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呉そごう、土地と建物を一括売却へ-ようやく動き出す再活用問題

JR呉駅前にある「呉そごう」(そごう呉店)の土地と建物を、呉市などで作る呉駅前西再開発ビル管理組合が一括で売却する方針であることが分かった。

呉そごう。

呉市で唯一の大型百貨店だった

呉そごうは1990年3月に開店。建物は1階~7階(一部地階、8階あり)で、売場面積は21,395㎡。キャッチフレーズは「呉ではじめての、都市型本格派百貨店」で、これまで同市にあった百貨店「福屋呉店」、サテライト店舗「福屋焼山店」(2017年現在、2店とも営業中)はいずれも2,000㎡以下の売場面積であったため、そごうは呉初の大型百貨店となった。

川の流れるレストラン街。


シャンデリアの並ぶ食品フロア。

呉そごうは長年に亘って呉市最大の商業施設だったが、2004年9月に徒歩圏に開店した「イズミゆめタウン呉」(売場面積22,500㎡)などの競合による売上の減少に加え、そごう・西武の百貨店事業縮小の影響を受けて2013年1月に閉店。その後は、イズミが天満屋と共同で出店することが検討されたが、家賃・売却価格問題から実現せず、呉市が市庁舎として用いる案なども上がったものの、建物は閉店から5年近く放置されたままとなっている。
(市役所は現地で建替えが行われ、2016年に完成した)

ゆめタウン呉。

ようやく動く再活用-公募・審査で売却先を選ぶ方針

旧・呉そごうの建物は、80%をそごう・西武が、15%を呉市が、5%を地権者(7名/法人)が所有し、それらでつくる呉駅前西再開発ビル管理組合が管理していた。

「帆船」をシンボルマークとしていた。

呉駅前西再開発ビル管理組合は、土地と建物の権利を1つにまとめた上で、公募型プロポーザルで再生案を募り、審査をおこなったうえで新事業者に土地・建物を一括売却する考え。
活用方法は商業施設などの賑わい施設に限定し、さらに呉市が大型店の建設費、固定資産税、新規雇用などに関する助成金制度を新設することで、再活用を促したい考えだという。
その一方で、9月時点では売却先などは全く決まっていないといい、建物が大きく、仮に建物を撤去するとなるとかなりの費用がかかるため、20万都市の一等地といえども購入者が現れるかどうかは不透明な状況である。

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高崎オーパ、10月13日開業-北関東最大級のファッションビル、タワレコも復活

JR高崎駅前にイオン系の大型ファッションビル「高崎オーパ」(高崎OPA)が10月13日にグランドオープンする。

高崎オーパ。

ビブレ跡に「北関東最大級のファッションビル」が誕生!

高崎オーパは老朽化のため2014年に閉店したイオン系のファッションビル「高崎ビブレ」を建て替えたもの。地上8階建て、延床面積は約43,000㎡、総賃貸面積は約26,000㎡で、ファッションビルとしては北関東エリア最大級。
高崎オーパの店舗コンセプトは“自分の感性で自由にライフスタイルを選ぶ、楽しみ、遊ぶ”という意味を込めた「SENSE+PLUS」で、食品スーパー「イオンスタイル高崎駅前」を核に、有力セレクトショップや群馬初出店の話題店、レストランやカフェなど約160のショップが出店する。

解体中の高崎ビブレ。

デリ・イートインが充実-イオンスタイル高崎駅前

1階はイオンが運営するスーパーマーケット「イオンスタイル高崎駅前」。生鮮食品はもちろんのこと、惣菜売場では群馬の“味噌文化”にちなみ「ホルモン味噌焼きうどん」、「もつ煮」を販売、インストアベーカリーでも「味噌だんべぇ」、「達磨パン」など地域色溢れるパンを提供するほか、高崎観光協会による土産品店「高崎じまん」も出店する。
イオン内には客の目の前で焼いたステーキやハンバーグなどのグリルメニューを提供する「MEAT HUNTER」、地元で人気の洋菓子店「パティスリーシャンティー」、クレープ専門店「ディッパーダン」も出店。
店内で購入したデリや飲食店のメニューは、館内にあるイートインコーナー(約80席)でも食べることが出来る。

