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ヨークベニマル原町西店、2025年10月31日開店-旧藤越スーパーセンター敷地内移転、2026年春以降衣料館や複合商業施設再整備も

福島県南相馬市原町区にセブン&アイHD/ヨークHD系大型食品「ヨークベニマル原町西店」が2025年10月31日午前9時に開店する。

藤越スーパーセンター引継いだベニマル南相馬旗艦店

ヨークベニマル原町西店は、1983年3月に福島地場流通大手系総合スーパー「藤越ショッピングセンター原町店」として開店。店舗面積は4,037㎡。
藤越ショッピングセンター原町店は、1991年3月の藤越によるスーパーセンター業態展開(1号店は谷川瀬)にともない「フジコシスーパーセンター原町」に転換したが、2001年1月に藤越が民事再生法適用を申請し事実上倒産、2007年11月にヨークベニマルと資本業務提携を締結し新会社「藤越(事業承継会社)」を譲渡したことで、2008年9月に現在の店舗名となった。
ヨークベニマル原町西店は藤越時代から引続き、直営衣食住フロアに加えて専門店フロアを併設展開したが、2024年4月に「ヨークベニマル原町西店減築工事」を開始し店舗面積を3,031㎡に縮小するリニューアルを実施。2025年10月12日には藤越開店から約42年経過するなど「店舗が老朽化し、お客様に満足いただける品揃えができない状況」であったことを理由に挙げ閉店していた。

敷地内移転で総合スーパーから食品スーパー業態に

ヨークベニマル原町西店新店舗の建物は鉄骨造平屋建で売場面積は2,332㎡。
旧店舗は藤越時代より衣食住をフルラインで取扱う総合スーパー業態であったが、直営売場の敷地内移転をはじめとする店舗再編にあわせて取扱商品を食品のみに専念する。

ヨークベニマル原町西店(新店舗)。

ヨークベニマル原町西店新店舗のうち、鮮魚売場では前浜・相馬原釜漁港の近海魚をはじめとする全国各地の魚、精肉売場では福島県産和牛や脂肪が少ない赤身部位に加えてローストビーフや電子レンジ対応デリカ商品といった簡便商品、青果売場では店内加工のカットフルーツやデザートを展開。惣菜売場に関しても自社工場製造商品や店内加工の生寿司・海鮮丼、インストアベーカリーを展開するなど「お客様の毎日の食卓を、より楽しく・豊かに・便利に」をめざすとしている。

2026年には衣料館も復活、複合商業施設として再整備

ヨークベニマル原町西店は旧店舗老朽化にともなう敷地内移転にともない店舗規模を大幅に縮小することとなったが、同店を運営するヨークベニマルは「新しい原町西店を含む敷地は、複合商業施設として整備される予定」である方針を示しており、2026年春を目処にヨークベニマル原町西店衣料館や専門店も再整備される見込みだ。

ヨークベニマル原町西店

住所:福島県南相馬市原町区南町四丁目7番地の2 
営業時間:午前9時~午後8時

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マルキュウ熊毛店、2025年10月30日開店-地場大手「生鮮食品館ミコー」最後の店舗跡地に

山口県周南市のJR岩徳線勝間駅近くにある地場大手系食品スーパー「ミコーショッピングプラザ熊毛店/生鮮食品館ミコー熊毛店」跡地に、リテールパートナーズ系中核事業会社「丸久」(本社:山口県防府市)が展開する食品スーパー「マルキュウ熊毛店」が2025年10月30日に開店する。

2025年1月閉店のミコー跡地に丸久の食品スーパー

生鮮食品館ミコー熊毛店は1986年11月に(当時)徳山市城ケ丘に本社を置く地場大手食品スーパー「ミコー(後の新光/岩国本社の同業とは異なる)」運営店舗として(当時)熊毛郡熊毛町に開店。同社は最盛期、徳山市や隣接市町村に多店舗展開を行っていたが、2023年12月に島田店を閉店したため熊毛店1店舗を残すのみとなったが、2025年1月15日をもって閉店していた。
ミコー熊毛店跡地は閉店後解体、丸久により新店舗建設が進められていた。

