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リノアス、2017年9月15日開業-近鉄八尾駅前の西武跡、僅か半年で再生

大阪府八尾市の近鉄八尾駅前の西武百貨店跡に新たなショッピングセンター「LINOAS」(リノアス)が2017年9月15日にグランドオープンを迎えた。

リノアス。

八尾の玄関口、僅か半年で「復活」

リノアスは「西武百貨店八尾店」跡を全面リニューアルし開業したもので、建物(八尾光町駅前ビル)は八尾市都市開発と八尾ビルディングが所有、施設の管理運営は不動産大手「ザイマックス」が行う。店舗面積は40,030㎡。
同ビルは2017年2月の西武撤退後も「近鉄八尾駅前商業施設」として大型雑貨店「ロフト」、ファストファッション「ユニクロ」、家電量販店「エディオン」、高品質食品スーパー「パントリー」、「銀座 山野楽器」など約70店舗が営業を継続しており、秋の全面リニューアルに向けて館内工事やテナントの入替が進められていた。

改装中の同店。西武撤退前から改装は開始されていた。

施設名の「リノアス」はハワイ語で「光る」「輝く」「結びつく」と言った意味を持つ「LINO」と「明日」を組み合わせた造語。
コンセプトは「ちょっといい 自分ベーシック」で、衣料品店「ファッションセンターしまむら」、大型家具店「ニトリ」が新たに導入されたほか、大型雑貨店「無印良品」、手芸用品「クラフトハートトーカイ」などが館内移転・増床して復活した。
館内の一部はグランドオープン時にも改装が進められており、今後は北欧発のファストファッションブランド「H&M」、大型ブック&カフェ店舗(店舗名未定)や神戸物産系の大型ブッフェレストラン「神戸クックワールドビュッフェ」などの開店が予定されている。

40%OFFのセール価格もあり賑わった「しまむら」。


西武時代から営業を続ける「ロフト」。

グランドオープンでは「河内音頭」も

開店当日の午前9時には松井一郎大阪府知事、田中誠太八尾市長らが出席して「グランドオープニングセレモニー」が開催され、施設紹介や式典参加者による挨拶のあと、テープカットが執り行われた。

オープニングセレモニー。

また、八尾高校吹奏楽部の学生らによる演奏や河内家菊水丸氏による河内音頭も披露され、大いに賑わった。

河内家菊水丸さんが河内音頭を披露。

アリオ八尾と連携関係を維持-更なる利便性向上も

そごう・西武は全国各地で百貨店事業の縮小をおこなっているが、撤退店舗跡の活用方法について明確な方針が示されないまま建物が長期間放置される事例も相次いでいる。
西武旭川店西武筑波店そごう柏店そごう呉店などでは未だに店舗跡活用の見通しが立っておらず、西武春日部店跡の高級家具店「匠大塚」は当初地階に計画されていた地元住民向け食品スーパー誘致が失敗に終わるなど、有効活用されているとは言い難い現状にある。

ラブライブ!サンシャインカフェとなっている西武沼津店跡地。

その一方で、西武八尾店跡の全館営業再開に向けた動きは非常にスムーズなものであった。八尾市都市開発・八尾ビルディングの山口社長の挨拶によると、西武八尾店は「売上予算に対する達成率は絶えずベスト5」「(ネット通販部門)e.デパートのメンバー(会員数)は全国1位(2016年6月集計)」の優良店舗であり、西武撤退後も専門店の大半が営業継続を決定、「ダイエーショッパーズモール泉佐野」(現・いこらも~る泉佐野)の再生など実績を持つ不動産大手「ザイマックスグループ」に管理運営が引き継がれたことから、新たな有力テナント誘致にも成功したという。
また、隣接地にあり、西武時代にはセブン&アイHDの商業施設として協力関係にあった「アリオ八尾」とは、施設内の案内看板設置や協賛セールの開催、駐車料金無料サービスの提供などで引き続き連携関係を維持している。