MEAT HUNTER。

また、リカー専門店「イオンリカー」では約500種類のワインや地元のお酒約80種類を含む清酒約200種類を取り扱うほか、併設のバルではソムリエおすすめのお酒と料理が楽しめる。

3年9か月ぶり復活のタワレコなど-注目テナント

ファッションでは「スナイデル」(2階)、「ジェラートピケ」(2階)、「センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ」(4階)、「WEGO」(4階)、「コムサコミューン」(5階)などを筆頭に2階〜6階まで多様なテナントが出店。

フロア構成と主なテナント。

CDショップ「タワーレコード」(7階)は2014年1月に旭町ビルの店舗が閉店して以来、高崎では3年9か月ぶりの復活となる。

タワレコは3年9か月ぶりに高崎の地に帰還。

7階のフードコート「フードホール」には、「サーティワンアイスクリーム」、カレー専門店「100時間カレー エクスプレス」、“シャンゴ風パスタ”をはじめとする高崎名物が味わえる「開運たかさき食堂 本店」などが出店。
8階には「金沢回転寿司 輝らり」、ステーキの「デンバープレミアム」、餃子専門店「大連餃子基地ダリアン」など和洋中様々な飲食店が軒を並べる。

7階のフードホール。
※写真以外のイメージ画像はニュースリリースより。

高崎オーパ

住所:群馬県高崎市八島町46-1
営業時間:
イオンスタイル高崎駅前:7:00-23:00
物販ショップ:10:00-21:00
飲食ショップ:11:00-23:00
※一部店舗は営業時間異なる
※10月11日よりソフトオープン

ニュースリリース:“北関東エリア最大級のファッションビル誕生” 高崎駅前に新たなランドマーク 「高崎オーパ」 10月13日(金)AM10:00 グランドオープン (イオンリテール公式サイト)
ニュースリリース:タワレコが高崎に復活オープン! 10月13日、3年9カ月ぶりに高崎オーパに出店(タワーレコード公式サイト)
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イオンスタイル豊田、2017年9月7日開業-旧「ジャスコシティ豊田」、建て替えで再出発

愛知県豊田市広路町にイオンリテールのショッピングセンター「イオンスタイル豊田」が9月7日にグランドオープンした。イオンスタイル豊田。

旧「ジャスコシティ豊田」を建て替え出店

イオンスタイル豊田は1975年7月に開業し、老朽化のため2015年8月に閉店した「イオン豊田店」(旧・豊田ジャスコシティー→豊田ジャスコシティ→ジャスコシティ豊田)を建て替える形で出店したもの。開店当時は豊田市で最大の大型商業施設であった。

豊田ジャスコシティー(店内掲示より)。


建て替え前のイオン豊田店。

イオンスタイル豊田の建物は地上3階建てで、SC面積は約23,630㎡。(従前のイオン豊田店の売場面積は16,516㎡。)
施設コンセプトは“NEW わたし LIFESTYLE”で、総合スーパーの「イオンスタイル」を核に、子供や孫と共に3世代で楽しめる57の専門店が出店する。

1階には「イートイン専用のレジ」も設置

1階のイオンスタイル食料品売場には、豊田市近郊の新鮮な青果を届ける「地場野菜コーナー」、まぐろに特化した鮮魚コーナー「まぐろのすべて。」といった生鮮をはじめ、デリカの「グリルステージ」、おむすびショップ「ほのみ」、豊田市の学校給食で定番のおやつパン「キングパン」などをラインナップ。
リカーショップ「イオンリカー」では直輸入ワインや日本酒、愛知のクラフトビールなどを扱うほか、フランスの自然派スーパー「ビオセボン」コーナーも設置されている。