マルキュウ熊毛店(同社公式より)。

ミコー時代の地元鮮魚店引続いだ新店舗に

マルキュウ熊毛店では青果では地元農協「JA山口県周南統括本部」との連携による産地直送野菜やカット野菜・少量パック商品を展開。
精肉では国産肉/銘柄肉「宮崎県産牛(交雑種)」「山口県産鹿野高原おこめ豚」「山口県産長州どり」を幅広い量目で取扱ううえ、安定した商品供給と品揃えを実現可能な「プロセスセンター供給店舗」としての役割を担う。
また、惣菜では塩麹・味噌使用惣菜コーナー「発酵DELICA」や長州どり使用焼鳥、広島お好み焼き、ハンバーガーといった店内製造商品、自社センター調理商品を展開する。
このほか、水産ではミコー時代から引続き地元鮮魚店「西雅/おさかなやさん(さいび)」がテナント入店する。

マルキュウ熊毛店

住所:山口県周南市呼坂1106-1
営業時間:午前9時~午後9時

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マックスバリュ壺川店、2025年10月31日閉店-那覇市中心部初「ザ・ビッグ」に11月15日業態転換

沖縄県那覇市の沖縄都市モノレール(ゆいレール)壺川駅前にあるイオン琉球系大型食品スーパー「マックスバリュ壺川店」が2025年10月31日をもって閉店する。

イオン琉球「都市型スーパー」足がかりとなる店舗だった

マックスバリュ壺川店は2012年6月に開店。建物は平屋建で店舗面積は1,160㎡。
マックスバリュ壺川店は那覇市中心部至近という立地特性を活かし「いいもの、いつでも、いつも近くに」「毎日うれしい、ちょうどいい、都市型スーパーマーケット」を掲げ、生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)を中心とした直営食品主体/標準フォーマットといえる売場を構築。2014年12月開店の若狭店や2016年5月開店の松山店に連なる都市型店舗展開の足がかりとした。

マックスバリュ壺川店。

那覇市中心部初の「ザ・ビッグ」に

マックスバリュ壺川店周辺では、地場流通大手系食品スーパー「タウンプラザかねひで壺川店」「サンエーV21じょうがく食品館」といった以前からの同業に加え、2019年8月に百貨店系食品スーパー「りうぼう泉崎店」がファミリーマートとの複合業態として新装開店、2020年3月にはPPIH系ディスカウントストア「ドン・キホーテ那覇壺川店」が開店するなど、業態間の競争が激化していた。
イオン琉球はディスカウント食品スーパー「ザ・ビッグ」を県内9店舗展開するが、9店舗中7店舗が小型店「ザ・ビッグエクスプレス」であり、那覇中心部にフルラインのビッグは存在しなかった。マックスバリュを業態転換することで、自社運営店舗を含む近隣競合との差別化を図る狙いがあるとみられる。

那覇市と豊見城市の境界付近にあるエクスプレス小禄店。
従来、那覇市中心部から最も近いビッグだった。

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コープさっぽろひがしかぐら店、2025年10月29日開店-道内大手農協系「ホクレンショップ東神楽店」跡、9月21日の閉店から1ヶ月で引継ぎ刷新

