カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

イオンモールいわき小名浜、8月着工-2018年夏開業目指す「防災拠点モール」

いわき市小名浜に建設予定の「イオンモールいわき小名浜」(仮称)が2018年夏の開業を目指して2016年8月22日に起工することになった。
スクリーンショット 2016-07-09 21.10.14イオンモールいわき小名浜(いわき市HPより)

福島県初のイオンモール、当初は2016年開業予定だった

「イオンモールいわき小名浜」(仮称)はいわき市小名浜のアクアマリンふくしま近くに出店。
敷地面積約39,400㎡、延床面積は約94,000㎡を予定。完成すれば福島県初のイオンモールとなる。
鉄骨5階建てで、1階はピロティ駐車場。2階から5階には、総合スーパーや専門店街、シネマコンプレックスなどが入る予定となっている。
スクリーンショット 2016-07-09 23.16.28イオンモール予定地周辺。(google mapより作成)

同モールは、東日本大震災後に福島県といわき市が進めていた土地整備事業計画地区である小名浜港背後地の中心施設として出店。
当初は2016年春に開業する予定であったが、資材の高騰や人手不足により計画が大きく遅れていた。
いわき復興のシンボルとしても期待される同店は今年8月23日に起工する予定で、2018年夏の開業を目指す。

津波・地震対策が施された「防災拠点モール」

イオンモールいわき小名浜は5階建てだが、1階部分を駐車場にすることで災害時の津波荷重を受ける面を減らすピロティ構造となる。
また、2階は津波防災上十分な高さに設けられるとともに、隣接する水族館「アクアマリンふくしま」方面からの避難経路としてペデストリアンデッキが整備される。
スクリーンショット 2016-07-09 23.04.54耐震性を高めた天井のイメージ。(いわき市HPより)

このほかにも耐震性の高い天井や受水槽などが設けられるなど、同モールは小名浜の「防災拠点」としても大きな期待を寄せられており、いわき市も同店を生かすかたちでの地域整備・活性化に取り組むとしている。

外部リンク:小名浜港背後地(都市センターゾーン)における複合商業施設の建設について(いわき市HP)

筑波西武・八尾西武、2017年2月末閉店-百貨店リストラに突き進むセブンアイ

セブンアンドアイホールディングス(本社:東京都千代田区)が、傘下の百貨店「そごう・西武」が運営する「西武百貨店筑波店」(茨城県つくば市)と「西武八尾ショッピングセンター・西武百貨店八尾店」(大阪府八尾市)を2017年2月末を目途に閉店させる方針であることが分かった。
P1000597-
西武百貨店筑波店。

筑波西武・八尾西武閉店、本年度中にも

両店の閉鎖は、2017年2月末にも実施される見込み。
セブンアンドアイホールディングスは、2016年2月に「西武百貨店春日部店」を、9月に「西武百貨店旭川店」と「そごう柏店」を閉鎖させる一方で、他店は黒字経営であるために閉店の検討は行っていないとしていた。

筑波西武-
イオンと2核1モール、日本唯一「村にある大手百貨店」だった

西武百貨店筑波店」は、つくば科学万博に合わせて1985年3月に新治郡桜村(現・つくば市)に開業。
当時、村にある大手百貨店は日本唯一で、開店当初は周辺人口が少なかったために西武のショールーム的な存在の店舗だった。
開店時は日本初のスパイラルエスカレータが導入されたことでも話題を呼んだが、現在は撤去されている。
入居する「クレオスクエア」(売場面積30,832㎡)は、筑波都市整備株式会社が所有。そのうち、西武百貨店は売場面積16,688㎡を占める。
クレオスクエアは総合スーパーの「イオン」(売場面積6,681㎡)と2核1モールを形成している。
かつては各地に多くの百貨店が立地していた茨城県であるが、筑波西武が閉店した場合、県内の百貨店は水戸京成百貨店のみとなる。
なお、筑波西武では7月ごろに外装の大規模改修を行っており、閉店の方針はまさに「寝耳に水」だったと思われる。
P1000578-
イオンと2核1モールを形成する。今夏は外壁補修中。