イオンリカーではビオセボン商品も取り扱う。

フードコート「まいまいキッチン」には「松屋」や「サーティワンアイスクリーム」といった有名チェーン店が出店。各飲食店での購入商品はもちろん、イオンスタイルの食品売場で購入した商品もイートイン専用レジ「まいまいカウンター」で会計を済ませることで、通常レジを通すことなくその場で食べることが可能だ。

イートイン専用レジ「まいまいカウンター」。

お膝元「トヨタの販売店」が3階に-子供向けサービスも

2階にはイオン最大の面積を誇るウエルネススポーツ専門店「スポーツジアム」が展開。「ジョギング」コーナーを中心に、初心者から上級者まで幅広いニーズに対応した商品を取り揃える。
ファッション売場は、女性向けビジネススタイル「ピュアラスト」や、三河エリア最大級の男性向け「ジャケット・パンツ・シャツ」コーナーなど、働く女性・男性を意識した商品展開がおこなわれる。

2階にはイオン最大のウエルネススポーツ専門店が展開。

3階にはベビー・キッズの専門店「キッズリパブリック」や、ファミリー向け娯楽施設「モーリーファンタジー」など、主に子供が楽しめるフロアとして展開。
また、名古屋トヨペットが運営する自動車販売ショップ「NTP-ark」(エヌティーパーク)では、“トヨタ2000GT”型の子供用カートの貸し出しや「子供安全免許証」の発行など、「未来のトヨタユーザー」にも嬉しいサービスが提供される。

3階に出店する名古屋トヨペットのショップ「NTP-ark」。

イオンスタイル豊田

住所:愛知県豊田市広路町1-1
営業時間:
1階:8:00-23:00
2階・3階:9:00-22:00
※一部売場は営業時間異なる

写真提供:西川屋チェンさん/画像はニュースリリースより。

ニュースリリース:~地域に根づいたお店を目指し、“地域と家族の未来(あした)”を共に創る~ 「イオンスタイル豊田」9月7日(木)グランドオープン(イオンリテール公式サイト)
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鞆鉄道、トモテツビルを解体へ-旧・ダイエー福山店

トモテツグループ(鞆鉄道、福山市)は、JR福山駅前にある「トモテツビル」(旧・ダイエー福山店)を解体する方針であることを発表した。

トモテツビル(旧・ダイエー福山店)。左隣はキャスパ(閉館済み)。

旧・ダイエー福山店、築49年で老朽化

トモテツビルは1968年8月に「ダイエー福山ショッパーズプラザ」の東館として開店。建物は地下1階、地上8階で、ダイエー全館の売場面積は10,699㎡。1986年から2001年まではディスカウントストア「ダイエートポス福山店」となっており、その後再びダイエーに戻ったが、その際に東館にはテナントとしてフタバ図書が出店した。
ダイエー福山店は2005年10月に閉店。ダイエー東館は「フタバ図書」を核店舗としたまま「トモテツビル」として再生したものの、フタバ図書は2009年に撤退(事実上の郊外移転)。多くのフロアが空き店舗となった一方で、福山駅前の商業ビル「キャスパ」の老朽化による閉館に伴い2012年にはアニメイトが同ビルへと移転している。

ダイエー閉店直後。

2017年現在、トモテツビルは地階に居酒屋などが、1階にアニメイトと飲食店が、2階にトモテツグループのオフィスが、6階にカラオケ店が出店・入居する以外は空き店舗となっている。館内は上りしかエスカレータが設置されておらず、フタバ図書撤退以降はエスカレーターも稼働していない。
なお、ダイエー西館は穴吹工務店が取得、サーパスマンションとなっている。

館内のようす。

建物の解体は、9月5日に鞆鉄道の会長が明らかにしたもので、耐震性不足によるもの。築約50年を経ており、老朽化が深刻であるとみられる。
詳しい解体時期や跡地の活用方法、館内店舗の移転先については9月時点では発表されていない。

