カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

香林坊109、2016年4月閉店-東急スクエア化、4月中に業態転換

石川県金沢市のファッションビル「香林坊109(KOHRINBO109)」が業態転換のために閉店し、4月末から「香林坊東急スクエア(仮称)」となることが分かった。

金沢から消える「109」-地方一号店

「109」は東急グループが展開する若者向けファッションビルで、首都圏以外では静岡、金沢香林坊、大阪阿倍野、鹿児島中央駅に出店している。
また「東急スクエア」は食品、雑貨などを含めた幅広い品揃えが特徴で、八王子、田園調布、武蔵小杉、横浜青葉台に出店。地方出店は初となる。
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東急スクエアの店舗(武蔵小杉)。

香林坊109は1985年9月に北陸随一の繁華街である金沢市香林坊に開業。109の地方初出店として注目を集めた。売場面積は約7,700㎡。
翌年には、向かいに大和デパートを核とした商業施設「香林坊アトリオ」も開業している。
しかし、「109」という業態は「10~30代までの若者向け」というイメージが強く、「大人向けの商業施設」として生まれ変わるために全館を改装、複合商業ビル「東急スクエア」へと業態転換することになったという。1454561128100-
香林坊109。

内外装も「大人向け」に

香林坊109では、既に1月より1階2階の大部分を閉鎖中。
他フロアも改装を行うために順次閉店し、4月末に「香林坊東急スクエア」として1~2階を中心として先行開業、秋までに全フロアでの営業を開始する予定。
テナントも大幅に入れ替え、テナント数は現在の半分程度となる予定。
地階は地場大手書店「うつのみや」が出店するほか、「ユナイテッドアローズ」も新たに出店。また、内外装も、金沢の街並みに合わせた大人向けの落ち着いたものに変更する。

消える若者向けブランド

一方で、北陸唯一だった「若者向け商業施設」の撤退は周辺の商業施設にも大きな影響を与えそうだ。
北陸地区では「香林坊109」のみに出店している人気ブランドも少なくない一方で、「セシルマクビー」や「リズリサ」のように、閉店後の移転先を発表していない店舗も多い。
それらの店舗は競合関係にあった金沢駅前の「イオン金沢フォーラス」や、周辺のイオンモールなどへの移転も考えられるが、多くが北陸地区から完全撤退することも予想される。
2016年4月追記:東急スクエアは4月28日に開店すると発表された。

外部リンク:KOHRINBO109

マイキッチン、2016年1月末に経営破綻・全店閉鎖-福岡のスーパー、大雪での営業休止響く

福岡県小郡市に本社を置く食品スーパー「マイキッチン」が、2016年末に倒産・破産申請の準備に入った。
負債総額は約1億円という。
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マイキッチン香春店(福岡県香春町)。
以前出店していた丸和のロゴも残る。

僅か数日の営業休止で破産-自転車操業か

マイキッチンは「マイキッチン」「ときや」などの屋号で、福岡県北九州市、香春町、福智町、佐賀県鳥栖市の全5店舗を運営。かつては福岡市や佐賀県基山町などにも出店していた。
地元報道によれば、2016年1月23日からの大雪やそれに伴う断水による営業休止が数日間続いたことで、資金繰りが付かなくなったという。
数日の営業休止から破産申請に繋がったことから、以前より経営状態が悪化していたと考えられる。
既に従業員全員が解雇され、店舗は2月1日より閉鎖されている。
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貼り紙には「しばらくの間閉店させていただきます」と書かれている。ひなまつりのPOPも見えるが、再オープンする日は来るのだろうか。

クリスピークリームドーナツ、2016年1月に福岡市から全店撤退-九州1号店も閉店に

店舗数国内2位のドーナツチェーン店「クリスピークリームドーナツ」が、1月31日をもって福岡県福岡市内から全面撤退した。
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福岡市内のクリスピークリーム(天神地下街店)。

突然の全面撤退-九州一号店も閉店

クリスピークリームは2011年3月、九州1号店となるアミュプラザ博多店を出店。
主力商品であるオリジナル・グレーズドの無料配布サービスや、平日でも1時間を超える行列が発生したことで注目を集め、順調に店舗網を拡大していた。

ブーム終焉か-サザンメイドも全店撤退していた

閉店した店舗は以下の3店舗。
アミュプラザ博多店(2011年3月3日開店)
天神地下街店(2011年11月11日開店)
マリノアシティ福岡店(2012年3月12日開店)

