カテゴリー別アーカイブ: 新店舗レポート

イオンスタイル新茨木、2017年6月3日全面リニューアル開業ー関西初の「G.G.対応店舗」

大阪府茨木市の茨木市駅近くにある総合スーパー「イオン新茨木店」が「イオンスタイル新茨木」に全面リニューアルし、2017年6月3日にグランドオープンした。イオンスタイル新茨木。

現・イオン社長の岡田元也氏が店長を務めた「旗艦店」

イオンスタイル新茨木店は1986年7月にジャスコ新茨木店(茨木ショッピングタウン)として開業。売場面積は13,500㎡。
ジャスコ新茨木店は、現・イオン社長の岡田元也氏が初代店長を務めており、「生活宝島」をコンセプトに掲げてからくり時計が設置されるなどジャスコの旗艦店に相応しい売場づくりが行われていた。しかし競合店の増加に加え、茨木そごう予定地に2001年1月開業した「マイカル茨木」(現・イオンモール茨木)のイオングループ入りなど受け、地元物販店や飲食店(マクドナルド、スガキヤなど)が営業していた専門店街が縮小され、直営主体の近郊型総合スーパーとして営業を続けていた。

関西初の「シニアシフト対応店舗」に一新

今回のリニューアルでは、シニアシフト対応型の「グランド・ジェネレーション(G.G.)コンセプト店舗」として「Life Station 新茨木」を掲げ、直営部門を中心に施設、商品ラインナップを一新した。
1階食品売場では40種類のメニューを提供する対面方式の惣菜専門店「リワードキッチン」「おむすびショップ・ほのみ」、コールドプレスジュースを新たに導入、魚惣菜コーナーで「無塩の焼き魚」を販売するなど客層に合った商品展開を行う。
また、2階「ファッションと雑貨のフロア」では、イオングループの眼鏡専門店「グラスアップ」、ステッキ専門店「ファンタステッキ」、スポーツ専門店「スポージアム」、本格珈琲店「カフェ・ド・ペラゴロ」、漢方コーナーを展開。体組成計、骨強度計、血管年齢計などを設置した無料の健康セルフチェックコーナー「健康ステーション」も併設する。

食品から衣料、住生活フロアまで全面改装を遂げた。

3階「ライフスタイル提案フロア」では、イオンイーハートが手掛ける和食レストラン「四六時中」を地域密着型のフードコート新業態「いばらき茶屋」に、未来屋書店を生活提案型店舗モデル「未来屋書店 Life with book」にリニューアル。シニア層からの根強い需要がある和陶器、スリッパの品揃えを充実させたほか、イオンの住生活PB「HOME COORDY」の販売を強化した。

イオンイーハートの地域密着型フードコート「いばらき茶屋」。
シニア向けメニューを揃えるほか、コンセントも完備する。

また、このほかにも茨木市との連携による市民参加型カリキュラムの実施、茨木市健康福祉部と協力したフードコートでの適塩メニュー提供も行われるなど、「健康」をテーマにあらゆる試みが実施され、イオン茨木店(旧・マイカル)との差別化を図るとともに、中高年層の来店を促す。

外部リンク:6/3(土)「イオンスタイル新茨木」グランドオープン(イオンリテール)
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Ittenほりかわ、4月8日開業-日南中心部の再開発複合ビル

日南市中心部の再開発複合ビル「ふれあいタウンイッテンほりかわ」が4月8日にグランドオープンした。

イッテンほりかわ。

油津中心部の再開発ビル

「イッテンほりかわ」はまちづくり会社「日南まちづくり株式会社」が日南アミューズメントセンターと宮崎銀行油津支店を解体した跡に開業させた8階建ての複合ビル。
運河通り商店街の入口にあり、百貨店の日南山形屋に隣接、複合商業ビルのサピア日南ショッピングセンター(旧・寿屋)、日南ボーリングセンター(旧・旧・寿屋)からも歩いてすぐの場所で、商店街を挟んで立体駐車場「いってんパーク」も備える。なお、宮崎銀行は敷地内に移転している。
総事業費は20億7000万円。

運河通り商店街を挟んだ景観。


隣接する日南山形屋。地域唯一の百貨店。

「百貨店、スーパー、商店街、医療機関が近い」ことをウリに活性化目指す

イッテンほりかわのコンセプトは「「子育て支援施設」「市民活動支援施設」「商業施設」「介護医療住居」「医療施設」「メディアセンター」「居住施設」「市民憩いの場」が一体となった、まちなか快適便利生活拠点の提供」。

イッテンほりかわ・商店街側より。

1階は日南市の子育て支援施設、ケーブルテレビ局、IT関連企業のオフィス、カフェなどの個人商店、2階が日南市民活動支援センター「日南市創客創人センター」、屋上庭園、3階がクリニック(内科、歯科)、4~5階が高齢者住宅(25室)、6~8階が分譲マンション(17戸)となる。
屋上庭園には木が植えられるほか、ボルダリングウォール(壁登り)を設置する。
また、立体駐車場「いってんパーク」の下層階には薬局、飲食店などと1坪店舗(家賃7000円/月)が設けられている。いってんパークの駐車料金は1時間100円だが、商店街の提携店舗利用で2時間無料となる。