北海道上川郡東神楽町の東神楽町役場付近に、道内大手生協系食品スーパー「コープさっぽろひがしかぐら店」が2025年10月29日午前9時に開店する。

東神楽町中心部唯一のスーパー跡、わずか1ヶ月で復活

コープさっぽろひがしかぐら店は2025年9月21日閉店の道内大手農協系食品スーパー「ホクレンショップ東神楽店」の後継として開店するもので、売場面積/延床面積は220坪。同生協としては道内111店舗体制、旭川地区12店舗体制となる。
青果では地元野菜や簡便商材、食肉ではアレルギー配慮商品や特大パック商品、水産ではCOOP商品をコーナー化。デリカでは定番弁当「魚屋の脂ののった焼き鮭!弁当」「かつ丼」といった定番弁当や曜日サービス、バラ売り販売を展開。地域密着の取組みとして東神楽産の米や地元特産品「ゆめぴりか甘酒」「祝い黒豆」、東神楽近郊の蔵元「三千櫻酒造」「男山酒造」による酒を販売するなど「地域の魅力と味わいを伝える売場づくり」を打ち出す。

コープさっぽろひがしかぐら店。

組合員多い東神楽町でさらなる地域密着に向けた取組みも

コープさっぽろひがしかぐら店が開店する東神楽町は従来、同生協直営店が存在しなかったもの、組合員や宅配システム(トドック)の組織率が高く、今後は地域の学校行事や季節のイベントと連携しながら「地域に寄り添うお店づくり」を進めるとしている。また、同店開店当日午前8時45分より記念イベント「オープニングセレモニー」を開催する。

コープさっぽろひがしかぐら店

住所:北海道上川郡東神楽町北1条西1丁目2−1
営業時間:午前9時~午後8時

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平和堂レイクウェル堅田、2025年10月31日より順次開業-カインズと共同出店、フレンドマート今堅田店を核に無印良品・スタバも

滋賀県大津市のJR湖西線堅田駅近くにあるH2Oリテイリング(阪急阪神百貨店)系大型総合スーパー「スーパーセンターイズミヤ堅田店」跡地に、平和堂系大型食品スーパー「フレンドマート今堅田店」を核とする複合商業施設「レイクウェル堅田」が2025年10月31日午前9時より順次開業する。

びわ湖タワーのイズミヤ大型店跡地

スーパーセンターイズミヤ堅田店(SuCイズミヤ堅田店)は、2005年12月に遊園地「びわ湖タワー」跡地を活用し開店。建物は地上2階建で営業フロアは1階、敷地面積は27,069㎡、店舗面積は14,863㎡、延床面積は39.538㎡。
同社滋賀県初の店舗として「Every Day LOW Price~まいにちやすい~」「みんなの「欲しい!」がいっぱいある。」を掲げ、開店当初は食料品から衣料品、住居関連品を集中レジ方式でフルライン展開するなど欧米型スーパーセンター業態の確立をめざした。
一方、2008年11月に滋賀県地盤の総合スーパー「平和堂アルプラザ堅田」がショッピングセンターとして建替え、2014年12月には琵琶湖(琵琶湖大橋有料道路)を挟み対岸にある複合商業施設「ピエリ守山」が“明るい廃墟”から全面リニューアルを実施。イズミヤも段階的なリニューアルによる再活性化を図ったが、2023年1月9日をもって閉店し店舗跡は解体となった。

平和堂の新商業施設「レイクウェル」、隣接地にカインズ

レイクウェル堅田は「カインズ」「平和堂」により「(仮称)滋賀県大津市今堅田新築計画」(全館店舗面積10,831㎡)として整備が進められてきた施設で、敷地面積は約12,466㎡、店舗面積は約5,621㎡、営業面積は約4,185㎡、直営面積は約1,954㎡。
レイクウェル堅田のロゴマーク。

施設名称は「心も体も健康で満たされたライフスタイルを送っていただきたいとの思い」を込めた造語「Lake+Well」で、専門店として良品計画系ライフスタイルストア「無印良品堅田」(11月21日開店)とスペシャリティコーヒーストア「STARBUCKS」、滋賀銀行ATMが入居する。また、2025年11月12日にはベイシア系ホームセンター「カインズ堅田店」が隣接地に開店する(詳細はカインズ堅田店開店記事参照)
レイクウェル堅田。