福岡市内では、クリスピークリームの進出と前後して、テキサス州発祥の「サザンメイドドーナツ」が日本初出店、更に、自然派食材を多用した「フロレスタ」、「はらドーナッツ」が相次いで進出するなど競争が激化していたが、ブームの沈静化に伴い「サザンメイドドーナツ」が全4店舗を閉鎖するなど、撤退が続いていた。
これで九州内のクリスピークリームドーナツの店舗は北九州市(2店舗)、大分市、鹿児島市の4店舗のみとなる。

追記:その後、京都・広島からも撤退を発表した。詳しくは以下に。
クリスピークリームドーナツの閉店続く-京都府、広島県からも全面撤退

外部リンク:クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン

阪堺電車、住吉-住吉公園前が廃線に-2016年1月30日に最終運行

大阪ミナミと堺を結ぶ路面電車「阪堺電車」(阪堺電気軌道、本社:大阪府大阪市住吉区)は、1月30日の運行を以て上町線住吉電停住吉公園電停間200mを廃止した。
路面電車の廃線は名鉄岐阜市内線以来11年ぶりとなった。
P1020270-車内に掲示された廃線告知。

平面クロス、古い駅舎、防火用水、金魚-全てが過去帳に

廃線区間は1913年に開業。盲腸線であり、住吉公園電停から僅か100m離れた場所には阪堺線の住吉鳥居前電停があるため、2014年からは朝7~8時台しか電車が発着しない「日本一最終電車が早い」停留所となっていた。
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住吉大社と住吉鳥居前電停。奥に住吉公園前電停があった。

住吉公園電停は古い駅舎が有名であり、また、近くでは路面電車同士が平面交差する光景が見られることでも有名であったが、これも見納めとなった。
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住吉公園前電停入口。

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停留所内の様子。

最終運行日となった30日は、始発から多くの人が詰めかけ、別れを惜しんだ。
朝8時32分の最終電車には、1928年に製造されたモ161号が登場し、 お別れセレモニーに花を添えた。
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最終電車となったモ161号(撮影:ともさーん)。

なお、住吉公園電停の防火用水で飼われていた金魚は鶴見区の中学校に引き取られたという。

外部リンク:阪堺電車|暮らしがある。未来がある。ずっと息づく軌道がある。

ラフォーレ原宿・新潟、2016年1月31日閉店-古町と万代の競争、正念場

新潟の中心・古町の灯がまた1つ消えてしまう。
新潟県新潟市中央区西堀通の複合商業ビル「NEXT21」の核店舗である「ラフォーレ原宿・新潟」が、2016年1月31日に閉店することを発表した。NEXT21-01
ラフォーレ原宿・新潟が入居するNEXT21。

古町の核、また撤退

ラフォーレ原宿・新潟は新潟市の中心部・古町に1993年5月開業。売場面積は約5,300㎡。
複合商業ビル「NEXT21」の地階~4階(2011年までは5階も)を占める。2007年以降、長年に亘って営業赤字が続いており、フロア削減などの合理化を行ったものの業績が改善しなかったという。
NEXT21では、2015年4月にもう1つの核であった大型書店「コメリ書房」も撤退していた。
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古町モールでは隣接する大和百貨店(左)も撤退。
現在は建物の一部しか活用されていない。

古町と万代の競争、正念場

ラフォーレ原宿・新潟の撤退は、郊外型ショッピングセンターとの競争に加え、古町とは信濃川を挟んで対岸にあたるもう1つの中心商業地「万代地区」との競争によるところも大きい。
新潟交通がディベロッパーとなり開発した「万代シテイ」は新潟駅からも徒歩圏であり、「伊勢丹」、「ロフト」、「イオン」、「アルタ」などが出店、店舗のリニューアルやテナントの新陳代謝も進んでいる一方、古町では「大和百貨店」、「ラフォーレ原宿」の相次ぐ撤退により、核店舗は昔ながらの「三越」と「イトーヨーカドー丸大」のみとなってしまう。
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もう1つの中心商業地である万代地区。
左は旧ダイエーのラブラ万代。ロフト、紀伊國屋書店など出店。

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万代シテイの核、新潟伊勢丹。

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JR新潟駅からも徒歩圏。赤い標識は新潟BRTのもの。

古町 VS 万代、アイドルによる代理戦争も?

また、地元のアイドルグループ「Negicco」や「RYUtist」などが古町を拠点としているのに対し、昨年設立された「NGT48」は万代シテイを拠点とするなど、双方の競争は様々な分野で繰り広げられ、激しさを増している。
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NGT48劇場は万代シテイ「LoveLa2」に開設(撮影:くらびちゃん)。

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一方で地元アイドルは古町が拠点(撮影:山中義一氏)。

後継テナントは現れる?