立体駐車場棟。1階には1坪店舗も。

開業日となった8日には記念式典が挙行され、地元アイドルグループ「MKM-ZERO」などによるライブも行われるなど賑わった。
日南市油津の中心部では、活性化事業により新たな店舗も少しずつ増えてきている。日南市とまちづくり会社は、この再開発ビルの完成により更なる活性化にはずみをつけたい考えだ。

サンプラージュ岩崎商店街。

外部リンク:日南まちづくり株式会社
関連記事:スーパー江南小林店跡地に再開発ビル、1月22日着工-松栄ストアー出店へ

レクト、2017年4月28日開業-イズミの新業態、「カインズ」「T-SITE」広島初出店

広島市西区に大手スーパー「イズミ」が運営する大型商業施設「レクト」(LECT)が4月28日にグランドオープンした。

レクト。

イズミの新型店、「知・食・住」の3つのゾーンで構成

レクトはゆめタウンやゆめマートなどを運営するイズミが開発した新業態の複合商業施設で、広島電鉄商工センター前駅から徒歩20分ほどの広島南道路・商工センター出入口付近に位置している。
もともと、この場所は1989年に開催された「’89海と島の博覧会ひろしま」のメイン会場として使用された後、長年の間空き地となっていた場所だった。
 店舗面積は約39,000㎡で、広島市中心部にあるイズミの本店「ゆめタウン広島」と同規模。専門店数は約150店となる。
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ゆめタウン広島。

「レクト」という店名は同店のメインテーマである「Living(住)、Eating(食)、Culture(知)とTown・Time(街・時)の頭文字にちなんだもので、キャッチフレーズは「毎日、行きたくなる。わざわざ行きたくなる。」。
館内は「知・食・住」の3つのゾーンに分かれており、各ゾーンにキーテナントが配置されている。
店舗デザインもいままでのゆめタウンとは異なった新しいデザインとなった。店内3か所の吹き抜けでは知・食・住のテーマにあわせた3つの庭をイメージしており、本物の植栽を設置する。

賑わうセンターコート。

さらに、センターコートにはシンボルとなる大型植栽を配置し、居心地のよいコミュニティ空間を演出。広島の企業、「WOOD ONE(ウッドワン)」とコラボレーションしたキッズスペース「WOOD SPRING(ウッドスプリング)など、他企業と協力した空間づくりもおこなっている。

「知」のゾーン、核店舗はTSUTAYA「T-SITE」

「知」のゾーンのテナントには中四国・九州地区初出店となるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の複合書店「T-SITE」(ひろしまティーサイト)。
広島T-SITE内「蔦屋書店」の蔵書数は25万冊で、食、暮らし、親と子のフロアテーマに沿った品揃えがされている。

T-SITE内の蔦屋書店。


シンボルの本棚オブジェ。

またT-SITE店内には「スターバックスコーヒー」やフレッシュジュース専門店の「マルゴデリ」、広島県呉市にある老舗茶問屋の日本茶カフェ「田頭茶舗」など28ものショップが出店しており、居心地のよい空間を再現している。

T-SITE・マルデゴリ。


呉市の「田頭茶舗」など地元の味も。

「食」のゾーン、中核店舗の「イズミ」が出店

「食」のゾーンのテナントはイズミが運営するスーパーマーケットの「youme食品館」。

食品館入口。

 食品館としてはイズミグループ最大の売場面積を誇っており、広島の特産品なども多く取りそろえている。また生鮮食品では鮮魚などを近隣の「広島中央卸売市場」から仕入れるなど鮮度にもこだわる。

広島産品を多く取り揃える。

そのほか「カルディーコーヒーファーム」、「はらドーナッツ」、「もみじ饅頭にしき堂」、「唐十」などの食品店・銘店、「スーツセレクト」、「niko and…」、「ABC-MART」などのファッション・アパレル関連店、フードコート、レストラン街などが出店する。

飲食店街・テラスダイニング。

「住」のゾーン、広島初の「カインズ」が出店

住のゾーンの核テナントには大手ホームセンター「CAINZ」(カインズ)が広島県初出店する。

カインズ。

店内には カインズの特徴である直営のカフェ「カフェブリッコ」や3Dプリンタ、レーザーカッターなどもあり、本格的なDIYが楽しめる「DIYカウンター・カインズ工房」など、近隣の他のホームセンターとはまったく異なる特徴的な売場を展開する。

カインズ工房。


緑あふれる園芸売場にはカフェ・ブリッコも出店。

競争激化する広島市西部、他店との差別化がカギか

レクトの付近には三井不動産商業マネジメントが運営している「アルパーク」(核店舗:天満屋、広島市西区)や、2015年にオープンしたイズミが運営する「ゆめタウン廿日市」(廿日市市)などといった大型商業施設が集積しているほか、広島市石内地区にはイオンモールの出店計画もある。
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百貨店が核のアルパーク。

今後も広島市西部における大型商業施設の商戦は続くとみられており、広島地盤のイズミは他店との自社内競合もある。
「レクト」にとっては、これまでのショッピングセンターとの「差別化」をアピールして集客に繋げることが出来るかどうかが勝負の分かれ目となりそうだ。

LECT(レクト)