八尾西武-
 ショッピングセンターとして開業、現在はアリオと連結

西武百貨店八尾店」は「西武八尾ショッピングセンター」の核店舗として1981年5月に開店。建物は八尾市都市開発株式会社が所有している。売場面積は37,536㎡。
八尾西武は、高槻西武、大津西武、つかしん西武などとともに従来の百貨店に専門店を加えた「ショッピングセンター」として開業した(当時は百貨店としての出店申請が難しかった背景もある)。2016年現在も、ユニクロ、ロフト、エディオン、無印良品、ABC-MART、山野楽器、JINSなど数多くのテナントが出店している一方、近年は類似したテナントが出店するショッピングセンターとの競争も激しかったと思われる。
また、隣接する「アリオ八尾・イトーヨーカドー八尾店」(2006年12月開業)と連絡通路で接続されたことは、西武百貨店のセブンアンドアイホールディングス入りを印象づける出来事であった。八尾西武の広告塔屋には「アリオ」の名前も記されている。
八尾西武の閉店は、接続するアリオ八尾・イトーヨーカドー八尾店にも大きな影響を与えるであろう。
jpg16D3A6BF83662D28EBEFBFA8ADF9261570E3E52E116860208^pimgpsh_fullsize_distr1
西武八尾ショッピングセンター。

2017年2月追記:八尾西武跡は9月ごろに専門店街として生まれ変わる予定。
(後日、新記事を配信予定)

続く「突然の閉店」、百貨店の信頼を損ねる結果にも

今回の閉店は、今年5月にセブンアンドアイグループのトップに就任した井阪隆一社長が主導する「100日プラン」と呼ばれる構造改革案によるもので、経営資源をコンビニエンスストア事業に集中するとともに、2013年に買収した通信販売「ニッセン」をセブン&アイの完全子会社にすることで、合理化を図るという。
「そごう・西武」は、西武鉄道との再合流を検討していたともされるなか、2005年に買収防衛のために大手流通傘下に入る道を選び、電撃的なセブンアンドアイホールディングス入りを果たした。
一方で、近年のセブンアンドアイホールディングスは、総合スーパー事業(イトーヨーカドー)の不振もあり、自らが進んで買収した「そごう・西武」や「ニッセン」の急速な合理化(リストラ)を推し進める一方で、経営資源をコンビニエンスストア事業(セブンイレブン)に集中させようとしている。
特に、2016年以降に閉店となる「旭川西武」、「春日部西武」、「柏そごう」、そして今回閉店を発表した「筑波西武」、「八尾西武」は、その立地や競合環境からすれば、他社百貨店の経営であれば即刻閉店するような環境の店舗ではなく、経営努力や店舗の改装、業態転換などをおこない存続を図っていた可能性も高いと考えられる。
 sogokashiwa1
9月30日で閉店となる柏そごう。

セブンアンドアイホールディングス傘下入り後の「そごう・西武」の多くの店舗では、合理化により「百貨店らしい」内装や販売手法さえも大きく変化してしまった。
RIMG5959-2
名物だった「からくり時計」も合理化の対象となり、稼働停止に。

それに加えて、今回のセブンアンドアイホールディングスによる百貨店の立て続けの閉店は、これまで百貨店が長年にかけて築いてきた「のれん」をも大きく傷つけることに繋がるのは必至であろう。

続報がある場合、記事更新・追加記事を掲載いたします。
(2016年8月4日更新、閉店時期を追加) 

外部リンク:筑波西武
外部リンク:八尾西武
関連記事:西武百貨店旭川店・旭川ロフト、9月30日閉店
関連記事:そごう柏店、9月30日閉店-問われる経営判断

バスタ新宿、4階にコンビニエンスストア「ポプラ」出店へ

新宿駅南口バスターミナル「バスタ新宿」(渋谷区)に、売店としてコンビニエンスストアの「ポプラ」(広島市)が出店することが分かった。
北側6-1
バスタ新宿。

開業から約半年、ようやく決定したコンビニ出店

バスタ新宿は4月4日に開業した国内最大級の高速バスターミナル。国土交通省東京国道事務所によると、開業1ヶ月間で58万人が利用したという。
バスタ新宿はルミネによる新商業施設「ニュウマン」と直結しているものの、バスタ内にはコンビニエンスストアや売店が設けられておらず、また「ニュウマン」には”ラグジュアリィな店舗”が多いため、バスの乗車前に気軽に買い物できる店が限られており不便だという声が多くあがっていた。

