヤン」(2007年消滅)とともに「FCR(ファストカジュアルレストラン)戦略」の中核を担う業態として、2004年のすかいらーくグループ中期5ヵ年計画で掲げられたFCR強化の一環として、年間10店舗ほどの増加が続いていた。しかし、同社の経営不振に伴う営業方針の見直しなどもあり、2006年8月をもって事実上出店を凍結。首都圏・青森に44店(出店凍結時点)あった店舗網は、東京・神奈川・埼玉の27店舗(2014年8月時点)までに減少した。
2014年9月には約8年ぶりとなる新店舗「Sガスト神田駅東口店」を出店、12月には業態発足以来初となるテーブル・コーヒーマシンを導入した新コンセプト店舗「Sガスト門前仲町店」を出店し、店舗数を一時30店舗まで回復したが、2015年からは新業態「とんから亭」「から揚げ専門 から好し」など別業態への転換を進めており、再び減少傾向となった。
そして、2020年7月5日の日吉店閉店をもって全店舗が消滅することとなった。
から好し門前仲町店。(東京都江東区)
門前仲町店は当初Sガスト新コンセプト店舗として開店した。

すかいらーくHDは新型コロナウイルスの感染拡大により深夜営業の全廃など経営規模の縮小を打ち出している。
こうしたなか「3密」になりやすい小型店であるSガストについても、より効率的であると思われる(持ち帰りも多いと思われる)同社別業態への転換・もしくは店舗整理により姿を消すこととなった。

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新宿 北村写真機店、2020年7月3日開業-ツタヤ傘下となった「カメラのキタムラ」新業態旗艦店

東京都新宿区のJR新宿駅東口に、CCC(ツタヤ)傘下の大手カメラ販売店「カメラのキタムラ」の新業態旗艦店「新宿 北村写真機店」が2020年7月3日に開業した。

ツタヤ傘下となったカメラのキタムラ

北村写真機店が出店するのは、2015年11月に開業した「TSUTAYA ブックアパートメント(TSUTAYA BOOK APARTMENT)」を核にサンドラッグ、スターバックスコーヒーなどが出店していた建物。TSUTAYAは「CCCグループの新たなライフスタイル提案の拠点」にすると発表し、2019年11月に閉店していた。
カメラのキタムラは1934年に高知市堺町で「北村写真機店」として創業した老舗写真・カメラ店であるが、2004年ごろからTSUTAYAを運営するCCCとの提携をすすめ、2018年にCCCの子会社となっており、CCCが同社が運営する「ツタヤ業態」から「カメラのキタムラ業態」へと転換したものであるといえる。

カメラのキタムラ(高知堺町店、創業店を継承した店舗)。

今回の店舗とは大きく雰囲気が異なる。

なお、同社は2011年に代官山T-SITE(蔦屋書店)にもコンセプト小型店「代官山 北村写真機店」を出店していたが、2019年2月に閉店していた。

「ツタヤ流のキタムラ新業態」は「ロゴも一新」

売場は地下1階から6階までの全7フロアで、店舗面積は427坪。
店舗デザインはTONERICO.inc が、カメラの起源であるオブスクラをモチーフにしたロゴは木住野彰悟(6D)が手がけ、これまでの「カメラのキタムラ」とは大きく異なった雰囲気となった。

館内は新品カメラ売場、Leica(ライカ)を中心とした中古カメラ売場「ヴィンテージサロン」、修理や日々のメンテナンスまでサポートするサービスカウンターとして最短中5日仕上げでの修理サービスを提供する「Re-pro Center」やApple正規サービスプロバイダ認定を受けた「アップル製品修理カウンター」、コーヒーを片手に写真プリントや書籍を楽しめる「BOOK LOUNGE」、プロ用機材が完備された「レンタルスタジオ」、写真展示などを行うイベントスペース「Space Lucida(スペースルシダ)」などで構成される。

