カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

えきマチ1丁目上熊本、12月11日開業-JR上熊本駅に併設

JR上熊本駅に駅併設のショッピングセンター「えきマチ1丁目上熊本」が12月11日に開業した。
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えきマチ1丁目上熊本。

地域密着型の10店舗が出店

「えきマチ1丁目」はJR九州ビルマネジメントが運営する駅ビル・駅併設型の商業施設。JR東日本の「アトレ」とほぼ同業態にあたる。
えきマチ1丁目上熊本は2階建てで、延床面積は3,348㎡と「えきマチ」のなかでも比較的小規模なものとなる。
熊本の地場食品スーパー「イワサキエース」、JR九州グループの「ドラッグイレブン」、100円ショップ「キャンドゥ」を核店舗に、洋菓子店「スイス」、珍味・佃煮販売「古じょう庵」、自家製ハム・ソーセージ専門店「オーデンハムファクトリー」、学習塾、歯科、美容室、クリーニング店など10店舗が出店。一部テナントは2017年3月までに順次オープンする予定だ。

九州新幹線開通を契機に高架化、木造駅舎は一部保存

JR上熊本駅は1891年に開業。第五高等学校(現在の熊本大学)に赴任中の夏目漱石が利用していたことでも知られ、1913年に建てられた洋風の木造駅舎がシンボルであったが、九州新幹線の高架化に伴い2015年3月に高架化。その後、商業施設の工事などが進められていた。今回の商業施設完成に伴い、10年以上に亘った九州新幹線工事・高架化工事に伴う駅前(東口)整備はほぼ完了することになる。
(東口整備事業はほぼ完成を迎えるが、将来的には西口の整備が行われることになっている)
なお、かつての木造駅舎は熊本市電上熊本駅前電停の上屋として一部が保存されている。
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新幹線工事中の旧駅舎。市電電停に移築された。

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熊本電鉄も乗り入れる。

えきマチ1丁目上熊本

熊本市西区上熊本二丁目18番1号
営業時間:8:00~22:00(一部異なる)
駐車場:159台

(イメージイラストはJR九州公式サイトより)
外部リンク:『えきマチ1丁目上熊本』オープン! | えきマチ1丁目
外部リンク:上熊本駅に 『えきマチ1丁目 上熊本』 がオープン!! – JR九州
関連記事:イオンタウン西熊本、11月11日増床・リニューアルオープン-西熊本駅前
関連記事:熊本地震、主な営業休止商業施設の状況

JR常磐線・相馬―浜吉田間、2016年12月10日運行再開-5年9ヶ月ぶり、東日本大震災で不通

東日本大震災の影響により不通となっていたJR常磐線相馬駅―浜吉田駅間が線路移設され、2016年12月10日に運転を再開した。
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5年9ヶ月ぶりに運転を再開したJR常磐線相馬-浜吉田間。(山下駅)

内陸移設で約5年9ヶ月ぶりの運転再開

JR常磐線は上野駅(東京都台東区)と岩沼駅(宮城県岩沼市)を結ぶ全線343.1kmの路線。2011年3月に発生した東日本大震災の影響により一部区間が不通となっていたが、復旧工事の進展に伴い運転再開区間を徐々に広げている。
今回復旧したのは、相馬駅(福島県相馬市)-浜吉田駅(宮城県亘理町)間の約23.2kmで、この区間での運転再開は約5年9か月ぶり。当初は2017年中の復旧を目指して工事が進められていたが、早期の営業再開となった。
今回の復旧区間のうち、駒ヶ嶺駅-浜吉田駅間の約14.6kmは津波対策として線路を最大1キロほど内陸に移設。合わせて同区間内の新地駅(福島県新地町)、坂元駅(宮城県山元町)、山下駅(山元町)の3駅も内陸に移設されており、移設区間の約4割が高架区間となっている。

山下駅では始発列車が出発する午前5時40分すぎに出発式典が挙行されたほか、新地駅の開通記念式典には安倍総理大臣や震災時に列車の乗客の避難誘導にあたった警察官も出席した。

