北海道滝川市の中心部の大型ショッピングセンター「高林デパート」と「滝川名店ビル」(金市舘滝川店)の解体工事が開始された。
滝川名店ビル(手前)と高林デパート(奥)。Googleマップより。
滝川市中心部を代表する大型店だった
「高林デパート」は1973年12月開店。売場面積は6,921㎡。
複数のテナントが出店する専門大店として営業していたが、1996年に食品売場で営業していた「くにい」が撤退。その後、同年6月に衣料品スーパーの三番館が出店したものの、食品売場を再開することができず、テナントの撤退が相次ぎ、三番館も2014年7月に撤退、同年に物販店は全て撤退していた。
高林デパート。Googleマップより。
また、隣接する「滝川名店ビル」は1980年10月に開店。売場面積は7,311㎡。
こちらは道内大手のスーパー「金市舘」(現:ラルズ)が核店舗として出店していたものの、1991年6月に撤退。全館が空き店舗となっていた。
滝川名店ビル。Googleマップより。
なお、これらの店舗を撤退に追い込んだ「西友滝川店」(1986年10月開店、売場面積16,072㎡)も2003年8月に閉店、さらに中心部で唯一営業を続けていた「ジョイ滝川栄町店」(旧「りょーゆー」の店舗、2008年よりイオングループ入り)も2016年1月に閉店し、滝川市中心部からはスーパーマーケットが姿を消している。
再開発後は病院・銀行に-アーケードも撤去へ
「高林デパート」と「滝川名店ビル」の解体は滝川市栄町三丁目の再開発事業に伴うもの。
再開発を行うのは、地元企業などが出資した「アニム滝川」で、総事業費は約36億円、そのうち約2億円を滝川市が補助している。
跡地には滝川市で介護事業などを行う「クリニカ」と、同グループで高林デパート隣接地の医療法人「シーザーズメディケア神部ペインクリニック内科病院」が運営するクリニック・高齢者向け住宅などが入居する複合医療介護ビル棟(地下1地上3階建て、延べ5608m²)、そして現在名店ビルに隣接する「北門信用金庫本店」が移転するためのオフィスビル棟(5階建)が建設される。
また、滝川市中心部ではアーケードの撤去も計画されており、街並みが大きく変わることになる。
アーケードの撤去も行われる。Googleマップより。
長年の懸案であった大型空き店舗は再開発に向けて大きく動き出したものの、中心部の買い物難民の救済には至らず、さらに駅前の旧西友(スマイルビル)もほぼ全館が空き店舗となったままで、滝川市中心部が厳しい状況にあることは変わりない。
外部リンク:滝川市駅周辺整備課
関連記事:苫小牧駅前プラザegao、自己破産-市が取得へ
関連記事:西武百貨店旭川店・旭川ロフト、9月30日閉店
関連記事:アベニュークシロ、8月末閉館-旧長崎屋釧路店
関連記事:セイコーマート、社名を「セコマ」に改称