館内構成。

3階のブックラウンジには、TSUTAYA時代から出店するスターバックスコーヒーが「スターバックス 新宿 北村写真機店」としてリニューアルし、継続出店する。

館内構成。

キタムラとCCC(ツタヤ)は同店について「写真とカメラを愛する方からカメラ初心者の方まで、全ての方へ、豊かなフォトライフを提案していきます」としており、「ツタヤ流にブラッシュアップされたキタムラ」として今後も蔦屋書店などのツタヤ大型店に店舗を広げる可能性もあろう。

開業を記念して蜷川実花氏の写真展など開催

開業を記念し、イベントスペース「スペースルシダ」では、7月3日から8月2日まで写真家・蜷川実花氏による展覧会「蜷川実花展 ー千紫万紅ー」が開催されるほか、階段エリアにはフォトグラファー濱田祐史によるアートフォトが陳列される。

新宿 北村写真機店

住所:東京都新宿区新宿3-26-14
電話番号:03-5361-8300
営業時間:10:00-22:00(カフェは8:00-23:00)

関連記事:カメラのキタムラ、2018年中にCCC(TSUTAYA)の完全子会社に-上場廃止へ
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JR亀山駅前の再開発事業、2020年7月1日着工-商業施設・図書館・マンションなど整備

三重県亀山市のJR亀山駅前で、組合施行による「亀山駅周辺2ブロック地区第一種市街地再開発事業」が2020年7月1日に着工した。
亀山駅周辺2ブロック地区再開発予定地。(写真右)

駅周辺を4ブロックに分割し再活性化を推し進めていた

亀山駅周辺では、2006年11月の亀山駅周辺まちづくり研究会発足以来、住民ワークショップやアンケートの実施、市街地総合再生基本計画の策定など、駅周辺を4ブロックに分割し、ブロック単位での再活性化プロジェクトが推し進められていた。
これをもとに2ブロック地区では、2019年2月に再開発組合の設立認可、2020年3月に権利変換計画の認可を受け、6月から再開発事業の着工に向けた準備工事が行われていた。

商業施設・図書館・マンションで構成される複合施設に

亀山駅周辺2ブロックで建設予定の建物は2棟(地上15階地下1階建・地上4階地下1階建)、敷地面積は約5,000㎡、建築面積は約1,873㎡、延床面積は約10,674㎡、高さは約45m、総工費は約71億円。設計・施工は鴻池組を代表者とするJV(鴻池・堀田・米倉特定建設工事共同企業体)が行う。
亀山駅周辺2ブロック地区再開発ビル。

設計テーマとして

  • 駅前に集うための多機能型のにぎわいづくり
  • 駅前に住まうための新しいライフスタイルづくり
  • 駅前とまちをつなぐための玄関口からまちへとつながる3つの広場づくり
  • 駅前に地域性を出すための玄関口にふさわしいオンリーワンな景観づくり

の4つを掲げる。
低層棟には商業施設(入居テナント未定)や公益施設として「亀山市立図書館」(2022年6月移転開館予定)、駐車場などが整備。高層棟には新築分譲マンション「ポレスター」を手掛ける大手マンションデベロッパー「マリモ」による住宅(2022年3月入居開始予定)が整備される。

“世界の亀山”の玄関口、活性化なるか

亀山市内では、2004年1月に“世界の亀山”で一世を風靡した「シャープ亀山工場」(現在はスマホ部品を中心に製造)が稼働開始するなど、市の知名度を全国区レベルに高めた一方で、人口や駅乗降客数の減少、各種施設の老朽化といった課題から脱却できない状態が続いていた。
それらの対応策として、2ブロック地区の再開発に先駆け、2016年度から駅前交通広場(約4,000㎡)やまちなか居住施設の整備、都市計画道路(市道亀山駅前線)を含む駅周辺道路の拡幅に向けた工事が行われている。
亀山駅周辺2ブロック地区再開発計画。