平和堂は地場商品強化、大容量商品を常設コーナー化

平和堂フレンドマート今堅田店は、湖西エリア16年ぶり、大津市内では2020年11月の「平和堂石山」以来5年ぶりとなる新店舗となる。
鮮度へのこだわり」「即食・簡便を中心に地域の多世代ニーズへ対応」を特徴のひとつとして挙げ、青果では滋賀県内栽培の地場農産物コーナーや生花(ハナミライコーナー)、精肉では豚肉・鶏肉などの常設ジャンボパックコーナー、鮮魚では姿魚・切身・刺身に加えて西京漬けや地域で親しまれる湖魚佃煮を展開する。調理する様子を目の前で楽しめるライブキッチンで「鉄板亭」「だし巻亭」を展開、時間帯に応じた調理やインストアベーカリーを前面に打ち出す。
このほか、普段使いや観光・行楽需要に応える地域商品として、高島市に本店を構える和菓子屋「とも栄」や湖西エリアで馴染み深いかしわ店「橋本かしわ」、琵琶湖をかたどった「びわこフィナンシェ」、琵琶湖周辺でのBBQユーザーに向けた食材・BBQ関連商品(虫よけ・UVアイテム)を取扱うとしている。

平和堂レイクウェル堅田

住所:滋賀県大津市今堅田三丁目11番3 号
営業時間:午前9時~午後9時

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麻布台ヒルズ、2025年10月29日全街区開業-森ビルが手掛けた「日本一高いビル」、6400億円投じた再開発ようやく完成

東京都港区の東京メトロ神谷町駅から六本木一丁目駅周辺の大規模再開発「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」の中核となる「麻布台ヒルズ」が、2025年10月29日に全街区完成する。
これにより、同地の再開発事業は完了する。

麻布台ヒルズ。(B棟完成前)

旧・郵政省本庁舎などの跡地に生まれたヒルズ

もともと麻布台ヒルズの場所にあった日本郵政グループ飯倉ビルは1930年に逓信省貯金局として竣工。1943年に運輸逓信省逓信院本庁舎に、省庁再編で1946年に逓信省本庁舎に、そして1949年に郵政省本庁舎となった。また、1945年には東京大空襲で焼失した麻布郵便局も入居、郵政省本庁舎としては1969年まで使われた。
この地はもともと山形・米沢藩上杉家の中屋敷(のち逓信省庁舎用地)であり、その裏手にはかつて下級武士の組屋敷が並んでいた住宅街・我善坊谷があった。

再開発前のようす・旧・郵政省本庁舎。

この地域では1989年に「街づくり協議会」が設立されて再開発事業が始動したものの、バブル崩壊後の景気の後退により計画は進まなかった。
しかし、景気の底上げとともに本格的に検討されるようになり、2018年3月に日本郵政森ビルにより虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発組合が設立。都市再生特別地区、国家戦略特区にも指定され、2019年春に再開発工事が本格着工、麻布郵便局と我善坊谷は解体された。

2023年11月より順次開業していた「日本一高いビル」

麻布台ヒルズ」の開発コンセプトは「Modern Urban Village」(モダン・アーバン・ヴィレッジ)、総事業費は約6,400億円。
開発エリアは高さ日本一となる地上64階+塔屋2階・地下5階建て・330mの超高層オフィス・レジデンス棟「麻布台ヒルズ森JPタワー」を中核に、主に住宅となる2棟の「麻布台ヒルズレジデンスA/B棟」(タワーマンション、工事遅れにより2023年11月時点はA棟のみだった。A棟は地上54階・地下5階、高さ237.2m)、商業機能を主体とする緑に包まれた「ガーデンプラザ」、イベントなどが開催される約6,000㎡の「中央広場」などで構成される。
また、各棟は地下通路で東京メトロ日比谷線神谷町駅、東京メトロ南北線六本木一丁目駅と直結される。