隣接するキャスパも空き店舗-同じくトモテツ所有

福山駅前では、トモテツビルの隣接地に位置し同じくトモテツグループが大部分を所有するファッションビル「キャスパ」も老朽化のため2012年より空き店舗となっており、大都市の一等地だけに両ビルの今後の活用方法が注目される。

空きビルとなっているキャスパ。トモテツビルの隣接地。

外部リンク:アニメイト福山(核店舗)
関連記事:ドラッグストアモリ、ザグザクを傘下に-株式の約6割を取得
関連記事:JR尾道駅、建て替えへ-築125年の木造駅舎

ツルハHD、ドラッグストア業界第1位に-2017年9月に静岡の「杏林堂」買収で

ドラッグストア大手の「ツルハドラッグ」を傘下に持つツルハホールディングス(札幌市)は、静岡県の地場ドラッグストアチェーン「杏林堂」(浜松市)を2017年9月29日付で子会社化すると発表した。これにより、ツルハHDは売上高、店舗数共に業界首位に浮上する。ツルハドラッグの店舗。(宮城県女川町)

ツルハHD、店舗数・売上ともに業界最大に

ツルハHDは1929年に旭川市で創業した薬局・ドラッグストア大手「ツルハ」を中核企業とした持株会社で、2005年に設立。現在は「ツルハドラッグ」のほか、中国地方で「ウォンツ」などを展開する「ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本」(広島市)、「くすりの福太郎」(千葉市)、「レデイ薬局」(松山市)、「ツルハタイランド」(バンコク市)などを傘下に持つ。
年間売上高は5770億880万円(2017年5月期)で、店舗数は業界最多の1,765店舗(2017年8月15日現在、国内のみ)。国外ではタイ王国にも多くの店舗を持つ。

レデイ薬局。

杏林堂は浜松市で1900年に創業。
年間売上高は894億円(2017年4月期)で、静岡県西部エリアを中心にドラッグストア・調剤薬局を77店舗展開している(2017年9月現在)。
ツルハHDは杏林堂の株式51%を231億円で取得し、連結子会社化する。なお、買収後も「杏林堂」の屋号は維持される方針だという。
ツルハHDと杏林堂を合わせた売上高合計額は6665億円にのぼり、ウエルシアHDの6231億円6300万円(2017年2月期)を抜いてドラッグストア業界の首位に昇り詰める。

東日本のドラッグストア、「イオン寡占化」強まる

一方の業界2位となった「ウエルシアHD」(千代田区)は2016年度に「クスリのマルエ」(前橋市)を傘下に収めるなどしてマツモトキヨシHDから業界首位の座を22年ぶりに奪ったばかりで、早くも「首位交代」の形となった。ウエルシアはこのほかにも2017年9月に「丸大サクラヰ薬局」(青森市)を買収、経営規模の拡大を図っている。
ウェルシア、ツルハともにイオンと業務資本提携を結んでおり、イオンのドラッグストアグループである「ハピコムメンバー企業」に属する。とくに両社が地盤とする東日本では、ドラッグストア業界の「イオン寡占化」がさらに強まることとなった。

イオンとの共同出店も多いツルハ。

IR情報:株式会社杏林堂薬局及び株式会社杏林堂グループ・ホールディングスとの資本業務提携並びに連結子会社の異動を伴う株式の取得に関するお知らせ(ツルハHD公式サイト)
外部リンク:ツルハHD公式サイト
外部リンク:杏林堂薬局公式サイト
関連記事:ドラッグストアモリ、ザグザクを傘下に-株式の約6割を取得
関連記事:イオン、ミャンマー進出-地元スーパー譲渡、8月1日に営業開始

池袋西口公園に「野外劇場」開設へ-2019年に、公園再整備で

東京都豊島区は、池袋駅前にある「池袋西口公園」を再整備し、野外劇場を開設することを発表した。

池袋西口公園。
(池袋西口公園活用協議会ウェブサイトより、画質補正)

