カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

イオン姶良店、2016年2月14日閉店-旧サティ、イオンタウンに3月移転

鹿児島県姶良市のショッピングセンター「イオン姶良ショッピングセンター」(旧・姶良サティ)が、イオンタウンへの店舗移転のため2016年2月14日に閉店する。
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イオン姶良ショッピングセンター。

旧・姶良サティ、28年の歴史に幕

イオン姶良ショッピングセンターは、1988年11月に加治木町のスーパー「ヱビスヤ」と「ニチイ」(後のマイカル)が共同開発したショッピングセンター「サンシティリブレ」(sun city libre)を前身とする。
3階建で、売場面積は約16,000㎡。同地方では数少ない郊外型ショッピングセンターであり、大いに賑わったという。
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旧・姶良サティ。

1994年には支店として「国分隼人サティ」(現:イオン国分隼人店、霧島市)を出店し、その後、サンシティリブレも「姶良サティ」に改名。
2000年のマイカルグループの経営破綻とイオングループ入りを経て、2011年に「イオン姶良ショッピングセンター」に改名していた。
(ヱビスヤ加治木本店は現在も営業中)

「イオンタウン姶良」の核として移転-3月10日に1期開業

今回の閉店は、イオンの店舗移転に伴うもの。
 隣接地では「イオンタウン姶良」の建設が進んでおり、イオンタウンのうち半分は3月10日に開業予定。イオン姶良店はイオンタウンの核店舗として出店する。なお、この土地は元々「ラララグループ」(寿屋、熊本市)が出店表明していた土地だった。
現在のイオン姶良店は解体され、跡地にもイオンタウン姶良の建物が増築される予定。
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イオンタウン姶良(イオンタウンウェブサイトより)。

「イオンタウン姶良」は、全面開業時には現イオン姶良店の約3倍の売場面積45,000㎡となり、鹿児島県内でも有数の規模のショッピングセンターとなる。1期開業部分の112のテナントのうち「バーガーキング」など27店舗が鹿児島県初出店となる予定。
イオンタウン姶良は2017年春ごろの全面開業を目指しており、全面開業時には4Dシアターを備えたシネマコンプレックスも併設される。

外部リンク:イオン姶良店
外部リンク:イオンタウン姶良(未開設)

トライアル出雲店、2月14日閉店-デパートパラオ閉館

出雲市中心部のショッピングセンター「デパートパラオ」の核店舗「メガセンタートライアル出雲店」が2月14日で閉店、同日を以てデパートパラオ全館が閉館する。
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トライアル出雲店・デパートパラオ。
(トライアル公式ウェブサイトより・加工)

出雲市初のショッピングセンター、36年の歴史に幕

デパートパラオは出雲市初のショッピングセンターとして1980年に開店。売場面積は約14,000㎡。
出雲市役所から徒歩1分という中心市街地への出店で、核店舗の「ニチイ」(のちのマイカルサティ)と「パラオ専門店街」により構成されていた。
その後、サティは2002年に閉店、2002年から2009年まではジャスコが、2009年からはディスカウントストアのトライアルが核店舗となっている。
しかし、2012年3月にパラオ専門店街を運営する「協同組合出雲ショッピングセンター」が破産し、専門店街が閉館。それ以降は建物の半分が閉鎖され、トライアル部分のみの営業となっていた。
専門店街の閉鎖後は店舗のメンテナンスもあまり行われず、著しく老朽化が進行していた。

トライアルは白枝町に移転-今秋ごろ開業

トライアルは出雲店を出雲市白枝町に新築移転させることを発表している。
移転先は現在地から約2km西側の国道9号線沿い。
売場面積は約4,800㎡で、今秋ごろの開店を予定している。
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トライアル移転先。
(Googleマップを用いて作成)

デパートパラオの活用策は未定

一方で、デパートパラオ跡の活用策はまだ発表されていない。
出雲市役所のそばという好立地で、地権者にはイオングループも含まれているものの、建物の規模が大きく、改築や解体には多額の費用がかかると考えられるため、当面はそのまま放置される可能性が高い。

外部リンク:メガセンタートライアル出雲店

アピタ守谷店、2016年2月14日閉店

茨城県守谷市の大型ショッピングセンター「ユニー・アピタ守谷店」が2016年2月14日に閉店する。
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アピタ守谷店。