住所:広島県広島市西区扇二丁目1-45
営業時間:
Youme食品館 9:00~22:00
広島T-SITE 8:00~24:00
CAINZ 9:00~21:00

外部リンク:LECT(レクト)
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SENRITOよみうり・イオン専門館、2017年4月21日開業-千里中央、イオンの寡占進む

大阪府豊中市千里中央駅前の複合施設「SENRITOよみうり」(センリトよみうり)に4月21日、イオンモールが運営する専門店ゾーン「イオンSENRITO専門館」が開業し、「SENRITOよみうり」の商業床は全館グランドオープンを迎えた。

オープン迎え賑わうSENRITO。

タワーマンションを核とした再開発プロジェクト、全面開業

SENRITOよみうりは、「よみうり文化センター(千里中央)再整備事業」の一環として、読売新聞大阪本社、読売テレビ放送、関西電力グループにより共同開発が進められた再開発プロジェクト。
2015年7月に学習塾、医療施設などサービス店舗が入居する商業フロア1期が開業しており、高層階の関電不動産によるタワーマンション「シエリアタワー千里中央」(52階建)の分譲も行われている。
4月21日に開業した「イオンSENRITO専門館」の総賃貸面積は約9,100㎡。ストアコンセプトに「“ちょっとの時間”をコバレのトキに 北摂スマートライフを創造」を掲げ、イオングループの食品スーパー「光洋」、紳士服はるやまのスーツ専門店「Perfect Suit FActory」、イオン系シューズ専門店「ASBee」などが新規出店したほか、近隣の千里セルシーから雑貨専門店「無印良品」やカジュアルファッション「Right-on」が移転出店した。

開放感ある店内。


PSFA100号店も出店。

食品売場は「光洋」、イオンの寡占化進む千里中央

イオンSENRITO専門館の核店舗の1つであるスーパー「コーヨーSENRITO店」は、コンセプトに「おいしさつながる“トキ”を創造」を掲げ、Health&Wellness、減塩・無添加食品を重視。農産売場では「ドライフルーツバイキング」、精肉売場では「自家製ローストビーフ」、鮮魚売場では「創作寿司」、惣菜売場ではヘルシー食品(豆腐唐揚げ、豆腐ボールなど)をラインナップするなど、千里中央の地域特性を重視した商品展開を図る。
イオンSENRITO専門館の北側には、現在光洋が運営するスーパー「ピーコックストア千里中央店」(旧・千里大丸プラザ内)、東側には同じくイオングループの総合スーパー「ダイエー千里中央店」(千里セルシー内)が隣接出店しているほか、新御堂筋を挟んだ西側には光洋運営の「マックスバリュ新千里西町店」(旧・大丸ピーコック)が出店。「コーヨーSENRITO店」は千里中央における4店目のイオン系スーパーとなり、イオングループによる千里中央ドミナントがさらに進むこととなる。

千里セルシー。

「千里セルシー」も近く再開発へ

その一方で、「千里セルシー」は開業から44年が経過し老朽化も深刻で、近いうちの建替えが検討されている。2016年末からはテナントの撤退が相次いでおり、今回も今後のさらなる再開発にも注目が集まる。

外部リンク:イオンSENRITO専門館公式ホームページ(イオンモール)
外部リンク:よみうり文化センター(千里中央)再整備事業商業施設Ⅱ期「イオンSENRITO専門館」4月21日(金) オープン35店舗が新規出店「SENRITOよみうり」が全面開業(イオンモール)
関連記事:H2Oリテイリング(阪急阪神)、関西スーパーと資本業務提携
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JRゲートタワー、2017年4月17日グランドオープン-高島屋の専門店モールを核に「リニア駅」計画も

愛知県名古屋市中村区のJR名古屋駅ビル「JRゲートタワー」1階~8階に「タカシマヤゲートタワーモール」が4月17日に開業し、JRゲートタワーがグランドオープンを迎えた。
JRゲートタワーとJRセントラルタワーズ。

JRゲートタワー全面開業-高さ220mの超高層ビル

JRゲートタワーはJR東海グループにより名古屋ターミナルビル(松坂屋名古屋駅店・2010年閉館)跡地で再開発が進められた超高層複合施設。
その規模は高さ約220m、地上46階、地下6階建、延床面積約260,000㎡で、施設デザインはJRセントラルタワーズ(JR名古屋駅ビル・JR名古屋高島屋)同様、米国設計事務所「コール・ペターゼン・フォックス社」が担当しており、両社は一体感あるデザインとなっている。
ゲートタワー館内にはJR名古屋高島屋の専門店街「タカシマヤゲートモール」(地下1階~8階)の他に、大型家電量販店「ビックカメラ」(9~10階)、東海地方最大規模の「ユニクロ」(11階)、37店舗が集積する飲食店街「ゲートタワープラザ レストラン街」(12~13階)、アソシアホテル&リゾーツの「名古屋JRゲートタワーホテル」(18階~24階)、オフィスなどが入居する。

ユニクロは東海地方最大級となる。

セントラルタワーズ、JPタワーなど直結
-「リニア駅」計画も

JRゲートタワーは、JRセントラルタワーズとは2階がペデストリアンデッキを通じて、売場が3階~15階まで、JPタワー名古屋(名古屋駅バスターミナル)とは1階~2階で、地階では地下鉄、地下街と直結されるなど、名駅地区の大型施設間を繋ぐ通路としても機能している。
さらに、今後は地下5~6階は2027年開業予定のリニア中央新幹線名古屋駅として利用される計画もあり、更なる発展が期待されている。