ポプラ、バスタ4階に出店-家賃は450万円/年

ポプラが出店するのは、バスタ新宿4階(のりばフロア)の、現在コインロッカーが設置されている附近。
面積は123㎡(バックヤードなど含む)で、開業は2017年になる予定。
営業時間や屋号(ポプラでは「ポプラ」以外に旧髙島屋系列の「生活彩家」等も運営)などはまだ発表されていない。契約期間はポプラの占有開始より5年間。家賃は年間約450万円。
ポプラは、大阪市内を中心に駅売店を転換した小型コンビニの運営を行っているという実績がある。
なお、店舗の完成までは仮店舗で営業する可能性もあるという。
P1060483s
ポプラが出店するバスタ4階。

外部リンク:入札占有計画の認定について(国土交通省関東地方整備局東京国道事務所)
外部リンク:バスタ新宿
関連記事:JR東日本、新宿駅に「Suicaペンギン像」を設置
関連記事:京王新宿高速BT、5月8日閉鎖-バスタ開業で
関連記事:新宿駅「バスタ新宿」4月4日開業-19のバス停を集約
関連記事:新宿駅「ミライナタワー」「ニュウマン」3月25日開業

丸広百貨店東松山店、2016年8月末までに全館リニューアル-銘菓強化、丸善出店、高齢化対応も

埼玉県東松山市の「丸広百貨店東松山店」が全館のリニューアルを行い、7月から8月にかけて順次オープンする。
shop18-1
丸広百貨店東松山店。
(全日本デパートメントストアーズ開発機構ウェブサイトより)

出店から62年、地域密着の百貨店

丸広百貨店東松山店は1954年に開店。丸広百貨店(川越市)としては、飯能店(創業店)、川越本店に次ぐ3号店だった。
現在の店舗は1970年10月に開店したもので、地上5階、地下1階建て、売場面積は9,880㎡。
東松山市は北に熊谷市(八木橋百貨店が立地)、南に坂戸市(丸広坂戸店が立地)が隣接しているため、同店の商圏はほぼ東松山市内のみ。店舗前は「まるひろ通り商店街」となっているほど、地域に密着した百貨店である。

「食」強化、高級品から日常までカバー

今回の改装の目玉の1つとなるのが、食品売場の大幅増床。
従来は地階のみであった食品売場を、1階の一部にまで拡大。
地階では対面販売の強化をおこなうほか、日用生活雑貨の売場を4階から移動させるなど、品揃えの充実を図った。さらに、イートインを新設し、館内で購入した食べ物をその場で食べることができるようになった。
もちろん、従来の丸広百貨店各店と同様に、比較的安価な日常的食品の販売も継続するため、スーパーマーケット的な使い方もできる。
1階では新たに銘菓・銘店の売場を新設。全国銘菓のコーナーを設けたほか、「銀座コージーコーナー」、「ヨックモック」などといった銘店も新規導入し、都心百貨店にも負けない品揃えとなっている。食品売場の改装は7月中に終了している。
hm-1-1-1
銘店の新規導入・リニューアルも実施(公式サイトより)。

目玉の丸善書店、8月31日開店

食品以外の売場でも売場の移設・改装が行われ、多くの売場が明るい雰囲気に生まれ変わった。4階より下の階は7月中にリニューアルオープンを迎えている。
また、5階フロアは大規模な改装を実施中で、目玉として8月31日に大型書店の「丸善書店」(丸善ジュンク堂書店、826㎡)が出店する。
なお、5階にあった大型催事場などは4階へと移設されているほか、5階のレストラン「マーガレット」もリニューアルオープンする。