「ラフォーレ原宿」はかつて全国に4店舗展開していたが、新潟店の閉店後は原宿本店のみでの営業となる。
NEXT21を保有する企業は後継店舗の誘致を進めているが、出店テナントは今のところ未定。
報道によると大型テナントを含む複数の企業が入店を検討しているといい、今夏の営業再開を目指しての交渉が進められているという。

外部リンク:ラフォーレ原宿・新潟
(※2016年2月更新、写真追加)

新しい記事はこちら:NEXT21(ラフォーレ新潟跡)、区役所に-大和跡も公共施設を核に検討

米子やよいデパート、2016年2月2日より閉店セール

自己破産のため1月21日から閉鎖されていた鳥取県米子市のショッピングセンター「米子やよいデパート」の閉店セールが2月2日から行われることになった。
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米子やよいデパート。

最後の処分セール、2月7日まで

「米子やよいデパート」は米子市のエルモール一番街商店街にある大型ショッピングセンター。向かいには米子高島屋が出店しており、米子市で一番の繁華街に位置していた。
2013年に大規模リニューアルを行い、新たな核店舗としてディスカウントスーパーを導入していたが、3階以上が空き店舗の状態が続き、経営が悪化していた。

米子高島屋。

閉店セールの実施期間は2月7日までだが、商品が無くなり次第、早期に終了する可能性が高い。
米子市中心部を代表する大型店の1つだったこともあり、鳥取県では、やよいデパートの取引先などに低金利で融資する緊急支援制度を設置することを発表している。

関連記事:米子やよいデパートが自己破産、閉店

大分市宮崎に新商業施設、今秋開店-核はドンキホーテ

大分市宮崎に建設されるショッピングセンターの核としてディスカウントストア「ドン.キホーテ」が出店することが分かった。

ドンキホーテ、大分市2号店

ドンキホーテの出店場所は大分市宮崎の下郡バイパズ沿い、トイザらス大分店の向かい。西日本ホームの住宅展示場跡周辺。
府内大橋を渡ってすぐの場所で、光吉インターチェンジからも近い。
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ドン.キホーテ出店予定地。

売場面積は約3,000㎡で、出店申請上の営業時間は24時間営業。
今秋の開業を目指している。
ドンキホーテは大分市2号店となる。

関連記事:アクロスプラザ大分駅南、今秋開業-駅前に商業ビル

西友小田原EPO店、2016年3月31日閉店 – 多くの専門店は営業継続

神奈川県小田原市の都市型ショッピングセンター「EPO」の核店舗「西友小田原EPO店」、「無印良品小田原EPO店」が3月31日をもって閉店する。

小田原EPO。

ロピアに続く核店舗喪失

小田原EPOは赤羽、木更津に次ぐ西友直営のファッションビル業態3号店として、1993年4月に小田原駅から徒歩5分ほどのダイヤ街商店街に開業した。地上5階地下1階建で、店舗面積は10,206㎡。
現在は総合衣料専門店「パレット」、靴専門店「ABCマート」、手芸用品店「ユザワヤ」、100円ショップ「キャンドゥ」などのテナントが入居し、小田原駅前を代表する大型商業施設となっている。

無印良品 西友小田原EPO店。

西友は大規模な不採算店舗の閉鎖を進めており、EPOからの直営売場撤退もその一環とみられる。
なお、赤羽、木更津、小手指など店舗運営から全面撤退した他地域のEPOとは異なり、多くの専門店は4月以降も営業を継続する方針。

撤退相次ぐ小田原駅前の大型店

小田原駅前では、1998年に西武志澤店が、2002年に丸井小田原店が、2013年には箱根登山ベルジュが閉店。更に、EPOに隣接する商業施設「小田原アプリ」(旧・小田原ビブレ)地階の「ロピア・ユータカラヤ小田原店」も2016年1月末での閉店を予定しており、大型店の撤退が相次いでいる。
現時点では西友、ロピアともに新たな食品スーパー進出は発表されていない。
追記:アプリは8月に全館閉館することを発表。

外部リンク:西友小田原EPO
関連記事:小田原アプリの核「ロピア・ユータカラヤ小田原店」1月31日閉店
関連記事:小田原アプリ、8月末に閉館へ-旧小田原ビブレ 

ロピア・ユータカラヤ小田原店、2016年1月31日閉店-小田原アプリの核

新しい記事はこちら:小田原アプリ、2016年8月末に閉館へ-旧小田原ビブレ 

神奈川県小田原市の都市型ショッピングセンター「小田原アプリ」の核テナント「ロピア・ユータカラヤ小田原店」が1月31日をもって閉店する。
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小田原アプリ。