公式サイトの案内より。

髙島屋の専門店モールには「地域初ブランド」続々出店

ゲートタワーモールの核店舗である「タカシマヤゲートタワーモール」の店舗面積は32,000㎡。
毎秒、ときめく」をコンセプトに掲げ、BEAMS、SHIPS、UNITED ARROWS、JOURNAL STANDARDを代表とする有力セレクトショップから話題のカフェまで151店舗が出店する。開業日には梨花ファンなど多くの客が詰めかけた。

そのうち、URBAN RESEARCHの旗艦店「URBAN RESEARCH Store」、SHIPSの生活提案業態「SHIPS Days」、「BEAMS HOUSE」、スポーツ専門店「OSHMAN’S」、コスメ情報サイト直営の「@cosme store」、モデル・梨花プロデュースの「MAISON DE REEFUR(メゾンドリーファー)」、「ニューヨークの朝食の女王」と称されるカフェ・レストラン「サラベス」など55店舗が東海地方初出店となる。
アーバンリサーチ旗艦店「URBAN RESEARCH STORE」。


「大人」をターゲットにした「BEAMS HOUSE」も東海地方初。

8階には東海地方最大の書店となる店舗面積1,000坪(約3300㎡)、蔵書数約80万冊の「三省堂書店 名古屋本店」が出店。首都圏以外の三省堂店舗では初となる雑貨店「神保町いちのいち」、購入前の書籍を持込可能な「ブックス&カフェUCC」も併設する。三省堂書店は2016年9月に売場縮小したもの、JR名古屋高島屋11階にも店舗を営業しており、名駅地区では2店舗体制となる。

館内のようす。

また、タカシマヤゲートタワーモールではAndroid、iPhoneユーザーを対象に専用アプリ「ゲートタワーモールアプリ」の配信を実施。アプリでは店舗からの最新情報を提供するだけでなく、Instagramとの連携による利用者の投稿、各種グッズ、化粧品サンプルなどと交換可能なポイント「キュン」を付与など、店舗と買物客が密接に結び付くようなコンテンツ作りを実施。従来は百貨店で買い物をすることが少なかった若年層の集客を目指した取り組みも行われる。
アプリで取得したポイントは各種グッズと引換可能。

再開発つづく名駅エリア、さらなる開発計画も

名古屋駅周辺では、1999年12月にJRセントラルタワーズが開業して以降、2007年にはミッドランドスクエア・名古屋ルーセントタワーが開業、2016年には大名古屋ビルヂング(2代目)、JPタワー名古屋内「KITTE名古屋」が開業しており、一層のにぎわいをみせている。
こうした動きも今回のJRゲートタワーをもってようやく一呼吸かと思いきや、今後も鉄道各社の主導による再開発が控えている。この3月には、新たに名鉄による名鉄名古屋駅を中心とする南北400mの超高層ビル建設計画が発表されたほか、2027年にはJRリニア中央新幹線も開業する予定で、まだまだ名駅エリアからは目が離せそうにない。

名鉄名古屋駅の再開発イメージ。(名鉄公式サイトより)

外部リンク:タカシマヤ ゲートタワーモール4月17日(月)10時オープン! |  ホーム
関連記事:KITTE名古屋、4月1日グランドオープン-「名古屋駅バスターミナル」開業に合わせて
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エキシティ・ヒロシマ、2017年4月14日開業-核店舗は「エディオン蔦屋家電」

広島県広島市南区に建設されていたJR広島駅前の大型複合商業施設「エキシティ・ヒロシマ」(EKICITY HIROSHIMA)の核店舗となる「エディオン蔦屋家電」が4月14日に開店し、エキシティはグランドオープンを迎えた。

エキシティ・ヒロシマ。

広島駅前再開発で生まれた超高層ビル

エキシティヒロシマは広島駅南口Cブロック第一種市街地再開発事業によって生まれた複合商業ビル。もともとこの位置には戦後の闇市を起源とする商店街「愛友市場」などの個人商店が多く並んでいた。
エキシティは「エキシティ・ウエスト」、「エキシティ・センター」、「エキシティ・イースト」の3街区の商業施設と立体駐車場、46階建・高さ167メートルの分譲マンション「グランクロスタワー広島」で構成される。
このうち、愛友市場を引き継いだ「愛友ウォーク」や広島初出店となる「ヱビスバー」などが出店する「エキシティ・ウエスト」、医療モールが核となる「エキシティ・イースト」など一部は2月10日にプレオープンを迎えていた。

愛友ウォーク。


愛友ウォーク内。

核店舗はエディオンの新業態「エディオン蔦屋家電」

エディオン蔦屋家電は「エキシティ・センター」の核テナントとして出店。
売場は1階~3階で、売場面積は7,494㎡。
エディオンが蔦屋を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)とフランチャイズ契約を組んだ初の店舗で、従来のエディオンの店舗と差別化を図り、家電に加えて美容や料理などの書籍を始め、文具や雑貨なども多く取り揃えることが特徴となっている。

