西武スポーツ、2024年5月26日閉店-西武池袋本店のスポーツ専門館、45年の歴史に幕

東京都豊島区の西武池袋本店8階にあるスポーツ専門館「SEIBU SPORTS(西武スポーツ)」が2024年5月26日をもって閉店した。

日本最大のスポーツ専門館として誕生

西武スポーツは1979年10月に現在の西武池袋本店別館に1号店「西武スポーツ館」を開業。同館は日本最大の売場面積(当時)を誇るスポーツ専門館として、1980年からは旧西武セゾングループ系総合スーパー「西友」に店舗網を拡大。1981年4月からは系列月賦百貨店「緑屋(現クレディセゾン)」再建の一環として旗艦店「ams西武スポーツ吉祥寺」を開店するなど、首都圏を中心に多店舗化を図った。

西武池袋本店。

西武スポーツ館はバブル経済による好景気を追い風に拡大を続け、西武百貨店が独占契約するスポーツブランドを前面に打ち出し、系列スポーツクラブ「リボン館(現コナミスポーツクラブ)」を始めとするグループ内外の教室、プロ野球球団「西武ライオンズ」「広島東洋カープ」と事業展開で密な連携を図ることで優位性を示した。
しかし、1990年代に入ると西武セゾン各社の経営悪化を背景に、1998年9月に吉祥寺店を閉店。西友のウォルマート化によりインショップが消滅するなど事業規模を急速に縮小。西武池袋本店8階フロアに集約することとなった。

ファンド傘下による西武池袋本店改装で45年の歴史に幕

西武スポーツは、2010年9月に「西武池袋本店全館改装第3期」の一環として新装開業を実施。店舗面積は2,795㎡。
新装開業当初は「日本最大級のスポーツ専門大店」を掲げ、自主編集型靴専門店「シューズ&ギア」や順天堂大学教授監修のスポーツ・健康相談窓口「カラダステーション」、当時の親会社であったセブン&アイHD傘下のアクティブスポーツ店「OSHMAN’S」を導入するなど、旧西武セゾン時代より強みとしていたスポーツ関連領域を改めて重点化した。

西武スポーツ新装開業の目玉だった「OSHMAN’S池袋店」。

一方、2022年9月の米国ファンドによる「そごう・西武」買収により、2023年よりファンド主導で家電量販店「ヨドバシカメラ」導入に向けた百貨店フロアの集約を開始。2024年5月7日には「OSHMAN’S池袋店」が閉店するなど、西武スポーツの去就にも注目が集まっていた。
日本最大のスポーツ専門館として誕生した西武スポーツは45年の歴史に幕をおろすこととなった。

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