守谷初の大型ショッピングセンターだった

アピタ守谷店は1987年4月に「ユニー守谷店」として開業、売場面積は約14,000㎡。
住宅都市整備公団(現:UR)が北相馬郡守谷町の満州引揚者開拓地周辺に開発していた「常総ニュータウン守谷(現・常総ニュータウン北守谷)」の完成に伴い、住都公団系列企業によって誘致された店舗だった。
開業当時は常総ニュータウン北守谷の街びらきから5年しか経っておらず、守谷町で初のショッピングセンター、そして、北守谷では唯一のスーパーマーケットとして大いに賑わったという。
しかし、守谷市内(2002年市制)では開発の進行と共に「アクロスモール守谷」(2006年開店)や「イオンタウン守谷」(2007年開店)などが開業し、競争が激化。
アピタ守谷店は店舗近郊からの集客は多くあったと思われるものの、売上自体は半減しており、店舗の老朽化に加えて親会社であるユニーグループの経営悪化に伴い閉店することになった。
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店内では閉店セールが実施されている。

建物はURグループ所有-新店舗に期待

アピタ守谷店跡の活用方法はまだ発表されていない。
北守谷地区唯一の大型ショッピングセンターであり、建物はUR系列の不動産ディベロッパー「新都市ライフ」(新宿区)が所有しているため、新たなテナントの入居や、建替えて新たな商業施設となることが予想される。

なお、ユニーは昨年12月に水害を受けたアピタ石下店を閉店しており、茨城県内のユニーの店舗はアピタ佐原東店(ショッピングセンターパルナ)のみとなる。

追記:跡地には「カスミ」「ミスターマックス」が出店する方針を固めた。

外部リンク:アピタ守谷店
関連記事:アピタ石下店が閉店-常総水害で損壊

クリスピークリームドーナツの閉店続く-福岡に続き京都、広島からも全面撤退

店舗数国内2位のドーナツチェーン店「クリスピークリームドーナツ」の閉店が止まらない。
 2016年1月に全店撤退した福岡市、岡山市に続いて、2月21日をもって広島県から、2月28日をもって京都府からも全面撤退することが分かった。
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福岡市からは1月末に全店撤退。
写真は閉店前の福岡天神地下街店。

2016年2月中の閉店を予定しているのは以下の3店舗。
京都・四条烏丸店(2010年10月1日開店)
広島・アルパーク店(2014年4月25日開店)
広島・ゆめタウン廿日市店(2015年6月11日開店)

米大手ドーナツチェーン、順調に店舗数を伸ばしてきたが…

クリスピークリームはアメリカで1937年に創業したドーナツチェーンで、日本では2006年12月に国内1号店となる「新宿サザンテラス店」を出店。
主力商品である「オリジナル・グレーズド」の無料配布サービスや、平日でも1時間を超える行列が発生したことで注目を集め、既存のドーナツ専門店の2倍ほどの価格ながら、順調に顧客の支持を獲得していた。

クリスピークリームと同時期に参入した高価格ドーナツ店「ドーナッツプラント」、「サザンメイドドーナツ」が運営会社の経営悪化により店舗数を大幅に減らした一方、ロッテが親会社の「クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン」は順調に店舗網を拡大していた。

相次ぐ全面撤退-岡山市、福岡市に次いで京都、広島でも

順調に見えたクリスピークリームの店舗網拡大だったが、2016年に入ると一転、1月に岡山市(1店舗)、福岡市(3店舗)から全面撤退。2月には広島県(2店舗)、京都府(1店舗)からの全面撤退を予定するなど、従来の拡大路線から大きく方向転換することとなった。
広島・ゆめタウン廿日市店は僅か8ヶ月間の営業となり、国内の常設店舗としては最短での営業終了となる見込み。
2016年2月末時点でのクリスピークリームの店舗は15都府県56店舗となる予定。
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広島県からは進出2年弱での撤退となった(アルパーク)。

催事販売は好調

店舗網の縮小が続くなか、クリスピークリームは埼玉県北部や新潟県、鳥取県など、未出店地域の百貨店などでの催事販売を実施している。
既に出店済の地域ではブームの沈静化による客離れが見られるが、スターバックスコーヒーの鳥取県初進出時には、開店前日から行列が発生したように、未出店地域には更なる市場拡大の余力があろう。
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未出店の新潟県では2月7日まで伊勢丹で催事出店した。

