大手アミューズメントグループ「セガサミーHD」(本社:東京都品川区)は、「フェニックス・シーガイア・リゾート」を運営するを米国投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」の関連会社「夕顔合同会社」に2024年5月31日を目処に売却する方針を同年5月10日に発表した。
リゾート法第1号指定の目玉として誕生
フェニックスリゾートは、1987年6月施行の総合保養地域整備法(リゾート法)第1号指定「宮崎・日南海岸リゾート構想」中核施設「シーガイア」の運営会社として1988年12月に設立。
宮崎県内最高層となるホテル「ホテル・オーシャン45」や世界最大の屋内ウォーターパーク「オーシャンドーム」といったシンボル施設を核に、コンベンションセンターやゴルフコースを展開したが、バブル崩壊による慢性的な赤字体質を背景に事業費約2,000億円を回収できず、2001年2月に会社更生法を申請した。
外資との連携により黒字化
フェニックスリゾートは、再建の過程で2002年3月に「スターウッドホテル&リゾート(現マリオット・インターナショナル)」と業務提携を締結、同年6月に米国投資ファンド「リップルウッド・ホールディングス」傘下となり、ホテルの外資系ブランド「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」への転換やオーシャンドームの価格・サービス改定(季節営業を経て2007年9月閉鎖)、施設の再整備に取組み黒字化を達成していた。
セガサミー傘下で「IR」の試金石となったが
その後、フェニックスリゾートは2012年3月にセガサミーHDの完全子会社となり、同社が参入をめざす「カジノを含む統合型リゾート(IR)事業」の試金石としての役割を担うこととなった。
一環として、セガサミーHDが韓国で展開するIR「パラダイスシティ」とのメンバーシップ相互提携など打ち出したが、国内での統合型リゾート整備が暗礁に乗り上げており、米国投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」へのフェニックスリゾート全株売却に至ったものとみられる。
マイステイズと協業、セガサミーも支援継続
フォートレスは国内宿泊大手「マイステイズ・ホテル・マネジメント」を中核事業会社として176棟27,457室を展開している。
マイステイズは、2022年4月に日本郵政系宿泊施設「かんぽの宿」29施設を取得し同年7月に「亀の井ホテル」として運営開始。同年12月には「HOTEL ACAO(現ホテルニューアカオ)」の運営に参画するなど、事業拡大を進めている最中だった。
フォートレス傘下となるシーガイア。
フェニックスリゾートは、フォートレス・マイステイズとの連携により戦略的改装プランを策定し、稼働率の改善やターゲット層の拡大をめざし、フェニックス全体の企業価値向上を実現するとしている。
また、同社はフォートレス系による完全子会社化にあわせて、セガサミーHDに議決権20%の種類株式を新規発行し、戦略的パートナーシップを締結するなど、両社間で連携を継続するとしている。
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