高齢化社会を見据えた対応も-小都市店のモデルになるか

そのほか、今回の改装では永年の懸案であったエレベータの設置を実現。高齢化社会に対応するため、新たにシルバーカートの預かりサービスや、買い物同行(手助け)なども実施。スーパーマーケットとは違う「百貨店ならでは」のきめ細やかなサービスを行うことで、集客に努める。
さらに、トイレの整備・増設や、レストスペースの増加、店内案内の更新(文字の拡大)なども行い、あらゆる世代が買い物しやすい店舗に生まれ変わったという。
大駐車場(400台収容)は従来と変わらず無料となる。
 higasimatsu1-
エレベータを新設。
(公式サイトより、明るさなどを補正)

東松山市の人口は9万人ほどで、フルラインの百貨店が立地する都市としては非常に小さい部類に入る。
今回の改装は、中小都市に立地する店舗が多い丸広の今後を、そして中小規模の地方百貨店の将来を見据えた店舗改革の1つのモデルケースとなろう。
※画像は丸広百貨店ウェブサイト、全日本デパートメントストアーズ開発機構ウェブサイトより引用したものです。

外部リンク:丸広百貨店東松山店 New&Refreshオープン情報 

ドン・キホーテなんば千日前店、7月27日開店-ジュンク堂跡にミナミ5店舗目

大阪市中央区難波千日前のY.E.S.NANBAビルに、ディスカウントストア「ドン・キホーテなんば千日前店」が7月26日開店した。
nambadonki2-
ドン・キホーテなんば千日前店。

よしもとのエンターテイメントビルとして開業

ドン・キホーテが入居する「Y.E.S.NANBAビル」は、吉本興業の多角化戦略の一環として、なんばグランド花月(吉本興業本社)向かいに1996年に開業したもので、Y.E.Sとは「よしもとエンターテイメントステーション」の略。
当初は、ジュンク堂書店の大阪1号店「ジュンク堂書店なんば店」、TSUTAYAの旗艦店「TSUTAYA records namba」、「大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)」、「YES-fm」などが営業していたが、開業後すぐに地下1階のTSUTAYAが撤退。TSUTAYA跡地にはお笑い劇場「baseよしもと」が入居し、関西で活動する若手芸人の拠点となった。

吉本がビル売却、テナントの動きが流動的に

Y.E.S.NANBAビルでは近年も2011年にはbaseよしもとが上層階へ移転し、「5upよしもと(現よしもと漫才劇場)」と名前を変えて営業を再開。さらにbaseよしもと跡地には「NMB48劇場(シアター)」が入居し、現在もNMB48の活動拠点となるなど、吉本興業系のビルとしての存在感を示してきた。
しかし、2013年にビルの所有者が吉本興業から他企業に移ると、ワッハ上方が7階の僅か約120㎡にまで規模を縮小。さらに2016年3月には核店舗の「ジュンク堂書店難波千日前店」が撤退するなど、近年はテナントの動きが流動的になっていた。
ジュンク堂書店の撤退に関しては「家主の意向」だったことから、ドン.キホーテを入店させるためだったと考えられる。
sennniti4
ジュンク堂書店は3月に閉店。

観光客に照準-関西最大級のコスプレコーナーも

ドン・キホーテなんば千日前店の売場面積は2,222㎡。
大阪市では13店舗目(サンバード長崎屋の運営店を含む)、ミナミでは道頓堀(2店)、新世界、上本町に次いで5店舗目のドンキとなる。
nambadonki3
ミナミで5店舗目のドンキ。

コンセプトは「関西初のサブカルチャー発信店舗」「日本一おもしろいドン・キホーテ」。
館内では、特に化粧品・薬・インポートブランドが充実しているほか、関西最大級のコスプレコーナーやネイルサービス、アニメグッズを展開。館内には複数個所に休憩スペースも設けられている。
donkinamba1
タコ焼きコーナーも充実している。

また、ウェルカムクルーの配置や、7通貨対応の外貨精算サービスも行っており、国内外の観光客来店を意識したかたちの広域商圏型店舗となっている。
なお、今回のドンキ出店で、AKB48劇場に続いてNMB48劇場も事実上ドンキが核となるビルに入居する形式の劇場となる。nambadonki4
館内のようす。

