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ココリ甲府、2016年7月12日全面改装完了-イオン運営で空き床埋まる

山梨県甲府市中心部の複合商業ビル「ココリ甲府」の1年半に亘る全面リニューアルが完了し、7月12日にグランドオープンする。
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ココリ甲府。

甲府市中心部の再開発複合ビル

「ココリ甲府」は地場スーパー「オギノ」が運営していたショッピングセンター「パセオ」の跡地に2010年に完成した複合商業ビル。
甲府市紅梅町のオリオン通り商店街に立地しており、「ココリ」とは「甲府市紅梅町オリオン通り」の略が由来。
附近には山梨県庁、甲府市役所なども立地している。
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オリオン通り商店街。

建物は20階建で、9階~20階がライオンズマンション(ライオンズタワー甲府)、7~8階が山梨県立宝石美術専門学校、3階~6階が駐車場、地階~2階が商業施設となっている。商業施設の売場面積は約4,600㎡。
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高層フロアまで含めた全景。 

宝石アウトレット、チャレンジショップ…不振を極めた運営

ココリ甲府がグランドオープンしたのは2010年10月。
商業フロア部分は西松建設系の運営で、地階の核テナントを生鮮館(ミニスーパー)とダイソー、1階の核テナントを宝石アウトレットショップ、2階はチャレンジショップ的な要素を持つ「甲府楽市」とした。
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グランドオープン時の様子。(山梨県公式サイトより)

しかし、官庁街にありながら最も大きなテナントが宝石アウトレットショップであったこともあり当初から不振を極め、生鮮館は半年もたたず2011年春に閉鎖。甲府楽市も定着せず、多くのテナントが撤退して、2011年中に閉鎖に追い込まれる。
2011年12月には2階を「ホビータウン」としてリニューアルし「アニメイト」「らしんばん」や「赤十字献血ルーム」などが入居すると、同フロアは持ち直したものの、下層階のテナントの撤退は止まらず、末期的な状況を迎えていた。

イオンモール管理下となり「実用的」店舗構成で全館再生

そんななか、2014年末にココリ甲府の再生支援のため「イオンモール」がプロパティマネジメント(資産管理)業務を受託することになると状況は大きく変わる。
イオンによって2015年3月~4月にかけて第一弾リニューアルが、そして、2016年7月12日には第二弾リニューアルが行われ、晴れてココリ甲府は全床が埋まることとなった。
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2階・ホビータウン甲府(ココリ公式サイトより)。

イオンによる改装コンセプトは「忙しく働くオトナのために」。
2回にわたる改装で、ココリ甲府は食品館「イオン」、「イオン未来屋書店」、「サンマルクフカフェ」、「築地銀だこ」、「ドスパラ」などが新たに導入され、普段使いしやすい実用的な都市型ショッピングセンターとして生まれ変わることとなった。
官庁街・オフィス街に立地していることから、地階食品館「イオン」ではイートインスペースを設置したほか、1階「イオンリカー」では、ワイン産地である山梨県ならではの品揃えを行うという。

主な出店テナント

(括弧)はイオン管理後に出店した店舗と時期、無表記は既存店。

地階
  • イオン食品館「イオン」(2016年7月)
  • ベーカリー「イオンスタイルブレッド」(2016年7月)
  • 100円ショップ「ダイソー」
1階
  • 書店「イオン未来屋書店」(2015年3月)
  • 喫茶「サンマルクカフェ」(2015年4月)
  • コンタクトレンズ「アイシティ」(2015年3月)
  • 300円ショップ「MODA300」(2015年3月)
  • イオン「イオンリカー」(2016年7月)
  • エステ「パリス・デ・スキン」(2015年3月)
2階(ホビータウン甲府)
  • パソコン店「ドスパラ」(2015年4月)
  • フードコート「築地銀だこ」(2015年4月)
  • ゲーセン「スタジオプリモ」
  • アニメショップ「アニメイト」
  • アニメショップ「らしんばん」
  • 赤十字献血ルーム「グレープ」
ココリ甲府

住所:山梨県甲府市丸の内1-16-20
営業時間:10:00~20:00(一部除く)

アクセス

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(公式サイトより)

外部リンク:ココリ甲府
外部リンク:7/12(火)「イオン甲府ココリ店」オープン(イオンリテール)

