長野県松本市深志の地場老舗百貨店「井上」跡に、マリオット系ライフスタイルホテル「モクシー松本(Moxy MATSUMOTO)」が2027年度中に開業する。
商都・信州松本駅前の顔だった百貨店「井上」
井上は1885年に現在の長野県松本市で呉服店として創業、1950年3月に法人化、1979年4月に松本駅前に百貨店「井上本館」と専門店館「井上新館ベルモール25」を開業した。2023年夏に高層階をオフィスに転換する全面リニューアルを実施したが、2025年3月に建物老朽化と郊外店(アイシティ21)への統廃合のため閉店、同年4月にサテライトショップとして縮小移転していた。
地元不動産主導で全面改修、マリオット系ホテルに
井上本館の建物は1979年3月竣工で鉄骨鉄筋コンクリート造陸屋根地上7階地下1階建、敷地面積は2,781.98㎡、延床面積は13,594.67㎡。
井上本館閉店後は、2025年10月に地元不動産会社「エム・ケーケー(MKK)」が施設を取得したうえで外資系ホテルとして大規模改修する方針を発表。2026年2月にMKKが「マリオット・インターナショナル」とFC契約を締結し、2027年度中を目処に松本市内初となるマリオット系ライフスタイルホテルブランド「モクシー(Moxy)」が開業することとなった。
マリオットの若者向けブランド「モクシー」地方初展開
モクシーは2014年9月にイタリア共和国のミラノマルペンサ国際空港に1号店「Moxy Milan Malpensa Airport」を開業。モクシー1号店は世界的ホテルチェーン「マリオット(Marriott)」と北欧系インテリア「イケア(IKEA)」によるミレニアル世代向け新ブランドとして誕生した経緯もあり、イケアによるホテル事業参入として注目を集めた。
マリオットは「業界最強のポートフォリオ」を称するマルチブランド戦略の一環として「節約志向の旅行者向けブティックホテル」と位置付ける同業態を世界各地に店舗網を拡大。2014年9月のブランド誕生からわずか3年後となる2017年11月に日本1号店「モクシー東京錦糸町」(パシフィカキャピタル系FC)を開業し、2026年2月現在は首都圏/近畿圏に4施設(東京錦糸町・大阪本町・大阪梅田・京都)を展開する。

モクシー松本。
モクシー松本は、英語で「元気(=moxie)」に由来するブランド通り、「スマートなデザイン、活気あるソーシャルスペース、テクノロジーを活用したゲスト体験」「モクシーの持つ遊び心と社交性を核に、仕事・遊び・リラックスの境界を曖昧にする、デザイン性の高い共用空間」を訴求。
同ブランド最大の特徴ともいえるフロント兼バー「モクシー・バー(Moxy Bar)」を導入するなど、「松本の伝統と現代的なデザインを融合させ、宿泊ゲストと地元の人々が交わる新たなコミュニティ拠点」をめざすとしている。

コングロM(旧井上新館)とともにMKKが展開する。
モクシー松本
住所:長野県松本市深志二丁目1番10号

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ザ・ビッグ小倉熊本店、2026年7月開店-黒原公団住宅跡地再整備、地場大手「丸久」「まるよし」「エフコープ」跡地に
福岡県北九州市小倉北区のUR都市機構黒原団地跡地に、イオン系ディスカウント食品スーパー「(仮称)ザ・ビッグ小倉熊本店」が2026年7月1日(届出上)を目処に開店する。
黒原公団、当初は丸久を核とする商住複合施設だった
UR都市機構黒原団地(黒原公団住宅)は1966年2月に竣工、1966年3月に開業。建物は2棟で店舗面積は1,682㎡。
開店当初は山口地場最大手系総合スーパー「丸久小倉黒原店」を核とする商住一体型複合施設であったが、1990年代の丸久グループ経営悪化にともなう同社九州撤退により、北九州地場系「綜合スーパーまるよし黒原店」を核とする施設となった。

ダイソーエフコープ黒原店(旧綜合スーパーまるよし黒原店)。
エフコープ1号店が2000年に移転するも老朽化で解体
UR都市機構黒原団地(黒原公団住宅)西棟には、2000年10月に福岡県域生協系食品スーパー「エフコープ黒原店」が足原2丁目より移転新装開店。2004年10月自己破産したまるよし跡に大創産業系100円ショップ「ダイソー」を展開するなど「エフコープ(前身である北九州市民生協時代を含む)第1号店」の流れを汲む大型店として営業を続けたが、2024年1月に老朽化のため半世紀の歴史に幕をおろしていた。

エフコープ黒原店。
ザ・ビッグ北九州市内4店舗体制に
ザ・ビッグ小倉熊本店は、UR都市機構黒原公団跡地を再整備するもので、敷地面積は約7,853㎡、店舗面積は約1,983㎡、延床面積は2,349㎡。
イオン九州による同業態の新規出店は2024年6月のイオンタウン日田核店舗「ザ・ビッグ日田店」に次ぐもので、北九州市内4店舗体制となる見込みとなっている。
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PPIH新業態「食品特化型ドンキ」1号店、2026年4月開店-2月12日発表、ピアゴ甚目寺店転換を皮切りに2035年6月期「200~300店舗」体制めざす
流通大手「パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)」(本社:東京都目黒区)は、狭小商圏型新業態「食品特化型ドンキ」1号店を2026年4月より本格展開する方針を2026年2月12日に明らかにした。
2025年8月発表の食品特化型ドンキ
PPIHは2025年8月の長期経営計画「Double Impact 2035」において、狭小商圏型新業態「食品強化型ドンキ」の開発方針を発表。2035年6月期までにピアゴの業態転換や新規出店/M&Aを進めることで200~300店舗体制を構築し、売上高6,000億円、営業利益360億円、営業利益率6%をめざすとしていた。
2026年4月開店の甚目寺店を皮切りに
食品特化型ドンキ1号店は、2026年4月にPPIH/ユニー系大型食品スーパー「ピアゴ甚目寺店」(愛知県あま市)をダブルネーム業態「(仮称)ドン・キホーテピアゴ甚目寺店」に転換するもので、2026年6月期にピアゴ5店舗の新業態化を図る。

ピアゴ甚目寺店(同社公式より)。
食品特化型ドンキは、同社が従来展開してこなかった「住宅密集地や生活導線上」に店舗網を展開することで、既存業態が取りこぼしていた「新たな若年層(小学生~中学生)」を獲得。
生鮮食品は簡便素材と時短商品を強化、惣菜はPPIH系「カネ美食品」との協業による平均単価ワンコインかつ高頻度入替えを特徴とした商品開発を試みるなど、価格優位性を訴求した売場とする。非食品に関してもコンセプトを「これでイイじゃん」にさだめ、ドンキPB「情熱価格」や生活消耗品、美容セルフケア、エンタメ系商品を「コスパの高いオススメ商品群」で構成する。
また、ドンキ赤羽東口店や小型店で実装中の「マルチタスクオペレーション」によるメイト(=パート・アルバイト)主体の運営、同一エリア既存店舗との一体運営を進めることで、販管費のコントロールと高い収益性を確立するとしている。
3月3日の戦略発表会で全貌明らかに
PPIHは2026年3月3日に「食品強化型ドンキ戦略発表会」を開催予定。2月12日現時点では「(仮称)ドン・キホーテピアゴ」となっている業態の正式名称やMD戦略、メディア販促を改めて明らかにするとしている。