麻布台ヒルズ・フロア構成。

そのうち、2023年11月には麻布台ヒルズ森JPタワーや中央広場、ガーデンプラザなどが先行開業。商業施設も順次開業していた。
メインタワー「麻布台ヒルズ森JPタワー」には明治屋などが出店する商業施設のほか、都内最大のインターナショナルスクール「ブリティッシュ・スクール・イン 東京」や予防医療施設「慶應義塾大学予防医療センター」などが入居。高層階に設けられるレジデンス(住宅)は、1部屋約300億円といわれている。
低層が主に商業施設となる「ガーデンプラザ」。
特徴的な外観の建物は英国のトーマス・ヘザウィック氏によるデザイン。

麻布台ヒルズ森JPタワーガーデンプラザなどを合わせて麻布台ヒルズの商業施設の総店舗面積は約24,000㎡、約150店舗。
各種アパレルブランド・ラグジュアリィブランドのほか、「大垣書店」、「金子眼鏡店」、「集英社マンガアートヘリテージ」、「チームラボ」のオフィシャルショップ、「麻布台ヒルズ ギャラリー」なども入居している。

日本一高いビルとなる麻布台ヒルズ・メインタワー。

なお、再開発にともない麻布台ヒルズと隣接する西久保八幡神社も建て替えられており、境内とヒルズは連絡通路で接続されている。

西久保八幡神社。

2025年10月に全街区完成、麻布台再開発ようやく完了

2025年10月には、工事が当初の予定より遅れていた「麻布台ヒルズ レジデンスB棟」がようやく完成した。
レジデンスB棟は三井住友建設が中心となって手掛けたもので、地上64階・地下5階、高さ262.82m。おもにマンション(約970戸、分譲以外含む)となるほか、賃貸サービスアパートメント、オフィス(68区画)なども入居する。なお、B棟はタワーマンションとしては日本一の高さとなっている。
また、あわせて東西をつなぐ地下道路、さらに六本木一丁目駅と神谷町駅を繋ぐ地下通路「セントラルウォーク」も完成。両駅間の乗り継ぎが便利となった。このセントラルウォークには備蓄倉庫を設置するなど、帰宅困難者などを収容する防災機能が備えられている。

麻布台ヒルズ・街区構成と周辺整備。

これらの完成により、「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」は2025年10月29日を以てすべてが完成することとなった。

麻布台ヒルズ

東京都港区麻布台1丁目6−19ほか
(街区構成図などはニュースリリースより)

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イオンタウン高砂、2025年12月7日閉店-核店舗「マックスバリュ梅井店」は10月31日先行閉店、ロックタウンから20年の歴史に幕

兵庫県高砂市の山陽電鉄本線伊保駅近くにあるイオン系近隣商圏型商業施設「イオンタウン高砂」が賃貸借契約期間満了のため、2025年12月7日をもって閉店する。

2005年に「ロックタウン高砂」として開業

イオンタウン高砂は2005年12月にイオン/大和ハウス合弁会社「ロック開発」による近隣商圏型商業施設「ロックタウン高砂」として開業。2011年9月のイオンによる完全子会社化と運営会社名変更にあわせて現在の施設名称となった。建物は平屋建で店舗面積は9,471㎡。
イオンタウン高砂は、1998年6月に開業したアスパ高砂(イオン高砂店)に次ぐ高砂市内有数の店舗面積を誇るを大型店であり、イオン系大型食品スーパー「マックスバリュ梅井店」(旧マックスバリュ西日本/現フジ運営)とDCM系ホームセンター「DCM高砂店(旧ダイキ高砂店)」を核に、100円ショップ「ダイソー」や関西地場ユーズドインテリア雑貨「Guide-Maker」、パチンコ店「丸三」、その他サービス系専門店など7店舗が入居していた。