外部リンク:2016年7月27日(水) 『ドン・キホーテなんば千日前店』オープン!〜関西発のサブカルチャー発信拠点誕生〜
外部リンク:驚安の殿堂 ドン・キホーテ
関連記事:ジュンク堂書店千日前店跡、ドン.キホーテに-7月開店
関連記事:ジュンク堂書店千日前店(旧難波店)、3月21日閉店

ドン・キホーテ京都アバンティ店、2016年7月22日開店-ドンキ、京都駅前に初出店

京都駅八条口前(駅裏)の複合商業施設「京都アバンティ」2階に、ディスカウントストア「ドン・キホーテ京都アバンティ店」が2016年7月22日に開店した。
AVANTY
京都アバンティ。

現在はOPAが運営するアバンティ

ドン・キホーテが入居する京都アバンティは1984年3月に開業。売場面積は14,682㎡。
開業以来、関西地場大手スーパー「イズミヤ」を核店舗として営業しており、1998年には渋谷系ファッションを中心とした店舗構成の「イズミヤFISMY京都店」に業態転換。さらに、2011年にはダイエーグループ(現・イオングループ)のファッションビル「OPA」に運営を委託、大規模なリニューアルが行われていた。

「京都駅前」初出店、立地活かし観光客向けサービスも

ドン・キホーテ京都アバンティ店は京都府4店舗目のドン・キホーテで、京都駅近くでは初出店。売場面積は1,660㎡。
食料品、化粧品、ブランド品、家電製品、衣料品、玩具、バラエティグッズなどを取り揃え、駅近くという立地を生かし、ビジネス関連商材の充実で出張客の獲得を目指す。
また、訪日観光客向け商品が充実していることも特徴。「抹茶味のお菓子」など定番商品のほか、「手ぬぐい」「箸」など京都ならではの民芸品、コスプレ衣装では「着物」や「模造刀」なども多く取り揃え、訪日客のネット需要に対応する「SIMカード」なども目立つ位置に陳列されている。
AVANTYdonki
「観光地・京都」を意識した店内。

また、京都府内のドン・キホーテで初となるウェルカムクルーの配置や、7通貨対応の外貨精算サービスでインバウンド需要の獲得を図るなど「京都ならでは」の独自サービスを展開していることも特徴となっている。
AVANTYdonki2
館内随所で「京都らしさ」をアピール。

京都駅前で進む商業集積、インバウンド獲得乗り出すドンキ

観光都市・京都の玄関口である京都駅前には、1997年にJR京都伊勢丹を核店舗とする京都駅ビルが、2007年にはビックカメラが開業。さらに2010年にはイオンモール、ヨドバシカメラが開業するなど、ここ20年間で急速に大型店の商業集積が進んでおり、観光客をターゲットとした売場を設ける店舗も多くある。
全国各地のドン・キホーテでは、化粧品や菓子を大量に買い込む訪日観光客の姿が目立つようになっているが、ドン・キホーテ京都アバンティ店でもそういった光景が繰り広げられることは間違いないであろう。
P1040858-
アバンティに隣接するJR京都駅(伊勢丹)。

外部リンク:2016年7月22日(金) 『ドン・キホーテ京都アバンティ店』オープン! ~観光都市・京都の玄関口にインバウンド強化店誕生~

いちまる、続々と「マックスバリュ」転換-2015年の「MV北海道」入りで、旗艦店も屋号消滅

北海道十勝地方の地場大手スーパー「いちまる」の旗艦店「イーストモール」(帯広市)の核店舗「イーストモールいちまる」が2016年7月22日で閉店し、2016年7月29日より新たにマックスバリュとして生まれ変わる。
イーストモール1-
イーストモールいちまる(MV北海道サイトより)。

提携巡り迷走、結局イオングループになり「マックスバリュ」化

いちまるは1955年に帯広市創業したスーパーマーケットで、十勝地方では「フクハラ」(アークスグループ)、「ダイイチ」(セブンアイグループ)と並ぶ地場大手スーパーマーケットの1つだった。