エディオン蔦屋家電の館内。家電と書籍が並ぶ。


美容家電も充実。美容関連本とともに陳列。


家電「三種の神器」をモチーフにしたアート作品も。

館内にはソファを多く設置したほか、壁面は濃い茶色や薄い茶色など落ち着いた色合いを採用。
1階には「LE GARAGE FRESH FOOD MARKET」、2階には「スターバックスコーヒー」、3階には「マルデゴリ」と、各階に異なったカフェが出店、フロアをカップ片手で周回できるようになっているなど、くつろぎながら店内を回れる工夫がなされている。

各階に喫茶コーナーが設置される。 

エディオン広島本店本館は建替えへ

一方で、エディオンは「エディオン広島本店本館」の建替えをすることも決定している。
エディオングループの西日本旗艦店となるエディオン広島本店の本館は1975年6月に完成したもので、耐震性能不足や老朽化が深刻なものとなっていた。そのため、エディオンは第一産業設立70周年を迎える今年、建替えを決定した。新店舗の規模は現在の店舗と同等かそれ以上を計画しているという。

エディオン広島本店。左奥が本館。

ビックカメラ開店、ベスト電器閉店-激化する家電商戦

エディオン蔦屋家電の向かいの「ビッグフロントひろしま」(広島駅南口Cブロック)にはビックカメラが2016年9月に開業したばかり。また、近隣の八丁堀地区の天満屋百貨店跡には「ヤマダ電機LABI広島」も出店している。
一方で、広島駅近くでは2016年2月に「ベスト電器広島店」が閉店するなど、広島市中心部の家電商戦はますます激化している。
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エディオン蔦屋書店(左)とビックカメラ(右)の全面対決となる。

そうしたなか、地場最大手のエディオンが本店建替え計画を打ち出したことで、家電量販店同士の激しい商戦は当面続きそうだ。

エディオン蔦屋家電

〒732-0822
広島県広島市 南区松原町3番1-1号
EKICITY HIROSHIMA 1階-3階
営業時間:10:00~21:00

外部リンク:エディオン蔦屋家電
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関連記事:ベスト電器広島店、2月末で閉店-ひろしまモール閉館へ
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KITTE名古屋、2017年4月1日グランドオープン-「名古屋駅バスターミナル」開業に合わせて

2016年6月にオープンした愛知県名古屋市のJR名古屋駅に直結する「KITTE名古屋」が、2017年4月1日の「名古屋駅バスターミナル」の開業に合わせて全館グランドオープンを迎えた。

 KITTE名古屋と名古屋駅バスターミナル。

バスターミナル利用者にも「便利な商業施設」に

KITTE名古屋は2016年6月に日本郵便グループの複合施設「JPタワー名古屋」の商業フロアとして、飲食店、雑貨専門店、コンビニ(JPローソン)、レンタカー窓口など27店舗が先行開業していた。
グランドオープンを迎えた2017年4月1日には、同日供用を開始した「名古屋駅バスターミナル」に面する1階通路沿いに6店舗が新たに出店した。

名古屋駅バスターミナルに面した通路。6店が新規出店。

11箇所のバス停を集約した名古屋駅バスターミナル

名古屋駅バスターミナル」は名古屋駅付近の11箇所のバス停を集約するもので、JRゲートタワーとJPタワーの間に開設。
18バースの乗降場を備え、名古屋市営バス、JR東海バスが乗り入れる。

名古屋駅バスターミナル内。


位置図。一般路線バスを中心に多くの路線が乗り入れる。
(名古屋市交通局ウェブサイトより)

惣菜からお花屋さんまで・・・開店初日をレポート

今回、バスターミナルの開業に合わせて新規出店したのは老舗和菓子店「青柳総本家」、バロー運営の弁当・惣菜専門店「デリカキッチン」、キッシュ専門店「ベベのおそうざい」、純米酒専門店「YATA/中村屋」、蜂蜜専門店「杉養蜂園」、フラワーショップ「日比谷花壇」の6店舗。
弁当・惣菜専門店の「デリカキッチン」は岐阜県のスーパー「バロー」の惣菜部門子会社「中部フーズ」が手掛ける都市型の新業態店。オーソドックスな弁当・惣菜から名古屋名物“味噌カツ”まで豊富な商品を取り揃え、オフィス客やバスターミナル利用者の幅広いニーズに応える。
また、百貨店・駅ビル向け業態で先行するユニーグループの「カネ美食品」を意識したような高級感を演出する陳列手法も見られ、今後の多店舗展開にも期待がかかる。

バローグループの都市型新業態「デリカキッチン」。

ベベのおそうざい キッシュ専門店」は、丸栄百貨店などでも営業する洋惣菜店「べべのおそうざい」の名物“キッシュロレーヌ”を前面に打ち出した新業態。初日はオープン記念セット商品の販売や積極的なチラシ配布、キッシュの試食が行われた。
また、1879年創業の老舗和菓子店「青柳総本家」では、これまで守山直営店のみの販売だった“ひとくち生ういろう”を常設販売するとともに、イートインでの限定スイーツの提供も行う。

青柳総本家KITTE名古屋店。

フラワーギフトショップ「日比谷花壇」では、制服を身にまとった“Pepperくん”が“看板ロボット”として買物客にお薦めの花を紹介する。初日は開店記念としてピンク色のガーベラの配布も行われた。