仙台駅との直通列車も復活、観光面にも期待

また、相馬駅-浜吉田駅間の運転再開に伴い、震災前まで運行されていた原ノ町駅(福島県南相馬市(旧・原町市)、相馬駅-原ノ町駅間は2011年12月に営業再開)と仙台駅を結ぶ直通列車も復活。
これまでの代行バス(相馬駅-亘理駅間)利用と比べて所要時間が大幅に短縮されたことにより、福島県相双地域(相馬市・南相馬市・双葉郡)と仙台都市圏間の人の流れが再び活発化しそうだ。
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復活した原ノ町-仙台間の直通列車。(仙台駅)

内陸移設駅はいずれも「中心市街地」近くに移転
-開発進む各駅、山下駅前には地場ショッピングセンターも

もともと、新地町や山元町の中心市街地は従来の駅周辺ではなく、それよりも内陸にあった。そのため、今回の内陸側への線路・駅移設によって、両町の中心部に住む住民の利便性は大きく向上することになる。
両町では、今回の線路移設に合わせて新駅の駅前整備も行っており、山下駅前では地場スーパー「フレスコキクチ」、ドラッグストア「薬王堂」などが、坂元駅前ではコンビニエンスストア「ローソン」が新たに出店したほか、各駅周辺では仙台からの直通列車も走るとあって、復興住宅の整備やニュータウンの建設、公園の整備なども行われており、今後の町の発展にも大きな期待が寄せられる。
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山下駅近くの高架区間を走る常磐線。
駅前には2016年10月に山元ショッピングセンターが開業。
旧駅よりも中心部に近いため、新たな街づくりが行われる。

2020年3月までに全線再開めざすJR常磐線

今回、相馬駅-浜吉田駅間が運転再開となったことにより、常磐線の宮城県内の不通区間は消滅した。
福島県内の常磐線は、2011年12月に相馬駅-原ノ町駅が、2016年7月に原ノ町駅-小高駅間が復旧するなど、徐々に運行再開区間を伸ばしてきた。
一方で、2016年12月現在も運休が続いている福島県内の竜田駅(楢葉町)-小高駅(南相馬市)間は、2020年3月までの全線再開を目指して工事が進められている。
このうち、浪江駅(浪江町)-小高駅は2017年3月までに、竜田駅-富岡駅(富岡町)は2017年12月末までに、そして福島第一原子力発電所と近接する富岡駅-浪江駅は2020年3月までにそれぞれ復旧する予定。常磐線は晴れて全線での営業再開を迎えることになる。
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浪江方面に続く線路。(小高駅)

甚大な被害により、一時は全線の営業再開が危ぶまれたJR常磐線。
全線復旧に向けて、鉄路は着実に繋がりつつある。

関連記事:仙台空港、7月1日完全民営化-東急系の運営に
関連記事:イオンモールいわき小名浜、2016年8月着工-2018年夏開業目指す
関連記事:福島県双葉町商店街の「原子力広報ゲート」撤去開始

ミスターマックス越谷ショッピングセンター、2017年1月15日閉店-越谷駅前の大型店

東武伊勢崎線越谷駅前の「ミスターマックス越谷ショッピングセンター」が、2017年1月15日をもって閉店する。
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ミスターマックス越谷ショッピングセンター。
(画像はGooglemapより)