山駅周辺には、市内随一かつ中心部唯一の大型商業施設「亀山エコータウン」が立地しているが、築40年以上経過し、老朽化が進行するなど、先行きが不透明となっている。
新たな再開発ビルには商業・公共施設も併設される予定であり、市中心部の利便性向上に結び付くような内容となることが期待される。

亀山駅周辺2ブロック地区第一種市街地再開発事業

住所:三重県亀山市御幸町

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ブシロードJR秋葉原駅構内TCGステーション、2020年6月30日閉店-同社直営店は全店閉店、7月7日に提携店新設

東京都千代田区のJR秋葉原駅5番ホーム(中央総武線、新宿方面)で営業するトレーディングカードゲーム専門店「ブシロードTCGステーション秋葉原店(JR秋葉原駅構内TCGステーション)」が、2020年6月30日をもって閉店した。

ブシロードTCGステーション秋葉原店。

駅構内のブシロードTCG店、11年で閉店

ブシロードTCGステーション秋葉原店は、2009年7月に同社初となる直営オフィシャルショップとして開店。
全国的にも珍しい駅構内へのサブカル・ホビー関連店舗として、自社商品の販売やキャンペーン景品の交換に加え、秋葉原エリアの自社TCG取扱店舗やカード大会案内、新商品レアカードの展示など、アンテナショップとしての役割を担っていた。また、駅構内店舗という立地特性から交通系ICカード(Suicaなど)での決済にも対応していた。
ブシロードの隣接区画には、2016年9月に壽屋(コトブキヤ)の直営店「コトブキヤ秋葉原エキナカ店」が出店するなど、両店舗ともに秋葉原ならではの駅構内ショップとして親しまれた。
コトブキヤ秋葉原エキナカ店。(営業当時)

しかし、コトブキヤは2018年9月をもって閉店。
2020年現在はイベントスペースとなっている。

ブシロード直営店は全て閉店-提携店を7月7日に新設

ブシロードは、秋葉原駅構内の店舗に加えて、2013年12月に直営総合オフィシャルショップ「ブシロードストア イオンモール幕張新都心店」を出店していたが、幕張新都心店も2020年1月に閉店したため、ブシロードの常設直営店は全店舗が消滅することとなった。
ブシロードは全国各地のTCG専門店との提携により、直営TCGステーションと同様の機能を持つ提携店舗「カードショップ内TCGステーション」を展開しており、2020年7月7日から秋葉原店の代替として秋葉原駅近くの「トレカの洞窟Card World TOWER AKIBA」内に新たな提携店舗を開設するとしている。

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淳久堂書店明曜店、2020年7月17日開店-明曜百貨店にジュンク堂の台湾旗艦店

台湾・台北市大安区の台北捷運板南線忠孝敦化駅前にある百貨店(ファッションビル)「明曜百貨店」に、丸善ジュンク堂書店の台湾旗艦店「淳久堂書店明曜店」が2020年7月17日に開店する。

明曜百貨店。

2009年に台湾出店したジュンク堂、明曜に移転

淳久堂書店は2009年に地場大手書店・金石堂書店との合弁で台北市の百貨店「そごう天母店」に台湾1号店を出店(書店は撤退済み)。2015年からはCTSビル内にある淳久堂書店台北光復南路店を台湾旗艦店としており、2020年時点で同店が台湾唯一の店舗となっていた。

淳久堂書店光復南路店(公式サイトより)。

淳久堂書店明曜店は同店を移転させるもので、明曜百貨店の9階に出店。店舗面積は約105坪(約350㎡)とそれほど広くないものの、中文・日文書籍あわせて約10万冊(店頭蔵書数)を取り揃える。
なお、光復南路店については6月28日で閉店している。
商品の販売レートは以下の通り。

2020年6月の換算基準(2020年6月1日から適用)
書籍:JPY本体価格 X 0.422= NT$台幣価格
雑誌:JPY本体価格 X 0.397= NT$台幣価格
小規模ながら誠品書店の代替店舗に