JR酒田駅前に図書館・ホテルなどの複合施設「光の湊」-旧ジャスコ跡、2021年開業目指す

酒田市のJR酒田駅前に、大型複合施設「光の湊」が2021年度を目処に建設される方針であることがわかった。スクリーンショット 2016-07-06 19.13.17酒田駅前に建設される「光の湊」。

ジャスコ跡、図書館・ホテル・マンションなどの複合施設に

「光の湊」は、1997年に閉店した旧「ジャスコ酒田駅前店」跡地と、それに隣接する幸町1丁目街区に建設される。
事業主体は西松建設で、酒田市の公募によるもの。延床面積は約2万2200㎡で、工事は2018年4月頃着手し2021年3月の完成を見込む。
コンセプトは「酒田人×来酒者」。地元住民と酒田への来訪者のどちらにとっても存在意義のある施設像を目指す。スクリーンショット 2016-07-06 20.46.42
30万冊規模の蔵書を誇る図書館。

「光の湊」は主に「ライブラリーセンター・ホテル棟」、「マンション棟」、「駐車場棟」の3棟で構成される。
メインのライブラリーセンター・ホテル棟には、観光情報センターやカフェ併設の図書館を中心とした公共施設「酒田コミュニケーションポート(仮称)」、レストラン、コンビニエンスストア、7階建てホテルが入る予定。
マンション棟は10階建て54戸のマンション、駐車場棟は254台収容可能の5階建て立体駐車場が建設される。スクリーンショット 2016-07-06 20.46.05鳥海山を望むホテル。

実質的に7割を国・県・市が負担

「光の湊」総事業費は約102億円を見込み、そのうち国、山形県、酒田市が約50億円を補助する。
また、公共施設部分は整備後に酒田市が約27億円で買い取る予定で、実質的に公費77億円、民間25億円になる。

ジャスコ撤退後、2度の民間開発計画が中止に

JR酒田駅前ではジャスコが1997年に撤退して以降、民間の開発計画が2度持ち上がっていたものの、どちらも計画が頓挫。
このため、市は2014年に酒田駅周辺地区グランドデザインを策定し、酒田駅周辺整備事業の事業者を募集していた。
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JR酒田駅前。中心商店街からは1km弱の距離がある。

酒田市は鶴岡市に次ぐ庄内地方第二の都市でありながら、中心商店街から離れている駅前の商業機能の空白化は長年の懸案だった。
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酒田市の中心商店街の1つ「中町商店街」。百貨店も立地する。

今回、整備計画の事業者が西松建設に決まったことで、JR酒田駅前再開発が約20年ほどの時を経てようやく動き出した形となる。
※画像は酒田市ホームページより

外部リンク:酒田駅周辺整備事業における事業者募集の事業予定者及び次点者の決定について(酒田市HP)
関連記事:清水屋百貨店に直営アニメショップ・同人誌売場開設

フロム中武、2016年5月26日全面改装開業-”サブカルの聖地”は消滅

東京都立川市のJR立川駅前にある大型商業ビル「フロム中武」(ふろむちゅうぶ)が5月26日にオープンした。_MG_3591
リニューアルオープンしたフロム中武。

店舗数はかつての半分以下、ニトリなど大型専門店中心に

フロム中武は中武ビルディングが運営する専門店ビルで、店舗面積は12,552㎡。
1962年に中武デパートとして開業し、1984年の全面リニューアルを機に現在の店名となった。
耐震工事のため2015年4月30日をもって閉店していたが、およそ1年に及ぶ改装の末、今年5月26日にリニューアルオープンした。
2015年の閉店前に60あった専門店はテナントの総入れ替えにより26店に縮小し、スーパー「マルエツ」、家具「ニトリデコホーム」、紳士服「サカゼン」、100円ショップ「ダイソー」など、大型専門店を中心とする店舗構成となった。P10403503階のニトリデコホーム。

地階の食品スーパー「マルエツ」は立川駅前初出店。
伊勢丹や高島屋など、立川駅周辺は百貨店を中心とする高級志向の小売店が多い半面、普段使いの食品スーパーが不足していたため、今回のマルエツの出店は待望であった。
営業時間も7時から25時と長いため、帰りの遅い立川市民にとっては非常に価値ある存在となっている。P1040354
マルエツは地下1Fに入居。