日比谷花壇の看板ロボットとして働くPepperくん。

超高層ビルの建設相次ぐ名駅

名古屋駅周辺ではKITTE名古屋(JPタワー名古屋)の全面開業後も、JR名古屋駅ビル「JRゲートタワー」(4月開業)、ささしまライブ24地区の複合施設「グローバルゲート」(10月開業)と言ったビルの開業を控える。
また、3月には名鉄名古屋駅を中心とする南北400mの超高層ビル建設計画も発表されるなど、名古屋駅周辺の再開発に市民の熱視線が注がれている。

名鉄名古屋駅の再開発イメージ。(名鉄公式サイトより)

外部リンク:KITTE名古屋
ニュースリリース:名鉄  名古屋駅地区再開発  全体計画(名古屋鉄道公式サイト)
外部リンク:名古屋駅バスターミナルのご案内
関連記事:KITTE名古屋、6月17日開業-JPタワー名古屋に

水戸オーパ、3月18日開業-JR水戸駅前、ガルパンショップも出店

以前の記事はこちら:水戸オーパ、2017年3月開店-ヤマダ電機LABI水戸跡

茨城県水戸市のJR水戸駅南口にイオン傘下(旧・ダイエー系)のファッションビル「水戸オーパ」(水戸OPA)が3月18日にグランドオープンした。

水戸オーパ。

サウスタワー、「オーパ」として2年ぶり復活

水戸オーパは不動産ディベロッパー「サムティ」の関連企業が保有していたJR水戸駅南口の大型商業ビル「水戸サウスタワー」を、株式会社オーパがマスターリースして運営を手がける。なお、サムティは後継テナントが決まったことにより、OPA入店を前に建物を別企業に売却している。
水戸オーパの総賃貸面積は約12,500㎡で「らしく楽しむ、らしく暮らす」をコンセプトに61の専門店が出店する。
なお、水戸サウスタワーに2008年11月から核店舗として出店していた「ヤマダ電機LABI水戸」は、隣接するビッグカメラや郊外店との競争などで2015年5月末に閉店しており、サウスタワーはおよそ2年ぶりの全館復活となった。

個性的なファッションテナントが数多く出店

水戸オーパのうち、3階、4階、6階はファッションテナントが中心となっている。
3階には、厳選されたイギリスブランドを扱うセレクトショップ「ロンドンコーリング」や、スポーツオーソリティが新たに手掛けるコンセプトショップ「コーナーズ スポーツオーソリティ」が茨城県初出店となった。

パンク〜ポストパンク期の雰囲気漂う「ロンドンコーリング」。

また、ウェア売場と雑貨売場がボーダーレスになった生活提案型ショップ「ウィノフ スタイル」(4階)、「スーツセレクト」(6階)などが水戸市初出店となった。

話題のスイーツ&カフェも出店

サウスタワーの高層階はレストラン街となっているが、水戸オーパの館内にも話題のスイーツ&カフェが出店している。
3階にはイタリア・シチリア島発祥のスイーツ”ブリオッシュ・コン・ジェラート”の専門店「ブリジェラ」が茨城県初出店、4階では2014年関西パンケーキグランプリNo. 1にも輝いたパンケーキ専門店「グラム」が水戸市初出店となった。

4階のパンケーキ専門店「グラム」。

また、8階には未来屋書店プロデュースのブック&カフェ「MIRAIYBookmark Lounge cafe」が茨城県初出店となった。
MIRAIYA Bookmark Lounge cafe。

5階には”サブカル拠点”、ガルパンおじさんも歓喜

オーパ5階には水戸の新たなサブカル拠点が誕生した。
エスカレーター近くには、地元・茨城県大洗町を舞台とするアニメ「ガールズ&パンツァー」のグッズショップ「ガールズ&パンツァー劇場版オンリーショップ」が出店。水戸限定オリジナルグッズの販売や、ここでしか見ることができない作品資料の展示などを行っており「ガルパンはいいぞ~」と言わずにはいられないラインナップとなっている。

ガールズ&パンツァー劇場版オンリーショップ。


パネル展示なども実施。

このほか、5階にはマンガ「キン肉マン」の公式ショップ「キン肉マンKIN29SHOP」や、話題のキャラクターグッズや懐かしの駄菓子を取揃える「キャラクターグッズ×ハイカラ横丁GOGOstore」、キャラクター雑貨「WOOP」などのサブカル系店舗が集積しており、OPAの掲げる「今までの水戸にはなかった新しいラインナップを実現する」というテーマに相応しい売場となっている。

サブカル店舗が集積する5階。100円ショップも。

水戸オーパ

住所:茨城県水戸市宮町1丁目7番33
営業時間:10時30分〜20時(飲食店等一部店舗は異なる)

外部リンク:水戸オーパ
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ウニクス浦和美園、2017年3月9日開業-「浦和レッズ」ショップも出店