明曜百貨店は1987年4月に開店。当初は京王百貨店と提携する地場百貨店として営業していたが、徐々にテナントゾーンを拡大。2011年にはユニクロの台北旗艦店が3フロアに亘って出店するなど、現在はファッションビル業態の売場が大半を占める。
2020年現在はテナントとしてユニクロ、ジーユー、ニトリ、ダイソー、UCC上島珈琲店、カラダファクトリーなどが出店している。
同店は忠孝敦化駅からすぐの場所であり、駅チカ書店として、またすぐ近くにあり5月に閉店した誠品書店敦南店の代替店舗としても親しまれることになろう。

5月に閉店した誠品書店敦南店。

淳久堂書店明曜店

住所(地址):台北市大安區忠孝東路四段200號 明曜百貨9F
営業時間:
日~木(四) 11:00~21:30 / 金・土(五・六) 11:00~22:00

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ドン・キホーテ驚安堂幸手店、2020年7月16日閉店-閉店相次ぐ驚安堂、女性特化新業態も1年で消滅

埼玉県幸手市にあるパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)系食品ディスカウントストア「驚安堂幸手店」が2020年7月16日をもって閉店する。

驚安堂幸手店。

女性向けの驚安堂として昨年5月開店したばかりだった

驚安堂幸手店は、2019年5月に「ドラッグセイムスシバタ薬品幸手店」跡に開店。建物は平屋建、売場面積は673㎡。
コンセプトに「多様化する女性のライフスタイルやニーズに対応した驚安堂」を掲げ、従来の驚安堂が商品構成の中心に据えていた食品・日用品特化型の店舗とは一線を画す、化粧品やカラーコンタクト、美容家電やレディース衣料を新たに展開。驚安堂業態としては初となるクレジットカード払いの導入やオリジナルマイエコバッグ利用時の円満会計(1,000円以上購入時の1円単位端数切捨て)サービスの提供、外観に「ハッピーハンド(“幸”せの“手”)」をテーマにしたフォトスポットを設けるなど、独自の試みを行っていた。
また、建物には100円ショップ「ダイソー驚安堂幸手店」を導入するなど、館全体で幅広い商品を提供する利便性の高い店舗を目指すとしていた。

ドンキの小型スーパー「驚安堂」、残り3店舗に

ドン・キホーテは、2020年5月26日に驚安堂の運営会社「ライラック」の吸収合併を発表し、驚安堂を直営化していた。
2020年7月の幸手店閉店により、驚安堂の店舗は3店舗(東京都内2店舗・埼玉県内1店舗)のみとなる。

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高島屋東別館コミュニティーフードホール 大阪・日本橋、2020年7月10日開業-関西の食に特化した施設に

大阪府大阪市浪速区日本橋の高島屋東別館1階に、食主体の商業施設「高島屋東別館コミュニティーフードホール大阪・日本橋」が2020年7月10日午前11時に開業する。

高島屋東別館コミュニティーフードホール大阪・日本橋。

今年複合商業施設として生まれ変わったばかりの東別館

高島屋東別館は、1928年に名古屋地盤の百貨店「松坂屋大阪店」(移転のため1966年に閉店)として建設されたもので、建物は地上7階地下2階建、設計は建築家・鈴木禎次が担当した。
建物は1968年に高島屋大阪店の東別館として全面リニューアルを実施して以来、1970年には高島屋の「株式会社設立50周年事業」の一環として同社の歴史資料・美術品を展示する「高島屋史料館」が開館、2005年10月にはテナントとして結婚式場「チャペルグリーンベルなんば」が出店するなど、事務所やサービス系店舗中心の施設となっていたが、2016年10月からは耐震工事を伴う改装のため施設を段階的に閉鎖し、改装を進めた。

改装工事前の高島屋東別館。

高島屋東別館は2019年に躯体及び外壁補修工事を完了、国指定有形文化財の指定を受け、2020年1月にリニューアル開業。
従来からの高島屋史料館(約1,500㎡)や事務所機能(約2,100㎡)に加え、滞在型ホテル「シタディーン」(約17,000㎡)が出店した。