レストラン街は10月に全面開業予定。

田中誠太・八尾市長によると、同店は駅前にあり非常に利便性が高いことから市議会では8階(レストラン街)に公共施設を設置することも検討されているといい、八尾の玄関口にある大型ビルとして、更なる利便性の向上と施設の充実が期待される。

リノアス

住所:大阪府八尾市光町2-60
営業時間:10:00~20:00
(8階レストラン街:11:00~22:00)

外部リンク:LINOAS | Just another WordPress site
外部リンク:ニュースリリース|近鉄八尾駅前 新商業施設「LINOAS(リノアス)」 2017年9月15日グランドオープン|ザイマックスグループ
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かみしんプラザ、2017年9月15日改装オープン-西松屋、アスビーなど出店

大阪府大阪市東淀川区にあるショッピングセンター「かみしんプラザ」が2017年9月15日にリニューアルオープンした。

かみしんプラザ(旧・レインボープラザ上新庄)。

2005年以降で最大規模のリニューアル

かみしんプラザはダイエー上新庄店を核とする「レインボープラザ上新庄」として1980年5月に開業。売場面積は9,519㎡。
2005年にダイエーが撤退した際、施設を保有する青果専門商社「シーオン」が改装を実施したが、同社の経営破綻により、現在は三菱商事系の日本リテールファンドが運営を行っている。
改装コンセプトを2016年6月の地階リニューアル時と同様に「Kamishin Natural Style」に定め、内装デザインをナチュラルトーンに刷新。
レディスファッション専門店「Green Parks topic(グリーンパークストピック)」やベビー用品専門店「西松屋」、イオングループの靴専門店「ASBEE fam.」、眼鏡ショップ「JINS」、namcoの3世代対応ゲームセンター「アミューズパーク」、関西発の人気100円ベーカリー「ヤキタテイ」など8店舗が新たに導入され、既存テナント5店舗もバラエティ雑貨店「ガリバー」が「Gプラザ」「ピエタピエ by tutuanna」としてブランドを一新するなど、移転・増床や売場のリニューアルが行われた。
なお、改装後も平和堂が核店舗として出店している。

子供靴2足3,240円など日替りセールで客が溢れるASBEE fam.。


tutuannaの姉妹店を併設した滋賀発の雑貨店・Gプラザ。

リニューアル記念セールを実施

今回のリニューアルを記念し、各店舗では最大50%OFFとなる割引セールやノベルティの配布、平和堂HOPカードの入会無料キャンペーン(とんかつソース500ml・ケチャップ500gセット)、全館でのスタンプラリーなどが10月上旬まで開催される。

新規出店したテナント一覧(8店舗)
  • Green Parks topic(レディス)
  • ASBee fam.(靴)
  • ベネッセのEnglish Studio(英語教室)
  • 西松屋(ベビー・子供用品)
  • ピエタピエ by tutuanna(レッグファッション)
  • JINS(メガネ)
  • yakitatei(100円ベーカリー&カフェ)(10月下旬オープン
  • namcoアミューズパーク(ゲームセンター)
リニューアルしたテナント一覧(5店舗)
  • 手芸の丸十(手芸用品)
  • Gプラザ(バラエティ雑貨)(旧・ガリバー)
  • セレクトシム(携帯ショップ)(旧・モバステ)
  • ミカヅキモモコ(バラエティ雑貨)
  • ママフル(ベビー・キッズ・雑貨)(増床改装)
契約満了に伴い閉店したテナント一覧(7店舗)
  • メガネの愛眼
  • AFRICA TARO 明日もラッキーガール(レディス)
  • チヨダ(靴)
  • ECO&KIDS AKIRA(リサイクル子供服専門店)
  • JACK(カジュアルファッション)
  • スペースプラネット(ゲームセンター)
  • ル・クロワッサンショップ(ベーカリーカフェ)

外部リンク:かみしんプラザ
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千葉ポートタウン、2017年夏よりラオックス主導の「体験型施設」順次開業-インバウンド狙い「サバゲー」や「カップ麺専門店」も