さいたま市浦和美園地区に大型ショッピングセンター「ウニクス浦和美園」が3月9日にグランドオープンした。ウニクス浦和美園。

ヤオコーなど21店舗が出店、浦和レッズの専門店も

ウニクスはさいたま市に本社を置く不動産ディベロッパー「ウニクス」が展開するショッピングセンターで、ウニクス浦和美園はさいたま市緑区と岩槻区に跨る土地区画整理事業エリア「みそのウイングシティ」の東側に開業。
建物は地上2階建てで、商業施設面積は4,752㎡。
食品スーパー「ヤオコー(本社:川越市)」を核店舗に、100円ショップ「ザ・ダイソー」、カフェ「タリーズコーヒー」、書店「くまざわ書店」など、21の専門店が軒を連ねる。

核店舗のヤオコー(下)とザ・ダイソー(上)。

また、施設近隣の埼玉スタジアム2002を本拠地とするサッカークラブ・浦和レッズのグッズショップ「浦和レッズ サテライトショップ」も2階に出店する。

浦和レッズサテライトショップ。

開発進むさいたま市の副都心・浦和美園

さいたま市の副都心に位置付けられている浦和美園地区(みそのウイングシティ)では、2001年の埼玉高速鉄道浦和美園駅の開業後、2002年には「埼玉スタジアム2002」、2006年には「イオン浦和美園ショッピングセンター(現:イオンモール浦和美園)」がオープンするなど、大規模施設の集積が進んだ。

イオンモール浦和美園。

その一方で、2006年の街開き以降は大型マンションなどの住宅供給により人口増加も進んでおり、2012年には地区内に小学校が新設、今後も中学校の開設などが予定されている。
2020年には埼玉スタジアムの東京オリンピック会場としての利用や、順天堂大学のキャンパス新設が予定されるなど、ますます注目を浴びることとなる浦和美園地区。
“浦和“を名乗る最後のフロンティアとして、今後の発展に目が離せない。

ウニクス浦和美園・出店テナント一覧

1階

  • ヤオコー(食品スーパー)
  • ラ・ブランシュ(クリーニング)
  • 宝くじショップ(宝くじ)
  • くまざわ書店(書店)
  • ワイモバイル(通信サービス)
  • ほっ!と保険(保険)
  • セブン銀行(ATM)
  • ベネッセのEnglish Studio(教育)
  • マツモトキヨシ(ドラッグストア)

2階

  • ヤマハ音楽・英語教室(教育)
  • ザ・ダイソー(100円ショップ)
  • 浦和レッズサテライトショップ(グッズショップ)
  • 浜町ホーム整骨院(整骨院)
  • hacchi(美容院)
  • BLEDA(ヨガスタジオ)
  • Clubネイス体操教室(体操教室)
  • タリーズコーヒー(カフェ)
  • サイゼリヤ(イタリアンレストラン)
  • 3Qカット(理髪店)
  • ウニクス浦和美園歯科(歯科)
  • カーブス(体操教室)
ウニクス浦和美園

住所:さいたま市岩槻区美園東2丁目17番13
営業時間:店舗による(ヤオコーは9:30~21:45)

外部リンク:ウニクス浦和美園
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三宮OPA2、2017年2月24日開業-ダイエー神戸三宮店に、現「OPA」は数年以内に閉店へ

兵庫県神戸市の総合スーパー「ダイエー神戸三宮店」が2月24日に全面リニューアルし、改装工事が行われていた2~9階が「三宮オーパ2」(三宮OPA 2)となって2月24日にグランドオープンした。

新たなフォントのロゴを掲げた三宮OPA2。

新生OPA1号店、ダイエーのお膝元に誕生

三宮OPA2の延床面積は17,600㎡、総賃貸面積は11,700㎡(2~9階)。
施設コンセプトに「今日が、明日が楽しくなる“ゴキゲンCHARGE STATION”」を、店舗広告に「マイニチ ヨリミチ」を掲げ、駅前立地を活かし、デイリーユースを想定した女性ターゲットの施設を目指した。
三宮駅とペデストリアンデッキを通じて接続する2階「ファッション&ライフスタイルグッズ」のフロアには、グロサリー専門店久世福商店が展開する和カフェ「久世福茶寮」が近畿初出店。「万能だしのだし玉うどん」や「老舗あんこのあんみつ」など、日本全国のうまいものを取り揃えるという久世福のコンセプトを体現したようなメニューが提供される。
衣料・雑貨テナントとしてはワールドの「groove」、アダストリアの「studio clip」(スタジオクリップ)、芦屋のインテリア雑貨店「ル・グラン・トレザワ」が手掛けるヨーロッパのアンティーク雑貨専門店「Dentelliere」(ダンテリエール)などが出店する。
2階のダイエー神戸三宮店管轄フロアには「スターバックス」「サンマルクカフェ」などが出店しており、一大喫茶店ゾーンが形成されることとなった。

久世福商店を併設する和カフェ「久世福茶寮」。

3階「ビューティケア&リラクシング」のフロアには、美と健康に特化した品揃えが特徴の「イオンボディ」、化粧品通販会社「Kagami」の直営店、オーダーメイド枕専門店「ピロースタンド」が近畿初出店。三重発のインテリア雑貨「ルナワールド」も出店する。
4階「ベーシック&カジュアル」のフロアには「ASBee」「Right-on」「Honeys」など比較的低価格志向のアパレル、シューズテナントが出店。三宮OPA2の客層に合わせた売場づくり、商品展開が行われる。