かつて米国でも大規模撤退-販売手法の転換で活路見出す

実は、日本と同様に、クリスピークリームが創業した米国でも大規模な店舗閉鎖が行われた過去がある。
米国クリスピークリームは、大手スーパーのウォルマートと業務提携を締結するなど、株式上場を期に急速な多店舗化を目指したが、2000年代には経営悪化により店舗の半数以上(約240店)を閉鎖した。
現在、欧米のクリスピークリームでは無店舗販売によるコスト削減を進めており、公共交通機関(駅など)やスーパーマーケット内でのワゴン販売が主流となっている。

米国などでは経営方針を転換、スーパー内での販売も実施。

日本でも、コンビニ大手各社が店頭でのドーナツ販売を始めるなど、従来型のドーナツ専門店とは異なる販売手法が取られるようになっている。
今後はクリスピークリームも、単独店舗に縛られない新たな販売形態を目指す可能性がある。

その後の撤退店舗(追記)

2016年3月撤退
・新静岡セノバ
・神田小川町
・ららぽーと磐田
・ディラ阿佐ヶ谷
・アミュプラザ小倉
・玉川髙島屋
・アトレ大森
・アトレ亀戸
2016年6月撤退
・みなとみらい
2016年7月撤退
・アリオ倉敷

外部リンク:クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン
関連記事:クリスピークリームドーナツ、福岡市から全店撤退

ダイエー「旗艦店級」28店舗、2016年3月1日からイオンに転換

ダイエー(神戸市)が運営する総合スーパーのうち、大型店28店舗が3月1日よりイオンに経営譲渡され、イオンのショッピングセンターに転換する。
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ダイエーきっての旗艦店の1つ、東戸塚店が出店するオーロラシティ。
7&i傘下の西武百貨店とイオンが同居することになる(横浜市)。

旗艦店からイオンに経営譲渡-既に改装も開始

イオンでは、ダイエーの子会社化に伴い2018年までにダイエー・グルメシティ全店舗をイオン化することを発表しており、それに先駆けて、2015年9月に北海道、中部(山梨県除く)、九州の全店舗をイオングループに経営譲渡。現在、ダイエーは仙台店を除くと首都圏と近畿地方のみで営業を行っている。
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旧ダイエー麻生店(札幌市)。
2015年9月にイオン札幌麻生店に転換した。

3月1日を以てイオンに経営譲渡されるのは以下の28店舗。

2016年3月1日にイオンに経営譲渡されるダイエー一覧
  • ダイエー仙台店(宮城県仙台市)
  • ダイエー所沢店(埼玉県所沢市)
  • ダイエー南越谷店(埼玉県越谷市)
  • ダイエー東鷲宮店(埼玉県久喜市)
  • ダイエー北本店(埼玉県北本市)
  • ダイエー南行徳店(千葉県市川市)
  • ダイエー新浦安店(千葉県浦安市)
  • ダイエー長浦店(千葉県袖ケ浦市)
  • ダイエー千葉長沼店(千葉県千葉市)
  • ダイエー赤羽北本通り店(東京都北区)
  • ダイエー練馬店(東京都練馬区)
  • ダイエー伊勢原店(神奈川県伊勢原市)
  • ダイエー戸塚店(神奈川県横浜市)
  • ダイエー金沢八景店(神奈川県横浜市)
  • ダイエー東戸塚店(神奈川県横浜市)
  • ダイエー横須賀店(神奈川県横須賀市)
  • ダイエー大月店(山梨県大月市)
  • ダイエー京橋店(大阪府大阪市)
  • ダイエー長吉店(大阪府大阪市)
  • ダイエー金剛店(大阪府大阪狭山市)
  • ダイエー古川橋駅前店(大阪府門真市)
  • ダイエー吹田店(大阪府吹田市)
  • ダイエー西宮店(兵庫県西宮市)
  • ダイエー甲子園店(兵庫県西宮市)
  • ダイエー藤原台店(兵庫県神戸市)
  • ダイエー三田店(兵庫県三田市)
  • ダイエー竜野店(兵庫県たつの市)
  • ダイエー富雄店(奈良県奈良市)