“サブカル聖地”の面影なく、改装後はトレカ店のみに

フロム中武に2005年から導入された正面看板に掲げられる立川に関する「キャッチコピー」はフロム名物として利用者から愛されてきた。

(キャッチコピーの例)「立川は、大丈夫。
           「立川は、力持ち!?
           「本気(マジ)で立川

今回のリニューアルオープンでは「心機一転」というシンプルなキャッチコピーとなった。
次回掲げられるキャッチコピーでは待望のフロム節が復活するのか、こちらも注目である。_MG_3594今回のキャッチコピーはシンプルに「心機一転」。

フロム中武は、2002年11月にアニメショップ最大手「アニメイト」が進出して以降、フィギュア専門店「ボークス」、中古同人ショップ「らしんばん」、カード専門店「ミント」、アイドルカフェ「ハーツ劇場」、ゲームセンターなどが相次いで出店。
輸入雑貨店や古物専門店、イベントスペースが併設され、一時は「ももいろクローバー」(当時)がライブ拠点の1つとしていたなど、前述の独特なキャッチコピーとともにサブカルの街・立川の「聖地」として一躍注目されることとなった。

閉店末期は約60店舗ほどの専門店が出店していたが、そのうち10店舗ほどがサブカル系店舗だった。
改装工事直前もサブカル関連フロアの存続を発表しており、工事後もサブカル系テナントを重視した売場作りを目指していた。
しかし、主力店舗であった「アニメイト立川」の南口への完全移転や、アイドルカフェ「ハーツ劇場」のMEGAドン・キホーテ(旧・ダイエー)への移転などが重なり、かつてフロムを賑わせていたサブカル系テナントの呼び戻しに失敗。
このため、リニューアル後に入居するサブカル店は、新規出店したトレーディングカード専門店の「ホビーステーション」だけとなってしまった。P10403535階のホビーステーションは唯一のサブカル系店舗。

第一デパート跡の「タクロス」はヤマダ電機が核店舗に

フロム中武と並ぶサブカルタウン・立川のもう一つの聖地として、フィギュアショップ「コトブキヤ」の本店があることでも有名であった立川第一デパートが挙げられるが、こちらも2012年に閉店済み。
2016年7月から秋に32階建てのタワーマンションや公共施設を併設した複合施設「タクロス」が順次オープンする予定だが、このタクロスの核店舗は「ヤマダ電機LABI立川」になることが決まっている(ヤマダ電機は今秋オープン予定)。
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タクロス。ヤマダ電機が核となる。

コトブキヤをはじめ、かつて立川のサブカルファンたちの「行きつけ」であったアニメイトやアイドル劇場は今も移転先の店舗で健在である。
しかし、かつてはフロム中武と第一デパートがこれらのサブカル系店舗を一挙に抱えており、それが二つのデパートを「立川サブカルの聖地」たらしめる所以であった。
駅前再開発の波によってサブカルの街・立川は新たなステップへと歩みを進めている。
しかし同時に、かつてそこに建っていた「聖地」の面影を感じられなくなってしまったこともまた事実であった。 
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各店舗の位置図(ドンキサイトより、店舗名加筆)。

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立川の新たなサブカル聖地となりつつあるドンキホーテ(ダイエー跡)。
アイドルカフェやサバゲー場、コスプレ店なども入居。

外部リンク:フロム中武
関連記事:MEGAドンキホーテ立川店、2月5日開店
関連記事:立川第一デパート跡地に「タクロス」、7月末開業
関連記事:立川高島屋にジュンク堂書店出店-多摩地区最大級
関連記事:ららぽーと立川立飛、12月10日開業

 

ラフォーレ原宿・新潟跡(NEXT21)、区役所に-大和跡も公共施設を核に検討

新潟市中心部、古町地区の賑わいを牽引してきたファッションビルが公共施設化される。
新潟市中央区西堀通の複合商業ビル「NEXT21」の核店舗であったファッションビル「ラフォーレ原宿・新潟」の跡に、新潟市が「新潟市中央区役所」を入居させる方針であることが分かった。
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NEXT21。

古町の核店舗、結局は公共施設に

ラフォーレ原宿・新潟は新潟市の中心部・古町地区に1993年5月開業。売場面積は約5,300㎡。
複合商業ビル「NEXT21」の地階~5階(2011年からは5階売場を閉鎖)を占めており、新潟市を代表するファッションビルの1つであったが、郊外店との競争や、もう1つの中心商業地である万代地区との競争激化に伴い2007年から赤字転落。2016年1月を以て閉店していた。なお「NEXT」とは「新潟エキサイティングタワー」の語呂合わせに由来する。
ラフォーレの閉店により、古町地区の大型店は「新潟三越」、「イトーヨーカドー丸大」の2店舗のみとなり、以前と比較して若者の姿は大きく減っていた。
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万代地区には伊勢丹に加え、若者をターゲットにしたアルタ、LoveLa、ロフトなども立地。