千葉市中央区の複合施設「千葉ポートスクエア」の商業棟「ポートタウン」がラオックスグループにより全面改装され、7月1日に第1期のリニューアルオープンを迎えた。千葉ポートスクエア。ポートタウンは右の建物。

ラオックスと中国・緑地集団による大型施設

千葉ポートタウンはオフィスや体育館、ホテルなどで構成される千葉ポートスクエアの商業棟として1993年に開業。建物は地上7階建てで、千葉ポートスクエア管理が所有している。
開業当初は「トイザらス」や「ラオックス」など大型テナントが出店していたが、アクセスの悪さなどから慢性的な集客力不足に陥り、施設を開発した千葉新都心開発は2005年に倒産。
その後は空きテナントが目立っていたものの、2016年2月に免税店大手のラオックスが中国の大手不動産会社「緑地集団」と合弁会社を設立し、ポートスクエアの一部施設を取得すると、ポートタウンは「日本初のインバウンド専門のアウトレットモール」として改装される予定となっていた。

インバウンドと家族連れ意識した「体験型レジャー施設」に

今回のリニューアルでは、当初掲げられた「インバウンド専門のアウトレットモール」ではなく、外国人観光客に加えて近隣ファミリー層の来客も意識した「体験型複合レジャー施設」への転換となった。

1階は大型免税店「ラオックス」を核に、ご当地ラーメンなど珍しいカップ麺約50種類を取り揃えた「3minutes kitchen」、千葉の逸品を中心に全国の物産品を集めた「日本いいもの物産展」、エリア最大級のペット用品店「Pet Spice」が出店した。3minitues kitchen。最も混み合う時間帯(土曜昼)のようす。

日本いいもの物産展。

3階の「リンクパーク」は乗り物体験や段ボールアートなどの子供の遊び場や、カフェ、スタジオ、サロンなどを集約。
1フロアが屋内サバイバルゲーム場となる4階「AIRSOFT ZONE DELTA」では、中東や東欧をイメージさせる広大なフィールドや、ドローン競技やコスプレ撮影などができる多目的フィールド、8歳以上の子供から楽しめるNERF試射場を完備する。AIRSOFT ZONE DELTA。
千葉エリアの商業サバイバルにも絶えられると良いのだが。

5階の「THE NEW YORK BAYSIDE KITCHEN」は、世界中の食が集まるニューヨークをイメージしたビュッフェレストラン。
約60種類の世界の料理や約40種類のスイーツを提供する一方で、積極的に千葉県産食材を用いる「地産地消」も推奨する。THE NEW YORK BAYSIDE KITCHEN。

残るフロアは秋以降に開業

今後、千葉ポートタウンでは残るフロアの改装を進め、秋以降に3階の「ANNEX」、4-5階のエンターテイメント施設「千葉ポートサークル」が順次開業する予定となっている。

駅ビル開業を控え、そごうジュンヌ館改装、三越とパルコの閉館など、周囲を取り巻く状況が大きく変化する千葉市中心部。
おもにインバウンド需要を見据えた「コト消費」を前面に押し出した施設となったが、外国人観光客が多い地区ではないだけに、今後順調に集客することができるのであろうか。

外部リンク:千葉ポートタウン ポートスクエア
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イオンスタイル新浦安MONA、7月28日開業-「イートイン重視」の新業態

JR新浦安駅前のショッピングセンター「MONA新浦安」1階に、イオンリテールの食品スーパー「イオンスタイル新浦安MONA」が7月28日に開業した。イオンスタイル新浦安MONA。

ピーコック跡、新浦安の「イオンスタイル」2店体制に

イオンスタイル新浦安MONA(以下、MONA店)は2017年2月までMONA1階で営業していた「ピーコックストア新浦安店」跡地に出店。MONA店の売場面積は約845㎡。
イオンリテールはMONAに隣接する大型商業施設「イオン新浦安店」(旧ダイエーショッパーズプラザ新浦安)1階に食品スーパー「イオンスタイル新浦安」(以下、新浦安店)を構えており、新浦安地区のイオンスタイルは2店体制となった。
なお、5月に改装開店した新浦安店では、惣菜売場面積の拡大や酒類専門店「イオンリカー」の設置などが行われた。
隣接するイオン新浦安店に出店しているイオンスタイル新浦安。

