文栄堂本店、2024年4月30日閉店-70年超の歴史に幕おろす日販系老舗書店、山口大学前店は駿河屋と教科書専門店に

山口県山口市のJR山口線山口駅近くにある日本出版販売(日販)系地場老舗書店「文栄堂本店」が2024年4月30日をもって閉店した。

日販・積文館傘下で経営効率化進めていた山口の老舗書店

文栄堂は1949年9月に山口市で創業。創業以来、山口地場大手書店として、県内外の百貨店やモールを中心に多店舗展開していた。同社は2018年1月に親密関係にあった取次大手「日本出版販売(日販)」出資の新会社に事業を移行し、日販傘下の福岡地場大手「積文館書店」と直営6店舗・外商部2事業所を統合、2023年10月には日販グループの新会社「NICリテールズ」に主要事業を移行(教科書販売など除く/旧法人は存続)するなど、経営の効率化を進めていた。

文栄堂本店、70年を超える歴史に幕

文栄堂本店の建物は地上2階建で店舗面積は156坪(1階書籍38坪/文具20坪/2階書籍78坪)
山口市中心部の道場門前商店街を代表する老舗書店として、2016年3月に日販と共同でBOOK&CAFE業態への新装を実施。店舗への文具雑貨コーナーや隣接地(敷地内)への「文栄堂珈琲」新設を打ち出すなど、市街地の集客核のひとつとして「地域活性化のひとつの起点」をめざすとしていた。
一方、同店では売上減少が進んでおり、2024年3月15日に「2024年4月30日(火)をもちまして営業を終了し、閉店する」方針を発表していた。

積文館書店文栄堂本店。(2023年当時)

個性的な試み打ち出した山口大学前店も営業終了

文栄堂本店の閉店にあわせ、2024年5月10日には山口市の「文栄堂山口大学前店」も書籍・文具の取扱いを終了する。
文栄堂山口大学前店では以前より、日販と山口大学経済学部とのと共同で「地方創生プロジェクト」を展開。山口大学前店の空きフロア(2階)を活かした入場料制の本棚スペース「ゆらりぼん」といった書店内書店や寄付本を中心とした「えんぶっく」コーナーなど、学生が取扱商品の選定から陳列・VMD、販促を行う日販グループの強みを活かした独自性の高い企画を打ち出していた。
また、2022年5月には日販と資本業務提携関係にある大手総合ホビーショップ「駿河屋」山口県内初となる店舗を導入するなど、県内随一の大学前という立地を活かした店舗への転換を進めていた。

山口大学前店は「駿河屋」「教科書専門店」に

文栄堂山口大学前店の閉店後は、駿河屋が現在の文栄堂書籍・文具フロアにゲームや中古書籍、トレーディングカードゲームといった商材を展開する予定。
なお。同店は文栄堂としての営業終了後も「指定高校の教科書・副教材、及び山口大学のテキストのみ引き続き販売を継続」する方針を発表しており、全国的にも珍しい駿河屋と教科書専門店の複合店舗となることとなった。

駿河屋山口大学前店(旧文栄堂山口大学前店)

住所:山口県山口市平井775
営業時間(駿河屋):10時~21時45分
営業時間(教科書):12時~17時
※教科書専門店「山口大学前期テキスト簡易販売所」は5月14日から30日まで火曜・木曜日のみ営業
※教科書専門店は7月1日より通常営業開始予定

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