井上百貨店本店、2025年3月31日閉店ー老朽化で、郊外のアイシティ21に統合

長野県松本市のJR松本駅近くにある百貨店「井上百貨店本店」が、2025年3月31日に閉店する。

井上百貨店本店。

創業約150年、かつては2館体制だった

井上は1885年に呉服店として創業、1979年に現在の店舗へ移転した。
かつては本館と新館の2館体制であったが、2010年に新館(現在「コングロM」として丸善など出店)を閉鎖した後は本館に売場を集約し営業している。
本館の売場は地階から7階、店舗面積は8,000㎡となっている。2023年夏には、フロアの一部をオフィスにするなどのリニューアルを行ったばかりだった。

井上本店、大規模改装するもアイシティに統合

閉店は井上百貨店が公式ウェブサイトなどで発表したもの。改装したばかりではあったものの、建物の老朽化により快適に買い物できる環境ではなくなったことが大きな要因だとしており、本店の閉店に合わせて郊外支店「井上アイシティ21店」(長野県山形村)のリニューアルもおこなうとしている。

売場を縮小しつつ「ネット通販も拡充」

井上百貨店では2022年11月から食品を中心としたインターネット宅配事業「井上アイシステム」(ネットスーパー)をおこなっているほか、2023年1月には自社サイトによるネット通販(EC)「井上オンラインショップ」を開始するなど通信販売事業に力を入れており、これによって実店舗の縮小による売り上げ減を補う考えだとみられる。

井上百貨店近くにある松本パルコ。

松本市内では2017年9月の「イオンモール松本」の開業以降、井上百貨店の近くでは「アリオ松本(イトーヨーカドー)」が2017年9月に閉店(「アルピコプラザ」として2018年に再開業)、「松本パルコ」が2025年2月に閉店する予定が発表されるなど、商環境の大幅な変化が生じている。
今後は閉店した各商業施設の再活用についても大きな課題となる。

井上百貨店本店

長野県松本市深志2丁目3−1
営業時間:10時~18時半

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