直営惣菜3店出店の「イートイン重視型」スーパーに

MONA店は「イートインとマルシェが融合する『食』がテーマのマルシェダイニング」をコンセプトに、直営の食品売場と惣菜専門店3店、84席のイートインスペースを設けた新業態店。
隣接する新浦安店でも惣菜売場に近接して150席のイートインスペースが設けられているが、MONA店は売場面積に対するイートインスペースの占める割合から「イートイン重視型」の店舗と位置付けられる。84席のイートインスペースが設けられた店内。

イートインでの食事を彩るのは、イオン直営の惣菜専門店3店。
生パスタの店 ペルグラーノ」は、こだわりの生パスタを注文を受けてから調理するパスタ専門店で、合計10種類のパスタを提供。
手づくりサンドイッチの店」はイオン初のサンドイッチ専門店で、野菜を豊富に使ったおかず系サンドイッチから、いちごやバナナなどを用いたスイーツ系サンドイッチまで30種類のサンドイッチを取り揃える。生パスタの店 ペルグラーノ(左)と手づくりサンドイッチの店(右)。

リワードキッチンプラス」はこれまでイオン店内で展開してきた惣菜専門店「リワードキッチン」の新業態店で、“美と健康”を意識した野菜中心のデリをラインナップ。
トッピングとドレッシングを選んだ「カスタムサラダ」に2〜3品のデリをトッピングすることで、オリジナルの一皿を作れる。
また、カレーライスコーナーでは「ビーフカレー」など4種類のカレーを、指定容器の蓋がしまるまで自分の手でよそうことができる。
(イートイン内での食事なら蓋がしまらなくてもOK)リワードキッチンプラスでは野菜中心のデリとカレーを提供。

旧ダイエー、旧大丸ピーコックとイオン同士が近接する新浦安。差別化のために生まれたイートインを軸とした「新業態」は、都市部を中心に他の駅ビルなどにも出店する可能性があり、注目される。

イオンスタイル新浦安MONA

住所:千葉県浦安市入船1-5-1
営業時間:9:00-22:00

外部リンク:イオンスタイル新浦安MONA
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イオンスタイル東神奈川、7月7日開店-旧・ニチイで初の「スタイル化」

JR東神奈川駅前のショッピングセンター「イオン東神奈川店」(旧「東神奈川サティ」、「ニチイ東神奈川ショッピングデパート」)が全面改装され、イオンスタイル東神奈川として7月7日にリニューアルオープンした。

イオンスタイル東神奈川。

築40年を前に全面リニューアル

ニチイ東神奈川ショッピングデパートは1978年9月開業。
「東海アルミ箔」の跡地に建設された「トーカイプラザ」への出店であったが、現在建物は銀行所有となっている。
売場面積は16,191㎡。売場は1~4階まで。開店時には松崎しげる、サーカスらが訪れるなど、当時のニチイとしても非常に力を入れた店舗であった。
なお、この数日後にはニチイ横浜ショッピングデパート(現:横浜ビブレ)も開店している。

ニチイの文字が残る看板。

ニチイ初のスタイル化、カンテボーレは新業態に

イオンスタイル東神奈川のキャッチフレーズは「あなたの毎日をハレヤカに」で、改装は全館に亘っている。
 1階食品売場の目玉は生まれ変わったベーカリーコーナー「カンテボーレ」。70席のイートインコーナーにはコンセントも設置されたほか、100円ドリップコーヒーも提供される。

イートイン併設のカンテボーレ。

惣菜コーナーには、他のスタイル店でも好評の直営新業態「リワードキッチン」を導入。新たに小田原干物・練り製品コーナーが設けられるなど、地元産品の品揃えも充実された。