小田原駅前を代表する商業ビル、核店舗喪失

小田原アプリは1972年、小田原駅から徒歩5分ほどのダイヤ街商店街に「ニチイ小田原店」として開業。1992年にはファッションビル「小田原ビブレ」に業態転換したもの、施設を運営していたマイカルの経営悪化に伴い1999年撤退。
施設を保有する小田原ショッピングデパートによる改装を経て、2000年に現在の「アプリ小田原」として再開業した。
ロピアの他にも「タワーレコード」、「島村楽器」、「アニメイト」などの専門店が入居しており、小田原駅前を代表する大型商業施設となっている。

ロピア・ユータカラヤ小田原店。

ロピア(旧・ユータカラヤ)は1971年、神奈川県藤沢市に食肉専門店として創業。「新鮮大売」を掲げる地域密着型の食品スーパーとして営業していたが、2009年に新業態「ロピア」の1号店となる藤沢店を開店して以降、神奈川県外への積極的な出店を開始。
港北東急S.C.(2011年開店)や、ららぽーとTOKYO-BAY店(2013年開店)への進出で知名度を伸ばしている。

後継店舗は未定-隣接する西友も撤退へ

ロピア・ユータカラヤ小田原店の閉店発表以降、店頭では小田原市郊外にある「ロピアモール小田原高田店」の利用を薦めているが、アプリ地階の後継テナントは未だ発表されていない。
近隣には西友小田原EPO店や長崎屋ドン・キホーテ小田原店などの大型スーパーが出店しているが、西友も撤退を表明しており、小田原駅前の核店舗が相次いで閉店することになる。

外部リンク:株式会社 ロピア【ユータカラヤは新しくロピアに生まれ変わりました。】
外部リンク:小田原アプリ | Odawara APRI
関連記事西友小田原EPO店、3月31日閉店 – 一部専門店は営業継続

サンリブ直方、2016年8月末閉店・郊外移転-直方市中心部からスーパー消滅

直方駅前の総合スーパー「サンリブ直方」が8月末で閉店し、郊外に移転する。
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サンリブ直方。

サンリブ直方、郊外移転でショッピングセンター化

サンリブ直方の移転先は現在地より1.5kmほど北側の、直方第三中学校入口交差点前にあった鉄工所跡地。現店舗よりも増床し、中規模のショッピングセンターとなる予定だ。
サンリブの移転で、直方駅周辺からはチェーンスーパーが姿を消すことになる。
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サンリブ現店舗・新店舗位置図(Googleマップを用いて作成)。

ベッドタウンと化すも空き店舗深刻化

サンリブ直方は1972年10月に開店。4階建で、売場面積は4,400㎡。
直方駅近くの須崎町商店街入口に立地している。P1000979s
サンリブ横の須崎町商店街。

直方駅近くの商店街には1977年9月より「ユニード直方店」(約4,900㎡、のちのダイエー、4階建)も出店していたが1995年2月に撤退。その跡に出店した地場スーパーも、2007年11月閉店。
また、核店舗の1つであった百貨店の「直方そごうショップ」(2階建)も2000年12月に撤退するなど、衰退の一途を辿っており、現在は3割ほどが空き店舗となっている。
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古町商店街のユニード跡。現在は「もち吉」が所有している。
昨年まではフードコートとなっていたが閉店。

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ユニードとそごうが出店していた古町商店街。

その一方で、直方からは福岡市や北九州市への通勤も容易なことから、周辺ではJR直方駅のリニューアルや筑豊病院の移転など整備が行われ、マンションの建設も進んでおり、新たな住民が利用しやすいスーパーの出店が喫緊の課題となろう。
サンリブの跡地の活用策はまだ決まっていない。
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リニューアルした直方駅。周辺にはマンションが多い。

スクラップビルドを進めるサンリブ

近年、株式会社サンリブ(営業地域:広島県、山口県、福岡県の大部分、佐賀県。それ以外の地域は別会社運営)は店舗のスクラップアンドビルドを進めており、2016年には一部店舗内のフードコートリニューアルや、サンリブ折尾(北九州市八幡西区)の建て替えを行っている。
今後も、こういった形での老朽店舗のスクラップアンドビルドが続くものと思われる。

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外部リンク:サンリブ直方