2016年現在、ラフォーレ跡は、5階の大部分が公共施設として活用されているほかは空き店舗となっている。
なお、ラフォーレ原宿の運営ではなかった高層階のレストラン街などは引き続き営業中。
ラフォーレ閉店後は後継店舗が決まらず、4月には所有権の大部分(一部の地権者床など除く)がこれまでの所有者であった「金桝」(東京都)から地場不動産会社「五頭」(阿賀野市)に売却されていた。

区役所は下層階に入居-他フロアの活用にも期待

現在、新潟市中央区役所は古町地区から2キロほど南西の白山地区にある新潟市役所内に入居中。
新潟市では、近い将来に区役所を中心商業地である古町地区に移転させる方針を発表していた。
中央区役所はNEXT21の地上1~2階を中心に入居する予定。NEXT21の空き床の解消にはほど遠い一方で、下層階が区役所となる方針が発表されたことで、既に一部に公共施設が入居している中層階に他の公共施設を集約することや、地階の商業利用が進むことも想定される。
さらに、NEXT21は新潟市の中心商店街に立地しているため、新潟市では、区役所に商業施設(飲食店など)を同居させることも検討しているというが、今のところ具体的な計画は未定となっている。

区役所、もともと大和跡への入居を検討していた

地元紙・新潟日報によると、中央区役所はもともと大和百貨店跡に建設される予定の再開発ビルへの出店を検討していた。
新潟大和は1937年に開店した百貨店で、金沢市に本社を置く百貨店「大和」の運営だったが、経営不振と建物の老朽化により2013年に閉店。その後、2019年の完成を目指して11階建前後規模の再開発ビルの建設が発表されている。
しかし、この大和百貨店跡の再開発ビルの下層階には銀行が出店する意向を示しており、下層階で窓口業務を行うことができないため区役所の開設を断念。ラフォーレ跡の床を保有する不動産会社「五頭」の誘致によりNEXT21への入居方針が固まったという。

結局は大和跡も公共施設が核に?

一方で、新潟市は大和跡への公共施設の入居方針も崩していない。
新潟市では一部の庁舎が老朽化しているため、それらの機能を大和跡の再開発ビルに移したい考えで、大和跡の再開発ビルは、下層階の核が銀行、中層階の核が公共施設になるとみられる。
大和跡の再開発ビルは中心商店街である「古町モール」に面しており、地下商店街「西堀ローサ」とも直結していたため、商用再活用の声も高かったが、例え商業施設が出店するとしても一部のみの商用活用となる見込みだ。
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大和百貨店跡のビル(左)と古町モール。

政令指定都市の中心商店街の核となる商業施設が相次いで公共施設化される新潟市。
これが中心商店街にとって吉となるのか、凶となるのか。
賛否を巻き起こすことは必至であり、今後が注目される。

関連記事:ラフォーレ原宿・新潟、1月31日閉店-古町と万代の競争、正念場

仙台パルコ2、7月1日開業-仙台パルコ新館「オトナ」ターゲットに

JR仙台駅西口に大型ファッションビル「仙台パルコ2」が7月1日に開業した。
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来店客で混み合った開業初日の「仙台パルコ2」。

仙台パルコ2号館、シネコンやレストラン街も

「仙台パルコ2」が出店したのは、JR仙台駅西口のバスプールに隣接した街区。2階エントランスはペデストリアンデッキと連結し、JR仙台駅から直接アクセスすることができるほか、仙台市営地下鉄南北線・東西線の仙台駅にも隣接する。
300メートルほど離れた仙台駅西口には「仙台パルコ」が立地しており、仙台のパルコは2館体制となった。 

「仙台パルコ2」は1階がレストラン街、2階から5階までが専門店街となり、6階から9階まではシネマコンプレックス(シネコン)「TOHOシネマズ 仙台」が入居。売場面積は約10,000 m2で、既存の「仙台パルコ」と合わせると約23,000 m2となる。また、地階には駐車場が設けられている。
開業初日となった7月1日は、朝から約500人の客が行列を作り、大勢の来店客で混み合った。 

