ドラッグストア最大手のイオンの子会社「ウエルシアホールディングス」(東京都千代田区)は、中四国大手のドラッグストア「スーパードラッグひまわり」を展開する同業の「ププレひまわり」(広島県福山市)を買収すると2021年7月16日に発表した。
ウエルシアは、2021年12月1日付でププレひまわりを子会社化する。
ププレひまわりの店舗(岡山市中区)。
広島地盤のドラッグストア、近年は出店を加速
ププレひまわりは1978年に「ひまわり薬局」として創業。1993年に福山市内に、広島県東部初となる郊外型ドラッグストア1号店を出店した。1999年11月に岡山県に進出。以来広島県と岡山県を中心に店舗を増加させた。2016年に山陰及び四国に進出するなど、近年は出店攻勢を強めていた。現在は、主力業態の「スーパードラッグひまわり」を中心に山口県を除く中国地方・香川県・愛媛県・兵庫県の7県に計127店舗(2021年7月時点)を運営する。
ウエルシアは、2021年12月1日付でププレひまわりの株式の50%超を取得する。買収額は未定としている。
中四国が手薄なウエルシア、買収で店舗拡大を図る
ドラッグストア業界は近年、競争激化から大手チェーンが中小チェーンを買収する例が相次いでいる。
中四国地方でも、2010年に「マツモトキヨシホールディングス」(千葉県松戸市)が「ラブドラッグス」(岡山県岡山市)を子会社化。「ツルハホールディングス」(北海道札幌市)は2009年に「ウェルネス湖北」(島根県松江市)を、2013年に「ハーティウォンツ」(広島県広島市)を、2015年に「レデイ薬局」(愛媛県松山市)をそれぞれ子会社化していた。2017年には九州地方を中心に「ドラッグストアモリ」を展開する「ナチュラルホールディングス」が「ザグザグ」(岡山県岡山市)を子会社化している。
ドラッグストアウェルネスの店舗(鳥取県米子市)。
業界2位でイオングループのツルハホールディングスは中小のドラッグストアを次々に買収して店舗を増やし、中国地方の店舗が316店舗、四国地方の店舗が212店舗である(店舗数は2021年6月時点)のに対して、業界首位でイオン子会社のウエルシアホールディングスは2019年に中国地方に初出店、四国地方も2019年時点で3店舗にとどまるなど中四国ではツルハに対して遅れをとっていた。
ウエルシアの店舗(兵庫県姫路市)。
ウエルシアは2019年6月に「金光薬品」(岡山県倉敷市)、2020年3月に「よどや」(高知県高知市)、2020年7月には「ネオファルマー」(愛媛県四国中央市)及び「サミット」(愛媛県新居浜市)を次々と子会社化し、店舗拡大を図っていた。
金光薬品の店舗(岡山市北区・看板変更後)。
ウエルシアは、今回のププレひまわりの子会社化で中四国の店舗を現在の中国地方53店舗、四国地方42店舗の計95店舗(いずれも2021年7月時点)から、子会社化後は単純計算で計222店舗と、中国・四国地方での店舗数を2倍以上に伸ばすことになる。
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