ヨーカドー跡に開業も僅か6年余りで撤退

ミスターマックス越谷ショッピングセンターは、2009年に閉店した「イトーヨーカドー越谷店」跡地を所有者の越谷ゴム工業が再開発し、2010年12月に開業。建物は越谷ゴム工業が所有しており、地階~1階の「ミスターマックス越谷店」を核として、100円ショップ「ダイソー」、手芸「トーカイ」、フードコートなどなど複数の専門店が出店している。建物は地下1階、地上3階建てで、売場面積は7,864㎡。なお、エスカレータではなくオートスロープが設置されていることも特徴となっている。
越谷駅前の新たな顔として期待されたが、2008年10月に開業した日本最大のショッピングセンター「イオンレイクタウン」や、2012年7月に越谷駅前に誕生した複合商業施設「越谷ツインシティ」(核はやはりイオン系のカスミ)などとの競争激化により、出店からわずか6年余りでの撤退となった。
ミスターマックス越谷店は同社で埼玉県唯一の店舗であり、近隣には系列店舗が存在しないため(最も近いのは茨城県の取手店)同社の知名度不足も広域集客を行えなかったことの一因であろう。
なお、ビルに出店する一部のテナントは1月16日以降も営業するほか、2017年春には新たな核店舗としてイオン系の食品スーパー「フードスクエアカスミ 越谷ランドマーク店(仮称)」の出店が予定されている。

外部リンク:MrMax越谷店
関連記事:東武ストア北坂戸店、11月30日閉店-ヨーカドーに続き駅前スーパー撤退
関連記事:大宮オーパ、2017年1月29日閉店

東京タワー「ツーリストインフォメーションセンター」12月9日開設-アニメイトも3月出店へ

訪日観光客が増えるなか、JTBグループのJTBコミュニケーションデザインは、「東京タワー・フットタウン」の3階に観光案内拠点「東京タワー ツーリストインフォメーションセンター」を12月9日に開設した。
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東京タワー。

JTB、外国人客増加に対応-3月にはアニメイトも出店

東京タワーは1958年12月に開業。テレビ電波塔としての役割は「東京スカイツリー」の開業で終えたものの、「東京を代表する観光スポット」「高度経済成長の象徴」として今もなお根強い人気を誇っており、近年は訪日外国人観光客の入場者も増加している。
「東京タワー ツーリストインフォメーションセンター」は都内4施設目となるJTBの観光案内拠点で、東京及び周辺地域の観光案内や外貨両替サービスを実施、無料Wi-Fiスポットを整備することで観光客のネット需要にも対応する。
また、このツーリストインフォメーションセンター内には、アニメショップ最大手の「アニメイト東京タワー店」(仮称)も出店する予定。
アニメイトの23区南部への出店は蒲田店に続いて2店舗目で、観光客にとっても地域住民にとってもますます便利で楽しめる場となるであろう。
追記:アニメイトは仮店舗を経て、3月1日に「アニメイトJMA東京タワー店」としてグランドオープンする。
JMAはアニメイト、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館5社の合弁会社として2015年9月に設立されたもので、「“ホンモノ”の作品にファンが接する場」をキャッチフレーズに、各種展示なども行われる。

アニメイトJMA東京タワー

住所:東京都港区芝公園4丁目2-8
営業時間:11:00~21:00

外部リンク:東京タワーにツーリストインフォメーションセンターがオープン!(東京タワー)
外部リンク:JTBのTOURIST INFORMATION CENTER | 日本を訪れる方は必見(JTB)(日本語)
関連記事:アシックス、品川に「新感覚」直営店、8月9日開店-ネット×リアル融合、常に”期間限定”で集客
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イオンモール長久手、2016年12月9日開業-激化する「長久手の商戦」

愛知県長久手市の愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)・長久手古戦場駅前の大型ショッピングセンター「イオンモール長久手」が12月9日にグランドオープンする。
imageイオンモール長久手。

長久手最大の商業施設-2館体制・5万㎡級の巨大モール

イオンモール長久手は長久手古戦場駅北側で開発が進む長久手中央土地区画整理事業地内に出店。
コンセプトは「みんなの憩いの場、森のまち。」とし、施設は地上2階建ての「駅前棟」と、地下1階、地上4階建ての「モール棟」の2棟で構成される。延床面積は約134,000㎡、総賃貸面積は約59,000㎡で、長久手市最大の商業施設となる。
image施設は2階体制となる。

長久手古戦場駅とも直結されるほか、1月9日まで尾張旭駅とのシャトルバスも運行され、公共交通でのアクセスも便利なものとなっている。
館内には、イオン直営の総合スーパー「イオンスタイル長久手」(モール棟1〜3階)、スポーツ用品店「スポーツオーソリティ」(モール棟3階)、家電量販店「エディオン」(モール棟4階)、シネマコンプレックス「イオンシネマ」(モール棟4階)など、約200の専門店が出店する。