「オトナ」ターゲットにした多彩な専門店

「仙台パルコ2」の コンセプトは「オトナ 考える PARCO」。メインターゲットを30歳以上の男女と想定し、若年層をターゲットとした本館との棲みわけを図った。
仙台駅前のペデストリアンデッキに接続し、駅から直接アクセスできる2階には、いずれも東北初出店となる三宅一生のファッションブランド「バオ バオ イッセイ ミヤケ」、チョコレート・カフェ「リンツ ショコラ カフェ」、バルセロナ発の飴細工専門店「パパブブレ」、福岡発のだし専門店「茅乃舎」など、多彩な店舗が入居した。

また、3階および4階はレディスファッションのフロアとなり、「ランバン オン ブルー」「キャス キッドソン」など東北初出店のブランドが多く入居した。いずれも高級志向なブランドが多く、メインターゲットである「30歳以上のオトナ」に沿った店舗構成となった。
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ターゲットは「オトナ」。ファッショナブルな専門店が並ぶ。

5階はカジュアルなフロアに

5階は一転、東北初出店となるカジュアルファッションの「コーエン ジェネラルストア」「マンハッタン ポーテージ」など、幅広い層をターゲットにした店舗が入居した。また、「東北スタンダードマーケット」は、また東北発の工芸品や民芸品を扱う店として注目を集めている。この階は「TOHOシネマズ 仙台」のエントランス階ともなっている。
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5階に入居する「マンハッタン ポーテージ」。

仙台市民待望の駅前シネコン「TOHOシネマズ仙台」

6階から9階は「TOHOシネマズ 仙台」となった。
9スクリーン、約1700席の規模。仙台駅前へのシネコンの進出は初であり、また約10年ぶりの東宝系列の映画館の復活となるため、仙台市民の注目を集めている。
仙台市内には従来よりシネコン「MOVIX 仙台」が存在していたが、都心から離れた長町副都心に位置するため、交通アクセスの面で不便であった。仕事や学校帰りなどに映画館に立ち寄る市民が増えることが想定される上、邦洋の人気映画以外にもアート作品やアニメ作品、ライブビューイングなども積極的に上映するといい、仙台の文化発信基地としての期待がかかる。
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「TOHOシネマズ 仙台」のエントランス。

1階はレストラン街「パルイチ」に

1階に設けられたレストラン街は隣接する「仙台朝市」にちなんで「パルイチ」と名付けられた。12のレストラン全てが東北初出店および新業態店と、話題性のあるラインナップとなった。1階にレストラン街を設けるのはパルコ初の試みという。
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1階に設けられたレストラン街「パルイチ」。

周辺商業施設との「化学反応」に期待

パルコ2の東側には、青果・食品を中心とした商店街「仙台朝市」が隣接する。
戦後の青空市場に由来するこの商店街は、「仙台の台所」として市民に親しまれ、都心にありながら市場の賑わいと風情を保っている。
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買い物客で賑わう「仙台朝市」。

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都心にありながら市場の風情を保っている。

また、パルコ2の南側に隣接する大型商業施設「エンドーチェーン・イービーンズ」には、アニメショップ「アニメイト」や、大型コミック売場を備える「喜久屋書店」などが入居し、サブカルチャーの発信基地となっている。
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パルコ2に隣接する大型商業施設「イービーンズ」。

仙台パルコ2はこうした個性豊かな2つの商業施設に囲まれた街区に開業したことになる。

「30歳以上のオトナ」をターゲットにファッショナブルな専門店を集め、映画館とレストラン街を併設した仙台パルコ2。
庶民文化に、サブカルチャーに、最先端のファッション。東北最大のターミナル駅の目の前にして全く個性の異なる3つの商業施設が隣接することになったこの地区では、異なる文化の面白い「化学反応」が期待できるのではないだろうか。

外部リンク:仙台PARCO2 OPEN!|仙台PARCO
外部リンク:『仙台パルコ2』 2016年7月1日(金)グランドオープン!(プレスリリース、PDF)
外部リンク:TOHOシネマズ 仙台 7月1日(金)グランドオープン!(プレスリリース、PDF)
関連記事:仙台パルコ2、2016年7月開業-目玉はTOHOシネマズ

ソラドンキ羽田空港店、2016年6月24日開店-ドンキが空港初出店、外国人客ターゲットに

東京都大田区の羽田空港国際線ターミナル5階に、ディスカウントストア「ソラドンキ羽田空港店」が6月24日に開店した。
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ソラドンキ。