今回、イオンに経営譲渡されるのは主に旗艦店級の大型店で、改装によって今後も高い収益が見込めると思われる28店舗。
これらの店舗は、2016年3月よりイオンのショッピングセンターとして新たなスタートを切ることになる。上記の全店舗が1日朝よりイオンとしての営業を開始する訳ではなく、店舗改装工事のために休業期間を設ける店舗もある模様。
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塗り替え中の広告塔屋。ダイエー京橋店(大阪市)。

 このうち、所沢店(所沢市)、京橋店(大阪市)、甲子園店(西宮市)などでは既にイオン転換のための準備工事が開始されているほか、テナントの入れ替えに伴う退店が実施されている店舗が多くある。
イオンに転換する店舗では、2月で「一の市」、「なかなかデー」、「木曜の市」などのセールも終了するが、ダイエーのポイントカード「ハートポイントカード」については、イオン転換後も当面使用可能となる。
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テナントの入替えも行われている。ダイエー富雄店(奈良市)。

なお、昨年イオンが「ダイエー」の店舗のまま大規模改装を行なったダイエー赤羽店(東京都北区)、ダイエーいちかわコルトンプラザ(市川市)、ダイエー神戸三宮店(神戸市、事実上のダイエー本店)は、今回のイオン転換店には含まれていない。
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イオンが改装を行なったばかりの3店舗は転換しない。
ダイエー赤羽店(東京都北区)。

ダイエー碑文谷店は5月ごろに閉店、大規模改築へ

一方で、ダイエーきっての集客を誇り、当初は他の大型店と同時に3月よりイオンに転換すると発表されていた「ダイエー碑文谷店」(目黒区)は3月のイオン転換を中止、5月ごろに閉店し、その後、イオンが建物の大規模な改築を行い、イオングループの新たなショッピングセンターとして生まれ変わる予定となっている。
詳しくは:ダイエー碑文谷店、2016年5月ごろ閉店へ
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5月ごろ閉店、イオンが改築する予定の碑文谷店(東京都目黒区)。 

新しい記事はこちら:ダイエー、3月30日までに110店舗の「イオン化」完了 
外部リンク:ダイエー

キュエル姫路、4月29日開業-神姫バスの新ターミナルビル

神姫バス(姫路市)は、JR姫路駅前に飲食店街とバスセンターの複合ビル「キュエル姫路Q-WELL姫路)」を4月29日に開業させる。
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キュエル姫路(撮影:みなてつさん)。

姫路駅前の新スポットに

キュエル姫路は7階建で、JR姫路駅前の山陽百貨店に隣接した旧神姫バスターミナル跡地に建設。
キャッチフレーズは「MY FAVORITE TERRACE-私のお気に入り空間」。「Q」はクオリティー(quality)のQ、「Well」は良いモノ・コト・サービスなど、お客様のよろこびを表しているという。
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キュエル姫路のロゴ(神姫バス公式サイトより)。

バスセンターと飲食店街が入居

キュエル館内には、1階に神姫バスのバスターミナルと、系列の旅行代理店が設けられるほか、それ以外の7階までの全フロアが飲食店街となり、「Salvatore Cuomo & Bar」(イタリアン)、「あなご料理 柊」(和食・穴子料理)、「芋蔵」(居酒屋)、「NAGOMI CAFE」(カフェ)、「天ぷら海鮮 神福」(天麩羅)、「ソライロキッチン」(イタリアン)などが出店。東側の吹き抜けにはシンボルツリーも設置される。
更に、駅ビル「ピオレ姫路」ともペデストリアンデッキで接続され、鉄道とバスの乗り換えも便利になる。
神姫バスでは、キュエルの開業をPRするために姫路市周辺でキュエルラッピングバスを運行する予定。
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ピオレ姫路。

外部リンク:平成28 年4 月下旬 姫路駅前に姫路の新たなランドマークとして「キュエル姫路」がグランドオープンします(神姫バス、PDF)

秋葉原UDXに「秋葉原拉麺劇場」4月8日開店

秋葉原UDX」(千代田区外神田)の商業フロア「AKIBA ICHI」が今春リニューアルし、2階にラーメンフードテーマパーク「秋葉原拉麺劇場」が4月8日に開店することが分かった。
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秋葉原UDX(左)
右にはJR秋葉原駅が隣接する好立地。