新たにフードホールが整備される「高島屋東別館」。

関西の食にこだわった「フードホール」に

高島屋東別館コミュニティーフードホール大阪・日本橋は、「高島屋東別館のリノベーション第2弾 」として新たに開業するもので、賃貸面積は約1,350㎡、座席数は264席。高島屋グループの東神開発がマスターリースを行い、紙谷太陽ランドマークグループの豊富商事が運営を担う。

高島屋東別館コミュニティーフードホール大阪・日本橋。

食物販・飲食店主体の商業施設として、テーマに「食べる」「楽しむ」「出会う」「繫がる」を掲げ、京都・伏見桃山の日本酒テーマパーク「伏水酒蔵小路(ふしみさかぐらこうじ/Fushimi sake village)」大阪初の店舗や大阪市内唯一の養豚場が手掛けるラーメン・とんかつ・中華料理・韓国チーズハットグ店「大山畜産noodle」「大山畜産pork」「中華料理大山畜産」、海老バル「シュリンプバ^ーオルタンシア」、難波・大国町発祥の自家製蕎麦店「NEXT 黒豆蕎麦hanako」、、門真に本店を構える「大阪たこ焼き本舗 夢蛸」、海鮮丼・海鮮焼店「市場直送海鮮問屋」、バナナジュースキッチンカーの「8710LOVE」、オーガニックハンバーガーショップ「GASTRO 29 ORGANIC」、スペシャリティコーヒーカフェ「タリーズコーヒー」など、大阪・京都に縁の深い14店舗(期間限定4店舗含む)が出店。
プロジェクションマッピングの投影や日替わりエンタメショーといった各種イベントを開催するなど、食のまち・大阪ミナミにふさわしい「食事」と「エンターテイメント」を融合した魅力あふれる憩いの空間を提供するとしている。

高島屋東別館コミュニティー・フード・ホール大阪日本橋

住所:大阪府大阪市浪速区日本橋3丁目5-25
営業時間:午前10時~午後10時
(一部店舗は午前8時開店、ラストオーダーは午後9時30分)

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神田スクエア レストラン&ショップ、2020年7月10日全面開業ー東京電機大跡地、「任天堂」「ゲーフリ」やスーパー「サミット」に

東京都千代田区神田錦町の東京メトロ小川町駅近くに完成した複合型オフィスビル「KANDA SQUARE(神田スクエア)」の1階商業フロア「KANDA SQUARE SHOPS&RESTAURANTS(神田スクエア ショップ&レストラン)」が、2020年7月10日にグランドオープンする。
追記:2020年9月4日に全館が全面開業・グランドオープンする。

KANDA SQUARE.

任天堂やゲーフリ、WeWorkも進出する複合オフィスビル

KANDA SQUARE(神田スクエア)は、住友商事による大規模複合再開発プロジェクト「神田錦町二丁目計画」の一環として、東京電機大学神田キャンパス跡地(移転により2012年閉鎖)に建設されたもので、2020年2月に竣工。建物は地上21階地下1階建、敷地面積は約9,761㎡、総貸付面積は約48,943㎡、延床面積は85,352㎡、高さは約121m。
1階には商業テナント、2階には多目的ホール「SQUARE HALL」(約450㎡、収容人数約450~約1,000人)、3階には小規模ホール「SQUARE ROOM」(約200㎡)や「CONFERENCE ROOM」、5階~21階にはオフィスフロア(1フロア3,000㎡程度)が整備される。

Office entrance.