イオン初の和牛専門コーナー「匠和牛ショップ」が展開

核店舗となる総合スーパー「イオンスタイル長久手」では、長久手市周辺に多い子育て世代の意見を承りながら、“癒し”“健康”“こだわり”を提供できる店づくりを目指す。
1階食品フロアでは、「大海老天むすおにぎり」や「雑穀米おにぎり」など約30種類の手づくりおにぎりを取り揃える「手づくりおにぎりショップ」がイオン初展開。
また、精肉コーナーではこちらもイオン初となる「匠和牛ショップ」が展開。イオンの指定農場で手間暇かけてつくり上げた4等級以上の和牛を取り揃え、「みすじ」や「とも三角」と言った希少部位も取り扱う。
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イオン初となる「匠和牛ショップ」

2階ファッションと雑貨のフロア、3階キッズと暮らしのフロアでは「長久手スタイル」を提案し、地域のライフスタイルに合わせたアパレルや服飾、生活雑貨を展開する。

53の飲食店が軒を連ねる一大グルメワールド

イオンモール長久手では、1階「Nagakute Marche」、3階「Food Forest」、4階「星空レストラン」と3箇所のフードコート・飲食店街が配置され、全テナントの約28%に相当する53店舗の飲食テナントが軒を連ねることで一大グルメワールドを形成している。
1階食のコンセプトゾーン「Nagakute Marche」では、仙台の牛タン専門店・利久が手がける初の牛タンカレー専門店「仙臺杜の牛たんカレー」や、ヴィレッジヴァンガードが手がけるハンバーガー専門店「ヴィレッジヴァンガードダイナー」の東海初店舗、愛知初上陸の「焼きチーズタルト専門店 PABLO mini」など22店舗が出店する。
image22店舗が出店するNagakute Marche。

3階フードコート「Food Forest」では、うどん専門店「丸亀製麺」、地元愛知で絶大な支持を集めるラーメン・甘味の「スガキヤ」、ローストビーフ丼の「ローストビーフ屋」など12店舗が出店。
4階レストラン街「星空レストラン」では、愛知名物“ひつまぶし”と、ひつまぶしの肉バージョンとなる“肉まぶし”を提供する「舎〜やまよし〜」や、土佐料理専門店「土佐わら焼き龍神丸」、ステーキ専門店「いきなり!ステーキ」など14店舗が出店する。
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星空レストラン。

「日本一若い」長久手市-さらに激化する「長久手の商戦」

イオンモールが出店した長久手市は名古屋市の東側に位置する人口約56,500人(2016年12月1日現在)のベッドタウン。一般的には戦国時代に豊臣方と織田・徳川方が戦った「小牧・長久手の戦い」の主戦場として、また2005年に開催された「愛・地球博」の開催地としても知られている。
長久手市内では近年ニュータウンの造成や教育機関の新設が相次いでおり、2015年から2016年にかけての人口の自然増加率は全国1位、市民の平均年齢は37.7歳(2010年国勢調査)で「日本一若いまち」として脚光を浴びている。
これまでの長久手市内では、同じくリニモ沿線にあるアピタの旗艦店・「アピタ長久手店」(杁ヶ池公園駅前、2000年11月開店、売場面積29,994㎡)が覇権を握って来たが、この「アピタ一強」状態はイオンの開業によって崩れ去ることとなる。また、ホームファニシング分野においても、2011年には杁ヶ池公園南側にビバホームの旗艦店である「スーパービバホーム長久手店」(売場面積10,300㎡)が出店、今後2017年秋には、リニモ公園西駅前に家具量販店・IKEAの東海初進出となる店舗「IKEA 長久手ストア」がオープン予定であるなど、「長久手の商戦」は留まるところを知らなさそうだ。
image長久手では2017年秋にIKEAが開業予定。
※画像はイオンモール公式サイト、イケア・ジャパン公式サイトより