秋葉原初のラーメンフードパーク-外国人もターゲットに

秋葉原UDXは神田青果市場の跡地に2006年にオープンした複合ビルで、2016年に開業10周年を迎える。商業ゾーン「AKIBA ICHI」は、かつてあった「市場」をイメージして名づけられたもの。
今回の「AKIBA ICHI」リニューアルは開業10周年を記念したもので、レストランが中心となる。
中でも、目玉となる「秋葉原拉麺劇場」はライブ感を重視した劇場型フードコートを目指しており、 日本人だけでなく外国人観光客にも人気となりそうだ。

4月8日までに新規オープンが決まっているのは以下の店舗。
3階
「とと蔵 ねむろ」(北海道料理)
「盤古殿」(中華料理)
2階
「秋葉原拉麺劇場」(ラーメン)
「かむげん」(和食)
「Ham Burg Strong」(洋食)
1階
「De Dolle Brouwers」(ベルギー料理)

外部リンク:AKIBA ICHI
外部リンク:秋葉原UDX

三越伊勢丹がトランジット社と新会社設立 – 海外飲食店導入で

三越伊勢丹ホールディングスは1月20日、飲食店運営の「トランジット・ジェネラル・オフィス」と業務提携を締結、新会社を設立したことを発表した。
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銀座三越。

百貨店らしい海外ブランドの高品質飲食店を導入

トランジット社はパンケーキ専門店として話題を集めた「bills(ビルズ)」、クロナッツ専門店「DOMINIQUE ANSEL BAKERY(ドミニク・アンセル・ベーカリー)」、チョコレートカフェ「MAX BRENNER(マックス・ブレナー)」などの国内店舗を展開。
生活提案型インテリア専門店「ACTUS(アクタス)」と共同で北欧のライフスタイルがテーマのカフェを新規開発するなど、海外ブランドの発掘だけでなく、独自コンセプトの飲食店運営にも定評がある。
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ドミニクアンセルベーカリートウキョウ(表参道)。

新会社の名称は「三越伊勢丹トランジット」。
出資比率は三越伊勢丹HDが51%、トランジット社が49%。
新会社は三越や伊勢丹で海外ブランド・独自ブランドを冠するカフェ、レストランを手掛ける。
三越伊勢丹HDは、百貨店内でレストラン・社員食堂事業を展開する飲食事業子会社「セントレスタ」、「伊勢丹ダイニング」を傘下に持っていたが、現在は全株式をロイヤルHDに売却しており、飲食店事業からは事実上撤退していた。

海外飲食店を集客の要に

三越伊勢丹は、高島屋(台湾料理「鼎泰豐」、香港スイーツ店「糖朝」の国内店舗を運営)や、阪急阪神百貨店(自社系の惣菜専門店を傘下に持ち、豆腐料理「梅の花」とも提携)などと比較して飲食事業で出遅れていた。
そこで、「ここでしか食べられない」ものを提供する「百貨店らしい高品位のレストラン」を導入することで、本業との相乗効果を引き出す狙いがあるとみられる。

外部リンク:トランジットジェネラルオフィス

関西発の雑貨店「ASOKO」が「3COINS」傘下に

日鉄住金物産傘下の遊心クリエイション(本社:大阪市西区南堀江)が運営する雑貨店「ASOKO(アソコ)」が2月1日、300円ショップの「3COINS」を運営するパル(本社:大阪市中央区北浜)に運営を移管した。

ミナミの「低価格おしゃれ雑貨戦争」の舞台だった


ブランドの発信拠点となった「ミナミ」

「ASOKO」は2013年3月、南堀江に1号店を出店。
「サプライズをたのしもう」をコンセプトに掲げており、従来の100円均一ショップとは異なり、最低価格21円から最高2万円台までの幅広い価格帯の商品も揃えるのが特徴で、フライングタイガーとともに「低価格おしゃれ雑貨戦争」として取り上げられた。また、当時はミナミへのH&M系列の姉妹アパレルブランド「MONKI」「WEEKDAY」の日本1号店進出も重なったことで、ブランド発信拠点としての「ミナミ」の地位を高める結果となった。