リワードキッチンには「横須賀海軍風カレー」も。


農産品産直コーナー。

衣料・生活用品コーナーでは、2階にビューティーコーナー、ヘルスステーションを、3階に子供靴「クツラ」、4階に家具・ホームファニシングコーナー「ホームコーディ」などを新設。
既存テナントの100円ショップ「トップ」、「福家書店」などもリニューアルされている。

明るく生まれ変わったビューティーコーナー。


新導入の「ホームコーディ」。

イオンでは、採算性の高い店舗を中心に新業態「イオンスタイル」への転換を進めているが、イオンスタイル東神奈川のように築40年を迎える店舗の全面改装は非常に珍しく、とくに旧・ニチイの店舗では当店が初のイオンスタイル化となった。

外部リンク:イオンスタイル東神奈川
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ビックカメラAKIBA、6月22日グランドオープン-「AKIBAビックマップ」形成へ

秋葉原駅近くの中央通り沿いにある「ソフマップ秋葉原本館」跡に「ビックカメラAKIBA」が6月22日にグランドオープンする。

ビックカメラAKIBA。

秋葉原の一等地にビックカメラ出店-ソフマップを改装

ソフマップ秋葉原本館はソフマップ本店格の店舗として2007年9月に開店。売場面積は4,637㎡。
当初はヤマギワが出店するために建設された建物であったが、ヤマギワ(と提携していた石丸電気)の経営不振を受けて、ソフマップが出店することになった経緯がある。ソフマップは当時ビックカメラとの提携直後で、店舗網を整理・拡大していた。
秋葉原においては規模の大きな商業ビルの1つであるため、開店より10年に亘って秋葉原の顔の1つとして親しまれていたが、5月31日を以て閉館していた。ビックカメラは秋葉原初出店で、6月5日より一部売場での営業を開始している。

旧・ソフマップ秋葉原本館。

ソフマップと「AKIBAビックマップ」形成へ

「ビックカメラAKIBA」の売場は1階から7階まで。
全館のフロア概要は以下の通りとなる。

また、これに伴い、秋葉原地区のソフマップ5店も改装・再編が行われており、全6店を「AKIBAビックマップ」と総称。イベントスペース「マップ劇場」も存続される。

「AKIBAビックマップ」配置図(ニュースリリースより)。


ソフマップ各店の店舗・取扱商品概要(ニュースリリースより)。


ソフマップも改装を実施した。

ビックカメラAKIBAのイメージキャラクターである「ビッカメ娘」は「アキバたん」。柏たんに続く2人目のメガネっ娘となった。
 
AKIBAたん。


 「AKIBABICMAP」イメージ画像(ニュースリリースより)。

下層階は観光客向け-秋葉原らしい演出、ビットコイン決済も

ビックカメラAKIBAの特徴としては、下層階(おもに1階~2階)は外国人観光客をターゲットにした薬、生活雑貨、美容家電、東京みやげなどの売場としたこと。
また、全館に亘ってビットコインによる決済システムが導入されることも特徴だ。

エントランスのようす。


下層階はインバウンド客もターゲットとした売場。

高層階はデジタル家電、白物家電、自転車、おもちゃ売場など一般的なビックカメラと同様の売場であるが、一部の陳列には秋葉原らしい演出もなされている。
さらに、IoT LED照明のフィリップス「Hue」がVR体験できるコーナーや、関東エリアのビックカメラとしては初となる「楽天モバイルコーナー」を開設。店内ソングも同店専用のものとなる。

開店記念ヨーソロー!