開放感あるフロアづくりが特徴の4階。

5階「ホームコーディ(ホームファッション&クラフト)」のフロアには、イオンが新たに専門店化を推し進めるホームファッションブランド「HomeCoody」1号店と、手芸専門店「パンドラハウス」が出店。
HomeCoodyは、「ACCENTUATION(暮らしにアクセント)」をコンセプトに掲げ、生活雑貨や文具用品などを展開。パンドラハウスは三宮OPA2の客層に合わせ、「スイーツデコ」「DIY女子」などテーマ性のある講習会を開催するなど提案型の店舗を目指すという。
6階、7階には以前から出店していた登山用品に強みを持つアウトドア専門店「IBS石井スポーツ」、大型書店「ジュンク堂書店」がそのまま営業を続けている。

レストラン街は4倍の16店舗に

8階、9階はレストラン街「PATIO THE DINER」としてフロアを展開。
面積は改装前の約2倍に拡大し、店舗数は改装前の約4倍となる16店舗に増加した。
「お米の新しい可能性を探る」をコンセプトに掲げた「日本酒バル・米屋 イナズマ お米研究所」、健康バランスを重視した食事を提案する「おぼんdeごはん」、イオンモール堺鉄砲町に1号店を出店以降好評を博している「カプリチョーザ ピッツァ&ビュッフェ」など個性豊かなテナントが新規出店したほか、ダイエー時代から継続して「英國屋」「しゃぶ扇」なども営業する。

緑に包まれたレストラン街「パティオ・ザ・ダイナー」。

「マイニチ、ヨリミチ」目指したこだわりの店舗に

開業当日の記念式典でイオンモール吉田昭夫社長は「ホームコーディは生活雑貨、カルチャーのイオン1号店」「従前のダイニングの8階9階と、今回の8階9階を比べると全く違う施設になっている」と強いこだわりを見せており、神戸市担当者も「間違いなく役所の職員は、それこそマイニチ、ヨリミチして帰る」と冗談を交えながら語った。

開業当日の記念式典には多くの神戸市民が足を運んだ。

新しい「OPA」、ファッションビル・総合スーパーの未来担うか

新生OPA1号店「三宮OPA2」開業以前のOPAは、10~20代女性をメインターゲットとする渋谷109系、原宿系アパレル中心の店舗構成が特徴で、米国発のスタイリッシュな猫キャラクター「フレンチキティ」を各種広告に採用するなどし、現在でも関西圏のヤング層を中心に根強い支持がある。
しかし、今回の新店舗では既存店「三宮OPA」のような従来型OPAとは異なる食物販、デイリー重視のフロア構成となった。
こうした路線転換は、ファストファッションが台頭し、かつて隆盛を誇ったDCブランドなどのアパレルが次々と不振に陥るなかで、「ファッションビル」から「都市型ショッピングモール」への転換を図るというOPAの新戦略の象徴ともいえる。同じく「デイリーユース」重視の売場に転換した聖蹟桜ヶ丘OPA。
「ブックオフ」や「ニトリ」が出店する(東京都多摩市)。

近年はOPAの旗艦店「心斎橋OPA」でもこうした手法が採られており、2015年の改装時に地下2階の大部分をグロサリー、ベーカリー、スイーツ専門店により構成される「食物販ゾーン」、7階をアニメ専門店、リアル脱出ゲーム会場により構成される「サブカルチャーゾーン」に転換、8階の輸入古着店「HANJIRO」跡を旅行代理店「H.I.S」とするなど、アパレル比率を減らしつつある。
一方で、今回開業した三宮OPA2は、都市型総合スーパー「ダイエー神戸三宮店」の直営衣料・雑貨フロアからの転換であり、その流れとして、イオングループが「ホームコーディ」「パンドラハウス」「ASBee」などのテナントをフロアに再配置していることも特徴だ。
イオングループは、今後も業績不振が続く総合スーパーや従来型のファッションビルを、こうした都市型ショッピングセンターとしての「OPA」に転換する可能性もあろう。

三宮OPAは数年内に閉店-ダイエー・OPA2も再開発検討へ

現在、三宮地区ではJR西日本、阪急阪神HDによる再開発が行われており、JR三ノ宮駅に併設された「三宮OPA・三宮ターミナルビル」も2018年を目処に閉鎖する計画が持ち上がっている。
(詳細は前記事を参照)

数年以内に閉館するとみられる三宮ターミナルビル「三宮OPA」。

JR西日本グループでは大阪駅ビル「LUCUA」(ルクア)の成功以降、関西地区での駅ビル事業の拡充や高架下商店街の管理強化を進めており、三宮ターミナルビルも建替後はJRが自社系商業施設の開設を目指す可能性がある。
また、今回「三宮OPA2」が開業したサンシティビル(ダイエー神戸三宮店)も、2020年以降に神戸市主導による再開発が検討されていることから、OPAが従来通り営業を継続できる施設は「三宮VIVRE」1施設に限られる可能性が高い。
一方で、この三宮VIVREも築48年と老朽化が深刻であり、今後もOPAが創業の地である神戸での店舗を維持できるのかは不透明なものとなっている。

追記:三宮オーパ閉店の記事はこちら

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外部リンク:「三宮オーパ2」2月24日(金)AM10:00オープン