イオンタウン高砂の食品核「マックスバリュ梅井店」。

テナント撤退相次いでいたイオンタウン、20年の歴史に幕

イオンタウン高砂では賃貸借契約満了にともなう閉店発表に先駆け、2025年7月27日にDCMが、8月31日には丸三が、9月13日にはGuide-Makerが撤退するなど商業区画の空床が顕著となっていた。同施設の食品核を担うマックスバリュも10月31日をもって撤退する予定であり、12月7日をもってロックタウンから20年の歴史に幕をおろすこととなる。

イオンタウン高砂の専門店街。

(写真は同社公式より)
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ユニーピアゴラフーズコア半田清城店、2025年10月31日閉店-年始の営業時間前火災で長期休業、営業再開断念

2025年1月に火災で被災していた愛知県半田市のパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)系食品スーパー「ピアゴラフーズコア半田清城店(はんだせいしろ店)」が、2025年10月31日に閉店する。

半田市を代表する高級食品スーパーだった

ピアゴラフーズコア半田清城店は、2006年2月にユニーの高級食品スーパー業態「ラフーズコア半田清城店」として開店。建物は鉄骨造平屋建2棟で敷地面積は6,752㎡、店舗面積は1,624㎡、直営売場面積は1,033㎡、延床面積は2,226㎡。同業態としては7店舗目だった。
ラフーズコア半田清城店は、2009年2月のグループ店舗ブランド再編にあわせてグループ共通食品スーパーブランド「ピアゴ」を冠する現店名に改称したが、高価格帯の厳選商品を引続き展開するなど、名鉄河和線知多半田駅前の自社系総合スーパー「ピアゴ半田店」や近隣同業他社系店舗「アオキスーパー清城店」「アミカ半田店」との差別化を図っていた。

2025年1月の火災で長期休業、営業再開実現せず

ピアゴラフーズコア半田清城店の閉店は、2025年1月12日の営業時間前に発生した火災を背景としたもの。
同社は当初「火災の影響により、当面の間、営業を休止」する方針を明らかにしていたが、同様の火災にともなう半年近い休業期間を経て新装開店を果たした「ピアゴ各務原店」「MEGAドン・キホーテUNY吉良店」と異なり、被災店舗での営業再開に向けた動きがみられなかった。

ピアゴラフーズコア半田清城店(同社公式より)。

ピアゴラフーズコア半田清城店の跡地活用方針に関して、2025年10月現時点では発表されていない。なお、別棟のドラッグストア「スギドラッグ清城店」はユニー撤退後も営業継続する。

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イズミゆめモール五日市、2025年10月30日全面開業-ゆめタウン跡地を約1年かけ段階的に建替刷新

広島県佐伯区の五日市コイン通り商店街にあるイズミ系大型総合スーパー「ゆめタウン五日市」跡地に、同社系近隣商圏型ショッピング線「ゆめモール五日市」が2025年10月30日に全面開業する。

ファッションセンターしまむらゆめモール五日市店。

半世紀の歴史誇ったイズミの古参店

ゆめモール五日市の前身となるイズミ系大型総合スーパー「イズミ五日市店」は1977年5月に開店。2013年12月の店舗ブランド再編にともない「ゆめタウン五日市」となった。建物は2館体制で本館は鉄筋コンクリート造地上3階建、リビング館は鉄骨造平屋建、敷地面積は約14,500㎡、店舗面積は約6,996㎡、延床面積は約8,230㎡。
開店以来長らく、五日市コイン通り商店街の商業核としての役割を担っていたが、2023年9月に「現在の耐震基準に満たない建物」であることを理由に建替えする方針を正式発表、同年11月19日にリビング館を先行閉店、2024年1月21日に本館2~3階フロアを先行閉店し、同年8月27日をもって全館閉店していた