1~2階の大型広告は存続され、これからも秋葉原を訪れた人に人気の撮影スポットとなるであろう。

大型広告(6月現在「バンドリ!」と久保ユリカさん)も存続される。

追記:大型広告は6月22日のグランドオープン時には撤去され、店舗の看板となっている。

「ビックマップ」で「ビックマップ」が当たる開店キャンペーン

「AKIBAビックマップ」では、開店記念キャンペーンとして、6月22日よりビックカメラAKIBAおよびソフマップAKIBA5店で実施されるスタンプラリーで税込1,000円以上の買い物をするともらえるスタンプカードに各店のスタンプを4種類集めると「ビックマック」などの豪華賞品が当たるスロットゲームに挑戦できるイベントを実施。
 ビックカメラAKIBAでは「ビットコイン導入キャンペーン」を6月22日から7月2日まで実施。キャンペーンでは期間中に1万円以上のビットコインを利用すると、先着100名に500円相当のビットコインがプレゼントされる。
また、ソフマップAKIBAでは、6月22日より税込500円以上の購入で「歴代まぷ子のオリジナルクリアしおり」がプレゼントされるキャンペーンを実施する。

歴代まぷ子のクリアしおり(ニュースリリースより)。

ビックカメラAKIBA

住所:東京都千代田区外神田4−1−1
営業時間:10時~21時

外部リンク:ビックカメラAKIBA
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ジョーシン王子店、2017年6月9日開店ー上新電機の都内旗艦店、コーナンと共同出店

東京都北区のJR王子駅ちかく(都電栄町電停前)にあったリーブルテック本社工場跡地に「ジョーシン王子店」「ホームセンターコーナン王子堀船店」が6月7日から9日にかけて開店した。

ジョーシン王子店・ホームセンターコーナン王子堀船店。

関西大手どうしの共同店、東京書籍跡再開発で

上新電機(ジョーシン)は関西地盤の大手家電量販店で、「唯一関西資本の家電量販店」を掲げ、阪神タイガース応援セールCMを大量出稿、価格交渉にも対応するなど、御膝元である関西エリアでは根強い支持がある。 
王子店は同じく関西地盤の大手ホームセンター「コーナン」と共同出店。関西では比較的多く見られる両社の共同店舗であるが、都内では初の店舗モデルとなる。売場面積は9,801㎡で、出店地は都電栄町電停前の「リーブルテック本社工場」(旧・東京書籍印刷)跡地だ。

旧・東書印刷(解体前に撮影)。

旧・東書印刷は東京都北区指定有形文化財・DOCOMOMO JAPAN選定モダン・ムーブメントなどに指定されていた近代化遺産であり、隣接する日本最古の教科書図書館「東書文庫」とともに製紙業で栄えた王子を代表する近代建築として地元民に親しまれていたが、2011年の埼玉工場集約、2016年の本社移転により機能を失い、解体・再開発されることとなった。
現在は隣接地にある東書文庫のみが残されている。

ジョーシンはキッズランド、コーナンはDIYラボ併設

 ジョーシン王子店では一般家電やパソコン、スマートフォンに加え、都内同社店舗最大級の総合玩具売場「キッズランド」を併設。同社の都内店では初めて、鉄道模型やプラモデル、ゲームなどを幅広く取り扱う”旗艦店級”の規模となった。

阪神タイガース一色の店内は東京でも同様。
関西の言葉で接客する店員さんも多いように思われた。

またコーナン王子堀船店にはペットコーナーもあるほか、同社の大型店が特徴とする無料工作コーナー「DIYラボ」を併設。工具の無料貸し出しなどもおこなわれる。
ジョーシン、コーナンとも王子地区では初の大型家電量販店・ホームセンターとなるため、地域の住民にとって、そして周辺地域に住む関西出身者、阪神ファンにとってみても”嬉しい出店”となるであろう。

都電内にも広告が掲出される。

外部リンク:6月9日(金)あさ9時 東京都北区JR王子駅南口より徒歩8分に『ジョーシン王子店』がグランドオープン!
関連記事:都電7700形、2016年5月30日より運行開始

神田鐵道倶楽部 feat.日本食堂、6月1日開店-JR神田駅で食堂車メニューなど提供

JR東日本グループの飲食事業子会社「日本レストランエンタプライズ」(NRE)は、JR神田駅の高架下に「神田鐵道倶楽部 feat.日本食堂」を6月1日に開店させた。