数々の作品の舞台となった公園に「野外劇場」

池袋西口公園は1990年に東京芸術劇場の整備に合わせて開園。
ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)、アニメ「デュラララ!!」(2010年)など、数多くの作品の舞台となったことでも知られる。

隣接する東京芸術劇場(公式サイトより)。

野外劇場整備の方針は、豊島区が2017年5月に公開した「池袋西口公園等整備基本計画策定業務プロポーザル実施要項」により明らかになったもの。これを受け、「池袋西口公園活用協議会」は2017年6月に改装後の青写真を明らかにしていた。同協議会によると、一期工事は2017年12月ごろ~2018年3月ごろに、二期工事は2019年1月ごろ~2019年10月ごろに行い、公園再整備・野外劇場化は完了する予定だという(工期は今後変更される可能性がある)。

池袋西口公園活用協議会のウェブサイトより。

2017年9月6日に豊島区長が明らかにした整備計画によると、野外劇場は1500人規模で、大小のステージと大型ビジョンを備えるものとなる見込み。具体的な整備計画は今後発表するという。

近隣の公園も刷新-集客施設を連携させたイベントも

「国際アートカルチャー都市構想」を掲げる豊島区では、2016年に南池袋公園のリニューアルを行ったほか、今後は中池袋公園も刷新。2016年に閉鎖された造幣局東京支局跡地も公園化する方針で、全ての完成後には4つの公園や、東京芸術劇場、そして旧区庁舎跡に誕生する複合施設を連携させた活用も検討されている。

旧・豊島区役所跡に整備中の複合施設。
コンセプトは「誰もが輝く劇場都市」。

外部リンク:池袋西口公園が生まれ変わる!(池袋西口公園活用協議会)
関連記事:クレディセゾン社員「東池袋52」結成-デビュー曲は「わたしセゾン」
関連記事:東京ミッドタウン日比谷、2018年3月29日開業-三信ビル跡に日比谷の新・ランドマーク

アクロスプラザ隼人、2018年3月9日開業-核店舗は「九州最大級のドンキ」

鹿児島県霧島市のJR隼人駅隣接地に大型商業施設「アクロスプラザ隼人」が2018年3月ごろに開業する。

JR隼人駅。東側は駅裏にあたる。

追記:開店日は3月9日に決定。店舗はメガドンキ業態の「MEGAドン・キホーテ霧島隼人店」となる。

核店舗は「九州最大級のドンキホーテ」

アクロスプラザは大和ハウス系のディベロッパー「大和情報サービス」が開発するショッピングセンターで、鹿児島県内では鹿児島市内に「アクロスプラザ南栄」(核:GU)、「アクロスプラザ与次郎」(核:ダイレックス、ユニクロ、サンキ)の2店舗を展開している。

アクロスプラザ隼人が出店するのは、JR隼人駅東側に隣接する土地区画整理事業地(国鉄用地跡)。タイヨーサンキュー隼人店、イオン隼人国分店(旧・サティ)からもすぐの場所となる。
建物は1階建て2棟、売場面積は5,079㎡で、本館の大部分が「ドン・キホーテ隼人店」(仮称)となる見込み。ドンキは鹿児島県内では鹿児島市以外の地域には初出店で、九州最大の売場面積のドン・キホーテとなる可能性が高い。なお、生鮮品なども扱う「メガドンキ」になるかどうかは9月現在未定である。
別棟部分には「鹿児島ラーメンみよし家」等の飲食店など数店舗が出店する予定となっている。

霧島市周辺では近年大型商業施設どうしの競争が激化している。ドンキホーテの出店により、周辺店舗は安さのみにとらわれない、店舗ごとの個性を出した運営を迫られることになるであろう。