プラザ。いちまる池田店(MV北海道サイトより)。

いちまるは2000年より道内最大手の地場スーパー「ラルズ」(アークスグループ)との業務提携を発表したが、2003年に離脱。
2005年からは全日食グループとなり、さらに2011年には地場スーパー「ダイイチ」との業務資本提携を発表したものの、2013年7月にダイイチがセブンアイグループとなると、袂を分かつ形で2013年10月にイオングループ入りしていた。
その後、スーパーの「いちまる」は2015年10月より「マックスバリュ北海道」の運営となり、法人としての「いちまる」は不動産管理や、旧いちまる店舗内外での衣料品店、飲食店の経営などを行う企業となっている。

イーストモール、惣菜など強化-衣料は今後もいちまる運営

「イーストモールいちまる」は1999年に開店したショッピングセンター。
売場面積は4,138㎡で、マックスバリュグループとなっている「いちまる」の食品スーパーのほかに、現在も「いちまる」が運営する「生活衣料館」「レストランひまわり」「サーティーワン」(FC)なども出店している。
今回のマックスバリュ転換では、地場生鮮品を強化したほか、中食需要の高まりから和惣菜・サラダ売場の売場を2倍に拡大。 さらに、惣菜バイキングコーナーなどを新たに設けるという。
また、イーストモール内のヤマダ電機跡には、新たに大型書店「岡書」とTSUTAYAが出店する。
eastmall
改装後のイーストモール(MV北海道サイトより)。

消える「いちまる」-屋号消滅も間近か

帯広市周辺では2016年3月までマックスバリュの店舗が無かったものの、いちまるのイオングループ入り後はいちまる店舗のマックスバリュ転換が相次いでおり、3月には「プラザ。いちまる」(帯広市)、5月には「パルティいちまる」(中札内村)を、それぞれ「マックスバリュ稲田店」、「マックスバリュ中札内店」に転換している。
DSCF0742-1
マックスバリュに転換した「パルティいちまる」(MV北海道サイトより)。

早急な屋号転換の動きは、これまで未出店地域であった帯広地区において「マックスバリュ」の知名度を上げたいという思惑もあると考えられ、近い将来「いちまる」の屋号が消えることも予想される。
地場スーパーが次々と大手傘下入りしている十勝地方。店舗が改装されることは喜ばしい反面、十勝に永年根付いてきた屋号の消滅を淋しく思う人も多いであろう。パーク1-
永年親しまれた「一に○」のマークも数年後には消滅か。
(パークいちまる、MV北海道サイトより)。

※画像はマックスバリュ北海道ウェブサイトより引用。
(一部画質補正、トリミング)

外部リンク:イーストモールいちまるが生まれ変わります!7 月29 日(金)「マックスバリュイーストモール店」リニューアルオープン!(マックスバリュ北海道、PDF)
外部リンク:いちまる

イオンモール常滑、2017年増床-大型シネコン導入へ

愛知県常滑市にある東海地方最大級のショッピングセンター「イオンモール常滑」が、2017年中に増床し、大型のシネマコンプレックスを核として入居させる計画であることが分かった。
IMG_0001s1
イオンモール常滑。

観光需要は多いものの「日常客の獲得」が課題だった

イオンモール常滑は2015年12月4日に中部国際空港の対岸のりんくう常滑駅そばにオープン。
売場面積は約82,800㎡(温泉などアミューズメント含む)、総店舗数は約190店で、東海地方最大級のショッピングセンターとなっている。
空港前という立地を生かして「海と空を120%楽しむエンターテイメントパーク」をコンセプトに、観光客・インバウンド需要にも対応した商業ゾーンのほか、遊園地「ワンダーフォレストきゅりお」、温泉施設「常滑温泉 マーゴの湯」、「ポケモンストア」などを併設。ゲームセンター「AMUSE FACTORY」にはフライトシミュレーターも導入されており、施設内から空港を発着する飛行機を眺めることもできるため、広域から多くの観光客を集客している。
 IMG_0008s1
ワンダーフォレストきゅりお。