出店戦略で迷走

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ASOKO梅田NU茶屋町店。

ASOKOを運営する遊心クリエイションは、主力ブランドであるアパレル事業「YEVS(イーヴス)」の多店舗展開を進めており、「イオン」、「三井ショッピングパーク」、「モラージュ」などショッピングセンターへの出店で店舗網を拡大、「ASOKO」も当初は3年間で50店舗の新規出店を目指しており、2013年9月27日に東京・原宿に路面店を進出して以降、梅田の「NU茶屋町」や神戸ハーバーランドの「Umie」などへ出店をしたが、2014年夏以降出店が停滞していた。

 

3COINSのノウハウは活かせるか

運営会社である遊心クリエイションの清算と運営店舗の全店閉鎖が一度は発表されたもの、ASOKOに関してはバルが事業を継承することで存続が実現した。
旗艦店「梅田NU茶屋町店」は今年1月31日をもって閉鎖したもの、当初発表されていた全店閉鎖には至らず、南堀江店、原宿店、神戸umie店の3店舗は2月1日付でパルに譲渡された。

パルも遊心と同様に大阪発祥の企業であり、元々は雑貨でなくアパレル(ジーンズショップ)から事業を発展させたという共通点がある。
「3COINS」の姉妹ブランドとなった「ASOKO」であるが、両ブランドとも「リーズナブルな雑貨商品」を提案しており、顧客の重複もみられる。
改めてブランドのコンセプトを明確にしたうえで同質化を避ける必要があろう。

系列アパレル「YEVS」はどうなる?

「YEVS」については2016年1月時点で全国33店舗が営業していたが、1月中に半数を超える店舗を閉鎖、2月1日時点では僅か14店舗のみの営業となっている。
1月末には「公式WEBストア」、「楽天市場」を閉鎖するなど清算に向けた準備がされているとみられる一方、「金沢エムザ店」、「グランフロント大阪店」、「イオンモール和歌山店」、「モラージュ佐賀店」 「イオンモール鹿児島店」の5店舗に関しては詳細な閉店時期は未定であり、大手ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」上での販売も継続していることから、一度は全店閉鎖が発表されたASOKOと同様に、他社への運営譲渡の可能性が残されている。

外部リンク:ASOKO
外部リンク:YU-SHIN CREATION CO.,LTD. | 株式会社遊心クリエイション
外部リンク:YEVS OFFICIAL WEB STORE | イーブスオフィシャルウェブストア
外部リンク:PAL CO.,LTD | 株式会社パル
外部リンク:3COINS | ¥300 SHOP

あべのキューズモール、2016年春リニューアル-新たな核にビックカメラ

天王寺のショッピングモール「あべのキューズモール」が3月~5月にかけて大規模リニューアルを行うことを発表した。
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あべのキューズモール。

開業以来初のリニューアル、新たな核に「ビックカメラ」

「あべのキューズモール」は東急不動産が運営するショッピングモールで、天王寺駅前に2011年4月に開業。
 現在の核店舗としては「109」、「東急ハンズ」、「イトーヨーカドー」などが出店している。
今回の大規模リニューアルは開業以来初のものとなり、約100店舗が新規出店、もしくは移転・改装リニューアルする。

改装後の新たな核の1つとなるのは「ビックカメラあべの店」。3階に出店し、売場面積は約2,500㎡。
ビックカメラはなんば店(旧プランタン跡)に続き、大阪2号店となる。なお、現在出店している家電量販店「エディオン(旧ミドリ電化)」は退店し、ハルカスに移転する予定。
また、核店舗の1つである「109 ABENO」でも15店舗でリニューアルを行う。
その他にも、キャラクターショップの「ディズニーストア」、「スヌーピータウンショップ」、「どんぐり共和国(ジブリオショップ)」や、北欧の人気雑貨店「フライングタイガー」など、ファッションにこだわらない新店舗を増やす。
また、キャラクターショップの出店に合わせ、3階に新たに子供の遊び場を設けるなど、家族連れへの対応を強化する予定。
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店舗前では阪堺電車の軌道リニューアル(移設)工事も行われている。
工事は2016年度末ごろまで続く予定。

外部リンク:あべのキューズモール
外部リンク:開業から5年。『あべのキューズモール』初の大規模リニューアル(あべのキューズモール)