神田鐡道倶楽部。

 多角経営すすめるNRE

NREは1938年に列車内食堂や駅構内食堂を運営する「日本食堂」として設立。もともとは上野精養軒、みかど、水了軒などの共同出資によるものであった。現在はJR東日本傘下となり、駅構内での飲食店経営や車内販売をおこなっている。
1998年の創業60周年を機に社名を「日本レストランエンタプライズ(NRE)」に変更、駅ビル「Dila 西荻窪」や高齢者福祉ホームを運営するなど事業多角化を推し進めているほか、有名駅弁店「大船軒」との合弁事業も展開している。

「鉄道の世界」を再現する店内

神田鐵道倶楽部はロゴマークに往年のブランド「日本食堂」を掲げ、「鉄道ファンの新たな憩いの場」をテーマに運営される。
座席数は全13席で、店内には蒸気機関車のナンバープレートや行先案内板、国鉄案内図、カンテラなどが飾られるほか、車内販売で使われているワゴンや会計端末を導入することで「鉄道の世界」を再現する。

サボやカンテラが飾られる店内。椅子のモケットも鉄道用のもの。


全面展望の上映も。

食堂車メニューや「スゴイカタイアイス」など提供-バー営業も

店内では「食堂車のカツカレー」や「昔懐かしベロネーズ」などの食堂車復刻メニューや新幹線の終着駅をイメージしたオリジナルカクテル、人気駅弁の期間限定販売などがおこなわれる。
主なメニューは寝台特急「北斗星」の食堂車で用いられていた食器で提供される。

食堂車のカツカレー。


メニューの一部。

また、「シンカンセンスゴイカタイアイス」として親しまれるスジャータめいらくグループの「スーパープレミアムアイスクリーム」(290円)、珍味「ほや酔明」(350円)、「ほたるいか素干し」(440円)、鉄道グッズなど、車内販売での人気商品の販売も実施されている。

車販ワゴンでの鉄道グッズ販売も実施。

神田鐡道倶楽部

住所:東京都千代田区内神田三丁目20−1 JR神田駅1階
営業時間:11:00~22:30(土・日・祝日は休業
追記:土曜日も営業に変更

外部リンク:6月1日(木)JR神田駅に「神田鐵道倶楽部」オープン!
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関連記事:ビックカメラAKIBA、6月22日グランドオープン-「AKIBAビックマップ」形成へ

イオンスタイル新茨木、2017年6月3日全面リニューアル開業ー関西初の「G.G.対応店舗」

大阪府茨木市の茨木市駅近くにある総合スーパー「イオン新茨木店」が「イオンスタイル新茨木」に全面リニューアルし、2017年6月3日にグランドオープンした。イオンスタイル新茨木。

現・イオン社長の岡田元也氏が店長を務めた「旗艦店」

イオンスタイル新茨木店は1986年7月にジャスコ新茨木店(茨木ショッピングタウン)として開業。売場面積は13,500㎡。
ジャスコ新茨木店は、現・イオン社長の岡田元也氏が初代店長を務めており、「生活宝島」をコンセプトに掲げてからくり時計が設置されるなどジャスコの旗艦店に相応しい売場づくりが行われていた。しかし競合店の増加に加え、茨木そごう予定地に2001年1月開業した「マイカル茨木」(現・イオンモール茨木)のイオングループ入りなど受け、地元物販店や飲食店(マクドナルド、スガキヤなど)が営業していた専門店街が縮小され、直営主体の近郊型総合スーパーとして営業を続けていた。

関西初の「シニアシフト対応店舗」に一新

今回のリニューアルでは、シニアシフト対応型の「グランド・ジェネレーション(G.G.)コンセプト店舗」として「Life Station 新茨木」を掲げ、直営部門を中心に施設、商品ラインナップを一新した。
1階食品売場では40種類のメニューを提供する対面方式の惣菜専門店「リワードキッチン」「おむすびショップ・ほのみ」、コールドプレスジュースを新たに導入、魚惣菜コーナーで「無塩の焼き魚」を販売するなど客層に合った商品展開を行う。
また、2階「ファッションと雑貨のフロア」では、イオングループの眼鏡専門店「グラスアップ」、ステッキ専門店「ファンタステッキ」、スポーツ専門店「スポージアム」、本格珈琲店「カフェ・ド・ペラゴロ」、漢方コーナーを展開。体組成計、骨強度計、血管年齢計などを設置した無料の健康セルフチェックコーナー「健康ステーション」も併設する。

