津センターパレス、2021年3月から新テナント募集-旧ダイエー、都ホテルの2月28日閉館を受けて当面「イベント活用」に

三重県津市大門の複合商業施設「津センターパレス」の近鉄系シティホテル「都シティ津」が、2021年2月28日をもって閉館する。これによりビルは殆どが空き店舗となるため、近く新たなテナント募集に乗り出すという。

「ダイエー」「都ホテル」核の複合施設として開業

津センターパレスは、1985年4月に旧・津市庁舎跡地再開発の一環として開業。建物は地上9階建地下1階建、延床面積は24,202㎡。
開業初期は、ダイエー(当時)の衣料スーパー「ダイエー津センターパレス店」を核に、市内に本社を置く食品スーパー「マルヤスフーズパビリオンパレス店」、ダイエー系ハンバーガー店「ドムドム」などが出店。都ホテルや地場大手企業のオフィスを併設していたこともあり、県庁所在地の中核施設としての役割を担った。

津センターパレス・都シティ津。

しかし、1994年2月に津駅近くの津ショッピングセンターエル(現・イオン津店)が増床リニューアルを実施するなど競争が激化。1995年1月の阪神大震災では直接被害を受けなかったもの、同年2月にダイエーが閉店する遠因となった。
ダイエー閉店後は1階に商業フロアを集約、地階・2~4階を公共施設や三重交通グループの本社事務所に転換したが、2019年にスーパー「マルヤス」とドラッグストア「ウエルシア」が相次ぎ閉店、商業施設としての機能をほぼ失った。

三重県有数のシティホテル、35年の歴史に幕

都シティ津は、1985年4月に近鉄系直営(津都ホテル→近鉄ホテルシステムズ)のシティホテル「津都ホテル」として開業。2003年2月には近鉄グループやビル運営会社など出資の津センターが経営、近鉄グループが運営受託する現在の運営形態に移行。2019年4月には近鉄・都ホテルズ宿泊施設ブランド再編によって現在の施設名に改称した。延床面積は6,487㎡。
県内を代表するシティホテルとして、83室の客室に加えてレストランやバンケットルー)、結婚式場(チャペル・神殿)を完備したが、コロナ禍の拡大を受けて2020年3月から朝食ブッフェを中止、4月からは宴会場や和食店を臨時休業。7月22日からはGoToトラベルが始まったもの、9月1日をもって全館営業休止となっていた。
都シティ津を運営受託する近鉄・都ホテルズは、撤退に際して「経営会社である、株式会社津センターとの協議により、当ホテルの運営受託契約の終了が決定いたしましたため」とコメント。35年の歴史に幕をおろすこととなった。

出店者募集、当面はイベント会場として活用

都シティ津は、かねてから津の「市街地空洞化の影響(ホテルの発表による)」もあり業績が振るわず、2014年度からの黒字転換も外国人観光客の増加によるものだった。しかし、コロナ禍で累積損失が1億円台から3億円近い水準に悪化、2020年9月に全館営業休止を余儀なくされた。
津市と津センターパレスは、2021年3月1日からホテル部分(客室・レストラン・宴会場)、商業テナント部分(スーパー・ドラッグストア)の入居者募集を開始。ホテル客室とレストラン・宴会場に関しては、“分割を含めた活用”も視野に入れるという。
また、4月1日からは市内飲食店応援事業「津がんばる事業者応援プロジェクト」を拡大するかたちで、都シティ津のレストラン・宴会場跡を活用したチャレンジショップ・フードコート・コンベンションなどを期間限定で開催。市とセンターパレスが一体となって再生をめざすこととなった。

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