外部リンク:イオンモール長久手
外部リンク:イオンスタイル長久手
ニュースリリース:〜みんなの憩いの場、森のまち。〜「イオンモール長久手」12月9日(金)AM9:00 グランドオープン(イオンモール)
ニュースリリース:イケア・ジャパン 東海地方初のストア・IKEA 長久手(仮称) 2017 年秋開業にむけ着工を開始(イケア・ジャパン)

JR西日本、”駅ナカ特化型セブンイレブン”を2016年12月7日から展開-ハートイン・キヨスクを転換

JR西日本グループは、大阪市北区のJR大阪駅中央口に「セブンイレブンキヨスク 大阪駅中央口北店」を12月7日に開店させた。

大阪駅中央口北店。デジタルサイネージも複数設置。

キオスク大阪旗艦店、“駅ナカ特化型セブンイレブン”に
-セブンカフェは5台設置

セブンイレブン キヨスク大阪駅中央口北店はJR西日本グループのジェイアール西日本デイリーサービスネットが運営するキヨスクの旗艦店「キヨスク大阪ノースフォレスト」跡に出店。売場面積は約30㎡。
駅ナカ特化型店舗」として、100円コーヒー「セブンカフェ」を5台設置、セブンカフェブランドの「ドーナツ」や「焼き菓子」、キヨスク時代から展開していた「菓子類」「各種飲料」を取り揃えるなど、改札前の立地を活かした店舗展開を行う。なお、テナント区画となっていた「キヨスク大阪サウスフォレスト」は従来通り、「551蓬莱」「エーワンベーカリー」の2店舗が営業を継続する。

ハートイン・キヨスクのセブン転換、17年1月目途に完了予定

JR西日本は自社ブランドのコンビニ「ハートイン」と駅売店「キヨスク」のセブンイレブン化・専門店への業態転換を推進しており、大阪駅構内では土産物・コンビニ複合業態「アントレマルシェ大阪」へのセブンイレブン売場導入も行われている。
大阪駅構内コンビニ・駅売店のセブンイレブン転換は2017年1月中旬を目途に完了する予定となっている。

アントレマルシェ大阪にもセブンイレブンを導入。

外部リンク:駅ナカ特化型店舗「セブンイ‐レブン キヨスク大阪駅中央口北店」12月7日にオープン
関連記事:ルクアイーレ、2017年春から下層階全面改装-伊勢丹さらに縮小、バルチカなど拡大へ

関連記事:大阪駅「ルクアイーレ」に「梅田 蔦屋書店」、5月8日開業

西友津田沼パルコ店、2017年1月31日閉店-津田沼パルコB館地階

船橋市のJR津田沼駅北口・パルコB館にある食品スーパー「西友津田沼パルコ店」が2017年1月31日を以て閉店する。
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西友が出店する津田沼パルコB館。

パルコと同時開店、40年の歴史に幕

西友津田沼パルコ店は1977年6月に西友津田沼店として開店。同じく西武セゾングループであった津田沼パルコとの複合ビルであった。1985年には津田沼パルコ増床に伴い規模を縮小、「西友津田沼パルコ店」に改称し、上層階は津田沼パルコLet’s館(のちB館に改称)となった。
現在の西友の売場面積は3,677㎡、建物は津田沼パルコA館・B館と同じく船橋市内の不動産会社が所有する。跡地は決まっていないという。
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A館は当初よりパルコとして営業している。