食品から衣料、住生活フロアまで全面改装を遂げた。

3階「ライフスタイル提案フロア」では、イオンイーハートが手掛ける和食レストラン「四六時中」を地域密着型のフードコート新業態「いばらき茶屋」に、未来屋書店を生活提案型店舗モデル「未来屋書店 Life with book」にリニューアル。シニア層からの根強い需要がある和陶器、スリッパの品揃えを充実させたほか、イオンの住生活PB「HOME COORDY」の販売を強化した。

イオンイーハートの地域密着型フードコート「いばらき茶屋」。
シニア向けメニューを揃えるほか、コンセントも完備する。

また、このほかにも茨木市との連携による市民参加型カリキュラムの実施、茨木市健康福祉部と協力したフードコートでの適塩メニュー提供も行われるなど、「健康」をテーマにあらゆる試みが実施され、イオン茨木店(旧・マイカル)との差別化を図るとともに、中高年層の来店を促す。

外部リンク:6/3(土)「イオンスタイル新茨木」グランドオープン(イオンリテール)
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Ittenほりかわ、2017年4月8日開業-日南中心部の再開発複合ビル

宮崎県日南市中心部の再開発複合ビル「ふれあいタウンイッテンほりかわ」が4月8日にグランドオープンした。

イッテンほりかわ。

油津中心部の再開発ビル

「イッテンほりかわ」はまちづくり会社「日南まちづくり株式会社」が日南アミューズメントセンターと宮崎銀行油津支店を解体した跡に開業させた8階建ての複合ビル。
運河通り商店街の入口にあり、百貨店の日南山形屋に隣接、複合商業ビルのサピア日南ショッピングセンター(旧・寿屋)、日南ボーリングセンター(旧・旧・寿屋)からも歩いてすぐの場所で、商店街を挟んで立体駐車場「いってんパーク」も備える。なお、宮崎銀行は敷地内に移転している。
総事業費は20億7000万円。

運河通り商店街を挟んだ景観。


隣接する日南山形屋。地域唯一の百貨店。

「百貨店、スーパー、商店街、医療機関が近い」ことをウリに活性化目指す

イッテンほりかわのコンセプトは「「子育て支援施設」「市民活動支援施設」「商業施設」「介護医療住居」「医療施設」「メディアセンター」「居住施設」「市民憩いの場」が一体となった、まちなか快適便利生活拠点の提供」。

イッテンほりかわ・商店街側より。

1階は日南市の子育て支援施設、ケーブルテレビ局、IT関連企業のオフィス、カフェなどの個人商店、2階が日南市民活動支援センター「日南市創客創人センター」、屋上庭園、3階がクリニック(内科、歯科)、4~5階が高齢者住宅(25室)、6~8階が分譲マンション(17戸)となる。
屋上庭園には木が植えられるほか、ボルダリングウォール(壁登り)を設置する。
また、立体駐車場「いってんパーク」の下層階には薬局、飲食店などと1坪店舗(家賃7000円/月)が設けられている。いってんパークの駐車料金は1時間100円だが、商店街の提携店舗利用で2時間無料となる。

立体駐車場棟。1階には1坪店舗も。

開業日となった8日には記念式典が挙行され、地元アイドルグループ「MKM-ZERO」などによるライブも行われるなど賑わった。
日南市油津の中心部では、活性化事業により新たな店舗も少しずつ増えてきている。日南市とまちづくり会社は、この再開発ビルの完成により更なる活性化にはずみをつけたい考えだ。

サンプラージュ岩崎商店街。

外部リンク:日南まちづくり株式会社
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