札幌市電の延伸区間が12月20日に開通し、環状運転が開始される。
延伸工事が行われている西4丁目電停。
待望の環状運転開始
札幌市電は大通公園に近い西4丁目電停から市街地南部を通り、すすきの電停まで至る約8.4kmの路線。
今回新たに開通するすすきの電停-西4丁目電停間は約400mで、これにより路線の環状化(ループ化)が実現する。
両電停の間には新たに狸小路電停が設置される。
札幌市電路線図。(札幌市ウェブサイトより引用)
延伸工事により移設されたすすきの電停。
40年ぶりの路線復活
今回延伸されるすすきの-西4丁目(当時は三越前)間は1973年に廃線となっていた区間で、札幌駅前通りを市電が走行するのは実に42年ぶり。
延伸に先駆けて、2013年から超低床車両「ポラリス」(A1200形)の導入が、 今年5月からはすすきの電停の移設工事などが、 そして8月末からは新設区間の狸小路附近においてもレール敷設工事が開始されていた。
通行量が多い通りであり、工事は主に深夜に行われた。
延伸工事のため設けられた仮設電停に停車するポラリス。
在来車両もまだまだ活躍する。1958年製の210形。
行き先表示や地下鉄乗り換え指定駅の変更も
路線の環状化に伴い、環状運転を行う電車の行き先表示は「内回り循環」「外回り循環」のみの表記に変更される。市電に乗り慣れない人や観光客は、最初は戸惑うかも知れない。
環状運転化と狸小路電停の新設により、地下鉄との乗り継ぎ指定電停も変更される。
運賃は延伸前と変更されず、均一料金170円(小人90円)、地下鉄乗継290円(小人150円)となる。
新たな方向幕イメージ。 (札幌市ウェブサイトより)
地下鉄との乗り継ぎ指定電停も変更される。
(札幌市ウェブサイトより)
また、新設区間は、国内では珍しい、線路が歩道近くに寄せられるサイドリザベーション方式となる。
札幌市では新路線の開通に際し、軌道敷にカラー舗装を整備、横断防止柵を設置するなどの対策を取っており、違法駐車などで電車の通行を妨害しないように呼びかけている。
新設区間はサイドリザベーション方式を採用(狸小路電停南側)。
開通記念で駅前通りが「歩行者天国」に
市電延伸を記念し、12月19日には西4丁目~すすきの間の札幌駅前通りが歩行者天国となる。
歩行者天国内では、南1西4スクランブル交差点付近で昼12時より開通記念式典が挙行されるほか、狸小路電停開設式、紅白餅の配布、体験試乗会、電車図書館、腹話術イベント、雪ミク電車やM101号の展示など様々なイベントが行われる予定となっている。
開通記念イベントの概要。(札幌市ウェブサイトより)
毎年恒例の雪ミク電車も新線区間に乗り入れる。
今年は3月27日までの運行。(札幌市ウェブサイトより)
雪ミク2016©Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
(現地取材:都商研・オーシャン通信室)
外部リンク:札幌市(市電)