競争激しい津田沼、「パルコに相応しい店舗」の誘致に期待

西友はかつてパルコと同じ西武セゾングループであったものの、2002年にアメリカのディスカウントスーパー「ウォルマート」の傘下となっている。一方で、パルコは2012年に大丸松坂屋百貨店を運営する「J.フロントリテイリング」の傘下となっている。
西友はかつて各地のパルコに出店していたものの、11月30日の千葉パルコ閉店以降は津田沼店が唯一のパルコとの共同店舗となっていた。西友の現在の売場はディスカウントストアに近く、パルコの客層とは合わなくなっていたことは否めない。「津田沼戦争」とも称されるほどスーパーマーケット同士の競争が激しい同地において「安いだけがとりえ」では好立地と言えども苦戦を強いられることは当然である。
西友閉店後の跡地の活用については発表されていない。しかし、人口増加地域である津田沼駅前に生まれた3,000㎡あまりの空き店舗は魅力的なものでもある。
パルコは先述のように大丸松坂屋百貨店を運営する「J.フロントリテイリング」の傘下となっており、近年はパルコと大丸松坂屋百貨店との連携・共同出店も行われるようになっている。津田沼駅周辺には1988年の髙島屋撤退以降、百貨店が存在しておらず、他のスーパーとの競合を避けるという意味でも、大丸松坂屋百貨店による「デパ地下」のような店舗の出店も予想される。

追記:地階は複数の食品専門店が集合した形の「つだぬマルシェ」として2017年10月5日にリニューアルオープンする予定となった。

外部リンク:西友津田沼パルコ店
外部リンク:津田沼PARCO
関連記事:Dila津田沼、10月1日「ペリエ津田沼エキナカ」に改称
関連記事:イトーヨーカドー、新浦安店・東習志野店を2017年中に閉店へ
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高林デパート・滝川名店ビル(金市舘)の解体はじまる-再開発で病院・銀行に

北海道滝川市の中心部の大型ショッピングセンター「高林デパート」と「滝川名店ビル」(金市舘滝川店)の解体工事が開始された。
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滝川名店ビル(手前)と高林デパート(奥)。Googleマップより。

滝川市中心部を代表する大型店だった

高林デパート」は1973年12月開店。売場面積は6,921㎡。
複数のテナントが出店する専門大店として営業していたが、1996年に食品売場で営業していた「くにい」が撤退。その後、同年6月に衣料品スーパーの三番館が出店したものの、食品売場を再開することができず、テナントの撤退が相次ぎ、三番館も2014年7月に撤退、同年に物販店は全て撤退していた。
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高林デパート。Googleマップより。

また、隣接する「滝川名店ビル」は1980年10月に開店。売場面積は7,311㎡。
こちらは道内大手のスーパー「金市舘」(現:ラルズ)が核店舗として出店していたものの、1991年6月に撤退。全館が空き店舗となっていた。
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滝川名店ビル。Googleマップより。

なお、これらの店舗を撤退に追い込んだ「西友滝川店」(1986年10月開店、売場面積16,072㎡)も2003年8月に閉店、さらに中心部で唯一営業を続けていた「ジョイ滝川栄町店」(旧「りょーゆー」の店舗、2008年よりイオングループ入り)も2016年1月に閉店し、滝川市中心部からはスーパーマーケットが姿を消している。

再開発後は病院・銀行に-アーケードも撤去へ

「高林デパート」と「滝川名店ビル」の解体は滝川市栄町三丁目の再開発事業に伴うもの。
再開発を行うのは、地元企業などが出資した「アニム滝川」で、総事業費は約36億円、そのうち約2億円を滝川市が補助している。
跡地には滝川市で介護事業などを行う「クリニカ」と、同グループで高林デパート隣接地の医療法人「シーザーズメディケア神部ペインクリニック内科病院」が運営するクリニック・高齢者向け住宅などが入居する複合医療介護ビル棟(地下1地上3階建て、延べ5608m²)、そして現在名店ビルに隣接する「北門信用金庫本店」が移転するためのオフィスビル棟(5階建)が建設される。
また、滝川市中心部ではアーケードの撤去も計画されており、街並みが大きく変わることになる。
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アーケードの撤去も行われる。Googleマップより。

長年の懸案であった大型空き店舗は再開発に向けて大きく動き出したものの、中心部の買い物難民の救済には至らず、さらに駅前の旧西友(スマイルビル)もほぼ全館が空き店舗となったままで、滝川市中心部が厳しい状況にあることは変わりない。