24年秋から順次開業「ゆめモール」、ついに全面開業

ゆめモール五日市は2024年9月12日に一部先行開業。建物は平屋建で敷地面積は約18,100㎡、営業面積は約5,500㎡、延床面積は約6,900㎡。

ゆめモール五日市。

キーワードに「通う場所×出会う場所×憩う場所」を掲げ、イズミ直営食品スーパー「ゆめマート五日市」を核に、ベイシア系作業着/カジュアルファッションストア「Workman Colors」や大創産業系100円ショップ「ダイソー」、カフェ「コメダ珈琲店」、定食レストラン「やよい軒」、ラーメン店「麺場田所商店」など飲食サービス系含む15店舗が2025年9月20日まで順次営業開始していた。
段階的な建替再開発のため商業フロアとしての再開が遅れていた旧本館跡地に大型ファッションストア「ファッションセンターしまむら」が10月30日に開店することで施設は専門店16店舗体制で全面開業を果たすこととなった。

ゆめモール五日市のテナント一覧。

イズミゆめモール五日市

住所:広島県広島市佐伯区五日市五丁目5番17号
営業時間:午前9時~午後10時(ゆめマート五日市)

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ヤオコー岩槻本丸店、2025年10月29日開店-「ダイエーDマート」「マミーマート」跡地に商業施設復活

埼玉県さいたま市岩槻区の国道2号線沿いにあった旧ダイエーDマート岩槻店/マミーマート岩槻店跡地に、ブルーゾーンHD系大型食品スーパー「ヤオコー岩槻本丸店」が2025年10月29日午前9時に開店する。

欧米の消費文化を意識したダイエーDマート岩槻店

ダイエーDマート岩槻店は、1994年4月にダイエー系ディスカウント総合スーパーとして開店。建物は地上2階地下1階建で店舗面積は6,954㎡。
Dマート岩槻店は欧米の消費文化を意識した低価格業態の店舗として、フルラインの直営衣食住フロアに加え、アメリカンスタイルの直営フードコートやオートスロープを導入するなど近隣競合店との差別化を図ったが、2002年5月にグループの経営悪化を背景としてわずか8年で閉店し解体となった。

マミーマートの近隣商圏型商業施設となるも20年で閉店

ダイエーDマート岩槻店跡地には、2003年12月に埼玉地場大手系食品スーパー「マミーマート岩槻店」が開店。建物は地上2階建で店舗面積は5248㎡。
マミーマート直営食品フロア(2,291㎡)を核に、ドラッグストア「マツモトキヨシ」や総合ファッションストア「パシオス」、100円ショップ「Seria」といった専門店が入居する近隣商圏型ショッピングセンターに近い店舗形態であったが、2023年12月に契約期間満了のため閉店。Dマート同様に跡地は解体となった。

ヤオコー核の新施設として再び商業施設復活

ヤオコー岩槻本丸店の建物は地上2階建で敷地面積は約18,618㎡、直営売場面積は約2,518㎡、延床面積は約7,830㎡。

ヤオコー岩槻本丸店。

ヤオコー岩槻本丸店はストアコンセプトに「すべてのお客さまに【美味しさ】で感動を~ヤングファミリー層獲得に向けて各部の専門性を高めヤオコーのファンを増やそう!~ 」を掲げ、青果では木熟トマトシリーズや地産トマトを拡充するなど「地域一番のトマト売場」を実現、精肉では黒毛和牛・ミートデリカを展開、鮮魚では対面販売による商品提案に加えて豊洲市場を活用した圧倒的鮮度の生まぐろ・旬の近海魚を提供する。また、デリカにおいても寿司売場との連動や出来立て惣菜の対面販売、国産小麦使用・店内手伸ばし製造によるピザをはじめとするベーカリーを展開する。
施設内ではドラッグストア「スギ薬局」に加え、マミーマート時代の有力専門店であったパシオスとSeria、医療関連テナントも順次開店する予定であり、岩槻城のお膝元に再び利便性の高い商業施設が復活することとなった。

ヤオコー岩槻本丸店

住所:埼玉県さいたま市岩槻区本丸3丁目20番45号
営業時間:午前9時~午後9時30分

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