メロンブックス熊本店、2021年5月31日閉店-コロナ禍で縮小する同人誌書店、メロブも初の閉店に

熊本県熊本市中央区の下通商店街にある「ファインビル」4階の大手漫画・同人誌専門書店「メロンブックス熊本店」が2021年5月31日をもって閉店する。

ファインビル。

ニコニコドーのファッションビルだった「ファイン」

ファインビルは1984年11月に開業。建物は地上6階地下1階建で、売場面積は2,050㎡。地場不動産会社の桑本が所有する。
施設は長らく、九州地場大手流通グループだったニコニコ堂(現:ゆめマート熊本)が運営するファッションビル「ザ・ファイン」として、ワールド系のレディスファッションブランド数店舗(OZOC・indexなど)やキデイランド、ミナミスポーツ(Minami熊本FINE)、タワーレコードといった専門店が出店していた。
しかし、2002年4月のニコニコ堂民事再生法適用にともない同社が運営から撤退。2005年11月には3階・4階のタワレコが、2009年9月には2階・3階のWEGOが熊本パルコに相次ぎ移転したため、施設の大部分が空きフロアとなった。

熊本初の大手同人ショップだった「メロブ」

メロンブックス熊本店は2009年12月5日に開店。
同社店舗としては福岡店と小倉店に次ぐ九州3店舗目、大手同人ショップとしては熊本県内初となる店舗であった。同店の開店にあわせて、提携関係にある総合アニメショップ「アニメイト」が近隣の高濱ビル3階からファインビル3階に増床移転、2010年7月には同じく提携関係にある同人・アニメグッズ販売買取店「らしんばん」が隣接するみどりやトーキビル地階に九州初となる店舗を開店(後にファインビル4階に移転)するなど、地方都市では珍しいアニメショップの一大集積を形成することとなった。
熊本地震でも被害を受けたものの、その後は各テナントともに営業を再開している。

震災被害のため2016年4月28日まで休業した。

ファインビルは、2010年10月にアム・スペースのゲームセンター「ams下通り(現・THE 3RD PLANET 下通り)」が地階と2階に開店、2013年8月にはワールド系の「ピンクラテ」が撤退し、後継としてハイコム系の携帯キャリアショップ(au・Softbank)が開店するなど、開業当初のファッションビルから大きく姿を変えた。

メロブとしては異例の完全撤退、コロナ禍では初

メロンブックス熊本店の閉店は「諸般の事情」によるものとしている。
同社は積極的なスクラップ&ビルドを行うエーツー(駿河屋)や、度重なる出店戦略の見直しを行っており、コロナ禍(とそれに伴うコミケ中止・延期)で経営規模を大幅縮小することとなった虎の穴(コミックとらのあな)といった競合他社と異なり、コロナ禍のなかでも屋号にメロンブックスを冠する店舗の閉鎖をこれまで行っていなかった。

2015年8月閉店の岡山店は“一時休業”扱いであり、2017年1月閉店の柏店(アニメイト跡・らしんばんとの共同出店/入居施設は後に解体)は2018年3月に近隣の長崎屋ドン・キホーテ柏駅前店4階に再開店しているため、熊本店の閉店は異例といえる。今後、とらのあな等と同様にメロンブックスも縮小へと向かうことになるのか、注目される。

2021年4月の現時点では、メロンブックス熊本店と同じフロアに出店するらしんばんを含め、ファインビル内の他店舗は閉店などを発表しておらず、店舗跡の活用方法については不明となっている。

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