外部リンク:滝川市駅周辺整備課
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阪堺電車天王寺-阿倍野間、12月3日に新線移行-関西初の芝生軌道に

南海系列の路面電車・阪堺電車(阪堺電気軌道)上町線天王寺駅前電停-阿倍野電停間の新線(軌道移設)が12月3日に開通した。
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新線を走るモ164号(1928年製)。

道路拡張に伴う軌道移設-関西初の芝生軌道に

今回の軌道移設はあべの筋(府道30号線)の拡張工事に伴うもの。
新しい軌道は関西初の芝生軌道となり、架線柱はセンターポール化。
さらに、天王寺駅前電停、阿倍野電停ともにバリアフリー化が行われた。なお、新線開通後も天王寺駅前電停地下通路のリニューアル工事、阿倍野電停下りホームの移設工事は道路拡幅工事とともに当面継続して行われる。全ての工事は2017年度中に完成する予定。
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新線工事中のようす。

また、道路拡張により車道は片側1車線から片側2~3車線となり、車の渋滞緩和、電車の安定走行、事故防止にも大きく寄与することになる。
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旧軌道敷は今後車道化される。

開通に先駆けて、12月1日にはあべのキューズモールで吉村洋文大阪市長や地元商店会会員らが参加する開通記念式典が行われた。
新線区間の天王寺駅前電停前には2014年に「近鉄・あべのハルカス」が開業、阿倍野電停前には2011年に東急系ショッピングセンター「あべのキューズモール」が開業したほか、阪堺電車では2013年に超低床車両「堺トラム」の導入も行われており、今回の芝生軌道化も相まって、かつての阪堺電車のイメージは大きく様変わりすることになる。
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新線区間概要。阪堺電気軌道プレスリリースより。

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工事施工前の天王寺駅前電停。車道は非常に狭かった。

外部リンク:12月3日(土)初発より、上町線天王寺駅前駅~阿倍野駅間の軌道が新線に切り替わります。(阪堺電車、PDF)
関連記事:あべのキューズモール、2016年春リニューアル
関連記事:阪堺電車、住吉-住吉公園前が廃線に

カリーノ天文館、12月1日休館-全面改装による再開目指す

テナントの撤退が相次いでいた鹿児島市天文館の大型ファッションビル「カリーノ天文館」が、2016年12月1日を以て休館となった。

ラララグループ・寿屋が総力をかけたファッションビルだった

「カリーノ天文館」は九州最大の流通企業だった「ラララグループ・寿屋」傘下の婦人服店「ぶーけ」が1999年に開業させたファッションビルで、地下1階、地上7階の大型店舗。
現在もラララグループ(寿屋)の後継企業である「カリーノグループ」が運営している。
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カリーノ天文館。

競争激化、テナント撤退相次ぐ-市街地同士での競合も

カリーノ天文館にはかつて寿屋系列やそのFCのファッション店に加え、大型テナントの「無印良品」、「ムラサキスポーツ」などが入居していたが、2004年のアミュプラザ鹿児島、2007年のイオンモール鹿児島の開店に加え、近隣のファッションビル「タカプラ」が改装を行うたびにテナントが退店していた。
2012年には6階にライブ劇場「アイドルシアターegg」と休憩スペースを設置するなど意欲的なテナント誘致と改装が行われてきたが、2013年ごろからはテナントの撤退に拍車がかかっていた。

改装による営業再開目指す―具体的計画は未発表

カリーノ天文館の営業フロアは2016年には1階の7店舗のみ(2階はアウトレット売場として不定期営業)となっており、そのうち多くは親会社のカリーノグループ(旧ラララグループ寿屋)系列の企業が運営する店舗で、営業時間も21時閉店から18時閉店に短縮されていた。
カリーノは休館後に改装を行ない2017年春に営業を再開したいとしているが、具体的な改装計画は発表されていない。

外部リンク:カリーノ天文館
関連記事:鹿児島ロフト、4月1日開店-マルヤガーデンズ改装で
関連記事:カリーノ下通(寿屋)、6月10日全館再開-蔦屋書店、全面リニューアル