藤丸、2024年5月特別清算開始-北海道帯広の地場老舗百貨店、新会社主導で2025年秋再開業めざす

北海道帯広市の地場老舗百貨店「藤丸」と不動産関連子会社「ふじまるビル」が、2024年5月20日に釧路地裁帯広支部より特別清算開始命令を受けたことを、民間調査会社の帝国データバンクが5月31日に発表した。

藤丸。

帝国データバンクによると負債総額は34億600万円。(藤丸約25億4000万円/ふじまるビル約8億6600万円)

十勝帯広の地場老舗百貨店

藤丸は1900年に富山県の商人が下帯広村(現店舗近く)で呉服太物店として創業。1930年に鉄筋コンクリートの大型店となり、百貨店化した。現在の建物は1982年3月に新築移転したもので地上9階地下3階建、営業フロアは地上9階~地下1階、店舗面積は19,852㎡。
ラグジュアリーブランド「COACH」や専門店「くまざわ書店」「MINIPLA」、公共・サービス系施設「帯広市市民活動交流センター」「勝毎サロン」が入居するなど、十勝帯広唯一の地場老舗百貨店に相応しい業容であったが、新型コロナによるテナントの相次ぐ撤退や業績低迷を受けて2023年1月31日をもって閉店していた。

藤丸1階エレベータ前のシャンデリア下で行われた閉店の挨拶。

日産地域販社主導で2025年秋以降営業再開めざす

藤丸をめぐっては、2022年12月に日産地域販社系持株会社「村松ホールディングス」と地域創生ベンチャー「そら」が主体となり、百貨店事業の受け皿会社(新藤丸)を設立。
新会社が2023年7月に百貨店の土地建物を取得し、同年11月より贈答事業(お歳暮販売)を再開、同年12月より耐震補強などを含めた改修工事に向けた準備を進めている。
新会社は2024年6月1日現時点においては村松HD子会社であり、村松HDグループ会社「帯広日産」(十勝管内8営業所)や贈答事業で提携関係にある「ヤマト運輸」(十勝管内11営業所)を中心にお中元販売の受付を始めるなど、旧運営会社の特別清算とは関係なく、2025年秋以降の営業再開実現をめざしている。

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