4月にグランドオープンしたイオンタウン姶良。

追記:開店日は3月9日に決定。店舗はメガドンキ業態の「MEGAドン・キホーテ霧島隼人店」となる。ドンキホーテは売場面積のうち3,782㎡を占める。

関連記事:イオンタウン姶良、2017年4月22日グランドオープン-旧姶良サティ、2期工事完成で
関連記事:MEGAドン・キホーテ渋谷本店、5月12日開店-現・渋谷店は5月7日閉店

平和堂フレンドマート大津なかまち店、2017年9月8日開店-菱屋町商店街の西友跡地に

大津市中心部にある菱屋町商店街の西友跡地に「平和堂フレンドマート大津なかまち店」が2017年9月8日に開店する。

平和堂フレンドマート大津なかまち店。

平和堂、大津市中心部・菱屋町商店街の西友跡地に

西友大津店は1975年に開店した地上6階・地下1階の総合スーパーで、大津市中心部の菱屋町商店街に立地。近年は多くのフロアを閉鎖して下層階のみで営業していたが店舗の老朽化もあり2015年4月に閉店、その後、建物は解体されていた。

西友大津店。

平和堂は地元商店会などの要望に応えて出店を決めたもの。
平和堂フレンドマート大津なかまち店の店舗面積は1,298㎡。建物は平屋で、食品と日用雑貨を中心に販売。テナントとして、近江牛専門店「げんさん」、カット最安690円の美容室「HAIR STUDIO IWASAKI」、滋賀銀行ATMが出店する。
平和堂はこのほかに、JR大津駅前にあった平和堂アルプラザ大津跡地に建設されるマンション下層階への出店(再出店)も検討している。

平和堂フレンドマート大津なかまち店

住所:滋賀県大津市長等二丁目2番17号
営業時間:9:30~20:00

外部リンク:フレンドマート大津なかまち店開店のお知らせ
関連記事:大津パルコ、2017年8月末閉店
関連記事:西友大津店跡に平和堂出店-大津駅前出店も改めて表明
関連記事:平和堂アルプラザ大津、6月20日閉店-跡地のマンション内に再出店検討

関連記事:京阪、大津線4駅の駅名を2018年3月に改称-浜大津など、大津市の街づくり計画で

東京ミッドタウン日比谷、2018年3月29日開業-三信ビル跡に日比谷の新・ランドマーク

日比谷に新たなランドマークが生まれる。
三井不動産は、東京都千代田区有楽町一丁目で開発を進めていた「(仮称)新日比谷プロジェクト」の名称を「東京ミッドタウン日比谷」に決定し、2018年3月29日にグランドオープンさせることを発表した。

東京ミッドタウン日比谷。

かつての「三信ビル」「三井銀行本店」跡地を再開発

東京ミッドタウン日比谷は日比谷シャンテ、日生劇場、東京宝塚劇場などの隣接地に誕生する複合高層ビル。キャッチフレーズは「未来志向の新たな体験や価値が日比谷で花開く」。
この地は、かつて東京都心を代表するアールデコ建築であった荘厳なオフィスビル「三信ビルディング」(1929年竣工)、そして「日比谷三井ビルディング」(三井銀行本店)などがあった場所としても知られ、国の都市再生特別地区および国家戦略特区の特定事業の1つとして再開発が進められてきた。

東京ミッドタウン日比谷の全体像。

第二の「東京ミッドタウン」ブランド

三井不動産は六本木でも「東京ミッドタウン」を展開しているが、「東京ミッドタウン日比谷」ではこれまでの東京ミッドタウンが掲げてきた「Diversity」「Hospitality」「Creativity」「Sustainability」という4つの共通の提供価値に加えて、街の個性である「In the Park(緑やオープンスペースと街が連続した空間となり、心が豊かになる街)」、「Entertainment(新たな芸術文化・エンターテインメントを発信する街)」、「Elegance(文化的刺激に溢れ、本物を知る大人たちが集う街)」を街固有の提供価値として、世界中の様々な文化・感性・才能が日比谷に集結・交流することを促し、未来志向の新たな体験や価値を創出する街づくりを行うとしている。

