呉そごう、土地と建物を一括売却へ-ようやく動き出す再活用問題

JR呉駅前にある「呉そごう」(そごう呉店)の土地と建物を、呉市などで作る呉駅前西再開発ビル管理組合が一括で売却する方針であることが分かった。

呉そごう。

呉市で唯一の大型百貨店だった

呉そごうは1990年3月に開店。建物は1階~7階(一部地階、8階あり)で、売場面積は21,395㎡。キャッチフレーズは「呉ではじめての、都市型本格派百貨店」で、これまで同市にあった百貨店「福屋呉店」、サテライト店舗「福屋焼山店」(2017年現在、2店とも営業中)はいずれも2,000㎡以下の売場面積であったため、そごうは呉初の大型百貨店となった。

川の流れるレストラン街。


シャンデリアの並ぶ食品フロア。

呉そごうは長年に亘って呉市最大の商業施設だったが、2004年9月に徒歩圏に開店した「イズミゆめタウン呉」(売場面積22,500㎡)などの競合による売上の減少に加え、そごう・西武の百貨店事業縮小の影響を受けて2013年1月に閉店。その後は、イズミが天満屋と共同で出店することが検討されたが、家賃・売却価格問題から実現せず、呉市が市庁舎として用いる案なども上がったものの、建物は閉店から5年近く放置されたままとなっている。
(市役所は現地で建替えが行われ、2016年に完成した)

ゆめタウン呉。

ようやく動く再活用-公募・審査で売却先を選ぶ方針

旧・呉そごうの建物は、80%をそごう・西武が、15%を呉市が、5%を地権者(7名/法人)が所有し、それらでつくる呉駅前西再開発ビル管理組合が管理していた。

「帆船」をシンボルマークとしていた。

呉駅前西再開発ビル管理組合は、土地と建物の権利を1つにまとめた上で、公募型プロポーザルで再生案を募り、審査をおこなったうえで新事業者に土地・建物を一括売却する考え。
活用方法は商業施設などの賑わい施設に限定し、さらに呉市が大型店の建設費、固定資産税、新規雇用などに関する助成金制度を新設することで、再活用を促したい考えだという。
その一方で、9月時点では売却先などは全く決まっていないといい、建物が大きく、仮に建物を撤去するとなるとかなりの費用がかかるため、20万都市の一等地といえども購入者が現れるかどうかは不透明な状況である。

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