イズミグループ傘下の食品スーパー「スーパー大栄」(北九州市八幡西区)は、同じイズミグループに属する「ユアーズ」(広島市東区)からの九州・山口北西部地区全店舗(旧丸和運営店舗)の移管、事業承継に伴い、2019年3月1日に「ゆめマート北九州」への社名変更を行った。店舗は順次「ゆめマート」の屋号に転換されている。
ゆめマートに転換したスーパー大栄D&D田川大任店。
イズミ、丸和と大栄を「ゆめマート」に統一
「スーパー大栄」は1962年7月創業。最盛期にはショッピングセンター「D&D」、生鮮ディスカウント「フレッシュ8」(旧・鮮ど市場)など60店舗近く展開していたが、2014年1月にイズミの傘下となった。イズミ傘下となる前から行われていた不採算店の閉鎖により、2019年2月時点での店舗数は19店舗まで減少している。
イズミ傘下となって以降は、「ゆめドラッグ」の導入や販売商品、物流、ポイントサービスの共通化を進め、2016年6月には運営する全店舗を「ゆめマート」に転換している。
スーパー大栄は「トマト」がシンボルだった。
「丸和」は1947年に福岡県小倉市(現・北九州市)で創業。
同社は日本初の24時間営業スーパーとして知られ、最盛期にはショッピングセンター「サンパル」、高級食品スーパー「ラ・パレット」など60店舗ほど展開、持ち帰り寿司チェーン「寿司本舗季咲楽」(旧・小僧寿しチェーン)の展開も行っていた。
キャッチフレーズは「まーるいわ、うれしいわ、こころは、たのしいわー ま、る、わっ」。
2005年には広島地盤の有力食品スーパー「ユアーズ」のグループ企業となり、2007年には「アパンダ」を運営していた「石原商事」(北九州市小倉南区、旧スーパーなかのなど)を傘下に収めたが、競合店との競争激化や旧アパンダ不採算店舗の引き継ぎにより経営が悪化、2011年にはユアーズに吸収合併され、同社の1ブランドとなっていた。店舗数はイズミ傘下となる前から行われていた不採算店の閉鎖により、2019年2月時点で14店舗まで減少していた。
ゆめマート小倉店(旧丸和小倉店)。
2015年にイズミ傘下となって以降、旗艦店であった行橋サンパルをイズミ本体に譲渡し「ゆめタウン南行橋」としてリニューアル、一部大型店舗の「ゆめマート」ブランド化や販売商品、物流、ポイントサービスの共通化を進めている。
かつて丸和の旗艦店だったゆめタウン南行橋。
なお、今回の合併に合わせて行橋駅前(えきマチ1丁目行橋の別館)にある「ゆめマート行橋駅前」(旧・鮮ど市場)は2月末に、久留米市の「ゆめマート国分店」(旧・大栄)は3月末に閉店となる。
丸和ブランド消滅へ、72年の歴史に幕
ゆめマート北九州の発足に先駆け、2019年2月より丸和の一部店舗(恒見、東門司、板持、南仙崎、朽網、あいタウン飯塚など)では「ゆめマート」への看板取替工事が進められている。他店舗の看板も順次「丸和」から「ゆめマートへ」と交換されるとみられ、創業70年を超える老舗食品スーパー・丸和はその歴史に幕を下ろすこととなる。
一方、地元紙の報道によると、創業地である「丸和小倉店」は「ゆめマート小倉」に改称されたものの看板は当面変更される計画はないといい、今後もしばらくの間は小倉唯一となった「丸和」の看板を目にすることができそうだ。
また、小倉、東門司、南仙崎各店の24時間営業も継続される。
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