ドンキ空港初出店、超小型店でインバウンド客獲得目指す

「ソラドンキ羽田空港店」が出店するのは羽田空港国際線ターミナル5階「TOKYO POP TOWN」で、売場面積は107㎡とドン・キホーテ全店で最小。
店内では、ご当地菓子や医薬品、旅行グッズなどを取り揃え、また、ウェルカムクルーを配置するなど、空港利用者のためのサービスを提供する。

羽田空港国際線ターミナル5階「TOKYO POP TOWN」は外国人観光客の利用が多く、サンリオ直営のハローキティグッズ専門店「Hello Kitty Japan」、銀座に本店を構える大型玩具店「博品館TOY PARK」、「CHARACTER SHOP HAIKARA」などが出店中。
「ソラドンキ」でも同様に、外国人観光客をターゲットにインバウンド需要の獲得を目指している。

出店場所。EDO HALL周辺に出店する。

なお、ドン・キホーテでは、2015年10月に「ソラドンキ」と同様にインバウンド需要の獲得を目指す小型店舗「エキドンキ」を大阪駅に出店している。

(画像は公式サイトより)
外部リンク:2016年6月24日(金) 『ソラドンキ羽田空港店』オープン! ~空港内初出店 グループ最小店舗誕生~
外部リンク:【EDONEWS】ソラドンキのOPENについて

ワイズマートAKIBA-ICHI店、8月1日閉店-秋葉原駅前で唯一のスーパー

JR秋葉原駅前のスーパーマーケット「Y’s mart AKIBA-ICHI店」が8月1日で閉店する。
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ワイズマートAKIBA-ICHI店。

秋葉原駅前唯一のスーパー、閉店へ

ワイズマートAKIBA-ICHI店は秋葉原UDXの「AKIBA-ICHI」1階に2006年3月に開店。UDXの開業に合わせた出店だった。
スーパーマーケットとしては規模は小さいながら、駅前にあることから外国人観光客も多く訪れる店であり、また24時間営業であることから、終電を逃した客や始発待ちの客の利用も多く見られる店舗だった。

ワイズマートは1969年創業。現在は浦安市に本社を置き、かつては「主婦の店チェーン」であった。現在は江東・葛飾地区の駅近くを中心に、小規模スーパーを多数展開している。

秋葉原駅最寄りのスーパー、末広町のハナマサに

ワイズマートの跡地に入居するテナントは7月1日現在まだ発表されていない。
ワイズマートAKIBA-ICHI店の閉店により、秋葉原駅に最も近いスーパーは駅ビルの成城石井を除くと末広町JR高架下の「肉のハナマサ秋葉原店」となる。

外部リンク:ワイズマートAKIBA-ICHI店 閉店のお知らせ
関連記事:秋葉原UDXに「秋葉原拉麺劇場」4月8日開店
関連記事:アキドラ、3月31日完全閉店-事実上の歌舞伎町移転

仙台空港、7月1日完全民営化-東急系運営、「仙台国際空港」に

宮城県名取市の「仙台空港」が2016年7月1日より完全民営化し、愛称を「仙台国際空港」に改称した。P1040397完全民営化を果たした仙台空港。

国管理空港から東急系の第三セクター運営に

仙台空港を運営するのは、東京急行電鉄が筆頭株主で、前田建設工業、豊田通商、宮城県などが出資する第3セクター企業の「仙台国際空港株式会社」。
同社は2015年12月に設立。民営化を控えた2016年4月には、仙台空港ビル、仙台エアカーゴターミナル、仙台エアポートサービスの空港子会社3社を吸収合併していた
国内の民営空港は、成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港、大阪国際空港に次いで5施設目となる。
7月1日からは滑走路の管理・着陸料の徴収が開始されるとともに愛称を「仙台国際空港」とし、これまで国管理空港であった仙台空港は晴れて完全民営化を果たした。