一方で、イオンモール常滑は、空港前という立地、さらに遊園地などを併設しているという店舗特性のため、休日に比べて平日客数が少ないことが課題であったという。

「家電量販店」と常滑初の「シネコン」で巻き返しを図る

そこで、イオンモール常滑では、6月17日に新たに1階に大型家電量販店「コジマ×ビックカメラ イオンモール常滑店」を導入。
さらに、来年には増床してシネコンを導入することで、地元の日常的利用客を増やしたい考えだという。
 2016年現在、常滑市には映画館が存在しておらず、常滑市民にとっても待望の映画館の誕生となろう。

りんくうビーチも改装-盛り上がり見せるりんくう常滑地区

イオンモール近くにある「りんくうビーチ」では、砂浜から飛行機が間近に見えると好評であり、イオンモール開業後初の夏となる今年は更なる利用客増が見込まれるため、今夏中に新たに水上遊具や飲食店を設置する計画もある。
市民待望のシネコン計画とともに、今後ますます「りんくう常滑地区」が盛り上がりを見せそうだ。
IMG_0022-1
再整備が行われるりんくうビーチ。

外部リンク:イオンモール常滑
関連記事:イオンモール常滑、12月4日開業

堺北花田阪急、2017年7月31日閉店-イオンモール堺北花田、改装へ

大阪府堺市北区の百貨店「堺北花田阪急」が2017年7月に閉店する。
追記:閉店日は7月31日となる。
sakaikitahanada1
堺北花田阪急。

イオンモール堺北花田の核店舗

堺北花田阪急は大阪市営地下鉄北花田駅前に2004年10月28日に開店。
新日鐵社宅跡の再開発によって建設された「ダイヤモンドシティプラウ」(現在の「イオンモール堺北花田」、売場面積55,000㎡)の核店舗で、売場面積は16,000㎡。総合スーパーのイオン北花田店(売場面積18,000㎡)と2核1モールを形成している。
阪急百貨店としては、関西唯一の阪急阪神グループ沿線外の店舗だった。
aeonmall_sakaikitahanada01
イオンモール北花田の全体。

近隣に新たなイオンモール、立て直し難しく

堺北花田阪急の2016年3月期の年商は88億円、営業利益はマイナス2億円。
2016年3月には約5キロほど西側に「イオンモール堺鉄砲町」が出店したばかりで、競合店の進出により今後の業績の立て直しが困難であると判断したものと考えられる。
aeonmall_sakaiteppocho
イオンモール堺鉄砲町。

阪急阪神百貨店の閉鎖は、2016年1月のあまがさき阪神(食品館のみ存続)、2月の阪急百貨店台湾撤退(台湾の阪神百貨店は存続)以来となる。
今回の閉店に伴い、阪急阪神百貨店は7億8000万円の減損損失を計上する。

追記:イオンモール、2017年秋リニューアルに向け改装

阪急百貨店の閉店日は7月31日。
イオンモール堺北花田は2017年春のレストラン街、ウェルカムコート改装を皮切りに、2017年秋の完成を目指して全館リニューアルを行なうことを発表した。阪急百貨店跡地にはファストファッションや家電などの大型専門店を中心に約40店を誘致する。

外部リンク:H2Oリテイリング決算短信(閉店について言及)
外部リンク:2017年秋「イオンモール堺北花田」は大きく生まれ変わります!
外部リンク:堺北花田阪急
関連記事:あまがさき阪神、食品館を残し撤退-開業から僅か6年
関連記事:阪急百貨店、台湾撤退-統一グループとの契約満了で

ダイエー町田店、2016年7月21日開店-3年ぶりに営業再開

東京都町田市のJR町田駅前に食品スーパー「ダイエー町田店」が7月21日に開店した。
daiei_machida1-
ダイエー町田店。

ダイエー跡のタワーマンションに再出店

ダイエー町田店は、旭化成不動産レジデンスが開発・分譲を手掛ける複合マンション「アトラスタワー町田」の低層階(1階・2階)に出店。
店舗面積は約1,290㎡で、かつて同地に店を構えていた「ダイエーグルメシティ町田店」が2013年に閉店して以来、約3年4ヶ月ぶりのダイエー復活となった。
 daiei_machida_kanban1
町田の街に再び戻ってきた「daiei」の看板