オフィスフロアには、WeWork神田エリア初となる大規模拠点「WeWork神田スクエア」に加え、任天堂の東京本部やゲームフリーク本社の移転も予定されている。
なお、同地はゲームを中心としたメディアミックス作品「東方project」発祥の地の1つであり、ゲーム業界にとってはある種の「聖地」ともいえるかも知れない。

下層の商業フロア、6月から順次開業

KANDA SQUARE SHOPS&RESTAURANTS(神田スクエア ショップ&レストラン)は、2020年6月9日に一部店舗が先行開業。
2020年7月現在は、大手コンビニ「ローソン」やフラワー・ライフスタイル雑貨店「karendo」、酒舗・立ち飲み居酒屋「豊島屋酒店」、スペシャリティコーヒーカフェ「タリーズコーヒー」が営業している。
7月10日の全面開業を機に、住友商事グループの食品スーパー「サミット」と京都河原町に本店を構えるライフスタイル雑貨・書籍専門店「ANGERS ravissant」が新たに出店する。

サミットは15年ぶりの超小型店に

施設の食品核となる「サミットストア神田スクエア店」の売場面積は300㎡、年商目標は7.6億円。同社店舗としては119店舗目、東京都内84店舗目となる。
サミットストア神田スクエア店は、2005年の八幡山店以来約15年ぶりとなる「100坪クラスの店舗(小型店)」。限られた売場面積のなか、店内製造のカットフルーツ・カットサラダや時短商品(ミールキット・レンジアップ商品など)を拡充、近隣オフィスの昼食需要に対応可能な値頃感・適量を意識した弁当・惣菜を展開するなど、他にはないお客様に寄り添った、買い回りしやすい店づくりを実現するとしている。

神田スクエア

住所:東京都千代田区神田錦町2丁目2番地1
営業時間(サミット):午前8時~午後10時(平日)
営業時間(サミット):午前9時~午後10時(土日)
※上記の営業時間は通常営業日、オープン当日は午前10時開店

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日比谷グルメゾン、2020年7月9日開業-有楽町~新橋駅間、JR東海・JR東日本共同開発の高架下飲食街に

東京都千代田区のJR有楽町駅~新橋駅間に、JR東海グループの高架下飲食街「日比谷グルメゾン(HIBIYA GOURMET ZONE)」が2020年7月9日に開業する。

JR東海と東日本による共同開発で誕生した飲食店街

日比谷グルメゾンは、JR東海グループとJR東日本グループが共同開発する「有楽町駅~新橋駅間 内山下町橋高架下開発計画」(約10,000㎡)の一環として、1910年に作られた「煉瓦アーチ高架橋」を活かし開業するもので、敷地面積は約1,700㎡、開発面積は約1,400㎡、延床面積は約900㎡。JR東海グループの東京ステーション開発が運営を担う。もともと2020年5月ごろ開業する予定とされていたが、新型コロナウイルスの感染拡大などにより延期されていた。

HIBIYA GOURMET ZONE.

日比谷グルメゾンは、同社が運営する東京駅一番街2階の飲食街「東京グルメゾン」に次ぐ新グルメスポットとして、シュマッツのドイツビアホール新業態「シュマッツ・ビア・ホール」を始め、新宿や渋谷で人気のイタリア料理店新業態「CRAFT BEER&PIZZA DRAスタンド」「イタリアン食堂 ウラドラ」、海鮮和食バル「板前バル LIVE FISH MARKET」、タイ料理居酒屋「タイ屋台999(KAO KAO KAO)」、串焼き店「串焼 黒松屋」といった飲食店が出店。

東京グルメゾンと統一感のあるロゴマークを採用する。

ラーメン専門店街「RAMEN AVENUE」には、「中華そばふくもり」「金澤味噌ラーメン神仙」「博多新風」といった店舗が出店する。

黒松屋。

秋にはOKUROJIも開業、高架下が一大商業スポットに

有楽町駅~新橋駅間の高架下空間は従来、JR東海とJR東日本が所有する用地の関係上、「有楽町側と新橋側の両端のみにおいて公道に接道する」「高架下空間がアーチにより個々に細かく区切られる」など、開発を推し進めるにあたり大きな制約があった。
そのため、今回の開発プロジェクトに際して、両社による協業を実施。両社の用地区分にかかわらず、開発エリアが最適となるような区分の再設定を行ったとしている。
日比谷グルメゾンに加えて、2020年9月にはJR東日本都市開発による高架下商業施設「日比谷OKUROJI」(敷地面積約8,600㎡、開発面積約7,200㎡、延床面積約4,500㎡)も開業する予定となっており、高架下が一大商業スポットに生まれ変わる。

