ユニゾホテル、2020年12月までに半数を閉館-旧・興銀系大手ホテル、都内から完全撤退

ユニゾグループの大手ホテルチェーン「ユニゾホテル」(東京都中央区)は、同社が運営する宿泊特化型ホテル「ホテルユニゾ」「ユニゾイン」「ユニゾインエクスプレス」25施設のうち半数以上を2020年12月までに閉館する。

19年3月開業のユニゾインエクスプレス金沢駅前。
ユニゾ25施設目として開業したが10月30日に閉館する。

TOB騒動を引き起こした旧・興銀系の大手ホテル

ユニゾホールディングスは、2004年3月に日本興業銀行(現・みずほ銀行)系の不動産会社を母体に持つ持株会社「常和ホールディングス」として発足。2009年6月に東証上場、2015年7月に現在の社名に変更した。
創業の経緯から、みずほ銀行や日鉄興和不動産との結び付きが強く、持株会社発足当初は旧・興銀系オフィスビルの管理・開発業務を主力事業としていた。同社傘下の常和ホテル(現・ユニゾホテル)が、2007年にホテルブランドを「サンホテルチェーン」から「ユニゾ」に刷新したのちは、旧・興銀系企業との不動産共同開発や役員受入れを継続しつつ、ホテルを軸とした経営に舵を切っていた。
ユニゾは、中堅ホテルチェーンとしてサンホテル時代から運営施設数を5倍規模に拡大することとなったが、2019年7月のHISによる株式公開買付(TOB)を機に経営が混乱、ソフトバンク系米国投資ファンドなど複数社を巻き込む騒動を引き起こした。

半分を閉店-東京都内・九州から全面撤退

ユニゾは、2020年6月に従業員による買収(EBO)というスキームで上場廃止、非上場企業として経営の安定化を図ることとなったが、コロナ禍もあり一部施設の休業を余儀なくされていた。
そのため、2020年9月から「ホテルユニゾ新橋」を閉館、「ユニゾイン神田駅西」を相鉄ホテルズに運営移行、10月から「ホテルユニゾ銀座一丁目」をスターアジアグループ(価値開発)の「KOKO HOTEL」に運営移行するなど、事業規模の大幅縮小を伴う経営再建を開始。東京都内全6施設、九州全2施設の運営終了により、各地域から全面撤退することとなった。

今年3月開業のユニゾイン広島駅前。
朝食に松屋の朝定食を提供していたが、半年で運営終了する。

一方、ユニゾインは関西全7施設の運営を継続、2020年12月から2021年3月にかけて「ホテルユニゾ京都烏丸御池」「ユニゾインエクスプレス大阪南本町」の開業を予定しており、関西に経営の軸足を移すこととなった。

ユニゾホテル2020年8月時点運営施設の一覧
施設名 閉館・運営終了日
ホテルユニゾ新橋 9月24日閉館
ホテルユニゾ銀座一丁目 10月13日運営終了
ホテルユニゾ銀座七丁目 10月31日閉館
ホテルユニゾ渋谷 12月15日閉館
ホテルユニゾ横浜駅西 営業継続予定
ホテルユニゾ名古屋駅前 営業継続予定
ホテルユニゾ京都烏丸御池 2020年12月17日開業予定
ホテルユニゾ大阪梅田 営業継続予定
ホテルユニゾ大阪淀屋橋 営業継続予定
ホテルユニゾ大阪心斎橋 営業継続予定
ホテルユニゾ福岡天神 10月29日運営終了
ホテルユニゾ博多駅博多口 営業継続予定
ユニゾイン札幌 10月22日運営終了
ユニゾイン神田駅西 9月15日運営終了
ユニゾイン八丁堀 11月30日閉館
ユニゾイン金沢百万石通り 営業継続予定
ユニゾイン名古屋栄 11月30日閉館
ユニゾイン京都河原町四条 営業継続予定
ユニゾイン新大阪 営業継続予定
ユニゾイン大阪北浜 営業継続予定
ユニゾイン神戸三宮 営業継続予定
ユニゾイン広島駅前 11月5日運営終了
ユニゾインエクスプレス函館駅前 営業継続予定
ユニゾインエクスプレス盛岡 営業継続予定
ユニゾインエクスプレス金沢駅前 10月30日閉館
ユニゾインエクスプレス大阪南本町 2021年3月2日開業予定
ユニゾインエクスプレス鹿児島天文館 11月12日営業終了

※2020年9月運営終了施設は相鉄ホテルズに運営移行
※2020年10月以降運営終了施設はKOKOHOTELに運営移行予定
※閉館施設はホテルユニゾ新橋を含めて後継事業者が未定/未発表

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