町田駅直結で「町田のまちをおいしいと言わせたい!」

ダイエー町田店では、「町田のまちをおいしいと言わせたい!」をスローガンに、充実した食品コーナーを展開する。

1階:生鮮食品・日用消耗品のフロア

フロアコンセプト「料理したい!」
1階では主に生鮮食品を販売。
青果部門では町田市産の野菜にこだわり、地元・玉川大学で栽培されている「LED野菜」の販売にも取り組むほか、ダイエー碑文谷店(5月閉店)など一部店舗で実施されていた「ミニトマトバイキング」を導入。
精肉部門では自社系列牧場産の「さつま姫牛」「さつま王豚」を取り揃え、鮮魚部門では対面販売を実施するなど鮮度を重視した売場づくりを目指す。

さつま姫牛も販売する精肉コーナー。

2階:食料品・デリカ・酒・イートインのフロア

フロアコンセプト「食べに行きたい!」
2階は弁当、総菜などに力を入れるコンビニ的な売場。JR町田駅からペデストリアンデッキで直結する立地を活かし、イートインスペースを充実。
惣菜部門では量り売りスタイルの「D’sセレクション」を導入し、35種類のパンや挽き立てコーヒー、カフェオレを取り揃える「Café de D」を展開するなど、単身者や女性をターゲットとした「食」の提案を打ち出す。

2階玄関を入ってすぐに惣菜コーナーが展開。

また、加工食品売場では町田市名産品等推奨委員会認定の「アールグレイパウンドケーキ」「黒大蒜キムチ」など地域商品も販売する。

かつてのダイエー首都圏進出の核、ダイエー町田店

ダイエー町田店の前身となる「ダイエー原町田店」(原町田ショッパーズプラザ)は1969年開業。
 地下1階地上5階建で、館内には日本初のハンバーガーチェーン「ドムドム」1号店が出店するなど、ダイエーが首都圏に本格進出するにあたり画策した「東京レインボー作戦」の旗艦店であった。
その後、1983年にディスカウントストア業態の「トポス」に転換。1996年11月にはダイエーグループのパソコン・周辺機器中心とした家電量販店「メディアバレー」の1号店を出店させ、トポスを食品スーパー「グルメシティ町田店」に業態転換した。
しかし、1998年11月に町田駅前にヨドバシカメラが出店すると、メディアバレーは客足を奪われて2000年2月に閉店。
2000年4月にメディアバレーが入居していたフロアに100円ショップとしては日本最大の売場面積(当時)を持つ「ザ・ダイソー ギガ町田店」を導入し、生き残りを図った。
しかし、2013年3月にグルメシティ、ダイソーともにビル老朽化のため2013年3月に閉店。
跡地には、地上22階建の複合高層マンション「アトラスタワー町田」が建設された。

スーパー競争激化する町田駅周辺

現在、町田駅周辺には「町田東急ストア」、「富士ガーデン」(ミーナ町田1階)、「miniピアゴ」など、スーパーマーケットが数多く出店している。
また、来年2月には町田市内に本社を置く地場有力スーパー「三和」の新規出店計画も持ち上がっており、町田駅界隈は更なる競争激化が必至だ。
 
IMG_8470-
JR町田駅前。

町田駅前に約3年4ヶ月ぶりに戻ってきたダイエー。
かつては大きな存在感を示していた店舗だけに、激戦地と化した町田駅界隈で、再び「ダイエーファン」を作り出すことができるかが鍵となろう。

ダイエー町田店

東京都町田市原町田3-2-8
営業時間:7:00~25:00
(1000円以上購入で駐車場1時間無料/駐輪場あり)

外部リンク:ダイエー町田店|東京都|ダイエー店舗情報
関連記事:町田モディ、4月29日全館改装ー目玉は「ロフト」