日比谷グルメゾンのテナント一覧
店舗名 業種・業態
DRAスタンド クラフトビール&PIZZA
ウラドラ イタリアンバル
タイ屋台999 タイ料理×居酒屋
板前バル LIVE FISH MARKET 海鮮和食バル
串焼 黒松屋 串焼き
SCHMATZ Beer Hall ドイツビアホール
中華そばふくもり ラーメン
金澤味噌ラーメン神仙 ラーメン
博多新風 ラーメン
日比谷グルメゾン

住所:東京都千代田区内幸町一丁目7番
営業時間:店舗により異なる

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桑栄メイト、2020年7月31日閉館-「ドムドム」も閉店、桑名駅前再開発でナガシマリゾートのホテルに

三重県桑名市の桑名駅とペデストリアンデッキを通じて直結する複合商業施設「桑栄メイト」が、2020年7月31日をもって閉館する。
桑栄メイト。

桑名駅前の複合ビル、47年の歴史に幕

桑栄メイトは「桑名駅前市街地再開発事業」の一環として1973年10月に開業。建物は地上6階地下1階建。
桑栄メイトは、1972年10月に開業した「桑名ショッピングシティパル(ジャスコ桑名店)」とともに、長らく桑名駅前の中核施設としての役割を担っていたが、1995年3月には桑名市郊外にマイカルと三重交通グループが主導するショッピングセンター「マイカル桑名(現・イオンモール桑名)」が開業、1996年3月には駅近隣にショッピングセンター「アピタ桑名店」が開業、さらに1997年7月には隣接するパルが閉館するなど年々求心力を落としていた。

桑名駅近くにあるアピタ桑名店。

隣接するパルは2006年4月に複合商業施設「サンファーレ桑名」として再・再開発が完成しており、桑栄メイトについても開業から50年近く経過する老朽施設であるため、桑名市が推し進める「桑名駅周辺地区整備構想」の一環として施設を閉館、解体する方針が決まった。
その後、2020年3月に「長島観光開発」が「桑名駅周辺複合施設等整備事業」のプロポーザル募集により開発の優先交渉権を取得、同社主導による新施設の建設が決定。閉店を前にした6月30日には桑栄メイト開業以来営業を続けていた「ドムドムハンバーガー桑名FC店」が廃業するなど、テナントの移転・閉店がみられるようになった。
ドムドムハンバーガー桑名FC店。

跡地はナガシマリゾートホテルに-桑名駅は8月に橋上化

長島観光開発(ナガシマリゾート)は、桑名市長島町浦安地区の温泉開発を目的として1963年12月に設立。2020年現在は浦安地区に大型レジャー施設「ナガシマスパーランド」「長島温泉 湯あみの島」やホテル「ホテル花水木」「ガーデンホテル オリーブ」「ホテルナガシマ」、三井不動産との共同事業としてショッピングモール「三井アウトレットパークジャズドリーム長島」を展開。駒江地区に花のテーマパーク「なばなの里」を展開する。

ナガシマリゾート・ナガシマスパーランド。

長島観光開発が建設予定の新施設は地上11階建。
2020年7月現時点では詳細な開業時期など決まっていないが、同社のホテルを核に物産店などが入居する予定となっている。
新施設。

また、自由通路整備事業の一環として8月30日に開業予定の桑名駅新駅舎やサンファーレ桑名ともペデストリアンデッキを通じて接続するなど、桑栄メイトが開業以来担ってきた施設間の動線としての役割を備える。
建設中の桑名駅新駅舎。(2020年6月時点)


桑名駅は橋上駅化される。

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