 LCC専用棟を建設、料金体系見直し国際線増を目指す

仙台空港の年間旅客数は2015年現在で約315万人。そのうち、国際線旅客数は約17万8000人と、石川県の小松空港(小松飛行場)、北海道の旭川空港などよりも少ない。
 仙台国際空港では、今回の民営化により国の供用規定により定められていた着陸料などの空港使用料を自由に設定できるようになったため、伸び悩む国際線旅客数を増やすための起爆剤として、2016年11月からの冬のダイヤ運航に合わせて新たな料金体系を導入、旅客数に合わせ空港使用料をフレキシブルに設定することで、主にLCC(格安航空会社)国際線の就航数増加を狙う。
さらに2018年度を目途にLCC専用の搭乗棟「ピア棟」を建設し、LCC需要の受け皿を確保する予定。
これらのLCC誘致の姿勢を積極的に示した甲斐もあり、さっそく同空港初となる海外LCC「タイガーエア台湾」の誘致に成功。6月29日より台北―仙台間で週4往復の運航を開始した。P1040401現在の国際線チェックインカウンターは閑散としている。

 仙台国際空港では、東京オリンピックを迎える4年後の2020年度には410万人、さらに30年後の2044年度には550万人の旅客数を見込んでおり、「国際」の名に恥じない空港になることが期待される

商業施設も充実、面積は現在の7倍へ

これまでの仙台空港内の商業施設・飲食店等の店舗はきわめて小規模であり、空港ビルとしての魅力の低下を招いていた原因でもあった。
そこで、仙台国際空港を運営する新会社は、空港内の商業施設の充実も掲げている。
改装第一弾として、2016年度中には1階部分を改装しカフェなどを新設。さらに2018年度中には東北の魅力ある産品を扱う商業施設を開設する予定で、これまで多くの商業施設を手がけてきた東急グループの手腕が試される。P1040399現在の小規模な商業スペースは将来的に7倍まで拡大する見込み。

最終的には、商業エリアは現在の7倍ほどに拡大する見込みで、空港の「商業施設」としての価値の向上が期待される。

空港への交通網の充実も

また、今回の空港民営化に合わせる形で、空港への二次交通を整備する動きも出ている。
福島交通、会津バス、岩手県北バスなどを傘下に持つ「みちのりホールディングス」は、広域な営業エリアを生かす形で、仙台空港を起点とし、福島市を経由し会津若松まで運行する路線バスと、松島・平泉を経由し岩手の安比高原に至る観光バスを年内から運行させる方針を固めた。
仙台空港から東北各地へと繋がる二次交通網の一体的な整備は、東北観光を振興させるために必要不可欠であり、このように、民営化された仙台空港が「東北の玄関口」としての役割を確立するためには、空港だけでなく自治体や関連事業者を含めた積極的な政策が求められている。

空港民営化の動き、全国へ-高松、福岡など

仙台空港に次いで、高松空港や福岡空港などでも民営化の動きが出ている。
仙台空港では、国が空港の所有権はそのままに運営権だけを民間に売却する「コンセッション方式」により民営化を果たしたが、高松や福岡もこの方式での民営化が検討されている。
地方空港の民営化は地域の活性化にも繋がる可能性を秘めている一方で、「空港」という公共性が高い事業であるからこそ、運営の失敗は許されない。
それだけに、仙台空港での事業の成否は、全国的な空港民営化の流れにも影響を及ぼすことが予想され、仙台空港の動向は今後も注目を集めることとなりそうだ。

外部リンク:仙台国際空港

銀座ソニービルで「GINZA SONY PARK PROJECT展」開催-7月10日まで

ハーバービジネスオンライン様に詳しい記事を掲載しています

2017年3月の閉館を控えた「銀座ソニービル」で「GINZA SONY PARK PROJECT展」が始まった。
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銀座ソニービル。

閉館を控えたソニービル、「今までとこれから」を紹介

GINZA SONY PARK PROJECT展は、ソニービル50年のこれまでを振り返るとともに、ソニービルの建替え事業である「GINZA SONY PARK PROJECT」を紹介するイベント。
会場には、ソニービル竣工当時の図面や、各時代にソニービルで開催されたイベントの紹介、そして、今後のPARK PROJECTに関するものなどといった様々な資料が展示されているほか、今後の再開発計画を紹介する映像も放映されており、ソニービルとソニーの歴史を振り返りつつ、これから行われるビルの建替え事業についても知ることが出来る。
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展示会場の様子。