コンセプト。

「東京ミッドタウン日比谷」ロゴタイプ。

建物は地上35階、地下4階、延床面積約189,000㎡。
そのうちの地下1階-7階が商業フロア(4-5階は映画館)、6・7階の各一部と9-34階がオフィスとなる。

全館フロア構成。

商業フロアは60店-三信ビルモチーフの空間、「日劇」移転も

地下1階-7階の商業フロアには、全60店舗(店舗面積約18,000m2)が出店する。

晴海通りからの景観。
下層階は大型商業施設で、地域の賑わいに貢献する。

地階:「駅直結の都心型フードアーケード」と題し、博多の老舗和菓子店「鈴懸」、東京初出店となる「住吉酒販」など個性溢れる食物販と、バラエティ豊かな8つの業態が集まる都心型フードホール「(仮称)HIBIYA FOOD HALL」を開設。また、ドラッグストア「トモズ」、「スターバックスコーヒー」、「セブンイレブン」など、普段使いができるお馴染みのショップも出店する。
地下のアーケードには「三信ビルディング」をモチーフにモダンなデザインで再構築することで、街の記憶を継承する。 

三信ビルをモチーフとした空間。

1階:「プレミアムライフスタイルゾーン」。玄関口(エントランス)となる「(仮称)日比谷ゲートプラザ」(後述)に面したゾーンには、TOYOTA「レクサス」のカフェ併設型ブランド体験施設が世界初出店するほか、ニューヨークの人気レストラン「Buvette」が日本初出店。また、「イセタンミラー」(伊勢丹)、「DEAN & DELUCA CAFE」など、大人の良質なファッションを提案する雑貨ショップが集積する。
2階:「上質なファッション・ライフスタイルゾーン」。「THE NORTH FACE」「A.P.C.」など、良質でひとつひとつのアイテムにこだわる楽しさを提案するショップを集積したファッションのメインフロアとなるほか、「食のトレンドを発信する最旬パークビューダイニング」のエリアは、代官山の人気ビストロ「Ata」の新業態や、今海外で人気のモダン炉端焼き、立ち飲み天ぷらなど、食のトレンドが詰まった最旬レストランフロアとなる。
3階:「情報発信型のライフスタイルゾーン」。「有隣堂書店」の、書店ながら一般書籍を殆ど置かない新業態「HIBIYA CENTRAL MARKET」など、大型のライフスタイルショップなどに加えて、音楽やアートに美と健康を加えた、大人の都会的なライフスタイルを充実させるためのフロアとなる。また、「本物志向のプレミアムレストランゾーン」には人気イタリアン「サローネグループ」の旗艦店や創業450余年の京都の老舗料亭「瓢亭」の新業態など、人気と実力を兼ね備えた有名店が集結する。 

吹き抜けのアトリウム。

4-5階:11スクリーン約2,300席のシネマコンプレックス「TOHOシネマズ 日比谷」となる。なお、有楽町マリオンにある「TOHOシネマズ日劇」は同館の開館により閉館し、「日本劇場」時代からの84年の歴史に幕を下す。

TOHOシネマズ日比谷。


マリオンにある「TOHOシネマズ日劇」は閉館する。

6-7階:レストラン街となる。6階のバルニバービ社による「ガーデンレストラン」は、皇居外苑、日比谷公園から続く緑を取り込む「(仮称)日比谷テラス」(後述)を囲み、様々なシーンで日比谷ならではの過ごし方を提案するものとなる。 

商業フロア構成。

下層階の館内中央には、伝統的な劇場空間を参考にした3層吹き抜けのアトリウムが設置され、様々なイベントが開催される。

オフィスフロアは25層-休息できるスカイガーデンも

日比谷公園を眼下に望むオフィスフロアは9・10階のロビー階から11-34階に位置し、「Business Hospitality」をコンセプトに、先進的な機能やサービスの融合がフレキシブルなワークスタイルを実現する。