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これまでのソニービルの歩みを振り返ることができる。

「世界のソニー」の手腕の見せどころ
-銀座全体の発展に繋げることができるか

GINZA SONY PARK PROJECT展の会場では、「ソニービルが歩んできた歴史」についての資料が数多く展示されており、新しいビルによって「新たな歴史を刻みたい」というソニーの強い意気込みを感じ取ることができた。
その一方で、銀座の一等地で世界のソニーが運営するイベント広場、さらに東京オリンピックの開催前後ということもあり、この地で世界的に注目されるようなイベントが開催される可能性もあるものの、今回の展示を通した限りでは、そういったものが開催された際のイメージが少し沸きづらかった。
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館内に展示される「公園化」イメージ。

また、銀座ソニービルの隣接地には2016年3月に「東急プラザ銀座」が開業したばかり。このビルは開業以来、幅広い世代をターゲットにして多くの客を集め、連日混雑が続いている。さらに、すぐ近くでは銀座松坂屋跡の再開発事業も進んでおり、新しいソニービルが完成した際に、こういった近隣の「集客装置」をどう活かし、ひいては銀座全体の発展に繋げていくつもりなのかといった「銀座地域全体における新しいソニービルの位置づけ」が明確に示されていないことも残念であった。
今後の「ソニーパーク」の運営を通して、新しいソニービルが「未来の銀座」においても地域になくてはならない象徴の1つとなるようなビジョンが示されることに期待したい。
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ソニービルは人気の「東急プラザ銀座」とも隣接。
今後の連携も期待されるが…。

「ソニー創業70年、銀座ソニービル50年」を記念した一大事業

銀座ソニービルは1966年に開館。
芦原義信による斬新な設計で知られていたが、2016年のソニー創業70周年、ソニービル開業50年目を機に「GINZA SONY PARK PROJECT」として、ビルを解体し、2020年まで公園として活用したのちに建て替えを行うことが発表されていた。
ビル館内には「ソニーストア」「ソニーショールーム」などのほか、多数のイベントスペースがあり、ソニーの新商品体験会や「乃木坂46」などソニーミュージック所属アーティストのイベントが開催されることもあった。
詳しくは:銀座ソニービル、2017年3月閉館-2022年の建替え目指す
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展示会場には公園化した際の完成予想模型も展示。

GINZA SONY PARK PROJECT展は7月10日まで(7月3日を除く)、銀座ソニービル8階のイベントホール「OPUS」で開催されている。
入場は無料、開館時間は11時~19時。

外部リンク:GINZA SONY PARK プロジェクト展
関連記事:銀座ソニービル、2017年3月閉館-2022年の建替え目指す
関連記事:東急プラザ銀座、3月31日グランドオープン 

水害で閉鎖のアピタ石下店跡、トライアルが出店へ-2016年11月開店

2015年9月の常総水害の影響で閉店した茨城県常総市のショッピングセンター「ユニー・アピタ石下店」跡の建物に、大手ディスカウントスーパー「トライアル」(本社:福岡県福岡市)が出店することが分かった。
追記:11月23日のグランドオープンが発表された。
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アピタ石下店跡。

閉店から1年、ようやく後継店舗出店

旧アピタ石下店の建物は関東鉄道石下駅そばに立地しており、2階建て、売場面積は約13,500㎡。
トライアルカンパニーはアピタ石下店の建物を建て替えずに居抜き出店する方針で、開業は2016年11月ごろの予定。
業態はディスカウント業態の総合スーパー「メガセンタートライアル」になるとみられ、また、同社ではこの業態の殆どの店舗で24時間営業を行っていることから、アピタ石下店跡の新店舗も24時間営業となることが予想される。
なお、トライアルの店舗のなかでは非常に規模が大きいため、店舗の一部を活用しての出店や、他社テナントの導入も考えられる。

アピタ再活用、復興のはずみに

ユニー・アピタ石下店は1999年にオープン。核店舗の総合スーパー「ユニー・アピタ」のほかに、30店舗弱の専門店が入居しており、地域で最も大きい商業施設であった。
2015年9月10日の常総水害(関東東北豪雨)では店舗そばの鬼怒川の氾濫により店舗1階が完全浸水し、2階と屋上に多くの買い物客や避難者が取り残された。その後、仮設テント売場を経て10月1日に2階のみで仮営業を再開したものの、1階の損傷が大きく、多額の復旧費用がかかるために2015年12月6日を以て閉店していた。
常総市石下地区では復興が進み、水害の影響もあまり感じられなくなっている。水害時のまま残されたアピタの建物が再活用されることは、地域の完全復興への大きなはずみにもなろう。

関連記事:アピタ石下店、2025年12月6日閉店-常総水害で損壊