オフィスエントランスのスカイロビー。

さらに、9階にはオフィス向けのスカイガーデンを、6階には「(仮称)日比谷ビジネス連携拠点」を設置するなど、ビジネス環境の構築に配慮された造りとなる。

スカイガーデン。

日比谷らしく「演劇の街」意識したプレミアムイベント空間も

THE PREMIUM TIME, HIBIYA”をコンセプトに掲げる東京ミッドタウン日比谷。館内には吹き抜けのアトリウムのほか、6階には空中庭園「日比谷テラス」(仮)が、1階には千代田区有地と一体的に整備された「日比谷ゲートプラザ」(仮)が設けられ、今後は映画・演劇等の国際的なエンターテインメントイベントの誘致・開催も検討されているという。

エントランスとなる日比谷ゲートプラザ。

芸能・演劇の街に生まれた新たなランドマークが、 かつてこの地にあった三信ビルのように、長きに亘って地域に親しまれる「プレミアムな存在」となることを期待したい。
(写真以外は三井不動産ニュースリリースより、写真は都商研撮影)

東京ミッドタウン日比谷

住所:東京都千代田区有楽町1丁目1番地2号
営業時間:店舗により異なる

外部リンク:「(仮称)新日比谷プロジェクト」の名称が「東京ミッドタウン日比谷」に決定  上質な体験価値を提供する約60の店舗が2018年3月29日にオープン ~未来志向の新たな体験や価値が日比谷で花開く~ 
外部リンク:東京ミッドタウン日比谷 商業テナント一覧(PDF:438KB)
関連記事:新・渋谷駅ビル、名称は「渋谷スクランブルスクエア」に-2019年度Ⅰ期完成予定 
関連記事:日本橋附近の首都高、地下化に向けた検討開始-国交省、東京都など 
関連記事:みなとみらいに大型音楽アリーナ、2020年春開業-ぴあ運営、1万人級 
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ユニー・ピアゴ弘明寺店、10月15日閉店-旧ほていや、55年の歴史に幕下ろす

横浜市営地下鉄ブルーライン弘明寺駅近くの総合スーパー「ピアゴ弘明寺店」(横浜市南区)が10月15日をもって閉店する。

ピアゴ弘明寺店。

弘明寺商店街で55年の歴史誇るユニー店舗

ピアゴ弘明寺店はユニーの前身企業、ほていやの店舗として1962年5月に開店。
開業当時の建物は1971年に焼失しており、現在の建物は1972年に「ユニー弘明寺店」として建て替えられたもの。同一立地で営業を続けているユニー店舗の中では55年と最も歴史がある。
建物は地上4階建てで、店舗面積は1,922㎡。(売り場は1-3階)。建物はユニーが所有している。
弘明寺商店街唯一の大型店であり、直営の食品売場(1階)、ファッションと暮らしの売場(2階)に加え、100円ショップ「ワンオーオー」(3階)が出店している。

エレベーター・駐車場無しの老朽店、今後の活用方法は?

弘明寺店では築45年となる建物の老朽化や、狭小な売場、エスカレーター未設置(エレベーターは設置)、駐車場未設置など、時代に適さない店舗設備となっていたことが閉店の要因と考えられる。
9月3日現在、閉店後の活用方法は明らかになっていないが、ファミリーマートとの合併、ドン・キホーテとの業務資本提携開始などで総合スーパーの縮小路線が目立っているユニーだけに、同じ横浜市の「ピアゴイセザキ店」や「アピタ金沢文庫店」のように建て替え→再出店の流れを実現出来るかどうかが今後の注目となりそうだ。

2015年に建て替えられたピアゴイセザキ店。
弘明寺店と同じ旧ほていや店舗だった。

なお、ピアゴ弘明寺店では閉店セールを10月15日まで実施している。

外部リンク:ピアゴ弘明寺店
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